終身建物賃貸借契約の手引き
終身建物賃貸借契約とは
終身建物賃貸借を使うと、
賃借人は、
生涯同じ家に住み続けることができるので、
安心して
暮らすことができます。
賃貸人は、
契約が安定的に終了するので、
契約終了後に発生するさまざまな手続きをより
スムーズに進めることができます。
このように、
賃借人・賃貸人の両方にメリットがある制度です。
終身建物賃貸借契約とは、
賃借人が死亡するこ
とによって賃貸借契約が終了する
(賃借権が相続
されない)
契約です。
賃借人の居住の安定を図ることができるだけで
なく、
契約が安定的に終了するので、
契約終了に
伴って発生する手続きを円滑に進められます。
終身建物賃貸借を使う
と、
どんないいこ
とがあるのでしょうか?
終身建物賃貸借をするためには、
認可を受ける必要があります。
❶事業を行おうとする賃貸住宅の位置や戸数、
賃貸の条件等を記載した事業認可申請書
を作成し、 ❷間取図等の必要な書類を添付して、 ❸都道府県知事等の自治体の長に提出してください。
また、
手すりの設置など、
バリアフリーのための一定の基準に適合していることが必要です。
認可を受けたあと、
終身建物賃貸借契約を結ぶことになります。
基本的に賃借人は60歳以上の高齢者に限られます。
終身建物賃貸借をするためには、
何か準備が必要ですか?
60歳未満の人であっても、
配偶者が60歳以上の高齢者であれば、
配偶者と同居する場合
には入居することができます。
また、
認可を受けた賃貸住宅に、
高齢者以外の人が普通借家契約等で入居することは差し
支えありません。
なるほど、
認可を受ける必要があるんですね。
終身建物賃貸借の認可を受けた
建物には、
高齢者以外の人は一切入居でき
ないのでしょうか?
終身建物賃貸借の認可を受けようとする建築物が政令市又は中核市にある場合はそれぞれ
の市に、
それ以外の市町村の場合は都道府県にお問い合わせください。
それなら使いやすそ
うですね。もっ
と詳しいことを知り
たいのですが、
どこに問い合わせればいいですか?
大家さんのための
《よくあるご質問》
は裏面へ
わかりました。さっそく訊いてみます!
よくあるご質問
終身建物賃貸借と普通建物賃貸借はどのよう
な点で異なるのですか。
〒100‐8918 東京都千代田区霞が関2‐1‐3 TEL:03‐5253‐8111
(内線39‐865、
39‐834)
国土交通省住宅局安心居住推進課
URL http://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk7_000013.html
公正証書等の
書面による
契約に限る
契約の方法
区分
契約の更新
借賃増減請求権
賃借人からの
中途解約の
可否
書面による契約でも、
口頭による契約
でも可
※(注記)紛争防止のためには書面が望ましい
❶〜❹の場合に、
賃借人から解約の申入れを行うことができます。
❶療養、
老人ホーム等への入所等により、
居住することが困難と
なったとき
❷親族と同居するため、
居住する必要がなくなったとき
❸賃貸人に改善命令違反があったとき
❹6ヶ月以前の解約の申入れ (❶〜❸は、
申込後1ヶ月を経過することにより終了)
●くろまる期間の定めがある場合は不可
●くろまる期間の定めがない場合はいつでも
申入れ可 (申込後3ヶ月を経過することにより終了)
賃借人の死亡に至るまで
当事者間で定めた期間
(1年以上)
又は
期間の定めなし
− 正当事由がない限り更新される
借賃の額の増減を請求できる
※(注記)賃料を改定しない特約があるときは増減を請求できない
借賃の額の増減を請求できる
※(注記)賃料を増額しない特約があるときは増額
を請求できない
相続の有無
なし
※(注記)賃借人の死亡後の同居配偶者等の一時居住
(1か月)
及び申し出に基づく継続居住の契約は認められる
あり
普通建物賃貸借
終身建物賃貸借QA 以下の表のとおりです。
賃借権が相続されない契約とすること
で、
貸主には
どのよう
なメリットがあるのでしょう
か。QA ●くろまる入居者が亡くなってしまったとき、
普通賃貸借契約だと、
その時点では契約が確実に終了したと言えないので、
居室
に立ち入ることができない場合があります。
また、
契約を解除するためには、
入居者の相続人を探し出し、
相続
関係が確定していない場合は、
相続人全員に対して解除の申し入れを行わなければなりません。
●くろまる終身建物賃貸借契約は、
賃借権が相続されない契約であり、
入居者が亡くなった時点で確定的に契約が終了
するので、
次の契約までの手続きをスムーズに進めることができます。
入居者との契約時に認可をと
るのでは、
時間がかかりすぎ
るのではないですか。QA ●くろまる個々の契約ごとに認可をとるのではなく、
事前に認可を得ておく制度です。
認可を得ていれば、
契約のたびに改めて
申請などを行う必要はありません。
契約を結ぶ上で参考になるよう
な、
標準的な契約書などはありますか。QA 国土交通省のホームページで終身建物賃貸借契約の標準契約書を公開していますので、
ぜひご活用ください。
期間又は期限
●くろまる終身建物賃貸借では、
一定の期間を定めて、
期間の到来又は契約者の死亡のいずれか早い方を契約の終期とする契約を結ぶことも可能です。
これを期間付死亡時終了建物賃貸借といいます。
書面によって
契約をする
建物の賃貸借
賃貸人
(認可を受けた事業者)
賃借人