06/01/19 第10回労働政策審議会労働条件分科会最低賃金部会議事録 第10回労働政策審議会労働条件分科会最低賃金部会議事録 1 日 時 平成18年1月19日(木)11:00〜11:30 2 場 所 厚生労働省専用第21会議室 3 出席者 【委 員】公益委員 今野部会長、石岡委員、勝委員、武石委員、 田島委員 労働者側委員 加藤委員、須賀委員、??石委員、??橋委員、 中野委員、横山委員 使用者側委員 池田委員、川本委員、杉山委員、原川委員、 前田委員 【事務局】厚生労働省 青木労働基準局長、松井審議官、熊谷総務課長 前田勤労者生活課長、名須川主任中央賃金指導官、 山口副主任中央賃金指導官、梶野課長補佐 4 議事次第 (1) 今後の最低賃金制度の在り方について (2) その他 5 議事内容 しろまる今野部会長 それでは、ただ今から第10回最低賃金部会を開催いたします。本日は中窪委員がご欠 席です。 それでは、早速議題に移りたいと思います。本日の議題は「今後の最低賃金制度の在 り方について」であります。 前回、12月20日に公益委員試案修正案をお示しして、ご意見をいただき、さらに、 12月27日のとりまとめに向け調整していただいたわけですが、使用者側から意見集約に 時間が足りないとの申出があったため、本日まで延期をさせていただきました。 それでは、改めて公益委員試案修正案について労使各側からご意見を伺いたいと思い ます。まず使用者側の方からお願いいたします。 しろまる川本委員 それでは、地方の意見をとりまとめるということで、各団体は性格が違うものですか ら、まず私の方から申し上げたいと思います。 一応この部会におきまして、私の方から、すべての労働者を対象とする、地域別最低 賃金に屋上屋を架している産業別最低賃金は廃止すべきと、従来から主張してきたとこ ろでしたが、昨年11月18日の部会において示されました公益委員試案とその後の修正案 について、産業別最低賃金、及び労働協約拡張適用方式を廃止する旨が示されたことは 高く評価いたしているところです。その一方で、別の法的根拠を設けて職種別設定賃金 を設けるとの考えは、屋上屋を架すことには変わりなく、また、地域別最低賃金と生活 保護との整合性を明確にするとの考えはにわかに賛同できません。しかしながら、労使 の主張が平行線になる中、公益委員から試案が示されたということを重く受け止め、試 案について地方の意見を聞き議論をしていきたいということを重ねて申し上げてきた次 第です。そういう中で、前回の部会において、今、部会長からお話がありましたけど、 年内のとりまとめに向けて最大限努力したいということで調整をしてくれと、こういう ことがございまして、再度地方の意見の集約を行ったわけです。その結果、現段階では、 試案の内容では合意できない、あるいは、詳細がわからないので判断ができない、とい う回答が47都道府県のうちの約9割を占めた次第です。このような地方の意見を踏まえ、 この試案について、さらに詳細に検討していかなければ合意に至れないということです。 したがって、引き続き試案について議論を行っていきたいというのが現段階における私 どもの意見です。以上でございます。 しろまる今野部会長 他にございますでしょうか。 しろまる原川委員 私ども中央会も、11月に試案が出たときに、各都道府県の中央会と私どもの組織選出 の地方最低賃金審議会の委員の意見を聞いたわけです。そのときは8割の反対があった わけです。理由は今、川本委員がおっしゃったようなことですけれども。それで、年末 に報告案が出まして、急遽、年初にもう一度手持ちの資料、例えば職種別設定賃金のイ メージといったこれまで議論されたようなものを提供して、なるべくニュートラルに地 方の意見を聞いたわけです。産業別最低賃金の廃止ということは私ども中央会の全国大 会決議になっているわけでして、それも長年の要望事項となっていた経緯があります。 そういうことで、地方に職種別設定賃金の設定を含めて最低賃金法の改正についてすべ きかどうか聞いてみたわけでございます。その答えは、かなり説明をしたわけですがこ の案で合意していいという意見と、受け入れられないという意見、ちょうど半々という 結果になったわけです。したがって、現段階では合意はできないということでして、私 どもも、今後、引き続き詰めた議論をやっていきたいと考えております。 しろまる今野部会長 ありがとうございました。 あと、池田委員の方からご意見があるかもしれませんが、いらっしゃったら改めてお 聞きすることにさせていただきます。次に、労働者側委員からお願いいたします。 しろまる須賀委員 私の方から労働者側を代表して、試案修正案に対する労働者側としての受け止めを表 明したいと思います。私どもは当初の試案が示された段階から、公益委員の皆様方がこ れまでの労使の議論を踏まえて試案を示されたことに対して非常に重く受け止めつつ、 一部修正をされた修正案についても、同様の視点で受け止めてきたことをまず表明した いと思います。その上で、労働者側の判断としては、産業別最低賃金が最低賃金法から 外れて制度が廃止されることについては、極めて大きな痛手を負うと判断しますし、こ のこと自体残念なことだと考えております。また、新たな法的根拠に基づく職種別設定 賃金も別建てかというものについては、確かに経営側もおっしゃるように、多くの面で 運用の不明確な点もあるわけですし、そうした課題は抱えますが、敢えてもう一方での 地域別最低賃金も含めた全体像をとらえて、その中で、詳細な部分はこれから詰めてい こうという決断をした上で、このまとめ案について合意をしていこうという前提で、私 ども労働者側としては全体をとりまとめてきた経過があります。したがって、今、経営 側の方から、それぞれの団体を代表する形で状況のご報告がありましたが、私ども労働 者側としては、こうした試案が示されたにも関わらずまとめ得なかったことについては、 極めて遺憾であると考えております。また、でき得るならばという前提はついていたと 思いますが、今月から開催される、第164回通常国会に改正案を出そうという方向で検 討してきたことが、そういった意味では、大枠であったにしても、見送らざるを得ない 状況にあるということについても、残念に思っていることを表明しておきたいと思いま す。いずれにしても、新しい枠組みに基づく最低賃金法をきちんと立ち上げるというこ とでこれまで部会に臨んできましたので、そういった、労働者側の努力を是非重く受け 止めていただくように、この場で最後にお願いしておきたいと思います。以上です。 しろまる今野部会長 労働者側、他にございますか。よろしいでしょうか。 それでは、池田委員が来られましたので。先ほど使用者側の委員に伺ったのですが、 池田さんの方からあれば。 しろまる池田委員 私の方は、全国の主な商工会議所、会員で構成する労働小委員会を対象に意見を聞か せていただきました。前回も申し上げましたとおり、産業別最低賃金を最低賃金法から 削除することに関しては、皆さんから評価をいただいておりますが、結果的には90%が、 職種別設定賃金の運用に関する議論は最低賃金法改正の議論と一括で行うべき、という 回答でした。理由は、運用の内容がわからなければ職種別設定賃金と産業別最低賃金は 十分に比較検討ができないということです。したがって、職種別設定賃金の導入を前提 とした最低賃金法改正後に運用について審議、というスケジュールには合意ができない というのが大勢でして、最低賃金法の改正については地域別最低賃金の議論と併せて、 今後十分に時間をかけて議論をさせていただきたい、というのが意見です。 しろまる今野部会長 各側からご意見をいただきましたが、他にございますでしょうか。よろしゅうござい ますか。 それでは、今ご意見をお聞きいたしましたが、現段階では部会としての合意を得るこ とができないと判断せざるを得ないと考えます。したがって、部会長としては、厚生労 働大臣から諮問があった「今後の最低賃金の在り方」について、次のような趣旨の報告 を中間報告として、労働条件分科会会長及び労働政策審議会会長に報告をさせていただ きたいと思います。その趣旨は、「公益委員試案を前提に合意できるという意見がある 一方で、公益委員試案についてさらに詳細について検討しなければ合意できないという 意見が示されたことから、現段階では、今後の最低賃金制度の在り方について部会とし ての合意を得ることができなかった。したがって、部会としては、公益委員試案を尊重 しながら引き続き議論を継続していくこととする。」こういう趣旨で中間報告をさせて いただきたいと思います。よろしゅうございますか。部会長としては大変残念なのです が。現段階ではこういう形で処理をさせていただければと思います。 しろまる須賀委員 部会長のそういう、全体としてのまとめをされるということについては異論がないの ですけれども、直接この部会との関わりはない事項なのですが、いくつかの地域から、 これから行われる地域での審議に関わる、この部会と関係のある事項がいくつか地方か ら指摘されていますので、そのことについてちょっと要望を申し上げたいと思いますけ ど、よろしゅうございますか。 ご案内のように、この部会でのまとめができなかったということは、現行の産業別最 低賃金を含む最低賃金法が、これからまた現行どおり運用されていくということになっ てくるわけです。そうすると、地域の審議会における、審議の影響を懸念している労働 者側の地方の委員がたくさんおります。それは、特に廃止の議論が中央でされているわ けだから、産業別最低賃金についてはこれからしばらく凍結するという動きがあったり、 あるいは、そうした審議は必要ないという言い方をしたり、場合によってはいくつか新 設の申出をしている所もあるわけですけど、そういう状況の中で新設は受け付けられな いと。結論が出ないのはもちろんなのですけど、部会の検討があるからそれができない という言い方をいろいろな所でされていて、これだったら本来の、現在でもちゃんと生 き続けている最低賃金法に基づく審議がないがしろにされると考えますので、是非この 影響については回避をするように、部会としての合意をしていただければありがたいと 思いますし、事務方には是非、こうしたことを地方に徹底をするようにお願いしたいと 思います。 とりわけ昨年末に、日経新聞にも大々的に「産業別最低賃金を廃止」、「地域別に一 本化、そして」というようなことがありました。これは報道機関の誤報道ですから、そ れはそれでいいといたしますけど、こういう部分が必ず地域に影響してまいりますので、 是非そうしたことがないように配慮いただくよう、重ねてお願い申し上げたいと思いま す。 しろまる今野部会長 他にございますでしょうか。よろしいですか。 それでは、今、私が申し上げたような趣旨で報告をさせていただきたいと思います。 具体的な文言については私にご一任いただければと思いますが、いかがですか。よろし ゅうございますか。 (異議なし) しろまる今野部会長 それでは、そのようにさせていただきます。 その他に何か、ご意見なりございますか。 しろまる須賀委員 先ほど、それぞれ経営側の各団体の状況についてご報告、あるいはまとめ得ないとい うご発言をいただいたのですが、十分時間をかけてというお話がいくつかあったと思い ます。私どもとしても、しっかりとした審議をすることについてはやぶさかではないの ですが、そんなに長い時間をかける必要はないかと思うので、できるだけ早い段階で、 部会としての全体の大枠での合意が得られるように、そんなに時間的に長くかけないと いうことを要請させていただきたいと思います。 しろまる今野部会長 いずれにしても、今日はこういう結論になりましたので、私としては、今後の部会運 営については改めて考えさせていただきたいと思います。その上で、部会の運営につい ては改めてご案内申し上げたいと思います。公益委員試案を出したということは、公益 委員はあのようになってほしいと意思表示したわけですから、実現させたいと考えてい ますが、いろいろな事情があるので、運営の方法については改めてもう一度考えさせて いただきたいと思います。 それでは、本日の会議はこれで終了したいと思います。本日の議事録の署名ですが、 ??橋委員と。竹口委員、いらっしゃらないのですよね。そうしたら、使用者側は。 しろまる前田勤労者生活課長 原川委員にお願いします。 しろまる今野部会長 原川委員でよろしいですか。 しろまる原川委員 はい。 しろまる今野部会長 では、原川委員にお願いしたいと思います。 それでは、今日は終わります。ありがとうございました。 【本件お問い合わせ先】 厚生労働省労働基準局勤労者生活部 勤労者生活課最低賃金係 電話:03−5253−1111 (内線 5532) 1

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