05/07/11 厚生科学審議会地域保健健康増進栄養部会第15回議事録 第15回厚生科学審議会地域保健健康増進栄養部会 日時:平成17年7月11日(月)14:00〜16:00 場所:経済産業省別館944号会議室(9F) ○しろまる出席委員 石井みどり委員、加賀谷淳子委員、加藤尚武委員、加藤陸美委員、菊田信子委員、 木村隆次委員、坂本雅子委員、笹月健彦委員、澁谷いづみ委員、多田羅浩三委員、 土屋隆委員、富永?ハ民委員、中村丁次委員、久道茂委員、松本和夫委員、 村田昌子委員、渡邊昌委員(17名) ○しろまる厚生労働省出席者 (健康局)田中健康局長、岡島審議官、瀬上参事官、石井総務課長、 中島生活習慣病対策室長、北地域保健室長、野村保健指導室長 ○しろまる次第 I 開会 II 議題 (1)「健康日本21」代表目標項目の選定について (2)食育基本法の成立について (3)「食事バランスガイド」について (4)「運動所要量・運動指針の策定検討会」の設置について (5)その他 III 閉会 瀬上参事官 お暑い中、お集まりいただきましてありがとうございます。あらかじめ御連絡をいた だいた委員の皆様、全員おそろいでございますので、定刻よりは若干早いようでござい ますが、開会をさせていただきたいと存じます。 本日の出席状況は、委員定数25名のうち17名の委員の御出席をいただいております。 なお、途中で2、3の委員、御退席をいただくというお知らせもいただいております。 私どもも田中健康局長、中途で中座させていただきます。審議官はいましばらく用務で 遅参しておりますが、後ほどまいる予定でございます。 あらかじめ、配付資料の確認をさせていただきます。 議事次第、委員名簿、座席表のほか、資料1−1が「健康日本21における代表目標項 目(案)」でございます。なお、これはこれまで御議論いただいております中で、評価 をすべきとか、例えば前回、たばこに関して目標値を設定すべきというような強い意見 をいただいておりますけれども、現在掲げられている目標値をもとに編集してある考え 方の整理メモということでございます。内容については後ほど御議論ください。 資料1−2が「健康日本21における目標値に対する暫定直近実績値等」。1−3が 「中間評価作業チーム設置要綱」でございます。 資料2は、先ごろ成立いたしました食育基本法に関して。 資料3−1と2が、フードガイドの説明資料。 資料4−1、4−2が、運動所領量、運動指針の策定を進めるべきだという御提言を 受けて、その検討会の設置要綱、及び運動指導者の普及定着に関して再検討ということ で、その検討委員会の設置の考え方。 資料5が、地域がん診療拠点病院のあり方に関する検討会についての設置要綱。 資料6が、これまでの議論の整理に関しての確定版ということでございます。 不足、落丁等ございましたら、事務局へお申しつけください。なお、最後に申し上げ ました議論の整理につきましては、前々回及び前回の皆様方の意見を、修正を加えた確 定版でございます。 それでは以後、部会につきまして、久道部会長にお願いを申し上げます。よろしくお 願いします。 久道部会長 それでは、議事を進めたいと思います。まず、議題(1)「健康日本21代表目標項目 の選定について」、中島室長よりお願いいたします。 中島生活習慣病対策室長 生活習慣病対策室長でございます。お手元にお配りをしております資料の1−1、 1−2、1−3に基づきまして、御説明を申し上げます。 まず、資料1−3でございます。「健康日本21中間評価作業チーム設置要綱」という ものを用意させていただいておりますが、「健康日本21」、平成17年が中間年というこ とで、中間評価をするということになっておりまして、このために専門の作業チームと いうものを設けさせていただいておるところでございます。 資料の2ページでございますが、「健康日本21」の計画策定に携わっていただいた先 生方を中心に作業チームを構成させていただいておりまして、富永先生に座長をお引き 受けいただいているということでございます。こうした中で、中間評価暫定直近実績値 に基づく各分野の評価を現在進めておりまして、適宜、その当面の報告ということで、 本部会でも作業チームの先生方から報告を受けておるところでございます。 そうした中で、作業チームの議論として、この「健康日本21」を今後進めていくに当 たって、現在の9分野70項目というもの、この70項目そのものを、当然2010年に目標値 を達成するということは重要だけれども、今後、「健康日本21」を推進していくにあた って、ある程度代表目標項目といったようなものを選定していくことも1つの方策では ないかということを、特に富永座長のほうから御意見がございました。 基本的に私ども、「健康日本21」策定時に70項目、これは厳選に厳選を重ねたものだ ということでございまして、当然この70項目すべてが重要だという基本認識には変わり はございませんけれども、今後の啓発・普及にあたって、「健康日本21」を代表すると 考えられるような項目というものについていくつかピックアップをしてみたら、という アドバイスもいただいて、私ども及び中間評価作業チームで御議論をいただいたものと いうのを、本日資料1−1として提示をさせていただいているものでございます。こう した70項目の中から実は、奇しくもでございますけれども、「健康日本21」ということ なので、これは偶然ではありますが、21個という形で項目値を選ばせていただいておる わけでございまして。 その基本的な考え方というのは、1つはやはり9分野、栄養、運動、休養、たばこ、 アルコール、歯、それからがん、循環器、糖尿というそれぞれの分野の中で、やはりこ れらの施策の基本方針といったものを踏まえると、その分野を代表すると考えられる目 標項目といったものが、1つの考え方としてあるだろうと。 それから2つ目が、各分野においていくつかの目標値が定められておりますが、そう した目標値がそれぞれ達成されることによって最終的にこうした目標値も達成されると いう、ある意味では最終的、集約的な目標値というものもあるだろうと。 それから3つ目は、これまでの進捗状況等を踏まえると、特に力を入れて達成に向け て努力をしていかなければならないというものもあるだろうということで、各分野にお ける基本方針等からその分野を代表すると考えられるもの、また各分野において設定さ れている各種目標を達成することによって、最終的な結果としてあらわれてくるであろ う目標値、それからこれまでの進捗状況から今後特に対策を進めていく必要があるであ ろうという目標値、というような基本的考え方を3つぐらい置きまして、そうした観点 から作業チームのほうで作業を行っていただいて、ここに掲げたようなものを挙げさせ ていただいたということでございます。 具体的な説明につきましては、資料1−2の、すでに何回かお出しをしております、 そのあとアップ・ツー・デートなデータには替えさせていただいていますが、「健康日 本21における暫定直近実績値」、資料1−2に即して説明をさせていただきます。 1ページおめくりいただきまして、ここに計70の目標項目が提示されております。右 から2つ目の欄に網掛けになっておりますのが、目標値に近づいているのではなくて目 標値から逆に遠ざかってしまっているという目標項目については、右から2つ目の欄に 網掛けをさせていただいています。 ただ、7ページをおめくりいただきたいわけですが、7ページの注の2行目でござい ますが、アステリスクをつけている暫定直近実績値については、実は策定時のベースラ イン値を把握した調査と、暫定直近実績値を把握した、この場合は国民健康・栄養調査 が大半でございますが、そうしたデータのベースが違うものについてはこういうマーク を入れさせていただいていますが、このマークを付したものについては、ぱっと見たと ころ悪化傾向にあるものもあえて網掛けをしていないと。単純比較はできないという理 由から網掛けはしていないということを、御了解いただければと思います。網掛けをし ておるのは、データのラインが共通なもののみをやっております。 まず、分野ごとに一通り70項目の中を説明させていただいて、その中からワーキング チームのほうで選出していただいた目標項目を紹介するという形で、説明をさせていた だきます。 「栄養・食生活」につきましては、ここに書いてありますように計14の目標値を定立 させていただいているところです。「適正体重を維持している人の増加」。「脂肪エネ ルギー比率の減少」。「食事摂取量の減少」。「野菜摂取量の増加」。成人について 「カルシウムに富む食品の摂取量の増加」。次に、「自分の適正体重を認識し体重コン トロールを実践する人の増加」。それから「朝食を欠食する人の減少」。それから 「量、質ともにきちんと食事をする人の増加」。ここについては、定義として「1日最 低1食、きちんとした食事を家族等2人以上で楽しく、30分以上かけてとる人」の割合 ということが、きちんと食事をするというところの一応の目安ということでありまし て、後ほど説明する一種の食育的な要素であります。こういうあれです。 次に、「栄養成分表示を参考にする人の増加」。次に、「自分の適正体重を維持する ことができる食事量を理解している人の増加」。次に、「自分の食生活に問題があると 思う人のうち、食生活の改善意欲のある人の増加」。次のページでございますが、「ヘ ルシーメニューの提供の増加と利用の促進」。次に、「学習の場の増加とそうした学習 の場への参加の促進」。それから、「学習や活動の自主グループの増加」と。こういっ た14の項目を選ばせていただいています。 この中で代表項目として選ばせていただいていますのが、1−1、「適正体重を維持 している人の増加」。1−2、「脂肪エネルギー比率の減少」。1−4、「野菜摂取量 の増加」。1−7、「朝食を欠食する人の減少」。この4つを代表目標項目として、と りあえず選ばせていただいているということです。 まず1−1、「適正体重を維持している人の増加」につきましては、やはり栄養摂取 全般の状態を反映し、エネルギー摂取とその消費のバランスを示す指標だということで あります。また、今後、メタボリック・シンドローム対策を進めていく上でも、内臓脂 肪の肥満対策を進めていくことが重要であるということとともに、本部会等でも紹介、 御議論をいただいておりますが、中高年男性の肥満者の増加といったものが特に問題と されていると。こうしたことから、この1−1を選ばせていただいたということでござ います。 次に1−2と1−4、「脂肪エネルギー比率の減少」と「野菜摂取量の増加」でござ いますが、脂肪エネルギー比率の増加を抑えることや野菜摂取量を増加させることは、 循環器疾患やがん予防に効果的だ。しかし、現状においては、脂肪エネルギー比率の明 らかな減少や野菜摂取量の明らかな増加といったものはみられていない、こうした現状 を踏まえまして、こうした比率減少、摂取量増加は、積極的に取り組んでいくべき課題 ということでありまして、個人における食事を代表する目標項目として選定をしておる ということでございます。 それから1−7、「朝食を欠食する人の減少」ということでは、食育という観点から は、正しい食行動をとることが重要でありまして、それを代表する目標項目として選ん だということでございます。以上が、「栄養・食生活」の分野でございます。 2ページの「身体活動・運動」でございます。これについては、計6項目でございま す。また、これについては20歳以上の成人と高齢者のみの目標値というものに分かれて おるわけですが、1つが「意識的に運動を心がけている人の増加」。2つ目に「日常生 活における歩数の増加」。3つ目に「運動習慣者の増加」ということでございます。こ の運動習慣者というのは、ちょっときつめの定義でございますが、「1回30分以上の運 動を週に2回以上実践し、1年以上持続しておられる方」だということで、30分以上の 運動を週に2回やって1年以上それに努めておられるという方の増加ということでござ います。それから高齢者についての指標としては、「外出についての積極的態度を持つ 人」。「何らかの地域活動を実施しておられる方」。そして成人全体同様の「日常生活 における歩数の増加」ということでございます。 運動面では、代表項目としては、「日常生活における歩数の増加」というのは成人と 高齢者それぞれと、「運動習慣者の増加」といったことでございます。実質的には2 つ、形式的には3つを選ばせていただいております。まず、運動習慣者の増加につきま しては、身体活動・運動分野においては運動を実践しておられるという結果を示す指標 でもあり、1つの代表項目ではないかということです。それから、日常生活における歩 数増加につきましては、健康づくりにおいては日常生活における身体活動の増加といっ たものも重要でないか。そういう意味では、身近に取り組める身体活動・運動はウオー キングであります。そうした観点から、身体活動量を示す指標として、このような歩数 の増加といったものを選定したということでございます。 3ページでございます。「休養・こころの健康づくり」については、4つの目標値が ございます。1つが、「ストレスを感じた人の減少」。次に、「睡眠による休養を十分 にとれていない人の減少」。次が、「睡眠確保のための補助品やアルコールを使うこと のある人の減少」。そして、「自殺者の減少」ということでございます。 「休養・こころの健康づくり」については、「睡眠による休養を十分にとれていない 人」というところと、「自殺者の減少」というものの2つを選ばせていただいたという ことでございます。睡眠による休養につきましては、やはり休養という観点からは、睡 眠による休養といったものが典型的ではないかということでございますし、自殺者の減 少につきましては、今や自殺者3万人を超えているということですが、その背景の1つ としては、こころの問題であります「うつ」といったものが指摘されているわけであり ます。そうしたうつ病の指摘、さらには自殺者の増加といったものが大きな社会問題と なっておることから、今後、重要な課題として、これを代表項目としてはどうかという ことで選ばせていただいたところでございます。 次に、「たばこ」でございます。「たばこ」については4つでございます。「喫煙が 及ぼす健康影響についての知識の普及」。「未成年者の喫煙をなくす」。それから、 「公共の場及び職場における分煙の徹底及び効果の高い分煙に関する知識の普及」。そ して、「禁煙支援プログラムの普及」ということでございます。 「たばこ」につきましては、4−2の「未成年者」、4−3の「受動喫煙」、4−4 の「禁煙支援」、この3つを選ばせていただいたところでございます。「たばこ」分野 につきましては、この項目にあるような形で施策の柱がございます。1つが知識の普 及、2つ目が未成年者喫煙、3つ目が受動喫煙、4つ目が禁煙支援ということでござい ますが、たばこの健康に及ぼす影響に関する知識については、ある程度普及していると いうふうにも考えられないか。そういうことですので、具体的な行動目標である「未成 年者の喫煙」というのと、「禁煙支援プログラムの普及」といったものをまず挙げる。 それから、健康増進法の施行により注目が集まっていますが、さらに対策の強化が必要 であると考えられる「受動喫煙目標」というものもそこに加え、計3つという形で選ば せていただいているというところでございます。 4ページでございます。「アルコール」については、3つございます。「多量飲酒者 の減少」。多量飲酒者は「1日に60グラムの平均純アルコールを超えてお酒を飲まれる 方」ということでございます。2つ目に、「未成年者の飲酒をなくす」。3つ目に、 「節度ある適度な飲酒」。これは「1日平均純アルコール20グラム程度」ということで ございますが、そうした知識を普及していくということでございます。 これにつきましては、やはり成人と未成年、それぞれについて代表項目ということ で、まず「多量飲酒者の減少」ということと、「未成年者の飲酒をなくす」ということ を目標代表値として選んでおるところです。成人については、肝疾患、脳卒中、がん等 への健康影響が問題となる多量飲酒者の問題。それから未成年者については、たばこ同 様の未成年者のアルコールの問題ということで選ばせていただいておるところでござい ます。 「歯の健康」でございます。歯につきましては、幼児期、学齢期、成人期、さらには 歯の喪失防止という観点から、13の目標値が設定されております。幼児期としまして は、「う歯のない幼児の増加」。それから、「フッ化物歯面塗布を受けたことのある幼 児」と。それから、「間食として甘味食品・飲料を頻回(これは1日3回以上というこ とですが)飲食する習慣のある幼児の減少」。それから学齢期のう蝕予防では、「1人 平均う歯数の減少」。「フッ化物配合歯磨剤の使用の増加」。「個別的歯垢清掃指導を 受ける人の増加」というもの。成人期の歯周病につきましては、「進行した歯周病の減 少」。「歯間部清掃用器具使用の増加」。それから、これは再掲になりますが、「たば この知識」と「禁煙支援プログラム」と。歯の喪失防止では「8020=80歳で20歯以上、 60歳で24歯以上の自分の歯を有する人」。それから、「定期的な歯石除去や歯面清掃を 受ける人」。それから「歯科検診の定期的な受診者の増加」と、この計13が挙がってい るわけですが、歯につきましては、まず学齢期のところで「1人平均う歯数の減少」と いうところと、5ページ、歯の喪失防止のところで「8020」のところを代表項目として 選んでおるところでございます。 まず、「8020」というところは、歯の健康については種々の歯科保健対策を講じるこ とによる結果として、80歳で20、60歳で24以上の歯を有するということになりますの で、これを選ばせていただきました。また、こうした成人における目標とともに、乳児 期、学齢期を代表する目標として、「1人平均う歯数の減少」といったものも選ばせて いただいたというところでございます。 次に「糖尿病」でございます。以下、「糖尿病」、「循環器病」、「がん」につきま しては、以上申し上げた「栄養」とか「たばこ」のところの目標項目とダブる部分もご ざいますけれども、まず「糖尿病」については「肥満者減少」、「歩数増加」、「バラ ンスのとれた食事」ということ。そして、「糖尿病検診の受診促進」。それから「健診 受診後の事後指導の推進」、そして「糖尿病有病者の減少」、それから「治療の継続 」、「合併症の減少」。この合併症の減少の中には、腎、失明等がありますが、こうい う項目でございます。この中から、糖尿病としては7−4、7−5、7−6ということ で、「糖尿病検診の受診促進」、それから「検診後の事後指導の推進」、そして「糖尿 病有病者の減少」といったものを選ばせていただいております。その背景については最 後に、循環器病、がんとあわせて説明をいたします。 次、6ページ、「循環器病」でございます。循環器病につきましては、11の目標値で ございます。1つが「食塩摂取量の減少」。「カリウム摂取量の増加」。「肥満者の減 少」。「運動習慣者の増加」。それから「高血圧の改善」ということで、以上申し上げ た「栄養」、「運動」、それから「アルコール」分野で一定の取り組みをしていく結 果、血圧というものを平均最大血圧で約4.2mmHg低下をしていくということも、1つの 試算としてあるということで、こうした高血圧の改善のとりあえずの推計といったもの をさせていただいておるところでございます。 それから、たばこ対策の充実、高脂血症の減少、糖尿病有病者の減少、飲酒対策の充 実、検診を受ける人の増加、そして生活習慣の改善による循環器病の減少ということで ございまして、先ほど8−5で説明しましたが、栄養、運動、アルコール分野での取り 組みの一定の成果による血圧の低下。さらには、たばこ分野で喫煙率を抑えることによ る高脂血症等の増加抑制によって、循環器病といったものを減少させていこうというこ との目標でございます。「循環器病」につきましては、この中から8−7の「高脂血症 の減少」、8−10の「健診を受ける人の増加」、そして8−11、「生活習慣の改善によ る循環器病の減少」ということの、この3つを選ばせていただいたところでございま す。背景については、最後に説明をいたします。 それから7ページであります。「がん」でございます。がんについては7項目。「た ばこ」、「食塩」、「野菜」、「果物」、「脂肪エネルギー比率」、「飲酒対策」、そ して「がん検診の受診者増加」ということでございますが、がんにつきましては、この 9−7、「がん検診の受診者の増加」といったものを代表項目として選ばせていただい ているというところでございます。 まず、「糖尿」、「循環器」、「がん」で、今挙げさせていただいた背景を改めて説 明いたしますと、まず糖尿病、循環器病、がんの分野において、一次予防に関する目標 は、すでに栄養、運動、たばこ等の分野での代表目標項目として重複しておるところで ございまして、この分野では二次予防と発症の抑制といったところに関する項目を代表 項目として選ばせていただいたということでございます。いわゆる二次予防という観点 からは、「糖尿病、循環器病の検診を受ける人の増加」、「がん検診を受ける人の増加 」、そして「糖尿病の健診受診後の事後指導の推進」というところでございます。 それから発症者の抑制という点では、「糖尿病有病者の減少」、「高脂血症の減少 」、「生活習慣の改善による循環器病の減少」ということの、この3つを挙げさせてい ただいておるというところでございます。 お配りしております資料1−1でございます。少し駆け足でございますが、今説明い たしましたようなものを、一次予防、それから二次予防、それから疾病の発症、さらに は死亡者数等の減少という形で、再整理をして並べさせていただいたものが、ここにあ るものでございます。一次予防という点では、「栄養・食生活」では、ここに挙がって いるもの。「身体活動・運動」では2つ。「休養・こころの健康づくり」といったもの は、「睡眠」と、一番下に出ておりますが「自殺者の減少」。それから、「たばこ」に ついては3つ。「アルコール」については2つ。そして「循環器」、「糖尿」、「がん 」につきましても再掲されております。「循環器病」のところの「糖尿病」の後のとこ ろは、これは括弧になっておりますが、二次予防の充実ということで、健診・事後指導 の充実ということ。そして発症予防という点では、ここにあるような計6つをあげさせ ていただいているという形で、本当に奇しくも全部で21になったということでございま すけれども、このような形で整理をさせていただいたというところでございます。私の ほうからの説明は以上でございます。 久道部会長 どうもありがとうございます。それでは、今の説明に加えまして、作業チームの座長 である富永委員から、何か追加、補足がありましたらお願いいたします。 富永委員 先ほど中島室長から、今回の提案に関して大変わかりやすく要領よく御説明いただき ましたので、内容については特に言うことはございませんが、以前にも御説明したかと 思いますが、どういうプロセスでこの20項目ぐらいを選んだかといいますと、作業チー ムのメンバーは13名おりまして、一人一人が6項目ずつ、自分で一番重要と考えるもの に順位をつけて選びまして、それをウエイトをつけて集計いたしました。 その結果、十数項目は全員異議なく、ここまではいいだろうということになりました けれども、作業チームのメンバーの分野の偏りなどが少々ございますので、「これは大 事だ」という項目が、やや下位になっているものもございまして、それを調整しまして 約20項目にしたのでございまして、私もきょう、21項目がくしくも「健康日本21」の21 になっていると聞き始めで、我ながら感心したところでございますが、いいのではない かと思います。 項目の数を絞り込んだということは、あとはもう要らないというのではなくて、特に 代表的なものを認定したということです。「健康日本21」全体を例えば戦争に例えます と、非常に戦線が拡大しておりまして、70項目もあると、どこをどう攻めていいかわか らない。それで、全体の戦線はそのままにしておいて、拠点を選んで、特に重要な拠 点、つまり健康づくりあるいは生活習慣病予防でインパクトが大きいもの、それから中 間評価の結果、予期に反して悪化しているような項目とか、そういうところを重点的に 選んでこういうふうに絞り込んでのでございまして、あとはこれからこれをどういうふ うに生かすか、推進するかということが課題になると思います。以上でございます。 久道部会長 どうもありがとうございます。それでは、ただいまのお2人の説明に御質問、御意見 ございますれば、お願いいたします。何かございませんか。はい、どうぞ。 松本委員 「健康日本21」について、たくさん、9分野70項目が設定されていたわけでございま す。各項目はそれぞれ重要であると思いますが、やはり国民にとっては総花的で、必ず しも頭に入らないのではないかというような感じさえするわけでございます。 そういうことで、今回選定されました代表目標項目は適正であると思います。また、 国民に対するメッセージを重点化したことで、よくわかりやすくなったのではないかと 思います。今後、市町村の立場で言いますと「健康日本21」を国民運動として、推進に 当たって大いに役立つのではないかというような感じがいたします。また、健康づくり 施策の推進体制として、都道府県の役割強化、並びに都道府県健康増進計画の見直しが 指摘されているところではないかと思います。 今回、「健康日本21」の代表目標項目が選定されたことにより、これらの目標項目に ついて各都道府県においてしっかり現状を把握していただいて、都道府県健康増進計画 にきちんと、目標値として盛り込むことが必要ではないかと考えています。 久道部会長 はい。ほかにはございませんか。はい、どうぞ。 渡邊委員 富永先生のグループで21まで絞り込んでいただいたのは大変御苦労だったと思います が、食生活で食塩摂取量の減少というのは、一見、15年度の国民栄養調査では下がって きているように見えますが、外食産業がどんどんふえていることを思いますと、まだま だ手綱をゆるめていい段階ではないと思います。やはり高血圧及び糖尿病の合併症とし ての高血圧とかメタボリック・シンドロームとか、いろいろなところに食塩が絡んでき ておりますし、米国のダッシュでも減塩食の効果というのは一応示されておりますの で、どこかにもう少しこの減塩も残していただけるといいのではないかと私は思います が。 久道部会長 何か? はい、どうぞ。 富永委員 私のほうがかわりにお答えいたしますけれども、食塩摂取量を10g以下にするという のは、全員、13名が投票した結果では、非常にランクが下のほうへ行ってしまいまし た。それは理由があると思います。1つは、全国的に見ても、もうほぼ目標に近づいて いるということです。もう1つは、歩数を1,000歩ふやすとかいうと非常にわかりやす くてだれでもやれるのですけれど、食塩を10g以下にするといいますと、一人一人がな かなかわからない。だから、それを数値目標で10g以下にしていますけれども、それが なかなか評価しがたいということもありまして、それで今回、21からは外れてしまいま して。決して食塩を軽視しているわけではございません。 渡邊委員 中村委員の御意見もいただきたいと思いますが、これは例えば外食産業が弁当をつく りますでしょう? それで10gという基準がありますと、1食3g以内にしようという 発想につながってくるんです。何もありませんと、保存とかいろいろ考えて、どうして も14〜15gになりがちです。ですから、今まで個人対応の施策などというのが、たばこ にしろ何にしろ出てきておりますが、もう少し食品産業界とか、全体を巻き込んでの国 民運動に進めていかないと、全体の達成はかなり難しい点もあるのではないかと思いま す。 久道部会長 中村委員、何かこれに関して? 中村委員 減塩運動に関しては今回、10gという目標値になっているのですが、これが意味のあ る数字かどうかというのは、また、たくさんの議論があって。本当はもっと低いところ に目標値を定めなければいけないのではないかというふうに専門家は考えているのでご ざいますが、とりあえず実行可能なところで10gにしましょうという話になって。6と か7とかいかないと、ちゃんと出ないのではないかという意見もかなりあります。 私どもは、この目標値があるかないかにかかわらず、減塩運動は引き続いてやろうと いうふうに思っております。渡邊先生からも御指摘のように、確かにこれはかなり重要 であるという認識はしております。 久道部会長 はい。ほかにはございませんか。 瀬上参事官 よろしいですか。目標値から外すという議論ではございませんので。再々、説明の段 階でも申し上げたと思いますが、70項目はすべて残っている中で、重点的にするのはど れかという話でこういう議題があがっておりますので、御議論を続けていただきたいと いうことでございます。また、これで目標が確定ということではなく、現在、その一つ 一つをまだ中間評価の段階ですから、最終的にはその評価に応じて、項目の中身も場合 によると数値的に変わったりするということは、当然のことでございます。 久道部会長 ほかにはございませんか。私から、5ページの「糖尿病」のところですが、「糖尿病 有病者の減少」というのが目標になっていますが、例えばベースライン値あるいは暫定 直近実績値よりも、むしろ目標値が1,000万と多くなっているんです。こういうのは、 例えば「糖尿病有病者増加の抑制」だとか、「激増のストップ」だとか「停止」だと か、そういう表現のほうが正しくて。ほかの目標の表現は全部、目標値よりも下げてい るんです。これはどうなりますか。 中島生活習慣病対策室長 確かに今後の高齢化なり、そういうことを念頭に増加傾向にあって、その増加傾向を 抑制していくという形での目標値でございますので、改めて今日の座長の御意見も踏ま えて、表現方法について工夫させていただきます。 久道部会長 ほかにはございませんか。よろしいでしょうか。それでは今、代表目標項目というこ とで選定いたしました。ただ、一部の委員からちょっと意見が出ましたので、このこと については御意見のあった委員と個別調整をさせていただいて、取りまとめについて は、私と作業チームの座長であった富永委員とでまとめさせていただくと。御一任いた だきたいと思いますが、よろしいでしょうか。 委員 異議なし。 久道部会長 はい。それでは、そのようにさせていただきます。ありがとうございます。 続きまして、議題(2)です。「食育基本法の成立について」。それから議題(3) の「食事バランスガイドについて」、議題(4)の「運動所要量・運動指針の策定検討 会の設置について」の説明を、中島室長より一括してお願いいたします。 中島生活習慣病対策室長 それでは資料2、それから資料3−1、3−2、資料4−1、4−2までの説明を申 し上げます。いわゆる栄養と運動について一括して、まずは説明をさせていただきたい ということでございます。 栄養につきましては、2つでございます。食育基本法の成立についてと、フードガイ ド(仮称でございますが)、この検討会の報告書がまとまりました。その2つを報告申 し上げるということでございます。 まず資料2、「食育基本法の成立について」ということでございます。1ページおめ くりいただけますでしょうか。食育基本法につきましては、審議状況のところ、平成16 年の3月、前国会に議員提出法案として提出をされたところでございますが、継続審議 となっておりました。その後、今国会で無事、6月10日に参議院の本会議でも採決をさ れて公布ということでございます。一番下、その他のところでございますが、施行はこ の7月15日から試行されるということになってございます。 「2.法の概要」というところでございます。食育基本法の構成でございますが、ま ず食育というのは、従来の知育、徳育、体育に加えて、食を通じて豊かな人間形成を図 るということで、4つ目の「育」として食育ということで明らかにされておるところで ございます。食についての意識を高め、健全な食生活を実現すると、そこのことによる 豊かな人間形成を図っていくのだということでございます。4編構成でありまして、総 則、基本計画、基本的施策、食育推進会議等の設置という形になってございます。 総則のところでは、国、地方公共団体の責務を書いておりますし、この資料、4ペー ジを開いていただけますでしょうか。4ページの一番下の段の第十一条でございます。 教育関係者等の責務ということで、「教育並びに保育、介護、その他の社会福祉、医療 及び保健に関する職務に従事する者、並びに教育等に関する関係機関及び関係団体は、 食に関する関心及び理解の増進に果たすべき重要な役割にかんがみ、基本理念にのっと り、あらゆる機会とあらゆる場所を利用して、積極的に食育を推進するよう努めるとと もに、他の者の行う食育の推進に関する活動に協力するよう努める」という形になって ございます。 次のページでございます。5ページの一番上の十二条。これは後ほどフードガイドの ところでも説明しますが、食品関連事業者、先ほども渡邊委員のほうから外食産業等の お話も出ましたが、これだけ外食等がふえてまいりますと、こうした食品関連事業者の 責務も重要ということで、第十二条では食品関連事業者等の責務ということで、「食品 の製造、加工、流通、販売または食事の提供を行う事業者及びその組織する団体」とい ったものにも、食育推進の努力義務といったものが明記をされておるというところでご ざいます。 ページをお戻りいただきまして、1ページでございます。「法の概要」の第2でござ います。食育推進基本計画というものがございまして、これは国において策定すること が義務づけられております。地方自治体においては策定の努力義務が課せられていると いうことでございます。 そして、第3編では基本的施策としまして、2ページを開いていただきますと、「食 育基本法の概要」というところの真ん中あたりに「基本的施策」ということで計6つの 箱がございます。食育推進運動の展開。家庭、学校、保育所等における食育の推進。地 域における食生活改善活動その他。こうしたものの基本的施策といったものがあるとい うことです。 1ページにお戻りいただきまして、第4として、先ほど申し上げました食育推進基本 計画を策定する組織として(総理大臣を会長とし、食育担当大臣も置いて。これは棚橋 大臣にお引き受けいただく予定になっているようでございますが)の推進会議といった ものが設けられ、ここで食育推進基本計画を策定していくということになってございま す。 我が厚生労働省の施策との関係でございますが、3のところに書いてございます。健 康づくりの観点、母子保健の観点、食品安全の観点から、ここに掲げたような施策とい ったものが、同時に食育の推進という観点からの施策としても位置づけられるのではな いかということでございます。 「4.その他」でございまして、一番下でございます。この食育基本法の公布、施行 を踏まえまして、専任の事務局組織が内閣府の中に置かれたところでございます。今 後、この内閣府を中心に、食育推進会議、さらにはその下に関係閣僚と有識者等からな ります食育基本計画の検討委員会も置かれる予定でございますが、そうしたものを置い て、食育推進基本計画といったものの作成に今後、着手をしていくということになると いうことでございます。以上、食育基本法について報告でございます。 次に資料3−1と3−2でございますが、フードガイド検討会の報告書について説明 をいたします。概要が資料3−1、1枚めくっていただけますでしょうか。栄養・食生 活につきましては、エビデンスとしては「食事摂取基準」というものを設けておるとこ ろでございます。これは本部会でも報告をいたしましたが、5年に一度改定をしており まして、昨年12月に改定をしたということでございます。この「食事摂取基準」がエビ デンスとしてございます。そして、ポピュレーション・アプローチを中心とする国民の 方々へのメッセージといたしましては、「食生活指針」といったものがございまして、 これが平成12年に当省、それから文部省、農林水産省というところの三省で決めさせて いただいた、メッセージとしての「食生活指針」というものがございます。 今回、こうしたエビデンスに基づくメッセージといったものを国民にわかりやすく伝 えるツールといいますか、そうしたものとして、いわゆるフードガイドを作成しようで はないかということで、農林水産省さんと一緒に検討会を置いて議論を進めさせていた だいております。本部会の中村委員にも加わっていただきまして、昨年末から検討を開 始し、この7月5日に報告書が取りまとめられ、フードガイドというのは一般名称です が、具体的な固有名詞としては「食事バランスガイド」ということで報告書を取りまと めいただいたということでございます。 この「食事バランスガイド」の作成の目的でございますが、1ページの一番下の○しろまる、 「食生活指針を具体的な行動に結びつけるものとして、何をどれだけ食べたらよいかと いう食事の基本を身につけるバイブルとして、望ましい食事のとり方やその量をわかり やすくイラストで示したものを策定する」ということでございます。 2ページでございます。「食事バランスガイドのイラスト」というところがございま す。ちょっと見にくうございますので、その後ろに1枚、カラーコピーをつけさせてい ただいているA4横長、「食事バランスガイド」のカラーコピーをごらんいただきなが ら、お聞きいただければと思います。 まず、イラストについてでございますけれども、これはコマでございますが、コマの 上部から十分な摂取が望まれる主食、副菜、主菜という順番に並べまして、あわせて牛 乳・乳製品と果物について並立的にあらわしたということでございます。実は、通常は 主食、それから主菜、そして副菜という形の順番でございますけれども、この「健康日 本21」の進捗状況等を踏まえますと、やはり油の摂り過ぎ、野菜の不足といったものが 問題になっておりますので、あえて主菜と副菜を逆にさせていただいて、副菜といった ものを強調させていただく形で、摂取量のより増加が求められる副菜というものを主食 の次に挙げさせていただいたというところが、本食事バランスガイドの、後ほど説明し ますが、4つ特徴があると思っておりますが、そのうちの1つの特色ということでござ います。 概要版の2ページの○しろまるの2つ目でございます。イラストの形状といたしましては、日 本で古くから親しまれているコマをイメージして描いた。コマというのはバランスが悪 くなると倒れてしまうということですので、「食事のバランスを失すると、コマという ものが失速して倒れますよ」ということです。それとともに、コマが回転するというこ とは、運動するということを連想するということでございまして、回転=運動があるこ とによって初めて安定するということでございまして、まさにコマを回すということが 運動だということで、食事、そしてそれを回す運動という形のコンセプトで整理をさせ ていただいているというところでございます。 ○しろまるの3つ目。このコマのイラストの中には、主食、副菜、主菜、牛乳・乳製品、果物 の各料理区分における1日にとる量の目安を、料理・食品という形であらわさせていた だいたということでございまして、1日にここのコマの中にあるそれぞれの階層のもの をそれぞれ食べていただくとバランスのとれた食事になるということでございます。 概要版、ページをおめくりいただきまして、3ページでございます。3ページの下、 「表現の方法」というところでございます。今般の食事バランスガイドといったもの は、料理を基本に表示をさせていただいています。これまでは、素材とか栄養素ごとの 表示であったわけですけれども、今後、国民にとってわかりやすい、なじみやすい、そ して外食産業等においても表示をしやすいということから、素材ではなく料理で表現を させていただいたというところが2つ目の特徴かと思っております。世界でも初めて、 料理ベースで表示をしたフードガイドではないかということで、このフードガイドの検 討会のほうでも御意見をいただいたところでございます。 それから(2)、1日単位で表示をしたということでございます。確かに朝、昼、晩、 1食ごとに何をどれだけ食べればよいかということも必要ですが、1日を単位としてバ ランスをとって食生活を送っていただくということなので、1日に摂るおおよその量と しての単位計算をしておるということでございます。 それから(3)、対象についてでございますが、基本形としては2,200kcal±200という ことで、成人層を対象にしたバランスのとれた食事摂取ということにしておりますが、 食事バランスガイドをより効果的に活用するためには、生活習慣病予防の観点から、男 性の肥満者、それから食行動が不健全になりがちな単身者、さらには子育てを担う世代 といったものに焦点を絞って、この食事バランスガイドといったものを積極的に活用し ていただきたいというターゲットを絞った形での活用方策といったものを示させていた だいたというのが3つ目の特色でございます。 お手元にお配りをしております資料3−2、フードガイド検討会報告書の本体でござ いますが、その24ページ以下でございます。 25ページから、「肥満が気になる方々へ」ということで、3つのメッセージといった ものをこの「食事バランスガイド」のイラストを活用しながら提示をさせていただいて おります。27ページには、この男性の肥満にかかわる各種基本的統計データといったも のをお示ししております。 28ページは「単身者の方々へ」ということで、3つのメッセージ、「食事が基本」、 「朝食は欠かさずに」。そして29ページ、「外食・中食でも、野菜料理をより食べまし ょう」ということでございます。 31ページ以下は「子育てを担う世代の方々へ」ということで、3つのメッセージとイ ラスト、さらには基本データといったものをお示しをして、こうしたターゲットを絞っ て「食事バランスガイド」を活用したアプローチをしていただきたいということにした ところでございます。 それから5ページ(※(注記)概要版に戻る)でございます。こうしてできましたこの「食事 バランスガイド」といったものを、今後、普及・活用していただかなければいけないわ けでございます。 5ページの(1)でございますが、当然のことながら、都道府県、市町村等において 積極的に普及・広報をしていくということが重要でありますが、今回の食事バランスガ イドの4つ目の特徴は、検討会のメンバーにも入っていただいたわけですが、外食・中 食がこれだけふえているということですので、スーパーマーケット、コンビニエンスス トア、それからファミリーレストランなどの外食や中食の場において「食事バランスガ イド」を活用していただくということでございます。 これまでは、ともすれば国民一人一人への意識啓発ということでございますが、それ とあわせて、食品を提供するサイドにも大いに汗をかいていただきたいと。国民が商 品、食事を選択するにあたって必要な情報提供、さらには健康にいいメニューや商品の 開発といったものに、よりこうしたスーパー、コンビニ、ファミレス等の外食産業が取 り組んでいただければありがたいということで、こうしたところでこのフードガイド を、食事バランスガイドを積極的に活用していただきたいということでございます。 (2)の2つ目の○しろまるでございます。やはり今後は、サービング数の異なるサイズの料 理を選択できるようにすることも重要だ。すなわち、ポーションサイズを選べるという ことでございます。極端に言えば、大きなサイズ、中ぐらいのサイズ、小さなサイズ、 そのときの1日全体を考えたときに、消費者が選べるということが大変重要であるとい うこと、ポーションサイズの選択。さらには、これまでもお取り組みいただいた栄養成 分表示等とあわせて活用をいただきたい、というようなことも触れさせていただいてお ります。 それから3つ目でございますが、「さらに」ということで、食品の包装に食事バラン スガイドのイラストなどを記載することにより、その商品が食事バランスガイドの料理 区分のどの部分に該当し、1日に摂るべき量のうちこの商品によって、それぞれどの程 度のものが摂れるのかということがわかるようにするということも、お客さんにとって は商品選択の一助になるということです。例えばファミレスのメニュー、コンビニにお けるコンビニ弁当にこうしたシールを貼っていただいて、「このお弁当だと1日にとる べき主食のこれだけが摂れます。副菜のこれだけが含まれております。主菜のこれだけ がこの弁当によって摂取できます」ということが、パッと見てわかるような形での有効 活用といったものもあるのではないかということでございます。 6ページでございます。こうした行政による活用、さらには食品提供側の活用とあわ せまして、当然のことといたしまして、管理栄養士等の専門家による活用、さらには食 生活改善推進員さんを初めとする地域における食生活改善ボランティア活動における取 り組み等々、あらゆる食の場面において、この食事バランスガイドを活用していただき たいということでございます。今後、私ども厚生労働省、さらには農林水産省さんとい たしましても、各種媒体を通じてPRをしていきたいと思っておりますし、各種の説明 会、講習会といったものも実施をしていきたいと思っております。また、私どもの厚生 労働省の食堂でも、本ガイドを活用したメニュー表示みたいなものを8月1日からスタ ートをさせればいいなということで、業者さんとも話をしているところでございます。 早速、中村会長の日本栄養士会では、この食事バランスガイドをどのように活用して いけばいいのかということの「指導者向けガイド活用マニュアル」といったものを作っ ていただけるということでございまして、今日の夜、早速その第1回目の顔合わせもし ていただけるというふうに伺っておりますし、外食事業者においても「活用マニュアル 」の策定に着手していただけるということになっております。 スーパーマーケットでは子育て層を対象に、コンビニエンスストアでは単身者を対象 に、実証試験も踏まえて、この「食事バランスガイド」といったものをどのような形で 活用すればいいのかということのマニュアルもつくっていただけると聞いております し、コンビニエンスストアではさらに、単身者に朝食を促すような商品展開ができない かということで、新たな商品開発といったものも念頭に置いて、この「食事バランスガ イド」を活用していただけるということの取り組みを進めていただけるということでご ざいます。 この「食事バランスガイド」、これまでの栄養・食生活におけるポピュレーション・ アプローチを中心とするものの1つの新たなツールとして、今後、これを積極的に活用 していただいて、何をどれだけ1日に食べればよいのかということを、日々、パッと見 てわかる。そのことによって国民が食事を選択していくということになればいいと思っ ておるところでございます。以上が3−1、3−2でございます。 次に、資料4−1でございます。運動所要量、運動指針の策定検討会ということがご ざいます。当然、健康づくりの基本は運動、栄養でございます。実は4月21日の本部会 で生活習慣病対策の総合的な推進という形でペーパーをお配りして、「1に運動、2に 食事、しっかり禁煙、5にクスリ」ということで御議論をいただいて、「なぜ1に運動 なんだ。1に食事ではないのか」という厳しい御意見もいただいたことは記憶に新しい ところでございます。 実はそのときにも申し上げたわけですが、栄養面においては、正直申しましてかなり 施策が進んでいるのに対して、運動面ではなかなか施策の体系化ができていないとい う、私どもの反省もあって、あえて「1に運動」というふうにさせていただいたところ もございます。当然、運動が今後重要であるということはあとから説明いたしますが、 直近実績値を見ましても歩数が減少しているという実態、さらには運動習慣者の割合は 増加しているけれども、実はこれは60歳以上の方が増加をしているのであって、20歳代 から50歳代の方の運動習慣者は必ずしも増えていないと。これは本部会でも報告をした とおりでございます。そういうことから、運動面での施策の体系化といったものが必ず しも十分でないということ、それから運動面における「健康日本21」の中間評価の状況 というものが必ずしも芳しくないということから、あえて運動といったものを先頭に掲 げさせていただいたということです。 その意味では、栄養におきましては、専門職としての栄養士、管理栄養士さんの存 在、さらには食生活改善推進員等のボランティアといったものがしっかり根づいておら れるという、マンパワーにおける問題。それからエビデンスとしても、「食事摂取基準 」といったものがしっかりあります。それからメッセージとしては、「食生活指針」と いったものを平成12年につくっております。そして、そのメッセージをお伝えするツー ルとしては、今度、食事バランスガイドというものを作らせていただいた。そして、食 育基本法といったものも成立をしたということでございますが、一方、これに対して運 動というものは、正直いって運動所要量といったものは、実は平成元年に作ったきりに なっているところがございます。さらには「運動指針」につきましても、平成5年に作 ったきりになっているというところがありまして、本日の加賀谷先生にも当時、両委員 会に入っていただいて、策定をしていただいたわけですが、運動指針、必ずしも国民の 中に普及・定着しているとは言いがたいというところがございます。 そうした観点から、やはり健康づくりに必要な運動量というのはどの程度なのかとい うエビデンスと、それから国民の方に運動に関してメッセージを送り、そしてそれを日 々の日常生活において実用的に使っていただけるツールといったものとしての運動指針 といったものを改めて作り直す必要があるのかということで、今般、この策定検討会を 置かせていただくということでございます。 1ページをめくっていただきまして、設置要綱でございます。目的は先ほどから申し 上げているとおりでございまして、3の「検討事項」でございます。運動所要量の見直 し、運動指針の見直し、そしてこうした運動指針の普及啓発・活用方策について御議論 をいただくということでございます。 2ページでございます。策定委員会のメンバーといたしまして、ここに50音順に並べ させていただいております。本部会の委員でいらっしゃいます加賀谷先生、それから富 永先生にも入っていただくということで、よろしくお願いをいたしたいと思っておると ころでございます。本策定検討会は、まさに体育学、運動生理学の専門家の方以外に も、体育系大学の教育関係者、さらにはフィットネス産業の業界の方等にも加わってい ただいて、教育なり国民の目線に立った形でのものをつくりたいと思っております。8 月上旬に第1回を開催したいと思っておりまして、現在、準備を進めているところでご ざいます。 なお、こうした運動に関しますエビデンス、運動所要量、それからメッセージツール であります運動指針というものとともに、やはり運動につきましては特に境界領域、予 備軍の人たちに対しては、やはり安全で効果的であるということが大変重要になってき ます。健康な人をより健康にするだけの運動ではなく、要指導、黄色信号がともってい る人たちに対する運動といったものはやはり安全に、かつ効果的にやっていくというこ とが重要ですが、そういう意味では運動指導の専門家といったものをしっかり養成し て、それをしっかり定着をしていただくということも大変重要だと思っております。 そういう意味でも、私ども、健康・体力づくり事業財団(本日の加藤委員の財団でご ざいますが)に健康運動指導士等の資格の付与についての業務をお願いしておるところ でございますが、この健康運動指導士のあり方についてもこれを契機に健康体力づくり 事業財団の中に検討会を設けていただいて、その養成のあり方、そしてその定着の促進 に向けて、有識者に御検討いただきたいと思っておるところでございます。 資料4−2のほうで、健康・体力づくり事業財団・加藤理事長のほうより資料を用意 していただいておりますので、加藤理事長のほうより御説明をお願いできればと思いま す。以上でございます。 久道部会長 では、加藤委員、お願いします。 加藤委員 それでは、引き続きで恐縮でございますが、資料4−2をごらんいただきながらお願 いしたいと思います。ただいま、中島さんのほうが大変丁寧な御説明をいただきました ので、要点を申し上げたほうがいいかと存じておりまして、資料としてお配りしてござ います。目的、それから、どんなことを課題としていこうか。いつごろ始めるか。それ と、メンバーには。こんな形になっておりますが。 そのうち目的のところは、ずっと読むことは省略いたしますけれども、食事という部 分が非常に進んでいる割に、運動は遅れておると。エビデンスとか何かをつくっていた だくということがまずベースにあるわけでございますが、それを指導をしていく指導者 というものも大事ではないかと。特に、運動だけではないかもしれませんが、「健康日 本21」のような各目標を達成していくには、一人一人の個人が実行しなければ意味がな い。個人となると、いろんな特色がある。それから、先ほどちょっとお話にも出ており ましたが、黄色信号の場合にどうするか。それから年齢差もあるかと思います。体力差 も当然ありますので。その辺のところを対応して、テーラーメイドな指導ができるよう な人の人材養成が大事ではないかというのは、室長からお話があったとおりでございま す。 ただ、この指導者養成というのが、今までも第二次健康づくり対策から進めてきてお るわけでございますが、その省令をもって指導してきたものが、これは何か全体の制度 の枠組みの話でございまして、直接は関係ないかもしれませんけれども、そういうバッ クもなくするという時代になってまいりました。でも、指導する人が大事であるという ことは、御説明のとおり、変わりがございません。 こうした中で、その中でも役割を担わせていただいておる健康運動指導士、ないしは テーラーメイドなお話となると、一人一人でございますので、実践の指導というものも 大事と。この辺の指導者をより充実していきたいということでございますが、現代的と いいますか、今の時代に、あるいは時代の要請にぴったり合わせながら進めなければ間 に合わないといいますか、役に立たないというようなこともございますので、再検討を して仕組みをより充実したものに改めていきたいというのが、このねらいでございまし て。そのメンバー、委員名簿はまだ予定ではございますけれども、この夏から実行いた したいと思いますが、この中には、オブザーバーでございますけれども中島室長なんか にも御指導をいただきながら進めてまいりますけれども、カリキュラムをどうするか。 その中に、今の御検討をいただく指導指針ないしは科学的なエビデンスを得られたもの を盛り込んでいこうというねらいでございます。 それと、いま一つの柱として重要な問題は、養成校制度というものを、つまり体育系 の大学が中心かとは思いますけれども、そういうところをベースにして、養成校なり学 校教育の中で基礎をつくっていっていただくという制度を創設していく問題、こんなと ころを十分検討しながら普及、定着、実効を図っていきたいというねらいのものでござ います。以上でございます。よろしくお願いいたします。 久道部会長 どうもありがとうございます。それでは食育基本法の説明以降、それからただいまの 加藤委員の説明まで、何か御質問、御意見ございませんでしょうか。はい、どうぞ。 中村委員 最近、よくマスコミの情報などから、何々食品は体にいいとか、何とかは悪いとかと いう情報が氾濫しておりまして、これはあまりいい傾向ではございません。やはり一番 重要なのは、すべての食品群からバランスよくとるということが最も重要なことで。た だ、このことは言葉で表現すると一言で終わってしまうのですが、これを実際に、では どういう食べ方をしたらいいのかというのを国民に教育するのは、とても難しいことで あります。各国がいろいろ工夫しまして、フードガイドを出しているわけでございま す。 今回、新しく食事バランスガイドがこのようにできたわけです。このコマでございま すが、私はいろんな国のフードガイドを調べておるのですが、例えば有名なのはアメリ カのフードピラミッドというのがございます。いろいろな国のフードピラミッドを比較 して、今回の日本のものは、僕は最もすぐれたフードガイドではないかと思っておりま す。 2つ理由がございまして、バランスがくずれると倒れてしまうというので、やっぱり バランスが重要なのだということを、概念を植えつけるのには大事だろうと思います。 そして2番目は、コマは動き続けないとやはり倒れてしまう。それで、運動の概念を植 えつけるのにいいというふうに思っておりまして。これは従来のほかの国がやっている フードガイドにはないことでございまして、これをぜひ私どもは普及して、2、3か月 後には日本中コマだらけになるようにしようと思っております。おそらくコンビニとか レストランとかスーパーには、もうコマがどんどん出てくると思っております。こうい う状況をつくりたいと思っております。 2番目の食育基本法に関してですが、大変すばらしい理念を持っておりますので、こ の理念に沿ってこれが具体化できるように、都道府県の栄養士会、市町村の栄養士さん たちと一緒に、日本栄養士会も頑張っていきたいと思っております。以上であります。 久道部会長 はい。これはだれのアイディアですか、コマは。 中村委員 だれというか、委員会のアイディアで。 久道部会長 ああ。でも、委員会、ぽっと出たわけではないでしょうね。だれかが出したんですよ ね。 中村委員 出したんです。 久道部会長 中村委員ではない? 中村委員 いいえ。僕ではありませんが。 久道部会長 はい、どうぞ。 渡邊委員 このコマのアイディア、中村先生のおっしゃったように非常にいいと思うのですけれ ど、1つだけいただけないのが、「2つ(SV)」とか「1つ(SV)」という単位で すよ。これはよく片仮名でサービングということになっていますが、サービングという 概念はアメリカのフードピラミッドに付随していて、厳密に定義されていますね。です から、それを考えますと、今回、料理単位ですべて出しているので、「1皿」とか「1 鉢」とか、もう少し日本語の単位に変えていただいたほうがより普及するし、とりやす いのではないかというふうに思います。 それでこれ、ざっと言うと、1皿100kcalぐらいの目検討になりますね。単位で割り ますと。そうしますと、糖尿病対策で1単位100kcalで提唱している人もいますが、全 体の整合性はいろいろあると思いますけれど、「1つ(SV)」というのは、これも世 界で初めて出てきた単位で、ちょっと普通の人にはわかりにくい単位ではないかと思い ます。 久道部会長 中村委員、これで......。ああ、菊田委員、どうぞ。 菊田委員 よろしいですか。「食事バランスガイド」でフードガイドができまして、うちのほう の栄養士さんともちょっとお話をしていまして、インターネットで栄養士さんは引きま したら、このフードガイドの部分が、単位にも、栄養士さんはきっちりと計算しますか ら、何となくおおよそというのがどうも当てはまらなくて大変悩むとおっしゃっていま したので。どうか中村先生、早急に指導用の部分を出していただけたらと思っていま す。 それとまた、お話がありましたように、このサービングということは、「SVという のはちょっと、どういうことなのでしょうね」という部分で、日本語というのであれ ば、住民に視覚で訴えるというのでしょうか、目に見えて「これだけ食べると1日こう なりますよ」とか、「どうなりますよ」とかと、これだけの部分ができ上がったのです から、もう少し一般住民にわかりやすい言葉があれば、なおわかるのではないかと思い ます。 私どもも、この視覚に訴えるということが、活動としては大変しやすいんです。それ で、大変大まかな部分もあって、いろいろ問題点もあるのではないかとは思いますけれ ども、細かいことを専門家的に住民に訴えるということは大変なことですので、大まか にこういうことが普及されると私たちの活動もしやすくなりますし、本当によかったと 思っておりますので。我々も力強く活動してまいりたいと思いますので、中村先生、ど うぞ指導者用を早くお願いしたいと思います。 中村委員 実はこれは、会議が終わったらすぐ指導者用のマニュアルの策定委員会を立ち上げる 予定でございまして、8月めどにはもう表へ出るようにはしたいと思っております。そ して、渡邊先生からの御指摘のこの単位の呼び名に関しては、ものすごい議論がありま した。実はこれは、アメリカの言っているサービングサイズという概念を継承しなが ら、実はこの呼び名をサービングサイズというと何のことかわからないというので、日 本人が呼びやすい「つ」というのにしました。1つ、2つ、3つということにしたんで す。 「皿」とか何とかという話もあったのですが、最も単純な呼び名の単位がいいのでは ないかということで、「つ」という呼び名をしたということでございまして、これはS Vと書いてありますが、いわゆる向こうのサービングサイズのような呼び名でしようと いうことではなく、「1つ分」、「2つ分」というふうな形で単位を決定していこうと いうことで、その考え方とか細かい数字というのは、また表に出していきたいと思って おります。 渡邊委員 では、資料から「SV」というのは全部取られたほうがいいですよ。 中村委員 そういうアイディアもありました。 渡邊委員 「3つ」と書いてあるのが、よほどよくわかりますよ。 中村委員 ええ。そうなんです。 中島生活習慣病対策室長 ちょっとよろしいですか。実は御指摘いただいたこのサービングサイズという概念に ついては、中村先生、2回か3回ぐらい議論をして。それで結局は、わかりやすいメッ セージであることが1つ重要ですが、一方でやはりきちっとした栄養学のエビデンスに 基づくという根拠がないと、当然のことながらだめなので、その折衷としてのこのサー ビングサイズという言葉なんです。ただ、このフードガイドの検討会では、国民の方に このサービングサイズの概念を理解していただけないと使えないということでは決して ないわけでありまして、ここはこのフードガイド、食事バランスガイドの中にやはりき ちっとした専門家がきちっと料理を当てはめていくということが大変重要なわけであり まして。それを見て国民の方に判断をしていただくということです。 ちなみに、そのサービングサイズについてのイメージをつかんでいただくために、資 料3−2でございますが、報告書の34ページ、35ページに、主食、副菜、主菜ごとのあ れで、一番下の※(注記)印の1で、サービングサイズの基準値といったものが、炭水化物、た んぱく質、野菜重量、こういう形で考えています。これを基に、「日本人がよく食べ る、口にするメニュー、110ちょっとぐらいを仮にサービングサイズで当てはめてみる と」という表もつけさせていただいておりますが、これをさらに専門家向けの活用ガイ ドあたりでよりふくらませていただければありがたいと、こういうことでございます。 久道部会長 ほかに? はい、どうぞ。 加賀谷委員 今のこのフードガイドですが、食事と運動との関係を非常によくあらわしていて、運 動がこのコマを回すエネルギーであるというのはすばらしいと思って、私も本当にどな たのアイディアかなというふうに思いました。1つだけ、この一番上のとがっているコ マの持つところですね。それが「水・お茶」となっておりまして、運動はそこのところ を回っているように見えるのですけれど、全体としてコマを回しているので、何かその 辺がわかればもっといいというふうに感じましたけれど、大変すばらしいというふうに 感じました。それが1つ。 次のことでよろしいですか。運動に関しまして本日、所要量指針、それから指導者養 成について検討が始まって具体化するということで、大変私も期待したいと思います。 その中で、室長が御説明くださいましたけれども、現在、1つインパクトがないのは、 やはり運動所要量等の策定検討会の3番目にあがっている「運動指針の普及啓発・活用 方策について」というところが、検討を踏まえて実施されるのが少し弱かったかなとい うことを感じていますので、ぜひその検討会では3番目についても御検討いただくよ う、部会から諮問していただきたいと思います。以上です。 久道部会長 はい。坂本委員、どうぞ。 坂本委員 このバランスガイドですが、大変日本らしい、良いバランスガイドが出来ていると思 うのですが、オリジナルのフードガイドピラミッドやそのモディファイされたものは、 脂肪をへらすという点で、脂肪滴をピラミッドの外に出したり三角の頂点に置いたりと 脂肪を減らすというメッセージが強く伝わる様に出来ていると思います。今回。21の 目標にも脂肪エネルギー比の減少が入っていますが、このバランスガイドの検討の中で その点はどのように検討されたのかお尋ねします。 久道部会長 では、中島室長。 中島生活習慣病対策室長 基本的には脂肪エネルギー比率等については、いわゆる主菜のところがメインだと思 われますが、この概要版、資料3−1の5ページで説明をしたわけですが、今後、この 食事バランスガイド、これだけをもって我々が国民にお伝えしたい健康な食生活のあれ では、やはりこれだけでは不十分だという認識もしております。 5ページの下から2つ目の○しろまるのところでございますが、もう一度きちんと読ませてい ただくと、特にこうした食事バランスガイドを活用していただく際には、下から2つ目 の○しろまるの1行目の右から、「食事バランスガイドとあわせて総エネルギー量、脂質及び食 塩相当量等に関する栄養成分表示をする等、これまでの取り組みともあわせた展開をし ていただきたい」ということで書いてございまして、今御指摘いただいたような脂肪エ ネルギーの問題、さらには冒頭にありました食塩の問題、そういうものをこの食事バラ ンスガイドの横に付記をしていただくなり、そういうふうな形で御活用いただいて、ト ータルとして、全体としてバランスのとれたというふうなことを認識してまとめさせて いただいたところでございます。 久道部会長 はい。ほかにございませんか。はい、どうぞ。 松本委員 この「食事バランスガイド」を見ておりまして、本当に一目でよくわかりやすいとい う感じがいたします。そして、国民の食生活改善に大いに活用ができるのではないかと 思います。実は私自身のことですが、野菜がやはり足りなかったんですね。それから果 物も足りない。それから運動量も足りないんです。そういうことで、これはコマが倒れ るかなという感じがいたしますので、倒れないように、この図を見ながら検討して、努 力できるのではないかというような感じを持ったところでございます。 それでまた、この食事バランスガイドを広く普及させていくためには、我々にいたし ましても、行政側のPRだけではなく、コンビニ、あるいはスーパー、レストラン、食 の提供側でも情報提供や商品開発といった面で大いに活用していただくことも重要であ るのではないかと思います。また、業界の取り組みも期待をしたいところでございま す。なお、指導もお願いしたいというような感じを持ったところでございます。よろし くお願いいたします。 久道部会長 はい。ほかにはございませんでしょうか。それでは次に進みます。最後の資料5の説 明になりますが、「地域がん診療拠点病院のあり方に関する検討会」設置要綱につい て、中島室長から御報告をお願いいたします。 中島生活習慣病対策室長 資料5でございます。地域がん診療拠点病院のあり方に関する検討会設置要綱という ことでございます。1枚おめくりいただきまして、1の「目的」でございます。本年4 月に取りまとめられた「がん医療水準均てん化の推進に関する検討会」報告書、これに つきましては4月21日の本部会でも報告を申し上げたところでございます。本部会の委 員の土屋委員にも加わっていただいて、検討会の報告書をまとめました。 資料には付けてございませんが、1つはやはりがん医療の特に化学療法、放射線療法 等においては治療水準に地域格差があるのではないかという御指摘があったものですか ら、そうした専門医の育成、さらには地域がん診療拠点病院といったものを中心とする 病・病連携、病・診連携のネットワーク構築。それにはがん登録制度のあり方、情報提 供の必要性みたいなことを検討会では御報告、御提言いただいたわけですが、こうした がん医療水準の均てん化を進めていくには、その中心的役割を担う地域がん診療拠点病 院制度といったものが、現在ございます。二次医療圏ごとに1か所指定することを目安 に整備を進めており、現在、135にとどまっておりますが、その役割、機能のあり方を 見直していくということが大変重要かと思っております。 そうした観点から、均てん化の報告書を踏まえ、具体的に地域がん診療拠点病院のあ り方について御検討いただくという場として、新たにこの検討会を設けさせていただき たいということでございます。検討事項としては、拠点病院に必要とされる機能、そし て具体的に私どもが今用意をさせていただいています整備指針、指定要件みたいなもの を書いているものがございます。これについて見直しをやっていくということでござい ます。 検討会メンバー。2ページでございます。引き続き、土屋委員のほうに委員として御 参画をいただいて、地域がん診療拠点病院の充実強化、さらにはネットワークの整備と いったものに向けてやっていきたい。明後日の13日に第1回目を開催させていただくと いうことで、現在、準備をしておるところでございます。以上でございます。 久道部会長 ただいまの報告についての御質問、御意見ございませんか。いかがでしょうか。よろ しいでしょうか。 では、ちょっと私から土屋委員にお願いというか。先生、入っていますので。前にも この会でお話したような気がするのですが、二次医療圏に1か所の拠点病院をつくると いうことは、これは均てん化のためにはいいと思いますが、そのことによって、高額医 療機器とか、MRIにしろ、PETにしろ、CTにしろ、すべてそういうところで設置 しないと拠点病院になり得ない、あるいはなれないとか、そういうことがあって、地域 全体としてはちょっと多過ぎる医療設備が普及する危険があるような気がするんです。 一方では、PETのような装置はむしろ民間が先行していまして、がん診療拠点病院は 1か所も持っていないとか、そういうアンバランスが実は起こっているようですが、そ の辺のところは議論されるようなことなのでしょうか。 土屋委員 その前提としては、一応中間取りまとめということで、大筋まとまりましたが、例の 医療計画見直しの検討会で、今回一番大きな柱となったのは、医療連携体制をいかに構 築していくかということでありまして、その中で、冒頭に事業としてのがん対策が入っ ているわけです。 ただいま座長がおっしゃったその、おおむね二次医療圏に1か所ということですが、 全国的に見ますと、1か所で済むところ、あるいは同じ二次医療圏といいましても、都 心部はもうすでにそういうものがほぼ整備されておりますので必要なかろうと。むし ろ、これは先ほどお話がございましたように、がん医療水準均てん化ということで、全 国至るところ、隅々まで同じような水準のがん医療が受けられるようにしようではない かという大前提に立っております。そうしますと、地方に行きますとますます1つの医 療機関では、非常に足らないものが出てまいります。 ですから、全国の二次医療圏と言いながら、現在、135ございますけれども、その135 の中身といいますと、要件はいくつかあるのですが、ほとんどが、例えば精度管理にし ても、院内のがん登録にしましても、まだ努力目標的なことになっていまして、厳密な 意味での要件を満たして、これなら大丈夫だろうという医療機関は、逆に少のうござい ます。現在のこれに指定されておるものの中に、県立のがんセンターみたいなものは入 っておりません。あるいは特定機能病院でもいくつかしか入っていただいておりませ ん。これらが一般の病院並みで、がんの専門家も足らないという状況でございますの で、そういうものの教育を第一として考えていただくように、特定機能病院にも拠点病 院の中に入っていただくようにしようではないか、という話も出ております。 いずれにしましても、今さら大きな投資をして、これからつくっていくということは 現実的ではありませんので、私ども地域の医療ということを担ってまいっておる者の立 場としては、地域の現在の医療資源を最大限に生かして、それは医療連携ということに なりますけれども、ここでなければできないというようなところで、担っていただくと いうことになります。 現状のがん診療というのは、御案内のように1つの医療機関ですべてが終わるという ようなことにはなっておりません。特に、専門家が少ない。専門家といいますのは、現 在の学会認定の専門医のことを言うわけではないのですけれども、例えば、化学療法の 専門家、病理あるいは放射線の専門家も今、全く足らないという状況にございます。そ ういうような専門家が、場合によっては、地域によっては、集約化ということが今言わ れていますけれども、そういう専門家に集まっていただいて、あるいはその専門家のい らっしゃる設備のあるところに、例えば放射線療法だけに通ってもいいではないかとい うことです。柔軟性を持った考え方でないと、二次医療圏に1か所ぐらいなもので、す べでのがんに対応できるということではありませんので、そういうことでコンセンサス は得られるだろうという見通しであります。 国立がんセンターを例にとりますと、国立がんセンターで、一般病院でできるような がんまで、最高の機関であるということで、国民は「どうせならあそこで手術をしても らいたい」、あるいは「いろいろ治療をしてもらいたい」と願うのは無理もないのであ りますけれども、国立がんセンターはがんセンターでなければできない高度ながん医 療、あるいは大きな仕事としてはがん治療の専門家を養成するという研修システムがで きております。それでもなかなか、全体から見て勘定してみますと、がん治療学会、あ るいは臨床腫瘍学会のメンバーが、がん治療の専門医としてすべてそれに携わったにし ても、まだ足らないという状況でありますので。 専門の医療機関というのは設備とか機器だけではなくて、それに人間が相伴って初め て機能するわけですので、現実的対応としてどうしていくのかということが課題になる のだろうと思います。 久道座長 はい。どうもありがとうございました。はい、どうぞ。 渡邊委員 中島室長にお聞きしたいのですが、がんは今の御説明で、全国的に徐々に整備が進ん でいるということがわかったわけですが、例えば「健康日本21」で糖尿病とかほかの疾 病もあがっていて、将来の透析とか目の状態とか、いろいろ考えますと、はるかにがん より重大な問題になるかもしれないわけです。そういうほうの拠点均てん化というの は、これから検討なさる予定なんですか。 瀬上参事官 中島室長を御指名いただきましたけれど、私のほうから申し上げたいと思いますが、 今の糖尿病の対策というのは大変重要な問題だと思います。私どもは今、直近で大事な のが、医療にかかる状態になっている方よりももっと上流の段階で、徹底した予防対策 を進めることだという認識、それがまず第1に重点的な話ではないかと。ある程度、今 の段階から絞り込んで、将来、合併症を持つ人の数が少なくなる段階までに、研究費の ほうでそうした方々に必要な医療対策を重点的に進めていこうと、こういう二本柱で進 めているところです。 よって、今の段階で、大きな意味でのがん対策のような均てん化、すなわち糖尿病対 策が医療において都道府県のレベルで全然対応しきれていないというような状況にはま だ至っていないだろうが、その前の、もっと大きなところでの対策を今のうちから進め ることで対応していこうと、こういう考え方であります。 久道部会長 はい。ほかにございませんか。はい、どうぞ。 土屋委員 糖尿病対策に限って申し上げますと、糖尿病学会、糖尿病協会と私ども日本医師会の 3者で、糖尿病対策推進会議なるものを立ち上げました。糖尿病についての学問的な知 見は十分あるわけで、それこそ今さら大きな研究費をつぎ込んでその成果を期待すると いうようなものではございません。立派な数々の業績があるにもかかわらず、糖尿病の 患者さん、あるいはその予備軍と言われる者がどんどんふえてきております。学者の先 生方もこれを深刻に受け止めて検討なさった結果、これは「やはり日常健康管理にあた っておる、いわゆるかかりつけ医なるものが直接、例えば糖尿病になってからよりも、 その予防というところに重点を置いてこれにかかわることが大事である」ということを お考えになりました。 我々も全く同感でありまして。そういう意味で、それぞれの地域で今すでにもう進ん でおるところもございますけれども、全国的にそういう糖尿病対策を地域の医師会等を 通じて推進していこうとするものです。糖尿病にかかわる職種というのは医師だけでは ございませんので、栄養士会の皆さん、いろいろな合併症に対する対策、そこまでいか ない手前での対策というのはもっと求められると思いますが、眼科医会の先生方とか、 もうすでにそういう連携ができておりまして、これから全国的にそれをどういう形で展 開していくのかということです。 また、資料的なものは、患者さん向け、あるいはドクター向けといいますのは、何も 糖尿病を専門とするドクターだけではございません。今、糖尿病を知らずして何科の医 師といえども診療はできないという状況になっておりますので、そのドクターたちに対 する、糖尿病の診療のエッセンスで本当に数ページのものなのですけれども、考えに考 えておつくりいただいたものを、私ども会員全員にすでに配布いたしました。それか ら、患者さん向けのリーフレットも4種類つくって、これも全国の医療機関に配布しま したが、それでも足りないということで、いろんな団体からお申し出いただいておるも のですから、そういう皆さんにもお手伝いいただいて、これを配布しております。まず 助走の段階は過ぎたものですから、いよいよこれから本格的な活動開始ということで、 つい先日幹事会を開催して具体的な事業計画を立てたところです。これには当初から瀬 上参事官と生活習慣病対策室を中心に一緒になって考えていただいておりまして、大き な成果が期待できると考えております。 笹月委員 よろしいですか。簡単に一言だけ追加させてください。糖尿病に関しましては、私ど も国立国際医療センターが、例のミレニアム・プロジェクトでゲノム解析をいたしまし た。一部、成果を利用しながら、それから国際的に出てきたゲノムの成果を利用しなが ら、どういう遺伝子型の人がどういう生活習慣を続けると本当に糖尿病になるのか、い わゆるプレダイアベティックな人がダイアビットになるところを、どういう人を対象に 予防すべきかという、いわゆるゲノム疫学をぜひ推進しなければと考えております。今 後とも私どもは糖尿病のファンディング・エージェンシーとしての役割も担わなければ いけませんので、先生おっしゃいました、大きな金額で研究をする場合ではないという お言葉もありますけれども、ゲノム疫学という視点はやはり重要だと思いますので、そ の点はしっかりやらなければと思っています。 土屋委員 これを健康フロンティア戦略で40億の予算を厚労省も組んでいただいて、向こう5年 間で平均すると年間8億ぐらいの研究費をもってくれました。戦略的アウトカム研究と いうことで、現在、大体そのプラットフォームもできまして、これからそれこそ笹月先 生のところ((財)国際協力医学研究振興財団)にこれをお願いして最終的には公募を するということになっております。そのいずれもが、今、先生がおっしゃったそういう 基礎的な研究と今回の研究はそれだけの研究費を使って、いかにして一次、二次、三次 予防を図るかということです。場合によっては、個々のかかりつけ医の質の向上を図る ような方策はないかというようなところから検討されました。今月、シンポジウムも開 催されますけれども、いずれも日常診療の現場における糖尿病対策をどうしたらいいの かというようなことが、今注目されておるところでございます。先ほど申し上げました 糖尿病対策推進会議も連携して、この研究を支援していきたいと考えています。 久道部会長 大分時間がたちました。そろそろですが、きょうの議題全般について、何かこの場で 御意見、あるいは聞いておきたいことは? はい、どうぞ。 加藤(尚)委員 ちょっと聞きたいことがあるのですけれど。糖尿病対策の全国均てん化というと、例 えば設備の問題であるとか、医師のレベルだとか、治療方法とか、どういう点にポイン トを置いてその均てん化ということを考えていくんですか。 久道部会長 はい、どうぞ。 瀬上参事官 それは今、土屋先生がおっしゃっていただいたのですが、いわゆる糖尿病の専門医と 地域で実際に生活の中での診療を担っているかかりつけ医の先生方との、その間の連携 こそが、連携とその適切な指導の連続こそが、糖尿病の進展を抑えていく、合併症を発 生させない状況になるということだという基本認識に立って、均てん化というのは連携 の強化と考えています。先ほどの渡邊先生の質問でも、拠点病院ということでは、そう いう意味ではないのだろうと。そういう意味での連携機能をどうするかということで、 日本医師会と専門の学会等、連合体をつくっていただいて、そうしたプログラムを組 む。 一方で、サイエンスベースの対応を今後も強化していくための戦略的な研究費をつく って、笹月先生のおっしゃっていただいたようなゲノムレベルから、また実際の臨床の 場で直ちに適用できるようなレベルの仕事、それの連携強化へ向けて、アウトカム志向 で進めていくと。これが現在の戦略だと考えております。 久道部会長 はい。ほかに? はい、どうぞ。 渡邊委員 運動のことですが、今度、ガイドラインとかいろいろできて大変いいと思いますけれ ども、結局、もう1点、何をやるかということに加えて、どこでやれるのかということ を、私は真剣に他省庁にも訴えてほしいと思います。例えば「1日1万歩歩きましょう 」、あるいは「自転車に30分乗りましょう」。それが車に脅かされずに、人とぶつから ずに走れたりするところがどこにありますかと。ですから、各市町村にそれを1つずつ つくってもらうぐらいの提案をぜひ、加藤委員の委員会ではお願いしたいと思います。 よろしくお願いします。 久道部会長 はい、どうぞ。 加藤(陸)委員 一言ではなかなかお答えは。私どもの任に余るところも、あるいはあるかもしれませ んが。おっしゃるとおり、実現できなければ全く、いろんなことわざがあるみたいに、 お経だけでは何ともと。そこで指導者、これはもちろんお医者さんを頂点にした一連の ピラミッドみたいに皆さんおられると思いますけれども、今おっしゃいましたように、 どこの場でとこういう問題も。ただ、ここで言う運動というのは、道でいいとか、ある いは自然が豊かなところはむしろ恵まれたフィールドがあるというふうに感じておるわ けでございますから、それを何かあまり身構えたものだけというのではなしに、すぐ身 近で活用できるものも、「あ、そうだ」というところを何かうまく結びつけられないか と思いますが。ちょっとでしゃばり過ぎたかもしれません。中島さんなり参事官のほう で何か御助言があれば。 中島生活習慣病対策室長 運動については、1つがエビデンスというのが大変重要だと。それから2つ目は専門 家が重要。それからおそらく3つ目は、今、渡邊委員からおっしゃった運動する場の整 備というのが大変重要。身近で長続きするということが大事だと思います。健康フロン ティア戦略でもウオーキングロードの整備ということが言われておりまして、身近で安 全に効果的に歩ける環境を求めていく必要があると思っておりまして。ある意味ではそ ういう観点から、どのような環境で快適さを感じながらどれだけウオーキングできるの か、というような基本的考え方も、実はこの運動指針の検討会等でもサジェスションい ただければ大変ありがたいと思っております。 また、実は加藤委員のところの委員会、それから私どもの運動指針の委員会でも、フ ィットネス業界の方に入っていただいております。町にたくさん、1駅に1か所か2か 所あるフィットネスクラブといったものが、健康な人をより健康にするだけではないよ うな、エビデンスに基づくきちっとした運動指導をしていただけるような場に転換して いただくというのも重要なことかと思っておりますので、多様な場を通じて長続き、楽 しくできるような運動の場の整備というのも重要な課題だと認識しております。 瀬上参事官 もう1つ、今の御指摘ですと、他省庁にもということでございます。運動という中 の、歩くということの重要性というのは、これまでも、そして今後も強調されていくも のだと思っておりますが、そういう意味で、東海自然歩道というようなもの、そしてさ らには、最近では林野庁が森林ウオーキングロードというようなものの整備を着手し始 めております。こうしたものと私どもとの連携は進んでおります。 また、あわせて、日本ウオーキング協会という歩くことをすすめている協会が、従 来、その所管官庁が環境省だったわけでございますが、今般、先様からの申し入れもあ り、厚生省と共管の上で、「健康日本21」に基づいたそういう「歩け歩け運動」を進め ていかれるというふうなことで、場と関係者の造成ということを一層図っていかないと いけないと思っております。 久道部会長 はい、どうぞ。 村田委員 食事のバランスガイド、フードガイドみたいなものが今度できるということは非常に いいことだと思いますが、やはり個人の行動変容を促すということが一番大事なことで はないかと思います。その中で、地域はいろんな方たちもいらっしゃいますからあれな のですが、今度は、先ほど来出ていますように外食とかいろんな企業だとか、そういう ところとの連携というのは非常にこう。今までもいろんな形で企業との連携ということ は出ていますが、なかなか遅々として進まない部分もあるやに思いますので、その辺の ところをどういうふうにうまくやっていくのかというようなことをぜひ念頭に入れなが らやっていく、ということを要望したいと思っております。以上です。 久道部会長 はい。要望ですね。ほかにございませんか。なければ、ちょうど時間がまいりまし た。事務局から、次のスケジュールについてどうぞ。 中島生活習慣病対策室長 本部会でございますが、実は厚生労働省、来年の1月に医療制度改革ということで法 案を国会等に提出させていただくということでございます。柱は当然、医療保険制度を どうするか。それから医療供給体制をどうするか。それとあわせて、やはり健康づくり をどうするか。この3本の柱が、次の医療制度改革の柱になるのであろうということで す。この秋口ぐらいには、厚生労働省としてその基本的考え方をお示ししたいと思って おります。 そういうことから、そのうちの健康づくりを中心に御議論いただいております本部会 でも、8月なり9月ぐらいに、本日の資料6ということで、これまでの議論の整理確定 版というものを置かせていただいていますが、これをさらに肉づけさせていただくよう な形で一定の方向性を示したお考えをおまとめいただければ大変ありがたいと思ってお ります。 次回につきましては、7月29日の金曜日の10時〜12時ということでお願いをしておる ところでございます。具体的な議題及び開催場所につきましては、現在調整をしておる ところでございますので、後日お知らせいたします。お暑い中大変申しわけありません が、7月29日、何とぞ御出席いただきますよう、よろしくお願いいたします。以上で す。 久道部会長 それでは、本日の会議はこれで閉会とさせていただきます。どうもありがとうござい ました。 (終了) ○しろまる問合せ先 健康局総務課生活習慣病対策室 調査総務係 主藤・松浦 電話 03−5253−1111 内線2346・2342