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三菱ケミカルエンジニアリング株式会社

技術コラム

連載:リアルハプティクスR
第1回「人とロボットが共存していくために」

ロボットがモノの感触を感じながら力を加減するために

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リアルハプティクスRという言葉をご存じでしょうか?


人とロボットが身近に接しても安全でいられるよう開発された技術です。ロボットにも人のような力触感を持たせて、人のように器用に力加減ができれば...。本コラムでは4回連載で、このリアルハプティクスRについて掘り下げてまいります。

リアルハプティクスRとは

人はモノに触ったり握ったり持ったりするとき、絶えず力加減を調節しています。一方、ロボットはどうでしょうか?産業用ロボットは安全のために人やモノと一定の距離をとります。作業中にモノに触れても瞬時に力を加減することが難しく、あたった相手に危害を与えてしまう危険性があるからです。

最近では人とロボットで感触のやりとりをすることが求められています。人とロボットが身近に接しても安全でいられるようロボットにも感触が必要で、そのためには力覚-力加減-と、触覚-感触-の情報を同時に処理しなくてはなりません。そして「モノの感触を感じながら力を加減する」という制御ができなければなりません。

これを「リアルハプティクスR-力触覚-(注記)」と呼び、力や振動・動きなどで力触覚を人に伝えるための技術が研究されています。

(注記)「力触覚」とは、力の感覚「力覚」と、触る感覚「触覚」を組み合わせた造語です

実は身近なハプティクス

ギリシャ語で "触る" を意味する「haptesthai」を語源とした「haptikos」に由来します。近代では科学学問の分野において、力や触覚の情報化や伝達技術の総称として使われるようになりました。

ハプティクスの始まりは放射性物質を遠隔で取り扱いたいという要望から、開発は1940年代にスタートしました。スタート当時は遠隔操作の技術よりも、脆いモノ・柔らかいモノを安全に取り扱うことが求められました。近年では iPhone・ゲームコントローラ・VRなど、身近なところでハプティクス技術の一部が使われています。

・iPhoneが震える(タッチ画面を押す力加減でユーザーに返る振動量が変化するなど)
・ゲーム内のアクションがコントローラに伝わる(レーシングゲームで車が障害物にぶつかるとコントローラが振動するなど)

開発したのは

リアルハプティクスR技術は慶應義塾大学の大西公平教授が2002年に発明したもので、2011年に原理特許を取得した日本発の独創技術です。

これは対象との接触により生じる力触覚刺激を定量化して利用する技術の総称と定義されています。その後リアルハプティクスRは産官学連携して研究が進められています。中でも慶應義塾大学発のベンチャーであるモーションリブ株式会社は、リアルハプティクスRに関するソリューション事業・キーデバイス事業・ライセンス事業を行っています。

第2回「力触覚の技術」

次回は「力触覚の技術」として、ロボットを中心にリアルハプティクスRを見てまいります。ぜひお読みください。

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