米国訪問等についての会見(2)

(米国連邦議会上下両院合同会議での演説を終えての所感について、また、日米比首脳会談の意義及び成果と同会議を定例化するかについて)

まず、今、国際社会が歴史的な転換点を迎える中にあって、日本とアメリカがグローバルなパートナーとして、未来に向けて、次の世代に向けて、どんな世界を残そうとしているのか、そして、そのために日米は何をしなければならないのか、こういったことについてメッセージを伝える、こうした未来志向のメッセージを、米議会だけではなくして、米国の国民の皆様、さらには世界に向けて伝える、こうした演説にしたいと思って演説を行いました。
具体的には、米国が築き上げてきた国際秩序、これが今、新たな挑戦に直面している。あるいは、自由や民主主義、これが世界中で脅威にさらされている、こういったことを指摘した上で、引き続き、米国のリーダーシップが必要不可欠であるということ、そしてそのために、日本も共に責任を果たす覚悟がある、こういった思いを伝える、こういった演説といたしました。日米同盟、堅固な同盟として、不朽の友好に基づくものであり、そうしたグローバルなパートナーが、今後も、そう在り続けること、こういったものを具体的なビジョンと共に伝える、こういった演説だったと思っていますし、今回の反応を見ましても、多くの米国議員の皆様にそういった思いを伝えることができたのではないか、こんなことを感じています。
そしてもう一つの日米比、この3か国の枠組み、初めての3か国の首脳会議、これを開催したわけでありますが、法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序を維持・強化するためには、同盟国、同志国の重層な連携が求められます。日本と米国、そしてフィリピン、これは、この海でつながった海洋国家であり、自然なパートナーであると思っています。こうした3か国が、幅広い連携をしていくことが重要であると考えています。
中で、地域や国際情勢についての意見交換もありましたが、それ以外にもインフラですとか、サプライチェーンの強化、さらには情報通信といった経済の問題、そして外交・安全保障、こういった幅広い分野において議論を行いました。その上で、共同ビジョンステートメントという形で、大きな方向性を示す、こういった成果があったと思っています。
そして、定例化するかということにつきましては、何も今、決まってはおりませんが、こうした3か国の枠組みを、これからも大事にしていきたいという思いについては一致したと考えています。以上です。

(日米同盟や日本からの投資の重要性について理解を広げることができたかについて、7月のNATO(北大西洋条約機構)首脳会議への出席を考えているか、また日米首脳会談においてその話題が上がったかについて)

今回の訪米においては、日米関係が深い信頼関係の下、また、さらには重層的な友好関係の下、出来上がっている、今日まで築き上げられてきた、こういったこと、さらには、両国が法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序を維持・強化する上で、大切なグローバルパートナーであるということ、こういったことを示す、これを今回の訪米においては重視をしました。そういった意味で、例えば、昨夜の公式晩さん会、誠に日米関係が幅広い分野の人々に支持をされている、そして支えられている、これを示す貴重な機会になったと思っています。
そして、本日の議会演説においては、先ほど申し上げたように、日米の共通の価値に基づいて、未来志向のメッセージを発し、議会や米国国民の皆様、そして世界に向けて、それを伝えることができたと思っています。
その中で、経済関係については、日本は、米国に対する世界最大の投資国であり、大きな雇用を生み出している、また、産業強化だけではなくして、地域社会の発展にも貢献している、こうしたこと、さらには日米関係が世界経済をけん引していく上で、双方の投資の促進が大変重要であるということ、こういったことについて、バイデン大統領とも一致することができました。そして、この点については、米国において、党派を超えた共通認識として広がっている、そういった強い共通認識がある、こういったことも感じました。
ここノースカロライナに移動してきたわけですが、明日からの視察においては、今、申し上げた、日本企業がいかに米国経済に貢献しているのか、これを自ら確認するとともに、発信する機会にしたい、このように思っています。
そして、今後の外交日程について御質問がありましたが、NATOの首脳会合、そして御指摘の日米韓首脳会合、こういった日程については、まだ決まってはおりませんが、今回の訪米において確認されたグローバルパートナーの立場で、こうした外交日程に向けても対応していきたいと思っています。以上です。

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