再生可能エネルギー 早わかり!
現在、日本の主なエネルギー源である石油・石炭・天然ガスなどの化石燃料は、限りあるエネルギー資源です。
また、化石燃料は使用に伴い地球温暖化の原因となるCO2が排出されますが、近年は環境意識の高まりとともに、
地球に優しいエネルギーへのニーズが高まっています。
J-POWERは、高効率の石炭火力発電技術や、運転中にCO2を排出しない原子力発電の推進により、
それらのニーズに応えようとしています。また60年以上にわたる水力発電事業をはじめ、
地熱発電、風力発電、バイオマス燃料製造など、さまざまな再生可能エネルギー事業を展開しています。
このページでは、再生可能エネルギーとJ-POWERの取り組みを紹介します。
再生可能エネルギーは繰り返し
使え環境にやさしいエネルギーです
再生可能エネルギーとは、資源に限りのある化石燃料とは異なり、一度利用しても比較的短期間に再生が可能であり、資源が枯渇せず繰り返し利用できるエネルギーのことです。
発電時に地球温暖化の原因となるCO2を排出しないため、環境にやさしいエネルギー源です。
主な再生可能エネルギーの種類
温室効果ガスの1つである
CO2の削減に有効です
エネルギーを起源とする世界のCO2排出量は、約210億トン(1990年)から約332億トン(2018年)に増加しています。世界および日本が将来にわたり持続的に発展するためには、環境にやさしい再生可能エネルギーの導入を進めることが必要です。
2015年7月に発表された「長期エネルギー需給見通し」では、2030年度までに再生可能エネルギーの比率を22〜24%に引き上げることとしています。
再生可能エネルギーの比率
※(注記)資源エネルギー庁「電力調査統計」および
経済産業省「長期エネルギー需給見通し」より作成
2019年度※(注記) | 2030年度 |
地熱 | 約0.2% | 1.0〜1.1% |
バイオマス |
約2.4% | 3.7〜4.6% |
風力 |
約0.7% | 1.7%程度 |
太陽光 |
約1.5% | 7.0%程度 |
水力 |
約9.8% | 8.8〜9.2%程度 |
合計 |
約15% | 22〜24%程度 |
※(注記)2019年度の比率は、電力調査統計(資源エネルギー庁)より作成
エネルギー自給率の向上のためにも必要です
日本のエネルギー供給のうち、石油や石炭、天然ガスなどの化石燃料がその8割近くを占めており、そのほとんどを海外からの輸入に頼っています。日本のエネルギー自給率はわずか6%と、諸外国に比べてもとても低い数値です。
世界のエネルギー需要は急速に増えており、現在90%を海外からの輸入に頼っている日本にとっては、安定したエネルギー源の確保は大きな課題であり、その多くが純国産エネルギーである再生可能エネルギーの活用が期待されています。
主要国のエネルギー自給率(2018年)
IEA「WORLD ENERGY BALANCES (2020 edition)」より作成
J-POWERの再生可能エネルギーへの取り組みは?
エネルギー源の多様化や低炭素化
に向け、積極的に拡大中です
J-POWERは、1952年の設立以降全国で60か所開発してきた水力をはじめ、設備出力シェア全国2位の風力、40年以上の運転実績のある地熱など、再生可能エネルギーの利用拡大を推進しています。
J-POWERグループの
再生可能エネルギーへの
取り組み
J-POWERグループの
地熱発電所
運転中1ヵ所(2.3万kW)
※(注記)建設中2ヵ所
- 他社共同事業含む
- 持分出力ベース ※(注記)2020年7月1日現在
国内発電設備出力第2位
国内発電設備出力第2位
※(注記)2020年3月末現在
水力発電の特徴とJ-POWERの取り組み
1 水力発電とは
水が高いところから低いところへ流れる時の力を利用して水車を回し、電気を発生させるのが水力発電です。水の流れる量を調整する事で電気の需要変動にすばやく対応でき、かつCO2フリーで発電できるメリットがあります。
国内の豊かな水資源を利用する水力発電は、貴重な純国産エネルギーとして、古くから日本のエネルギー供給源として重要な役割を果たしてきました。
水力発電の仕組み
2J-POWERの取り組み
- 1.60年以上前から各地で大規模水力を開発
- 2.全国60カ所で水力発電事業を展開し、設備出力シェアで国内第2位(17%)
- 3.近年は中小水力発電所の開発も実施
奥只見発電所は、一般水力としては国内最大出力を誇ります。
2020年3月末現在
出典:資源エネルギー庁「電力調査統計」より作成水力発電設備出力シェアは、
国内の約2割を占め、第2位です。
このき谷発電所など中小水力発電を推進しています。今まで利用されていなかった水の流れに新たな水車と発電機を設置する中小水力の開発を積極的に進めています。
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風力発電の特徴とJ-POWERの取り組み
1 風力発電とは
風の力で風車を回し、その動力を発電機に伝達して電気を発生させるのが風力発電です。
昼夜を問わず発電でき、発電時に地球温暖化の原因となる温室効果ガスを排出しないというメリットがあります。
風力発電の仕組み
2J-POWERの取り組み
- 1.全国24カ所で風力発電事業を展開し、設備出力シェアで国内第2位(15%)
- 2.新規地点開発、研究開発による稼働率の向上
- 3.日本国内で洋上風力建設を目指して調査を行っているほか、 海外で大規模洋上風力発電所建設に参画しています
2020年1月には、せたな大里ウィンドファーム(北海道)・にかほ第二風力発電所(秋田県)が運転を開始しました。
2020年3月末現在
出典:日本電力協会資料より作成風力発電設備出力シェアは、国内の約15%を占め、第2位です。
イギリスの北海沿岸での大規模洋上風力発電所建設に参画しています。(写真はイメージです)
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地熱発電の特徴とJ-POWERの取り組み
1 地熱発電とは
地下に浸透した雨水がマグマの力で加熱されてできた蒸気を利用して電気を発生させるのが地熱発電です。 日本は火山帯に位置するため、豊富な資源があります。天候や時間に左右されず年間を通じて安定した発電が可能というメリットがあります。
地熱発電の仕組み
2 J-POWERの取り組み
- 1.出力10,000kWを超える大規模な地熱発電所としては23年ぶりとなる山葵沢地熱発電所(秋田県)の運転を開始しました。
- 2.40年以上にわたり運転を続けた鬼首地熱発電所(宮城県)はリニューアル工事中。新たな地熱発電所の建設プロジェクトにも参画しています。
鬼首(おにこうべ)地熱発電所(宮城県)は最新設備にリニューアルの上、2023年運転を開始する予定
2019年5月、山葵沢(わさびざわ)地熱発電所(秋田県・出力46,199kW)の運転を開始。※(注記)J-POWER、三菱マテリアル(株)、三菱ガス化学(株)の共同出資で設立された湯沢地熱(株)が運営
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バイオマス発電の特徴とJ-POWERの取り組み
1 バイオマス発電とは
未利用の木材資源や、下水汚泥、一般廃棄物などをリサイクルして作られたバイオマス燃料を燃焼し電気を発生させるのがバイオマス発電です。
バイオマス発電は、カーボンニュートラル※(注記)1という考え方に基づき、CO2の増減に影響を与えないとされています。
※(注記)1バイオマス燃料の燃焼時に放出されるCO2は、もともと大気中の炭酸ガスを植物が光合成により吸収・固定したものなので、実質的に大気中のCO2を増加させません。また生ゴミや下水汚泥も再生可能な生物由来の有機資源であり、そこに含まれる炭素も元来大気中などに存在していたものです。このような炭素循環の考え方を、カーボンニュートラルといいます。
バイオマス発電の仕組み
2 J-POWERの取り組み
- 1.バイオマス燃料と石炭を混ぜて使用し、石炭火力発電所からのCO2排出量を抑制
- 2.高効率で環境性能が高い大規模石炭火力発電所の設備を活用できるため、より効率的かつクリーンな利用が可能
- 3.品質確保や安定調達のため、燃料製造事業にも取り組む
上流(燃料製造)から
下流(火力発電所での混焼)
まで一貫して実施
J-POWERの石炭火力発電所におけるCO2削減量は約40,000t(一般家庭13,000世帯分)
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J-POWERは技術力を活かし
純国産CO2フリーエネルギーの
トップランナーであり続けます。