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再生可能エネルギー・水力発電のさらなる効率化を目指す

笠松 隼樹

J-POWER’S STAFF MEMBER

笠松 隼樹

水力発電部 水力電気室

新領域創成科学研究科 先端エネルギー工学部

2009年修了

現在の仕事内容について

戦後に建てた水力発電所の再開発。

私の仕事は、古くなった水力発電所のリパワリング(再開発)の計画・設計業務です。戦後の高度経済成長期にかけて建設された多くの水力発電所が、ちょうど今、更新の時期に差しかかっています。老朽化の目立つ発電所の設備を一括更新することで、最新技術を反映した水車・発電機を導入することができ、発電所の高効率化・信頼性向上が図れます。私の所属する部署では、発電所の経年や機器の余寿命診断などから老朽化の目立つ地点を選定し、さらに各機器更新をした場合の経済性評価を行い、更新範囲の検討、水車発電機設計、機器発注、工程管理と計画立ち上げから完工までを一貫して行っています。その中で私は電気系統の担当として、出力や電圧、冷却方式の選定などを踏まえながら水車発電機を再設計し、設計内容を仕様書に反映してメーカーに発注しています。今関わっている新潟の末沢発電所のリパワリング事業では、自然相手の難しさにも直面しています。冬は雪で作業ができないですし、山奥で道が悪いため大きな資材や設備を運び込むことができないからです。大学時代の研究と同様、条件を分析し、知見を総動員して最適解を探すやりがいのある作業です。

笠松 隼樹

J-POWERで働く理由

国内外で発電所の開発から電力供給まで一貫して関われるのが当社ならでは。

大学では、電力だけでなく水力風力、原子力などさまざまなエネルギーについて、世界全体でのエネルギーの最適分配モデルを研究していました。環境負荷、需要、トラブル時のペナルティなどを分析し、最適な配分をシミュレーションから導く研究です。研究を通してエネルギーに興味を持つ中でプラントエンジニアリングメーカーも視野に入れましたが、設備をつくるだけでなく発電して電力を供給するまで一貫して行う電力業界に絞って就職活動を行いました。その中でJ-POWERを選んだ理由は社会にインパクトを与えられるインフラ事業を行っている会社でありながら、一つの地域にとらわれず、国内のみならず海外でも事業展開を行っている点に魅力を感じたからです。国内初の大規模土木工事を行った静岡・佐久間ダムなど、常に新しいことに挑戦する社風にもひかれました。

所属する組織のミッション

再生可能エネルギーの安定供給に貢献する。

再生可能エネルギーである水力発電の安定供給とさらなる効率化が水力発電部のミッションです。そのためには既設設備の適切な保守・運用と、機器更新による高効率化が求められます。日ごろの巡視点検や余寿命診断などにより機器の状態を把握し、適切なタイミングで更新計画を立てたり、過去の運転実績やデータから適切な水車発電機の設計を行ったりすることで、今後さらに重要度が増していく再生可能エネルギーの安定供給へ貢献することを目指しています。

笠松 隼樹

印象に残っている仕事

現場のさまざまな方と協力して作業をやり遂げた。

高知県の早明浦発電所でのシーケンサ(水力発電所を動かすプログラム)更新作業は、今でも印象に残っています。CPUにプログラムをインストールするため現地に行ったところ、ハードウェアの環境整備が遅れていました。運転開始が数週間遅れそうだったので、上司に「このまま現地に残って、作業を手伝います」と連絡しました。自分の専門外の分野ですが、以前水力発電所で勤務していた経験を基に、現地の方と協力しながらハードウェアの施工を手伝い、なんとか工期に間に合わせることができました。最後に発電機を電力系統につないで無事電気を送れたことを確認し、所長に「完工しました」と電話をした瞬間に、現場では大きな拍手が起こりました。大変な案件でしたが、すべての人が自分の担当範囲を超えて協力することで、不可能が可能になることを実感しました。

私のパワーの源

知的好奇心

〈新しいことを知りたい。今まで見たことがないものを見てみたい、経験したい〉――これが公私を問わず私の原動力になっています。J-POWERには全国さまざまな設備があり、普段の生活では見ることのできないものを見たり経験したりできることも私の原動力につながっています。発電機を初めて見たときは「水の力でこんなに大きな機械が動くんだ」と驚きましたし、発電所ごとに設備や機械などの細かいつくりが違うので、現場に行くとスマホで撮影し記録して、知識を増やしています。また、制御所でのオペレーションや電気の需給バランスのとり方なども、現場で働くことで身をもって知ることができました。海外でも注目度が上がっている洋上風力発電にも興味を持っているので、今後は世界的な動きにも注目しながら、自分なりに風力発電について勉強していこうと思っています。

笠松 隼樹

オフタイムの過ごし方

保養所を拠点に家族で観光やハイキング。

体を動かすことが好きで、現場勤務時代に先輩に教えてもらったゴルフを続けています。社内の方々と行くことも多く、ゴルフのプレー中は仕事をしているときとは違う顔を見ることができるうえ、共通の話題ができるので親近感が増します。顔は知っていて話したことがない社員ともゴルフを通じて知り合うと、会社で気軽に話しかけることができます。また、会社で持っている保養所を家族がとても気に入って何度も利用しているほか、ハイキングや登山にもよく行っています。その土地のものを食べたり温泉に行ったりして、家族で過ごす休日を楽しんでいます。

専攻がいきていること、入社するまで知らなかったいいところ

大学時代に学んだ論理的思考や伝え方を活用。

私の場合は専攻の知識がそのまま生きていることは少ないのですが、学生時代の研究で学んだ論理的思考のプロセスはすべての業務に役立っていると感じています。学生時代に教授から「持論を通すには客観的データを組み立て、データと持論を分けて伝えることが大事」と教わりました。どんな仕事でも原因と結果の因果関係を的確にとらえて問題解決策を導き出し、相手に伝えることが求められますが、学生時代の経験や学びがこうした場面に生かされていると感じています。

CAREER STEP

笠松 隼樹
2009

水力・送変電部 中部支店 佐久間電力所

水力発電所のメンテナンス業務

2009

総務部付 株式会社JPハイテック出向

水力発電所のメンテナンス業務

2011

水力発電部 中部支店 中西地域制御所

水力発電所の運転監視業務

2016

総務部付 株式会社JPハイテック出向

水力発電所の運転制御プログラムの設計、製作業務

2019

水力発電部 水力電気室

水力発電所一括更新機器の選定および経済性評価、水車発電機技術設計、機器購入契約業務

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