JOGMEC、ウズベキスタンで初のウラン共同探鉱を開始
独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC理事長:河野博文)は、6月15日ウズベキスタン地質鉱物資源国家委員会と同国におけるウラン共同探鉱契約を締結した。
本件は平成19年4月28日に甘利前経済産業大臣が同国を訪問した際に、JOGMECと同委員会との間で調印された基本合意書に基づくものであり、JOGMECとしてウズベキスタンでのウラン探鉱は初めての実施になる。
調査地域はウズベキスタン共和国ナボイ州、州都ナボイの北西約200kmに位置し、3つの鉱区からなり、本年度は約50万US$をかけて9月からボーリング調査を開始し、来年の3月までには調査結果を取りまとめ、更に調査を継続するかを決定する。調査結果によっては資源量数千トンUが期待され、また、経済性が見込まれる有望な鉱床が確認されれば、しかるべき手続きを経て我が国民間企業に引き継ぐ。
ウズベキスタン共和国は、世界有数のウラン資源国
- 資源量は11.1 万トン(世界第11 位、全世界の2%に相当)
- 同国のウラン生産量は、2,320t(世界第5位)
- これまで同国のウラン生産は比較的開発が容易な※(注記)1 砂岩型のウラン鉱床だけであったが、今回調査対象となる鉱床はこれまでは開発の対象とされていなかった※(注記)2黒色頁岩型のウラン鉱床である。
甘利前経済産業大臣による資源外交
平成19年4月28日の甘利前経済産業大臣のウズベキスタン訪問時に、JOGMEC は地質鉱物資源国家委員会とウラン、レアメタルの共同探査を行うことで基本合意書を締結。同合意書については「甘利日本国経済産業大臣のウズベキスタン共和国訪問の成果に関するプレス・ステートメント」にも両国政府間で歓迎すべき案件と言及されている。
※(注記)1.砂岩型ウラン鉱床とは、およそ4 億年〜数千万年前に堆積した河川成の砂岩層および礫岩層中に産する鉱床である。ロールタイプと呼ばれる代表的な砂岩型鉱床は、鉱石を採掘せず溶液のままウランを回収するインシチュリーチング採鉱法が適用でき、比較的低コストでの生産が可能である。
※(注記)2.黒色頁岩型ウラン鉱床とは、海生の有機物に富む頁岩または炭質・黄鉄鉱質頁岩中に、低品位の鉱染状ウランが有機物に吸着されて同生的に堆積する鉱床である。一般に、品位が0.05%U 以下と低く難溶性であるため、ウランが低価格の時代には開発対象とされていなかった。
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