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低圧直流(LVDC)普及に向けた取り組み

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近年、脱炭素社会の実現に向けた省エネルギーへの要求がますます高まっています。また、太陽光発電や蓄電池などの再生可能エネルギーや直流で動作する機器の普及に伴い、エネルギーをより効率的に利用できる「低圧直流(LVDC)システム」が注目されています。

一般社団法人日本電機工業会(JEMA)では、工場や物流倉庫などを中心とした低圧直流(LVDC)システムの普及に向けた活動に取り組んでいます。

1. なぜ今、低圧直流(LVDC)なのか?

多くの電機機器は、インバータやサーボドライブ、LED照明、IT機器など、内部で一度交流を直流に変換してから使用しています。従来の交流給電システムでは、施設全体で多くのAC/DC変換が行われ、その度に電力変換損失が発生します。再生可能エネルギーの利用率向上やレジリエンス強化のために、蓄電システムを導入した場合、蓄電池へ電力を出し入れする度に電力を変換することになり、損失が増えます。
使用される変換器や直流電圧などにより効果も異なりますが、電力変換器を多く用いているシステムでは、直流化で電力変換の回数を減らすことが、さらなる省エネルギーに有効です。
また、省エネルギーのためにインバータを導入した場合にも、モータの減速時に発生する回生エネルギーを抵抗で熱として捨てていました。回生コンバータを導入すれば、回生エネルギーを活用できますが、高コストで大型になっていました。

低圧直流(LVDC)は、電力変換の回数削減や回生エネルギーの活用によって、システム全体のエネルギー効率を向上させる有効な選択肢の一つです。

低圧直流(LVDC)の主なメリット

  • 省エネルギー:AC/DCの電力変換ロスを削減します。また、太陽光発電や蓄電池との連携が容易になり、エネルギーを効率的に利用できます。
  • 回生エネルギーの有効活用:モータなどが減速する際に発生する回生エネルギーを、他の機器で消費したり蓄電池に充電したりすることで、無駄なく活用できます。
  • 設備のシンプル化・小型化:機器ごとに必要だったAC/DCコンバータを集約でき、配線数も削減できるため、設備全体のシンプル化と小型化に貢献します。
  • レジリエンス向上:太陽光発電や蓄電池と組み合わせることで、系統停電時にも自立して電力を供給し続けることが可能となり、事業継続性を高めます。

工場・物流倉庫の直流システム

2. JEMAの取り組み

JEMA低圧直流活用分科会では、主に国内における普及啓発活動、及び各社の直流対応製品を使用する相互運用における技術課題の解決に取り組んでいます。これは従来の交流給電に加え、直流配電が適した系統に直流配電システムを導入することにより、社会全体のカーボンニュートラルに貢献することを目指すものです。
活動においては、海外動向や国際標準化動向も注視し、国際的な整合も図っています。

2.1 普及啓発活動

各種展示会への出展や低圧直流の利点をまとめた資料の公開を行っています。

2.2 相互運用における技術課題解決

これまでJEMA会員企業は、それぞれ個別には実証試験を実施してきました。一方、低圧直流の本格的な普及においては、さまざまな企業の製品を組み合わせて使えるようになることが必要となります。そうした相互運用に向け、JEMAでは低圧直流に関するルール形成に取り組み、直流対応機器を組み合わせて使用するシステムインテグレータや施工業者向けのガイドラインを発行しています。

JEMA 低圧直流活用分科会 参加メーカ(五十音順)

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