JARL事務局には、一般の方からの電波障害の相談も多く寄せられています。アマチュア無線を知らない一般の方は、電波や電気の知識に乏しい場合も多いようで、アマチュア局が原因となる電波障害ではないものでも、近くに無線の大きなアンテナが建っている場合は、アマチュア無線の電波による電波障害と思ってしまい、JARLに相談してくるというケースが多くあります。
最も問い合わせが多いのが配電線などのガイシなどから放射されるパルスノイズがテレビ画面に白い点々として現れる障害です(右の画面のようなノイズ)。
この障害は白い点々がメダカの群れが川の中を泳ぎ回るようすに似ていることから「メダカノイズ」と呼ばれています。配電線からのパルスノイズが発生するのは、一般的に空気の乾燥した冬の季節に多いと言われていますが、ほとんどの方がこの症状が電波障害と思ってJARLに相談がきます。この障害は比較的長い時間連続して発生しますから、アマチュア無線の電波による障害とはっきりと区別することができます。
送電線などによるパルスノイズは、管轄する電力会社に対応をお願いすることになります。高圧送電線以外でこのような障害を発生するものは、ネオンサインの不良があります。
この他、電気こたつや電気あんかなどに使用されているサーモスタットの接点部分の損耗などによって雑音が発生します。この雑音が高圧送電線のパルスノイズと同じようにテレビ画面に白い点々で現れます。
また、ドライヤーなどのモーターの接点からのノイズもありますが、これらは障害を受けている家庭で自ら使用している場合が多いので、電波障害としての申告はほとんどありません。
パルスノイズの主な発生源
パルスノイズの調査と対策方法の概略
★他の部屋のテレビの映り具合を調べたり、ご近所のテレビの映り具合を聞いてみましょう
★障害の持続時間や発生時間などを調べましょう
★障害源は、受信機や携帯ラジオ、テレビなどを使って調べることもできます
★原因と思われる機器の電源を切って、障害が止まるかどうかを調べましょう。
→テレビの故障か電波障害かがわかります。電気機器が原因の場合は、お買い求めの電気店に点検や修理を頼んでください。
→障害源の機器が推定できます(例:連続→送配電線間欠的→業務用冷蔵庫など、特定の時間に連続的に発生→ネオンサインや照明機器など)
→障害の強いところに原因があることが多く、意外に自分の家の中にあることも多い。障害源がある程度わかったら、機器の所有者や使用者に申し出て調査や対策の協力をお願いしましょう。
→機器の所有者や使用者と協力して、障害源を特定して対策をおこないましょう。送配電線の場合は、電力会社などに連絡して、処置をお願いしてください。
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