6.結婚・家族に関する妻の意識
(1)意識の概況
「男らしさ女らしさは必要」、「結婚しても自分の目標を」
結婚、家族、男女関係などに関する妻の考え方を11項目にわたって調べた。8割以上の妻が、「4男らしさや女らしさは必要」、「5結婚しても自分の目標を持つべき」、「3婚前の性交渉はかまわない」という考えを支持している。「2同棲より結婚するべき」「8結婚したら子どもを持つべき」「9幼子の母親は家にいるべき」という意見は7割前後、「1生涯独身でいるのはよくない」「10性格の不一致くらいで別れるべきでない」は5〜6割の支持を得ている。逆に支持が半数に満たないのは「6結婚に犠牲は当然」(4割強)、「11結婚せずに子どもを持ってもよい」(3割強)、「7夫は仕事、妻は家庭」(3割)である。
(2)意識の変化
2000年以降、多くの項目で変化の方向が反転
意識の調査を始めた第10回調査(1992年)からの変化をみると、1990年代にはどの項目についても一般に伝統的と見なされている考え方から離れていく傾向がみられたが、2000年代に入ると、項目によって変化の方向に違いが生じている。
〈変化が継続している項目〉
90年代における変化が続いている項目は、3婚前交渉はかまわない、8子どもは持つべき、9幼子の母は家にいるべき、5結婚後も自分の目標を持つべき、の4項目である。いずれも伝統的な考え方への支持が減少する方向に変化が続いている。
〈変化が反転した項目〉
90年代における変化の方向が反転した項目は、1生涯独身は望ましくない(2005年以降「賛成」が増加)、2同棲するなら結婚すべき(今回「賛成」が増加)、10性格の不一致くらいで離婚すべきでない(今回「賛成」が増加)、7男は仕事、女は家庭(2005年以降「賛成」が増加)6結婚に犠牲当然(2002年以降「賛成」が増加)の5項目である。これらは90年代には伝統的な考え方から離れる方向に変化していたが、2000年代に入り伝統的な考え方への支持が増加している。
(3)意識と出生意欲、出生子ども数
妻が伝統的な考え方を持つ夫婦では理想・予定・出生子ども数が多い
家族に関する伝統的な考えを支持するか否かによって、理想子ども数、予定子ども数、出生子ども数を比較した。結婚持続期間に関わらず、概ね妻の考え方がより伝統的である夫婦(棒グラフ左)の方が、伝統的でない場合に比べ、いずれの子ども数も多い。特に「8結婚したら子どもを持つべき」に賛成、「5結婚しても自分の目標を持つべき」に反対、「10性格の不一致くらいで別れるべきでない」に賛成、「6結婚に犠牲は当然」に賛成、「夫は仕事、妻は家庭」に賛成している場合、出生意欲が高めとなっている。
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