(記事公開日:2024年9月2日)
MicrosoftのWindows 11は、Windows 10の後継としてリリースされた最新OSです。WindowsのOSにはサポート期間が設けられており、アップグレードしなければ、Microsoftが提供する重要な更新を含むいくつものサービスが受けられません。
Windows 10を長く利用していたユーザーの中には、Windows 11に移行したほうがよいか迷っている方もいるのではないでしょうか。この記事では、Windows 11に移行するメリットやWindows 10との違いを紹介します。アップグレードの方法や注意点も解説するため、移行時の参考にしてください。
Windows 11は、日本では2021年10月5日にリリースされました。Windows 10の後継バージョンにあたるOSで、大型アップグレードのため、多くの改良が加えられています。Windows 10から安心して更新するには、異なる部分の把握が必要です。
どのような部分が進化したのか、Windows 11の基本情報とともに、Windows 10との違いを見てみましょう。それぞれを比較することで、移行の検討をサポートします。
Windows 11とWindows 10は、動作に必要な仕様が異なります。新しく導入するOSをスムーズに動作させるには、ハードウェアの要件を満たすことが重要です。以下の表で、仕様の違いを把握しましょう。
| Windows 10 | Windows 11 | |
|---|---|---|
| プロセッサー | 1GHz以上 | 1GHz以上かつ2コア以上 |
| メモリー | 1GB/2GB | 4GB |
| ストレージ | 16GB/32GB | 64GB |
| ディスプレイ | 解像度800×600 | 9インチ以上かつ 高解像度1,280×720 |
| グラフィックスカード | DirectX 9以上 | DirectX 12以上 |
| ファームウェア | BIOS/UEFI | UEFI/セキュアブート対応 |
| TPM | 不要 | バージョン 2.0以上 |
今までWindows 10なら問題なく使えた機器でも、アップグレード後に能力が足りないケースもあるため注意しましょう。近年ではPCの仕様向上により、条件を満たした機器への買い替えも比較的容易です。
Windows 11は、見た目のデザインがWindows 10から大きく変化しました。ユーザーインターフェイスの刷新により、さらにモダンで洗練された操作しやすい外観です。
スタートメニューやタスクバーは中央に配置され、シンプルなアイコンベースのデザインに変わりました。
視覚的に柔らかい印象を与えるウィンドウは、角の目立たない丸みを帯びた形をしています。アプリへのアクセスや画面リサイズの動作も滑らかで、スムーズで直感的な操作を実現しました。
Windows 11 へのアップグレードにより、既存機能を強化し、新機能を追加しました。ウィンドウ管理の効率を高めるスナップ機能は、レイアウトを一新して直感的に整理や配置ができます。
リモートワークの需要に応えてMicrosoft Teamsを標準搭載しており、アカウントがあれば初期設定後、すぐにビデオ通話やチャットが可能です。
仮想デスクトップの改善や新しいウィジェットの追加により、作業環境や情報の管理がさらに容易になりました。他にも、ユーザーの生産性を向上させる機能を搭載しています。
Windows 11は、Androidアプリを直接インストールして利用できます。従来のWindows 10では、Androidの環境をPC上に仮想的に再現し、その中でアプリの操作が必要でした。動作にはエミュレータや仮想マシンの導入が必須で、手間がかかるため効率的ではありません。
Windows 11へアップグレードすれば、ユーザーはエミュレータや仮想マシンを使用しなくとも高いパフォーマンスでアプリを楽しめます。この環境は、Microsoft StoreとAmazon Appstoreの統合により実現しました。
ただし、2024年3月6日からはMicrosoft Store経由でAmazonアプリストアのアプリがダウンロードできません。2025年まではアプリのアップデートが可能ですが、Amazonアプリストアや関連アプリの検索ができない点には注意しましょう。
Windows 10から大幅な進化を遂げたWindows 11は、機能の追加や改善により利便性が大きく向上しました。また、アップグレードによる新しい作業環境の構築やセキュリティの強化も魅力です。
ここでは、Windows 11に移行することでどのようなメリットが得られるのか、3つの利点を深く掘り下げて解説します。メリットを通して、導入後をイメージしてみましょう。
Windows 11で追加・改善された機能は、日常のコンピューター作業をより快適で効率的にします。ユーザーインターフェイスはもちろん、改善された仮想デスクトップなど、初心者も直感的で操作しやすいデザインです。
ウィジェット機能は、ニュースから天気、カレンダーまで、必要な情報を一目で確認できます。タスクバーから簡単にアクセスでき、時間の節約も可能です。また、タッチキーボードの使用感も向上し、配色やサイズを調整して使えます。
早めにWindows 11へ移行すれば、スピーディーに新しい環境を整えられます。
Windows 10で使っていた周辺機器は、Windows 11でも動作するとはかぎりません。アップデートを待つにしても時期が分からないため、対応機器に買い替えたほうが早くて安心です。また、最新の機能に触れることで、新しい機能を最大限に活用できます。
いずれサポートも終了するため、Windows 11が主流になるまでに環境を整えて準備しておきましょう。
Windows 11への切り替えに向けて今すぐ準備を!
PCを安心して利用するには、あらゆるセキュリティ対策が重要です。セキュリティ面が強化されたWindows 11なら、従来より高い安全性を保持できます。
Windows 11から搭載必須となったTPM2.0は、セキュリティ機能の活用に必要なモジュールです。デバイスの暗号化やセキュアブートを強化して、システムの保護能力を高めます。
自動でマルウェア スキャンを実施することで、定期的に状態の確認が可能です。セキュリティ機能のアップデートも配信されるため、更新と同時にシステムの脆弱性を迅速に修復します。
ビジネスNAS入門|セキュリティ対策
Windows 10をWindows 11にアップグレードする前に、インストール先のデバイスが動作条件を満たしているか確認しましょう。Windows公式の正常性チェックアプリから簡単にチェックできます。
要件を満たした状態を前提に、Windows 11にアップグレードする3つの方法と手順を紹介します。本格的に移行を検討している方は、自身の環境に適した手段で進めましょう。
Windows Updateを利用したWindows 11へのアップグレードは簡単です。アップグレードまでの手順を紹介します。
1.スタートメニューの設定から更新とセキュリティを選択
2.Windows Updateの起動ボタンを押す
3.ダウンロードしてインストールをクリック
4.互換性のチェック(自動)
5.インストールファイルのダウンロードとインストール
インストール完了後、アップグレードするには再起動が必要です。また、アップグレードのタイミングは時間指定で指定できます。
インストールアシスタントを使用すれば、Windows Updateを使わずにアップグレードができます。この方法は、Windows 11の動作条件をチェックした後に作業を進めるためのツールです。公式では推奨されていません。以下は要件を満たした状態のPCを用意した後の手順です。
1.インストールアシスタントをダウンロード
2.ダウンロードファイルを実行する
3.表示される指示にしたがって進める
4.インストールの進行
5.再起動してアップグレードする
インストール中はPCの再起動が数回行われるため、途中で電源が切れないように電力を確保しておきましょう。
Microsoftが提供するインストールメディアを使用したアップグレード方法もあります。ネット接続が不安定な場合やクリーンインストールを行いたい場合に有効な手段ですが、推奨されてはいません。以下の手順でインストールが可能です。
1.メディア作成ツールをダウンロード
2.ダウンロードしたツールを実行
3.必須項目を選択(言語・エディションなど)
4.インストールデータを保存するメディアを選択
5.アップグレード対象に保存メディアを挿入
6.手順にしたがってプロセスを進行
7.インストール完了後にPCを再起動
データを保存するメディアには、最低8GBの空き容量が必要です。上書きで保存されるため、新規のメディアを用意するか、実行前に中身を確認しておきましょう。
生涯保存ができる「M-DISC」とは
Windows 11のリリース後に移行したユーザーが存在する一方で、Windows 10を使用し続けている方も少なくありません。必要な仕様や操作感が異なるため、踏み切れずに悩んでいるケースもあるのではないでしょうか。
ここでは、Windows 11に移行したほうがよいか迷っている方向けに、サポート期間やダウングレードについて解説します。最適な判断ができるように、理解を深めましょう。
Microsoft社は、Windows 11のリリースに合わせてWindows 10の機能更新の終了を発表しました。現状、大幅な新機能や改善点の提供を受けられません。
Windows 10のままでもセキュリティアップデートやバグ修正は引き続き受けられるものの、機能面ではWindows 11に劣る部分もあります。
ユーザーに最新の技術や長期的なサポートを提供するため、Microsoft社はWindows 11へのアップグレードを推奨しています。公式のWebページから無料で移行できるので、Windows 10を利用中の方は検討してみてはいかがでしょうか。
Windowsが展開するOSにはサポート期間が設けられており、同じOSでもバージョンによって期間が変わります。最新OSのWindows 11は、継続的なサポートと機能更新により長期間にわたる利用が可能です。
一方、Windows 10は2025年10月14日にサポート終了が予定されており、期間を過ぎるとアップデートによるサポートが受けられません。バージョンが古いWindows 10の場合、すでにサポートを終了したものも多いため移行を検討しましょう。
企業におけるWindows 11導入時のPC入れ替えに便利。データ移行アプリ内蔵のセキュリティHDD
Windows 11へのアップグレード後、10日以内ならWindows 10にダウングレードが可能です。新しいOSに不満がある場合や互換性に問題がある場合には、元の環境に戻せます。
ただし、期間を過ぎると戻せなくなる点や一部のアプリ・設定が元の状態に戻らない点に注意しましょう。一からインストールし直す形になるため、バックアップをあらかじめ用意しておくと安心です。
Windows 11へのアップグレードにより新機能や改善点を享受できますが、注意したいポイントも存在します。Windows 10からの移行を後悔するおそれもあるため、事前に確認しましょう。
ここでは、エディションの違いや使えなくなる機能、データ消失のリスクといった役立つ情報を紹介します。注意点を押さえて、安全かつ悔いのないアップグレードを実現しましょう。
Windows 11は、主に個人向けの「Home」とビジネス向けの「Pro」の2種類を展開しています。これらのエディションは、ユーザーのニーズに応じた異なる機能とセキュリティオプションが魅力で、違いを理解した上で選ぶことが大切です。
Homeは、簡単なセットアップと操作で、初めてPCを触るユーザーにも向いています。ゲームに関するエンターテイメント機能や基本的なセキュリティ機能など、日常利用に最適です。
Proは、企業のニーズに対応する高度なセキュリティ機能や管理ツールが含まれています。情報漏えいの防止対策はもちろん、データの共有や管理など、作業の効率化に役立つ機能も豊富です。
Windows 11にアップグレードすることで、一部の機能が廃止または変更されます。たとえば、WebブラウザーのInternet Explorer(IE)です。Windows 11では、Microsoft Edgeを代替として採用し、IEモードで古いWebページの互換性も維持しています。
また、Windows 10のライブタイルやタブレットモードは廃止され、デザインやシステムが変更されました。デフォルトで配置されていたCortanaやSkypeなど、廃止されていないものの影が薄くなった機能もあります。
機能の廃止や変更は使い勝手に影響を及ぼすため、自分にとって必要な機能を確認しておきましょう。
アップグレード作業は、データの消失リスクに備える必要があります。予期せぬ不具合による被害を最小限に抑えるために、バックアップを取っておきましょう。外部やクラウド上のストレージにデータをコピーしておけば、本体から消えても最悪の事態を防げます。
アプリケーションの互換性の確認も重要です。現在使用しているものと新しいOSに互換性がない場合、動作不良の原因になるおそれがあります。事前にしっかりと対策して、スムーズで安全な移行作業をしましょう。
データ消失を防ぐにはバックアップが有効で、「3-2-1ルール」という管理方法が理想的と言われています。コピーした3つのデータを2つの異なるメディアで保存し、1つずつ別々の場所で保管する方法です。
一般的に、クラウドストレージと外部ストレージの2箇所で保存します。個人や企業で保管するデータの容量や重要性は異なるため、目的に適したストレージ選びが重要です。ここでは、アイ・オー・データのSSDとHDDを紹介します。
スティックSSDは、USB接続で使用可能な小型の外付けストレージです。従来のUSBメモリーや外付けHDDと比べて、転送速度や耐久性に優れています。また、コンパクトで保管時のスペースも圧迫しません。
アイ・オー・データのスティックSSD「SSPE-USCシリーズ」は、HDDの約4.4倍も速いデータ転送が魅力です。スライド収納可能なUSB-AとUSB-Cのコネクターを搭載し、省スペースで保管できるだけでなく、機器に直接つなげるだけで簡単に使えます。
USB-A&USB-C®コネクター搭載!幅広いデバイスに対応するスティックSSD「SSPE-USCシリーズ」
HDDは、テラバイト単位のデータを保存できるストレージデバイスです。容量の大きさやコストパフォーマンスの良さから、企業のデータバックアップやアーカイブの保存先として利用されます。RAIDシステムやNASとの組み合わせによる容量の拡張も可能です。
アイ・オー・データのHDD「HDPD-SUTCシリーズ」は、企業の重要なデータを高いセキュリティ機能で保護します。耐衝撃性能も兼ね備えており、物理面でもデータを守る商品です。別売の管理者用ソフトウェア「SUHManager」を利用すれば、一元管理もできます。
自動暗号化&パスワードロック機能&耐衝撃ボディ!持ち運びも安心なセキュリティHDD「HDPD-SUTCシリーズ」
最新のOSであるWindows 11にアップグレードすることで、操作性や利便性が向上した環境を体感できます。Windows 10から移行する場合、動作条件や使える機能の違いなど、事前確認が必要です。問題がなければサポートの終了前に移行しましょう。
万が一のときはダウングレードもできますが、本体へ再インストールしなければなりません。また、移行時のデータ消失に対応できるように、バックアップを用意しましょう。
アイ・オー・データでは、個人や法人のニーズに適したSSDやHDDを提供しています。アップデートのトラブル対策にぜひご検討ください。
I-O Knowledgeコラム 編集部では、液晶ディスプレイとHDD&NASのストレージデバイスを中心に、IT業界に関わる基礎知識と最新トレンド情報を選りすぐりでお届けします。
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