(記事公開日:2024年9月2日)
パソコンの動作が遅いと感じたことはありませんか。実はBIOSの設定を最適化するだけで、CPUやメモリー、ストレージのパフォーマンスを大幅に改善できます。しかし、BIOSの詳細設定項目は専門的な知識が必要で、初心者にはハードルが高いと思われがちです。
そこで本記事では、BIOSの基本から応用までを丁寧に解説し、パソコンの処理速度を向上させる方法をお伝えします。ぜひ最後までご覧いただき、快適なパソコン環境を手に入れましょう。
BIOSは、パソコンの動作を制御する重要なソフトウェアです。ここでは、BIOSの役割と機能、UEFIとの違い、起動方法について解説します。
BIOSの設定を最適化することで、CPUやメモリー、ストレージのパフォーマンスを引き出せるでしょう。初めは戸惑うかもしれませんが、ぜひBIOSの基本を理解し、設定変更に挑戦してみてください。
BIOSは、パソコンの心臓部とも言えるマザーボードに組み込まれた基本ソフトウェアです。電源を入れた直後に起動し、ハードウェアの初期化や設定を行います。CPUやメモリー、ストレージなどの動作設定を最適化することで、パソコンのパフォーマンスを引き出せます。
BIOSの設定画面は、パソコンの起動時に特定のキー(メーカーによって異なります)を押すことで表示されます。ここで、ブートデバイスの優先順位や、CPU・メモリー・ストレージの詳細設定を行うことができます。最近では、従来のBIOSに代わり、より高機能なUEFIを採用するパソコンも増えてきました。
UEFIは、従来のBIOSを置き換える新しいファームウェアです。BIOSが16ビットのプロセッサーを前提としているのに対し、UEFIは32ビットや64ビットのプロセッサーに対応しています。
また、UEFIはマウス操作に対応し、グラフィカルなユーザーインターフェイスを備えているため、より直感的な設定が可能です。さらに、セキュアブート機能により、不正なソフトウェアの起動を防ぐなど、セキュリティ面でも優れています。
ただし、UEFIを採用していても、従来のBIOS互換モードで動作させることができるため、必ずしもUEFIの恩恵を受けられるとはかぎりません。
BIOSを起動するには、パソコンの電源を入れた直後に特定のキーを素早く押す必要があります。多くの場合、「F2」や「Delete」キーが使われますが、メーカーや機種によって異なるので確認しましょう。
画面に「Press F2 to Enter BIOS」などのメッセージが表示されたら、すかさずそのキーを押します。タイミングを逃すと、Windowsが起動してしまうので、電源投入後は集中してキーを押すようにしてください。
BIOSが起動すると、青や黒を基調とした設定画面が現れます。ここで、矢印キーやファンクションキーを使って、各種設定を変更していきます。
BIOSの設定を最適化することで、パソコンのパフォーマンスが大幅に向上します。ここでは、CPU、メモリー、ストレージの各設定について、具体的な変更方法と効果を解説します。
ただし、BIOSの設定変更には一定のリスクが伴うため、十分な知識がない場合はデフォルト値のままにしておくことをおすすめします。
CPUの設定を最適化することで、パソコンの処理速度を向上させられます。BIOSでは、CPUの動作周波数やコア数、電圧などを調整可能です。たとえば、「CPU Frequency」を上げれば、CPUの性能が向上しますが、発熱や消費電力も増加するので注意が必要です。
また、「Intel Turbo Boost」や「AMD Turbo Core」といったCPUの自動オーバークロック機能のオン・オフを切り替えられます。
ただし、これらの設定変更は、パソコンの安定性を損なうおそれがあるため、十分な知識がない場合は、デフォルト値のままにしておくのがよいでしょう。
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メモリーの設定を最適化することで、パソコンのパフォーマンスを大幅に向上できます。BIOSでは、メモリーの動作クロックやタイミング、電圧などを細かく調整可能です。
たとえば、「Memory Frequency」を上げれば、メモリーの読み書き速度が向上しますが、安定性が損なわれる可能性もあるので、慎重に設定する必要があります。
また、「XMP (Extreme Memory Profile)」を有効にすることで、メモリーの性能を最大限に引き出せます。ただし、XMPプロファイルに対応したメモリーモジュールでないと使えないので注意しましょう。
メモリーの設定変更は、CPUほどリスクは高くありませんが、それでも十分な知識がない場合は、デフォルト値のままにしておくのがおすすめです。
BIOSでストレージ設定を最適化することで、システムの起動時間を短縮できます。
まず、「Boot Order」で起動デバイスの順番を変更し、最もよく使用するOSのドライブを最上位に設定しましょう。次に、「SATA Mode」を「AHCI」や「RAID」に変更することで、データ転送速度を向上できます。特に「AHCI」モードはSSDにおすすめです。
ただし、「RAID」モードは複数のストレージデバイスが必要であり、設定が複雑になるため、初心者は避けるのが無難です。また、設定を変更する前には、必ずデータのバックアップを取りましょう。
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BIOSには、CPUやメモリー、ストレージのパフォーマンスに大きな影響を与える詳細設定項目が数多く存在します。これらの設定を最適化することで、パソコンの処理速度や起動時間を大幅に短縮できるでしょう。
ただし、不適切な設定変更はシステムの不安定化を招くリスクもあるため、慎重な調整が求められます。ここでは、CPU、メモリー、ストレージに関連する主要な設定項目について、その機能と推奨値、注意点などを詳しく見ていきます。
BIOSでCPUの設定を最適化すると、パソコンの処理速度を向上させることができます。主なCPU関連の設定項目には、「CPU Frequency」や「CPU Ratio」などがあります。これらの値を上げることで、CPUのクロック周波数が上がり、処理速度がアップします。
ただし、値を上げすぎるとCPUが発熱したり、システムが不安定になったりするので注意が必要です。初心者の方は、デフォルト値から少しずつ上げていくのがおすすめです。
また、「Intel Turbo Boost」や「AMD Turbo Core」といった、CPUの自動オーバークロック機能を有効にすると、必要なときだけ自動的にクロックが上がるので、パフォーマンスアップが期待できます。
次は、メモリー関連の設定項目について見ていきましょう。BIOSでメモリーの設定を最適化することで、アプリケーションの起動速度やデータアクセス速度を向上させることができます。主なメモリー関連の設定項目には、「DRAM Frequency」や「DRAM Timing」などがあります。
「DRAM Frequency」は、メモリーの動作クロックを設定する項目です。値を上げることで、メモリーの読み書き速度が向上します。ただし、メモリーの規格や対応クロックを確認し、適切な値を設定することが重要です。
一方、「DRAM Timing」は、メモリーアクセスのタイミングを調整する項目です。CAS Latencyなどの値を小さくすることで、レイテンシが減少し、メモリーアクセス速度が向上します。ただし、値を下げすぎるとシステムが不安定になるリスクがあるので、慎重に設定する必要があります。
メモリー設定の最適化は、システムの安定性とのバランスが重要です。初心者の方は、XMP(Intel Extreme Memory Profile)などのメモリープロファイルを使用することをおすすめします。
ストレージ関連の設定では、「SATA Mode」や「AHCI Mode」などの項目があります。これらの設定を最適化することで、ハードディスクやSSDの読み書き速度を向上させ、起動時間を短縮可能です。
また、「SATA Port」の設定で、使用していないSATAポートを無効にすることで、起動時間の短縮につながります。BIOSの設定変更は、ストレージのパフォーマンスに大きな影響を与えます。自作パソコンユーザーの方は、ぜひBIOSでストレージ設定を見直してみてください。
BIOSの設定変更は、パソコンのパフォーマンス向上を期待できますが、トラブルに見舞われることもあります。アップデートの際は手順を慎重に進め、設定のバックアップを取るなど、万が一に備えましょう。
変更に失敗した場合は、CMOSクリアで初期化するなどの対処法を試してみてください。また、ストレージの不調時は、BIOSでSATAモードを見直したり、S.M.A.R.T.情報をチェックしたりすることで、原因の特定につながります。
BIOSのアップデートは、パソコンの安定性や性能向上に役立ちますが、手順を誤ると起動不能になる危険性もあります。
まず、メーカー公式Webサイトから最新のBIOSファイルをダウンロードし、USBメモリーなどに保存します。次に、現在のBIOS設定をメモやスクリーンショットで記録しておきます。
いざアップデートする際は、パソコンをコンセントに接続し、途中で電源が切れないよう注意が必要です。万が一失敗しても、慌てずに冷静に対処することが大切です。
たとえば、CMOSクリアでBIOSを初期化したり、最悪の場合はメーカーサポートに相談したりするなど、適切な方法で問題解決を図りましょう。アップデート後は設定を見直し、正常に動作することを確認します。
BIOSの設定変更に失敗した際は、落ち着いて対処することが大切です。
まず、パソコンを再起動し、BIOSが表示されるかを確認しましょう。表示されない場合は、マザーボードのCMOSクリアボタンを押すか、CMOSバッテリーを一時的に取り外して、設定をリセットしてみてください。
BIOSが起動した場合は、「Load Setup Defaults」や「Load Optimized Defaults」などのオプションを選択し、初期設定に戻します。それでも問題が解決しないときは、メーカーのサポートに連絡を取ってください。
BIOSの設定は慣れるまで難しく感じるかもしれませんが、失敗をおそれず挑戦することが上達への近道となります。
各メーカーや機種によってBIOS画面の見た目や操作方法は異なりますが、基本的な設定項目は共通しています。
たとえば、DELLのパソコンではF2キーを押してBIOSに入り、矢印キーで項目を選択し、Enterキーで決定します。一方、Lenovoの場合はF1キーではなく、F2キーでBIOSに入ります。F9キーで設定のリセットができる点は同じです。
HPやASUSなど、他のメーカーでも、ほとんどF2キーでBIOSに入れます。マニュアルを見ながら、ゆっくり操作すれば問題ありません。ぜひ挑戦してみてください。
ストレージの不調は、パソコンの動作に大きな影響を与えます。パソコンの起動に時間がかかったり、アプリケーションの読み込みが遅くなったりと、イライラさせられることもあるでしょう。そんなときは、まずBIOSでストレージ関連の設定を見直してみるのがおすすめです。
SATAモードをAHCIに変更したり、NCQを有効にしたりすることで、パフォーマンスが改善する可能性があります。それでも改善が見られない場合は、ストレージの健康状態をチェックしましょう。S.M.A.R.T.情報を確認し、異常があれば交換を検討する必要があります。
ストレージの空き容量を確保するためには、スティックSSDなどの外部ストレージを使用したほうがよいケースもあります。
BIOSアップデート時のファイル保存にも使用できるので、ぜひ用意しておきましょう。ここではアイ・オー・データのスティックSSDについて紹介します。
アイ・オー・データのスティックSSD「SSPE-USC」シリーズは、USB-AとUSB-C両対応で、さまざまなパソコンのバックアップに使えます。
容量も500GB・1TB・2TBから、用途に合わせて選べます。BIOS設定の際、手元にあると安心です。
USB-A・USB-C両対応!BIOS設定を支えるスティックSSD「SSPE-USCシリーズ」
BIOSは、PCの重要なシステムで、ハードウェアの初期化や設定を行います。起動デバイスの選択、CPU・メモリー・ストレージの最適化など、さまざまな設定が可能です。
適切な設定変更により、パフォーマンスを向上させることができます。BIOSを理解し、うまく活用することで、PCのパフォーマンスを最大限に引き出せるでしょう。
ストレージの最適化や、BIOSアップデート時のファイル保存には、外部ストレージが役立ちます。アイ・オー・データのスティックSSDをぜひご活用ください。
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