(記事公開日:2024年7月12日)
新しいSSDを購入したり使用中のSSDに不具合が発生したりして、フォーマットが必要になるときがあります。いざSSDをフォーマットしようとしても、どのように作業すればよいか分からず、悩んでいる方もいるのではないでしょうか。
この記事では、SSDのフォーマットが必要になる主なシーンや作業手順を紹介します。フォーマットの方法はいくつかあるため、事前に確認しておけば、状況に応じて適切な方法を活用できるでしょう。
SSDやHDDをはじめとしたストレージを接続先のデバイスで使用できるようにする作業を「フォーマット」と呼びます。フォーマットの語源は英単語の「format」で、「初期化する」という意味の他動詞です。
SSDのフォーマットも初期化を意味し、すでに何らかの形で使用しているSSDをフォーマットすると保存したデータが削除され、何も保存されていない状態になります。
そのため、間違えてフォーマットしないように注意して、本当にフォーマットが必要か見極めてから作業に移りましょう。
SSDとはどのようなもの?HDDとの違いや特徴を紹介
どのようなときにSSDをフォーマットする必要があるのでしょうか。ここでは、代表的な4つのシーンを紹介します。フォーマットは頻繁にやる作業ではありませんが、新品のSSDを使用するときやトラブルが発生したときなど、ピンポイントで必要です。
新品のSSDをPCに搭載するとき、そのままではストレージとして使用できません。内蔵SSD・外付けSSDのどちらを接続してもPCが認識しないのが通常です。新しいSSDを正しく認識させて使えるようにするには、使用するPCに接続した状態でフォーマットしましょう。
今まで使用していたSSDを別のPCに移植した場合、そのままでは認識せずフォーマットしなければならないケースがあります。
たとえば、WindowsマシンからmacOSマシンに移植したときなど、OSが異なると使用できるファイルシステムが異なるため認識しなくなりがちです。そのようなときは、移植先のPCでSSDをフォーマットする必要があります。
SSDの移植が目的なら、新しいPCのOSが対応しているファイルシステムでフォーマットすることが大切です。
使用中のSSDに何らかの不具合が発生し、認識しなくなったときや内部のデータにアクセスできなくなったときは、フォーマットによって直るケースがあります。他の復旧方法を試しても直らなかったら、フォーマットを検討しましょう。
フォーマットするとストレージの状態が初期化されるため、不具合が直って正常にデータを保存できるようになることがあります。ただし、使用中のSSDをフォーマットすると、内部のデータは削除されるため注意が必要です。
OSをクリーンインストールするときは、システムドライブとして使っているSSDをフォーマットしてからインストールします。
通常はインストール中に自動でフォーマットされますが、何らかの不具合が発生したときやパーティション分けを変更したいときは手動フォーマットが必要です。
たとえば、Windowsをクリーンインストールする際は、インストールウィザードの途中でドライブを指定してフォーマットできます。必要になったときは試してみましょう。
新しく購入したSSDや不具合が発生したSSDをフォーマットする方法はいくつかあります。ここでは、Windows 11で使用できる代表的な方法として、以下の4つを見ていきましょう。
いずれかの方法で不具合が発生しても、別の方法でフォーマットできる場合があります。さまざまなトラブルに対処するためにも、この機会にチェックしておきましょう。
使用中のSSDと新しいSSDの両方で使える方法のひとつが、「ディスクの管理」からフォーマットする方法です。フォーマットするときは、以下の手順で操作します。
1.Windows+Xを入力してクイックリンクメニューを開く
2.「ディスクの管理」をクリックして起動する
3.フォーマットしたいドライブを右クリックする
4.表示されたメニューから「フォーマット」を選択する
5.ウィザードにしたがってボリュームラベルやファイルシステムを指定する
6.必要に応じて「クイックフォーマットする」にチェックを付ける
7.「OK」をクリックする
フォーマット作業が完了するまでは、ある程度の時間がかかります。完了するまでPCの電源を切らずに待ちましょう。手順6でクイックフォーマットをチェックしなかった場合、さらに時間がかかります。
Windows Explorerにフォーマットしたいドライブが表示されているなら、そこからフォーマットできます。Windows Explorerからフォーマットする手順は以下のとおりです。
1.Windows Explorerを開く
2.左ペインから「PC」を選択する
3.フォーマットしたいドライブを右クリックする
4.表示されたコンテキストメニューから「フォーマット」を選択する
5.ウィザードにしたがってファイルシステムやボリュームラベルを設定する
6.必要に応じて「クイックフォーマット」にチェックを付ける
7.「開始」をクリックする
フォーマットがスタートしたら、完了するまで待ちましょう。「フォーマットが完了しました」というメッセージが表示されたら、ストレージとして利用できる状態です。
不具合やエラーでディスクの管理やWindows Explorerからフォーマットできなくても、Windows Terminalからフォーマットできる場合があります。コマンドを入力する必要がありますが、他の方法でフォーマットできないときは試してもよいでしょう。
Windows Terminalからフォーマットする具体的な手順は以下のとおりです。
1.Windows+Xを入力してクイックリンクメニューを開く
2.「Windowsターミナル(管理者)」を起動する
3.「diskpart」コマンドを実行する
4.「list disk」コマンドを実行する
5.表示されたリストからフォーマットしたいディスクの番号を確認する
6.「select disk (番号)」を入力して実行する(番号は手順5で調べたもの)
7.「clean」コマンドを実行する
8.データ消去の警告が表示されたら「OK」をクリックする
9.プロセスが完了するまで待つ
10.「create partition primary」コマンドを実行する
11.「format fs=ntfs quick label=(ボリュームラベル)」を入力して実行する
フォーマットが完了したら、Windows Explorerを起動して新しいドライブが正しく表示されているか、使えるようになっているかを確認しましょう。
OSをインストールしているシステムドライブ(Cドライブ)をフォーマットするときは、インストールメディアを使用するのがおすすめです。事前にインストールメディアを作成した上で、以下の手順で作業しましょう。
1.インストールメディアをPCに接続する
2.PCを再起動してブートメニューからインストールメディアを起動する
3.インストールウィザードにしたがい、インストール先のドライブの選択まで進める
4.ドライブが表示されたら、フォーマットしたいドライブを選択する
5.下部に表示されたメニューから「フォーマット」を選択する
6.フォーマットが完了するまで待つ
7.引き続きWindowsをインストールする場合、ドライブを選択して作業を進める
Windowsをインストールする途中でエラーが発生するときは、上記の方法でフォーマットしてからインストールすると成功する場合があります。
なお、手順2でブートメニューを開く方法は、マザーボードメーカーやPCメーカーによって異なります。マニュアルで詳しい手順を確認してから作業しましょう。
macOSのPCでSSDをフォーマットするときは、ディスクユーティリティーからフォーマットします。具体的な手順は以下のとおりです。
1.Finder内の「表示」をクリックする
2.「すべてのデバイスを表示」を選択する
3.サイドバーからフォーマットしたいストレージを選択する
4.「消去ボタン」をクリックする
5.「方式」から「GUIDパーティションマップ」を選択する
6.「フォーマット」をクリックする
7.ファイルシステムを選択する
8.ドライブの名称を入力する
9.必要に応じてセキュリティオプションを設定する
10.「消去」をクリックする
11.フォーマットが終わったら「完了」をクリックする
なお、上記の方法でフォーマットできるのはシステムドライブ以外です。システムドライブをフォーマットするときは、「macOS復旧」から作業する必要があります。
新しいSSDを使用するときや不具合が発生した際にはフォーマットが必要ですが、いくつかの注意点があります。ここでは、特に注意が必要な3つのポイントを詳しく見てみましょう。作業方法や設定内容にミスがあると、フォーマットしても正常に使えないケースがあります。
ファイルシステムは多種多様で、OSによって扱えるものが異なります。フォーマットするときは、そのストレージを使用するOSが対応しているファイルシステム以外は認識できません。OSの種類と対応しているファイルシステムの例は以下のとおりです。
同じOSでも、バージョンによって対応しているファイルシステムが異なるケースもあります。ファイルシステムを間違えると再フォーマットが必要なため、事前に確認しておきましょう。
SSDでMacをバックアップ!「Time Machine」の使い方を解説
SSDをフォーマットする際は、ウィザードの途中でクイックフォーマットするかどうか選べます。クイックフォーマットを選ばないときはフルフォーマットが実行され、それぞれの違いは以下のとおりです。
新しいSSDを購入したときや正常に動作しているSSDを別のPCに移植するときは、基本的にクイックフォーマットで問題ありません。一方、不具合の修復やエラーの解消が目的なら、時間がかかってもフルフォーマットを選択するのがおすすめです。
使用中のSSDをフォーマットする際は、保存しているデータをバックアップしてから作業する必要があります。フォーマットによって内部のデータが削除されるためです。
あらかじめ必要なデータをバックアップしておけば、フォーマット後にリストアできるため、忘れずに準備しましょう。
SSD内のデータをバックアップするには、別のSSDにコピーする方法や専用のソフトを使用してクローンを作成する方法があります。バックアップするデータの量や手間を考えて、適した方法を選びましょう。
SSDのフォーマットに備えてデータをバックアップするときは、付け外し可能で運用しやすい外付けストレージを使用するのがおすすめです。データを別のPCに転送する必要が生じたときも、外付けストレージならスムーズに作業できます。
アイ・オー・データでは、データのバックアップに使いやすい外付けストレージとしてスティックSSDを販売しています。USB 3.2 Gen 2に対応していて読み込み速度は最大500MB/s、書き込み速度は最大400MB/sと速く、大容量データでもスムーズにバックアップ可能です。
USBポートに接続するだけで使用でき、別途電源は必要ありません。容量は最大2TBまでラインアップしています。バックアップ用の外付けストレージを探している方は、ぜひご検討ください。
持ち運びしやすい!
超小型&高速転送のスティックSSD
新しいSSDを購入したときや別のPCに移植するとき、何らかの不具合が発生したときなど、SSDのフォーマットが必要なシーンはさまざまです。フォーマットの方法は数種類あるため、状況に応じて適切な方法を選びましょう。
SSDをフォーマットすると内部のデータが削除されるため、大切なデータを守るために事前にバックアップを取ることが大切です。
アイ・オー・データでは、データのバックアップに使えるスティックSSDを販売しています。転送速度が速く大容量の商品もラインアップしているため、ぜひご検討ください。
I-O Knowledgeコラム 編集部では、液晶ディスプレイとHDD&NASのストレージデバイスを中心に、IT業界に関わる基礎知識と最新トレンド情報を選りすぐりでお届けします。
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