地球上の多様な生物とそのつながりである生物多様性は、人類に多くの恩恵(生態系サービス)をもたらしています。こうした生物多様性の損失は、生態系と人間社会に深刻な影響を与える地球規模の喫緊の課題です。

本ユニットでは、ネイチャー・ポジティブな世界への公正かつ公平な移行に向けて、科学に基づく課題解決型の研究活動を通じて、実効性のある政策提言を行います。ランドスケープとシースケープの持続可能で公平な管理を促進するとともに、ビジネスセクターのサプライチェーン改善の取り組みを支援します。また、国際・国・地方レベルでの生物多様性に係る政策策定プロセスに対して、研究成果に基づく情報提供・技術支援を積極的に行います。

研究員の視点

ブリーフィングノート
ポイント IPBES地球規模評価報告書は、自然は人類の生存やSDGs達成に欠かせない基盤であり、この基盤が急速に失われていると報告した。SDGsの達成や自然との共生に向けて、経済、社会、政治、技術をまたぐ変容(トランスフォーマティブ・チェンジ)が求められる。 生物多様性と気候変動は不可分の課題である。2°Cの気温上昇でサンゴ礁が99%減少するといった予測結果が示すように、気候変動が生物多様性を大きく損なう。一方、気候変動緩和目的の大規模なバイオエネルギー生産は生物多様性や食料や水の供給を脅かす。こうした生物多様性と気候変動の相互関係についてIPCCとIPBESの合同技術報告書の作成が予定されている。 新型コロナウイルスの感染拡大から人と自然との関わり方を問い直す必要がある...
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IPBESによる地球上の自然と自然の恵みの評価報告書、5月6日に発表予定

日本ではゴールデンウィークにあたる4月29日から5月4日の間、生物多様性および生態系サービスに関する政府間科学-政策プラットフォーム(Intergovernmental Science-Policy Platform on Biodiversity and Ecosystem Services: IPBES)の第7回総会がフランス・パリのユネスコ本部で開催される。ここでは、2012年のIPBES設立以来初となる、生物多様性と生態系サービスに関する地球規模評価報告書の政策決定者向け要約...

Database

REDD+Database

Profiles of REDD-plus projects to facilitate learning, comparison and analysis.

Videos

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The guardians of Ecuador’s dry forest: A story of community resilienceBiodiversity and Resilience Indicators: Communities managing production landscapes and seascapes

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・Empowering Women to Mitigate Climate Change: Gender-responsive Approaches
・Mainstreaming Gender into Climate Mitigation Actions in Nine Steps

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・Overcoming Floods in the Philippines: A story of climate change adaptation and mitigation
・Participatory Watershed Land-Use Management Approach: Interfacing science, policy and participation

関連出版物

査読付論文
Machine learning-based prediction of seasonal groundwater quality for urbanized parts of Melur (Tamil Nadu), India
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Spatio-temporal analysis of precipitation dynamics and groundwater recharge trends in Jharkhand, india: implications for water resource management
査読付論文
Optimizing pollutant removal in constructed wetlands: the role of napier grass (Pennisetum purpureum) and honeycomb charcoal slag medium in enhancing domestic wastewater treatment in Vietnam
ブリーフィングノート
Looking back at... The 2025 IUCN World Conservation Congress
査読付論文
Landslide SusceptibilityMapping using Statistical Information Value Model: A Case Study of part of Chamoli District, Uttarakhand India

関連イベント

今後のイベント
最新レポート解説イベント

「気候変動について今伝えたい、10の重要なメッセージ」 〜 10 NEW INSIGHTS IN CLIMATE SCIENCE 2025/2026 〜

「10 New Insights in Climate Science」(気候変動について今伝えたい、10の重要なメッセージ)は、気候変動に関する最新の科学的知見をもとにFuture Earth、The Earth League、World Climate Research Programme(世界気候研究計画)が共同で作成し、国連気候変動枠組条約締約国会議(UNFCCC COP)に合わせて毎年発表する政策レポートです。...
場所:
長崎市、オンライン
使用言語:
日本語(一部英語:日本語字幕あり)
過去のイベント
IGES森林セミナー

企業の成長を支える森林と自然に基づく解決策(NbS):カーボンクレジット活用とサプライチェーン戦略

本ウェビナーでは、COP30を目前に控えた国際的な議論やカーボンクレジット市場とサステナブルなサプライチェーンへの転換サプライチェーンの脱炭素化の最新動向、そしてGX-ETS開始後の日本企業を取り巻く状況を踏まえ、森林・NbSを企業戦略にどう活用できるかを議論します。異なる領域の知見に詳しい専門家をお招きし、部門を超えた実践に役立つ視点をお届けします。
場所:
オンライン
使用言語:
日本語
過去のイベント
COP30直前ウェビナーシリーズ 第4回

「ネイチャーCOP」の本質を読み解く:企業が直面する自然資本とサプライチェーンの転換点・新潮流

国連気候変動枠組条約第30回締約国会議(COP30)は、「ネイチャーCOP」としても注目されています。最大の理由は、開催地が世界有数の熱帯雨林であり森林減少が深刻な問題であるアマゾンの都市ベレンであることですが、それだけではありません。本ウェビナーでは「ネイチャーCOP」の本質を2つの視点から読み解き、その背景を探ります。 1つ目の視点は、これまで別々に語られがちであった「気候変動」と「自然(生物多様性)」の問題が...
場所:
オンライン
使用言語:
日本語

関連プロジェクト

プロジェクト
Updated: 2025年9月

IPBES特集

私たちの命や生活は、生物多様性がもたらす自然の恵み、すなわち生態系サービスに大きく支えられています。このページでは、生物多様性及び生態系サービスに関する政府間科学・政策プラットフォーム(IPBES)に関する情報を軸に、生物多様性と生態系サービスに関わる重要情報を日本語でお届けします。
プロジェクト
Updated: 2025年5月

「IGES日本語で読むシリーズ」解説ウェビナー

IGESでは、国際社会で注目を集める環境・持続可能性に関する主要報告書について、日本語翻訳版や日本語による解説ハンドブックをタイムリーに作成し、特集ウェブページ「IGES日本語で読むシリーズ ー 世界の環境関連の重要文書を日本語でチェック!」で紹介しています。
本ウェビナーでは、この「IGES日本語で読むシリーズ」から、特に国内のニーズが高い報告書について、翻訳に関わった研究員による簡潔な解説、監訳者や他の研究員との対話、視聴者との質疑応答の3部構成を基本とし、毎回30分〜60分程度で実施する
プロジェクト
Updated: 2025年3月

環境研究総合推進費1CN-2206(2022〜2024年度) ASEANにおけるネットゼロかつレジリエントな社会実現に向けた国家の緩和適応統合長期ロードマップに関する研究

IGESでは、ASEAN気候ビジョン2050が示すネットゼロかつレジリエントなASEAN共同体の構築に向けて、ASEAN主要4カ国(インドネシア、フィリピン、タイ、ベトナム)を対象とする、緩和・適応を統合的に推進する長期ロードマップ策定に関する研究を実施しています(環境研究総合推進費1CN-2206:2022年4月〜2025年3月)。 本研究事業の成果は、国家の長期戦略(LTS)、国が決定する貢献(NDC)、国家適応計画(NAP)、セクター別計画、開発計画等をはじめ...

関連ニュース

プレスリリース
2025年10月23日

2026年2月公開予定IPBES評価報告書 報道関係者向け事前説明会開催

公益財団法人地球環境戦略研究機関(IGES)は、11月12日(水)、来年2月に英国・マンチェスターで開催される 生物多様性及び生態系サービスに関する政府間科学-政策プラットフォーム(IPBES)総会第12回会合において承認・公開が予定されている「ビジネスと生物多様性評価報告書」についての報道関係者向け事前説明会をIPBES事務局と共催します。 日本に拠点を置く環境シンクタンクの中でも、IGESはIPBESと深く長い協力関係にあります。IGESは2015年から...
プレスリリース
2024年10月22日

12月公開予定IPBES評価報告書 報道関係者向け事前説明会開催

公益財団法人地球環境戦略研究機関(IGES)は、10月24日(木)、今年12月にナミビア・ウィントフックで開催される生物多様性及び生態系サービスに関する政府間科学-政策プラットフォーム(IPBES)総会第11回会合において承認・公開が予定されている「ネクサス評価報告書」および「社会変革評価報告書」についての事前説明会を、IPBES事務局との共催にて開催します。
IGESは2015年から、IPBESの各種技術支援機関をホストするなど、その活動に貢献してきました。また、多くのIGES研究員がIPBE...

プレスリリース
2024年3月8日

IGESにIPBESシナリオ・モデルタスクフォース技術支援機関を設置

公益財団法人地球環境戦略研究機関(IGES)は、日本国環境省との協力のもと、生物多様性及び生態系サービスに関する政府間科学-政策プラットフォーム(IPBES)シナリオ・モデルタスクフォースの技術支援機関(Technical Support Unit: TSU)を2024年3月1日にIGES東京サステイナビリティフォーラム内に設置しました。 IPBESシナリオ・モデルタスクフォースは...

関連スタッフ

Osamu Saito

プログラムディレクター

Kaoru Akahoshi

リサーチマネージャー

Yasuo Takahashi

生物多様性と生態系サービスユニット副ディレクター/シニアリサーチマネージャー