[フレーム]
このページの本文に移動
2025年5月29日

ストップエイズ!まずは早めに「HIV検査」を

[画像:HIV検査を受ける女性と血液採取をしている看護師の女性。]

HIV感染症とエイズは、以前は「死の病」と言われていましたが、現在はHIVに感染しても早期発見・早期治療につなげることで、感染していない人と同じように長く健康的に生活できるようになりました。感染予防のために正しい知識を理解することが重要です。また、早期発見・早期治療のためにもHIV検査が大事です。全国の保健所などでは匿名・無料でHIV検査や相談ができますので、是非、利用してください。

1HIVとエイズってなに?

「AIDS(エイズ)」((注記)1)とは、「HIV」((注記)2)というウイルスに感染して免疫力が低下し、決められた様々な疾患を発症した状態を言います。
HIVに感染して数週間後、インフルエンザに似た症状(発熱・筋肉痛・頭痛など)が現れる場合があります。その後、自覚症状のない時期が通常は数年から十数年続きますが、その間にも病気と闘う免疫力の低下が進行します。その後、日和見感染症((注記)3)を発症するようになります。特に「指標疾患」((注記)4)を発症した場合、エイズと診断されます。
本人がHIV感染に気付かず適切な対応をしないと、他人にHIVを感染させてしまう可能性があります。それを防ぐためにはまず、HIV感染の早期発見が重要です(詳しくは後述)。

  • (注記)1 AIDS(Acquired Immunodeficiency Syndrome):後天性免疫不全症候群
  • (注記)2 HIV(Human Immunodeficiency Virus):ヒト免疫不全ウイルス
  • (注記)3 日和見感染症:本来なら自分の免疫力で抑えられるような肺炎などの病気
  • (注記)4 指標疾患:ニューモシスティス肺炎、カポジ肉腫など

【参考】厚生労働省「9 後天性免疫不全症候群」

[画像:感染から発症までの症状のイラスト。急性感染期。感染から3か月まで。HIVの急激な増殖。CD4陽性T細胞の破壊。発赤、発熱、倦怠感などの症状。無症状期。約5〜10年。症状がなくてもHIVとCD4陽性T細胞が闘っていて、免疫状態は保たれている。エイズ発症期。CD4陽性T細胞が減り、免疫が正常に働かなくなり、エイズ発症。]

(注記)CD4陽性T細胞・・・ウイルスなどの感染症から身を守るための免疫系の司令塔

2HIVとエイズは増えているの?

昭和56年(1981年)に最初のエイズ症例が報告されて以来、世界中へHIV感染が急激に広がりました。現在は多少ペースが鈍化したもののHIV感染者数・エイズ患者数は増え続けており、令和5年(2023年)末現在、HIVとともに生きている人は世界で約3,990万人となっています。また、令和5年(2023年)に新たにHIVに感染した人は約130万人、エイズ関連疾患によって亡くなった人は約63万人となっています(国連エイズ合同計画(UNAIDS)より)。
日本では、令和6年(2024年)の新規HIV感染者とエイズ患者報告数(速報値)は1,000件となり、2年連続で増加しました。今後の状況を注視していく必要があります。また、HIVに感染していたことを知らずに、エイズを発症して初めて気づいたというケースが、新規HIV感染者・エイズ患者数全体の約3割を占めています。

3感染を防ぐには?

HIVは血液や精液、膣分泌液などに含まれますが、感染力が弱いため、日常生活(握手・入浴・缶などの回し飲みなど)ではうつりません。感染経路は、主に「性的接触による感染」「血液を介しての感染」「母子感染」の三つに限られているため、正しい知識を持って予防対策をとることで、HIV感染のリスクを減らすことができます。

感染経路と予防対策
[画像:感染経路と感染の予防対策。(1)性的接触による感染(HIV感染者の精液や膣分泌液などが、相手の性器や肛門、口などの粘膜や傷口を通って感染)。コンドームの正しい使用や安全な性行為の理解により予防。(2)血液を介しての感染(血液に含まれているHIVが傷口などを通して体内に入り感染)。血液が付着した器具を共用しない、血液に直接触れないことにより予防。(3)母親から赤ちゃんへの母子感染(母親がHIV感染者の場合、妊娠中・出産時や母乳によって赤ちゃんに感染)。母親が投薬治療を受けること、母乳を避け粉ミルクで育てるなどにより予防(詳しくは専門医に相談)。]

4感染・発症したら治せるの?

今のところ、体の中にあるHIVを完全に取り除くことはできません。ただし、医療の進歩によって様々な治療薬が開発されたおかげで、体内にいるHIVの増殖をおさえ、免疫力を維持することが可能になっています。
万一、HIVに感染、又はエイズを発症しても、薬を飲み続けるなど適切な治療を継続することによって、今までの生活を送ることができますし、安全に赤ちゃんを妊娠、出産することも可能です。
なお、エイズ発症後での治療は、発症前と比べて難しくなるため、より高い治療効果を得るためには、HIV感染を早期に発見し、早期治療につなげることが大変重要です。

5HIV検査を受けるには?

HIV検査は、全国各地にある保健所など(匿名・無料)や、病院・クリニックなどの医療機関(原則有料)で受けられます。
このようなHIV検査ができる施設については、API-Net「エイズ予防情報ネット」から検索できます。

[画像:HIV検査ができる保健所、病院、クリニックのイラスト。]

HIV検査に関する注意事項

HIV検査は、感染後に産生される抗体が血液中にあるかどうかを調べる「抗体検査」や、HIVを形作るタンパク質である抗原を同時に調べる「抗原・抗体検査」が一般的です。しかし、血液中で抗体が検出されるまでに、HIV感染から4週間から8週間を要する人がいます。
感染のことがどうしても心配なときは、感染の可能性のある機会から3か月以内であっても、検査・相談を受けることで、一つの目安を得ることができます。しかし、陰性と判定されても、その結果を最終的に確認するためには、感染の機会から3か月以上経ってからの再受検が必要となります。

依然として、新規HIV感染者が年間660人超、エイズ発症後に報告される新規エイズ患者数も年間330人超と報告されており、潜在的なHIV感染者の存在が懸念されます。感染しても自覚症状が現れないため、気付かずにほかの人に感染させたりすることがあります。また、気付かずにエイズを発症してしまうと、エイズ発症前よりも治療が難しくなってしまいます。少しでも気になるかたは、早めにHIV検査を受けましょう。

コラム1

6月1日から7日は「HIV検査普及週間」

この期間中には、全国各地でHIVとエイズに関する知識・理解を深めてもらうために様々な普及啓発活動が行われるとともに、HIV検査の利用機会を拡大するため、夜間・休日などでも検査を受けられるよう、検査体制の強化を図ります。 詳しくは、API-Net「HIV検査普及週間(6月1日〜7日)」をご覧ください。

コラム2

12月1日は「世界エイズデー」

世界エイズデーは、世界レベルでのエイズのまん延防止と患者・感染者に対する差別・偏見の解消を目的に、WHO(世界保健機関)が昭和63年(1988年)に制定したものです。我が国においてもその趣旨を踏まえ、エイズに関する正しい知識等についての啓発活動を推進し、エイズまん延防止及び患者・感染者に対する差別・偏見の解消等を図ります。

詳しくは、API-Net「世界エイズデー(12月1日)」をご覧ください。

また、HIVとエイズについて聞きたいことや相談したいことがあれば、お近くの保健所又は下記までお気軽にお問い合わせください。

公益財団法人エイズ予防財団
0120-177-812(無料)
*携帯電話からは、03-5259-1815(有料)
(受付時間:年末年始及び祝日除く月曜から金曜 10時から13時、14時から17時)

コラム3

レッドリボンをご存じですか?

レッドリボンは、エイズに苦しむ人々への理解と支援の意思を示すシンボルです。身に付けることで、あなた自身がエイズに関して偏見を持っていない、エイズとともに生きる人々を差別しないというメッセージになります。国連合同エイズ計画(UNAIDS)のシンボルマークにもなっています。

(取材協力:厚生労働省 文責:内閣府政府広報室)

このコンテンツは役に立ちましたか?
このコンテンツは分かりやすかったですか?
このコンテンツで取り上げたテーマについて関心が深まりましたか?

ご意見・ご感想

送信中です

ランキング

関連サイト

外部のウェブサイトに移動しますが、よろしいですか。
よろしければ以下をクリックしてください。

Link
ご注意
  • リンク先のウェブサイトは、内閣府政府広報室のサイトではありません。
  • この告知で掲載しているウェブサイトのURLについては、2023年11月21日時点のものです。
  • ウェブサイトのURLについては廃止や変更されることがあります。最新のURLについては、ご自身でご確認ください。
Top

AltStyle によって変換されたページ (->オリジナル) /