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2025年10月7日

城内大臣記者会見(令和7年10月7日)

令和7年10月7日、城内大臣が記者会見を行いました。
(令和7年10月7日(火) 10:59〜11:25 於:中央合同庁舎8号館1階S106会見室)

1.発言要旨
冒頭、科学技術政策担当大臣として御報告申し上げます。
今年のノーベル生理学・医学賞を、大阪大学の坂口志文特任教授が、その優れた御業績によって受賞されることとなりました。坂口志文特任教授には心からの敬意と祝意を表したいと思います。昨日夜には、坂口教授に直接私から祝意をお伝えする時間を取らせていただきまして、私自身、本当に身に余る光栄でありました。
改めて、この度の受賞は、日本の研究水準の高さを世界にしっかりと示すものであり、我が国、国民にとって大いなる励みとなるものであります。また、次代を担う若い世代の方々に夢と希望をもたらすものであるとともに、新たな課題に積極的に挑戦する意欲を高める契機となることを期待しております。
なお、政府においては、坂口教授の成果の医療分野での応用及び実用化に関する研究に対して、これまで国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)などを通じて支援しており、そうした観点からも、今回の受賞を大変うれしく思っております。
昨日の電話でも、直接お話しいたしましたが、基礎研究に対しては、何といっても長時間じっくりと、しかも間断なくシームレスに、途切れることなく支援をしていくことが極めて重要であります。政府としては、我が国から優れた科学技術・イノベーションの成果が今後も次々と創出されるよう、研究人材の育成や研究環境の整備、そして、必要となる予算の継続的な確保に、関係府省一丸となって全力で取り組んでまいります。例えば、途中でやめて(予算が)つかなくなって、でも継続していたら、今回のように、かなり時間がかかるけれども成果が出るということもあり得るということを強調したいと思います。
本日以降もノーベルウイークが続きますが、引き続き、日本の研究者が受賞されることを強く強く期待しております。
2点目も、科学技術政策担当大臣としての報告です。
一昨日、10月5日ですが、京都において、「未来社会を見据えた科学技術・イノベーション」をテーマに、第22回国際科学技術関係大臣会合を開催いたしました。私が僭越ながら議長を務め、14の国・地域の科学技術大臣等の参加を得て、意見交換を行いました。
本会合では、参加者から各国の科学技術・イノベーション政策について共有があった後、全体討議が行われ、特に、AIに関しては各国からの関心が高く、適切な利用や信頼性確保に向けた制度の在り方、人材育成、国際連携の重要性などについて、活発な議論と情報共有が行われました。また、私からも、我が国の取組として、AI法やAI基本計画、そして指針といった取組の最新状況についても御紹介をいたしまして、大変貴重な機会だったと思います。
大臣会合に続き、EU、スイス、イラン、スリランカの大臣等と個別に会談を行いました。
簡単に御説明しますが、まず、EUのザハリエヴァ起業・研究・イノベーション担当欧州委員との会談では、昨日のプレスリリースでもお示ししましたが、ホライズン・ヨーロッパへの日本の準参加交渉を、本年末までに取りまとめることを目指して、関係省庁と連携して取り組んでいくという私の決意を表明し、委員からも同様の決意表明をいただいたところであります。
そして、スイスのヒラヤマ教育・研究・イノベーション庁長官との会談では、日スイス間の量子科学技術に関する協力覚書(MOC)に署名を行うとともに、量子や宇宙分野における日スイス両国間の協力等について意見交換を行いました。ちなみに、このヒラヤマというのは日本風に聞こえますが、御主人の御両親のたしかどちらかが日本人で、そういう名字がついているということでありますので、これはスイスの名字ではございません。
また、イランのシーマーイサラーフ科学・研究・技術大臣、さらには、スリランカのアベイセナ科学技術大臣とも会談をいたしまして、両国間の科学技術協力等について意見交換を行いました。
今回の京都出張による一連の成果を、我が国における科学技術・イノベーション政策にしっかりと活かしたいと考えております。
最後に、クールジャパン戦略担当大臣として御報告いたします。
先週金曜日、10月3日ですが、「クールジャパン官民連携プラットフォーム(CJPF)」が主催する「クールジャパンフロンティアtoward2033」を開催いたしました。
この「CJPF」は、クールジャパン戦略の推進に向けて、政府の政策や民間の事業活動について、その垣根を越えて相互に連携を図っていく、そういう活動でありますが、この日のイベントでは官民プラットフォームの関係者など多くの方々に参加いただいて開催をいたしました。関係者の皆様に、この場を借りて御礼申し上げたいと思います。
なお、当日は、クールジャパン関連分野、デジタル技術、海外発信等の横断的な取組に関する知見や国内外に広いネットワークを有する方々から、クールジャパン戦略の推進に向けた今後の取組への期待や抱負などを発信いただきました。
私からは、「新たなクールジャパン戦略」で設定した、2033年までにクールジャパン関連産業の海外展開規模を50兆円以上に拡大する等の目標の実現に向け、官民プラットフォーム活動を通じて、より斬新なアイデアが生まれ、付加価値を高め、日本の魅力が海外に発信されることを期待している旨発言いたしました。私自身も、就任以来、大阪・関西万博やCJPFアワードなどで、日本のコンテンツや、そのゆかりの地での体験の魅力について、国内外に向けて発信してきたところであります。
内閣府としましては、この官民プラットフォームと連携しつつ、コンテンツを起点として、アニメなどのゆかりの地の食、伝統文化などの地域資源を最大限活用した、地域一体となった取組をより加速し、コンテンツ産業の成長・発展と地域経済の活性化の好循環につなげてまいりたいと思います。なお、コンテンツ地方創生拠点の公募、これは今月中にも開始する予定であります。引き続き、関係省庁、関係自治体、民間事業者ともしっかり手を携えながら、クールジャパン戦略を推進してまいる考えであります。

2.質疑応答
(問)ノーベル賞関連で2つほどお聞きしたいんですが、今、大臣からも、基礎研究が大事だというお話があったかと思うんですけども、そうした基礎研究を強化するために、どういった具体的な取組が必要だとお考えでしょうか。また、今回の受賞理由になった制御性T細胞、自己免疫疾患だとか、がんだとか、そういうものの治療にもつながる成果だと思うんですけれども、こういった成果を臨床とかにつなげるために、どういった取組をお考えでしょうか。
(答)研究者の方々が抱く内発的で本質的な疑問、これがまさに学術的な基礎研究の根幹であります。何でこうなっているんだろうか、この仕組みはどこにあるのかとか、どの細胞だとか、そういうことですが、これがまさにイノベーション創出の源泉となるわけであり、我が国の研究水準全体を向上させるためには、やはりこのような基礎研究への支援が、これはもちろん時間がかかりますけれども、極めて重要だと認識しております。
第7期科学技術・イノベーション基本計画の策定に向けた議論の中においても、基礎研究力の強化、すなわち「科学の再興」が重要論点となっているところであります。そして、令和8年度概算要求におきましても、大学等の基盤的経費の確保や、研究設備・機器の整備・共用・高度化等の予算を盛り込んでおり、関係省庁とも連携して、今後しっかりと予算を確保するとともに、基本計画策定の議論の中で、必要な取組については更に検討を深めてまいる考えであります。
そして、今回の受賞成果となりました、制御性T細胞、これは自己免疫疾患やがんの治療のみならず、アレルギーや移植医療における免疫反応の抑制など、大変幅広い医療への応用が期待できる画期的な成果であると伺っております。難しいことは分かりませんけれども、もう一回言いますけれども、ピンポイントではなくて、幅広い医療への応用が期待できる極めて画期的な成果であると伺っております。
これまでもAMED予算等を通じて、坂口教授が代表者である課題をはじめ、制御性T細胞に関する研究開発を、ほとんど中断することなく、間断なく数多く支援してきたところであります。先ほども言いましたけれども、一旦、途絶えてしまうと、そこで終わってしまうというようなこともありますので。
また、第3期健康・医療戦略におきましては、絶え間なく創薬等のシーズを創出できるよう、基礎研究を継続的・安定的に、時間はかかりますけれども、短いに越したことはありませんが、安定的に支援、シームレスに支援するとともに、当然、出口戦略というか出口志向の研究開発マネジメントも強化して、実用化を加速することとしております。制御性T細胞を対象とする研究開発への支援を含め、このような画期的な成果を更に継続的に創出し、実用化に結び付けていく支援にしっかりと取り組んでまいる考えであります。

(問)別のテーマで、スイスとの量子科学技術分野での協力覚書の署名についてなんですけれども、スイスとこうした関係を強化することの意義について教えていただきたいのと、先日、英国やEUとも同様の協力を強化するという覚書や趣意書を交わしていて、海外とのこうした連携を拡げていくことの意義についても教えてください。
(答)この記者会見の場でも何度か申し上げているとおり、量子分野をはじめとする先端技術における同盟国・同志国との協力の重要性は一層増していると言えるかと思います。
スイスは、EU加盟国ではありませんけれども、我が国と基本的な価値観を共有するとともに、量子技術に関して言いますと世界トップレベルの研究力を有している国であり、国家戦略として量子分野を推進している国であります。したがいまして、今回の協力覚書(MOC)署名は、日スイス両国の戦略的連携を深める上で極めて大きな意義があったと考えております。
今回の署名を契機として、日スイスの産学官の間で広範な協力関係がこれから築かれ、量子分野における人材交流、そして共同研究、さらには、お互いが持っている、相手は持っていないけれども自分が持っている、そのまた逆もといった、情報共有などが加速することを大いに期待しております。
そして、今年に入り、私自身、デンマーク、英国、EU、ドイツ、そして今回スイスとの間で、量子科学技術に関する協力文書を順次締結し、国際連携を戦略的に進めてきたところであります。こうした取組は、量子技術の健全な発展、国際的な競争力の強化、そして何といっても経済安全保障の確保につながるものであり、引き続き、同盟国・同志国との協力関係を拡大してまいる考えであります。私がいなくなっても。

(問)大臣は、今月4日、総裁選の投開票前に高市さんの支持をX上で明らかにされ、その後に高市さんが新総裁に選ばれました。新総裁に期待することと、高市さんが首班指名された場合、どのような点に重きを置いた、配慮した組閣を望みますか。また、どのような政権を目指してほしいでしょうか。
(答)この記者会見の場で何度も申し上げているとおり、ここはあくまでも公務の会見の場であり、総裁選という、自民党という一政党の政治活動に関する事項についてコメントすることは差し控えたいと思いますし、また、首班指名は今後国会で、組閣についてはまた新たな総理が決められることであり、これらについて、私がこの場でコメントすることは差し控えたいと思います。
その上で、既に申し上げている事柄であるため、あえてこの場でお伝えできることといたしますと、高市総裁は、総裁選の際に、私が大臣として政策を進めております、経済安全保障、科学技術・イノベーション政策、AI戦略、宇宙政策といった政策を含む、「国の経済を成長させる」ための中長期の成長戦略をしっかり示されるなど、国民生活を守り、そしてまた、日本経済を豊かにし、同時に、政治に対する国民の信頼を取り戻すと、そういう総裁候補として種々検討した結果、最もふさわしいと考え、最終的に支援を表明させていただいたところであります。
繰り返しとなりますが、私が担当する、経済安全保障、科学技術・イノベーション政策、AI戦略、宇宙政策などは、これらは非常に極めて重要な課題でありますので、今後一層、政策を前に進めていくことが大事だと考えております。

(問)先生のXには、「私はかつて一年生議員のとき、郵政民営化法案に反対票を投じたように、自らの信念に従って」と、ここまで書いておられると。高市さんへの思いというのは深いと思うんですが、先生は国際派ですけれども、アメリカに先んじて日本の天下人が初めて女性になるというか、総理大臣ですね、百何代。これというのはかなりのインパクトがあると思うんですが、その辺りを含めて、女性の高市さんが初代の総理になることについて、何か感じたことがあるのではないかと思うんですけれども。それにふさわしい人だと思っているからだと思うので、その辺りを少し伺えたらと思います。
(答)先ほども申し上げましたとおり、この場は公務の会見の場であり、総裁選という、自民党という一政党の政治活動に関する事柄についてコメントすることは差し控えたいと思いますし、また、首班指名は今後の国会で行われ、決まるものだと理解しておりますので、御指摘の点についてのコメントは差し控えたいと思いますが、一般論で言えば、やはり今、男女共同参画の時代でもありますので、そういった観点から、今後どういうことになるかは分かりませんが、我が国において女性の総理大臣が誕生するということは、それはそれで個人的には結構なことではないかなと思います。ただ、今、申しましたとおり、首班指名については今後の国会で行われるものであり、この場で何かが決まったかのように申し上げることは差し控えさせていただきたいと思います。
そして、先ほど申しましたように、高市総裁に対する期待ということで言えば、先ほど申しましたように、私の前任者でありますので、そういった中で、経済安全保障、科学技術・イノベーション政策、AI戦略、宇宙政策といった政策、もう一回繰り返しになりますけれども、まさに国の経済を成長させるエンジンとなるような、原動力となるようなものでありますので、それについての中長期的な成長戦略もはっきり示されていらっしゃいますし、また、国民生活を守り、日本経済を豊かにするということと同時に、国民の政治に対するいろんな不信を取り戻そうと、そういう意気込みを感じましたので、最終的に支援を表明させていただいたところであることを、この場で繰り返し申し上げたいと思います。

(問)別の質問もさせてください。
先生の地元の静岡県の裾野にトヨタが「ウーブン・シティ」というのをつくりまして、AIも活用した先進的でなかなかユニークな取組と見えますが、科学技術担当相としてというよりも地元の大臣として、こうした民間の取組を率直にどう御覧になるのか、御覧になられたのかどうか、この辺りも伺えたらと思います。
(答)より狭い意味で言うと、私の地元というのは静岡県西部の浜松市と湖西市ですが、もちろん静岡県選出の衆議院議員でありますので、こうしたトヨタ自動車が開業した、静岡県の「ウーブン・シティ」については、大変結構なことだと思っております。
この「ウーブン・シティ」は、先端技術の実証の場、そして、豊田章男会長の言葉をお借りしますと、「未来の当たり前となるようなプロダクトやサービスを生み出し、実証するためのモビリティのテストコース」であると承知しております。
内閣府としても、トヨタ自動車の本取組について、非常に未来型の社会、いろいろなものがつながっていると、車も、家にあるいろいろなものとつながっているとか、そういうような未来型の社会ではないかと思うんですけれども、今後、その取組の進展に応じて、内閣府で進めている取組とどのような形で連携できるのかと、そういうことについても、これから模索していきたいと考えております。大いにトヨタ自動車のこの取組に期待しているところであります。

(問)先ほどの総裁選の関連で、一部報道も出ている中での確認で恐縮なんですけれども、城内大臣はX上で高市総裁支持を4日に投稿されていますが、投票についても、1回目、決戦投票ともに高市候補に投票されたということでいいでしょうか。
(答)静岡の放送局が投開票後に静岡県選出の、全部ではありませんけれども、衆参議員にそれぞれインタビューをして、その際、私は、1回目、2回目、高市早苗候補に投票したという旨は申し上げたところであります。ただ、いずれにしましても、何度も言うように、公務の記者会見の場ですので、それ以上について申し上げることは差し控えさせていただきます。ただ、事実として、もう既に一部で報道されていますが、そのようにいたしました。

(以上)

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