音声広報CD「明日への声」トラックナンバー5 vol.104(令和7年(2025年)7月発行)
(イントロダクション:女性ナレーター)
国立公文書館には、日本国憲法の原本などの公文書のほか、江戸幕府から引き継いだ古典籍や古文書、新元号を発表する際に掲げられた「令和の書」など、様々な資料が所蔵されています。こうした歴史資料から学べる国立公文書館についてご紹介します。この音声は5分程度でお聞きいただくことができます。
(本文:Q.女性ナレーター/A.男性ナレーター)
Q1:国立公文書館について教えてください。
A1:国立公文書館は、国の行政機関などが作成した歴史的に重要な公文書等を保存し、利用に供しています。また、所蔵資料をより多くの人に知って活用してもらうため、それらを紹介する展示会の開催や、所蔵資料の検索や画像の閲覧ができるデジタルアーカイブの公開をしています。国立公文書館は、現在、東京都千代田区の東京本館と茨城県つくば市のつくば分館の2つの施設があります。
Q2:どのような資料が保存されているのですか。
A2:行政機関などが作成した公文書、江戸幕府や明治政府が収集した古典籍や古文書などが保存されています。所蔵されている資料は、およそ170万冊です。行政機関などから受け入れた紙の資料は、カビや虫などによる被害を防ぐためにくん蒸を行い、専用の書庫で永久に保存します。経年劣化した文書は、修復作業を行っています。
Q3:国立公文書館の利用について教えてください。
A3:国立公文書館に所蔵されている資料のジャンルは多岐にわたるため、利用者それぞれの関心に基づいて利用されています。例えば、大学のレポートや論文を書くための資料として活用したり、鉄道の開通時の記録や古典文学など、興味や関心に基づき調べたりできます。国立公文書館のウェブサイトの問合せフォームから質問すれば、利用者の調査を支援するレファレンスサービスを受けることもできます。また、東京本館には閲覧室があり、手続きをすれば、一部を除いて、所蔵資料の原本の閲覧、さらに、自身のカメラで撮影することもできます。遠隔地にお住まいの場合でも、有料での所蔵資料の原本のコピーを申し込むこともできます。ほかにも、所蔵資料の常設展示のほか、テーマ性のある特別展や企画展も開催されています。いずれも無料で観覧できます。
Q4:デジタルアーカイブについて教えてください。
A4:国立公文書館のデジタルアーカイブは、インターネットに接続されたパソコン、タブレット、スマートフォンがあれば、自宅などどこからでも、国立公文書館の所蔵資料の目録情報の検索や、デジタル化された所蔵資料の画像を閲覧・印刷・ダウンロードすることができます。現在、所蔵資料のおよそ4分の1がデジタル化されています。例えば「終戦の詔書」や「日本国憲法」のような、歴史的に重要な公文書のデジタル画像が閲覧できます。
Q5:ほかにも、特色のあるサービスはありますか。
A5:小中学生や高校生向けの学習支援も行っています。所蔵資料を使った動画・クイズ・資料集で構成された「国立公文書館学習コンテンツ」で歴史的な出来事を楽しく学べたり、小・中・高校生向けの出前授業を行ったりしています。
このほか、国立公文書館内を職員が解説付きで案内する無料見学ツアーも開催しています。また、館内のショップでは、平成の書・令和の書のクリアファイルを始め、広く知られている歴史資料を図柄にした絵葉書や一筆箋などのオリジナル商品を販売しています。
Q6:新たな国立公文書館の計画があると聞いたことがあるのですが。
A6:国立公文書館の機能をより充実させ、十分な書庫スペースを確保するため、2029年度末の開館に向けて、国会議事堂の前庭に新しい建物の整備が進められています。新たな国立公文書館では、こどもや若者に分かりやすく、全ての来館者等に配慮した展示にすることなどを基本方針として検討が進められています。また、気軽に立ち寄れるような魅力的なカフェやレストランも設置されます。
(エンディング:女性ナレーター)
国立公文書館は、国民共有の知的資源である歴史資料を所蔵し、我が国の過去・現在・未来を結ぶ重要な役割を果たしています。特別展では展示資料の解説を音声でも行っています。是非一度、足を運んでみてはいかがでしょうか。詳しくは、「政府広報 国立公文書館」で検索してみてください。