音声広報CD「明日への声」トラックナンバー2 vol.104(令和7年(2025年)7月発行)
(イントロダクション:女性ナレーター)
iDeCoは「老後のためにもう少し年金額を増やしたい」「積み立てをしたい」というかたにお勧めの制度です。公的年金に上乗せできる私的年金の一つで、税制優遇のメリットもあります。2024年12月からは、企業年金や共済に加入しているかたの掛金の上限額が引き上げられるなど、より活用しやすくなりました。改正のポイントや制度の概要、留意点についてご紹介します。この音声は10分程度でお聞きいただくことができます。
(本文:Q.女性ナレーター/A.男性ナレーター)
Q1:iDeCoとは何ですか。
A1:iDeCoは、正式名称を個人型確定拠出年金といい、公的年金とは別に任意で加入できる私的年金です。原則、iDeCoに加入できるのは、国民年金に加入しているかたです。自営業者、専業主婦(主夫)、会社員・公務員といった国民年金の加入区分によってiDeCoの加入上限年齢が異なります。iDeCoは自分で決めた掛金額を積み立てて運用し、原則として60歳以降に、年金として定期的に、一時金として一括して、又はその両方を併用して老齢給付金を受け取ることができます。
Q2:2024年12月の改正では、どのような点が変わったのですか。
A2:企業年金のうちDB(確定給付企業年金)や共済など他の制度に加入している会社員や公務員のiDeCoの掛金の拠出限度額が、月額1万2,000円から2万円に引き上げられました。また、これまで会社員や公務員などは、iDeCoの加入手続き時に勤務先に申請して「事業主証明書」を入手する必要がありましたが、個人口座から掛金を拠出する場合はその必要がなくなりました。
Q3:iDeCoのメリットを教えてください。
A3:iDeCoのメリットとして、3つの税制優遇が受けられます。
- 1掛金が全額所得控除
- iDeCoの掛金は、全額が所得控除の対象となります。例えば年間の掛金が24万円で、所得税20%、住民税10%の場合、年間7万2,000円の税金が軽減されます。なお、所得控除の手続きは、掛金の払込方法や加入者区分によって異なります。
Q4:iDeCoへの加入方法と留意点を教えてください。
A4:iDeCoに加入する流れと留意点は次のとおりです。
- 1金融機関などに相談
- 現在、100を超える金融機関などが、運営管理機関としてiDeCoを取り扱っています。運営管理機関によって、取り扱う運用商品やサービス内容、手数料などが異なります。iDeCoに加入する場合は、これらを確認して運営管理機関を1社選ぶことになります。
- 2運用商品を選ぶ
- iDeCoには、投資信託、保険商品、預貯金などがあり、複数の商品を組み合わせることもできます。選ぶ際は、運用商品のリスクや商品の特性をよく理解して選ぶことが重要です。また、加入時の手数料のほか、各種手数料がかかるため、加入前に十分確認しましょう。
- 3掛金の額を決める
- iDeCoは、毎月5,000円の掛金額から始めることができます。加入者本人の区分に応じて定められた拠出限度額の範囲内なら1,000円単位で自由に設定できます。無理のない範囲で老後の生活に備えましょう。
Q5:iDeCoとNISAの違いはどのようなものですか。
A5:iDeCoとNISA(少額投資非課税制度)はともに個人が利用できる制度ですが、その目的や制度の内容は異なります。例えば、iDeCoは掛金が所得控除の対象となり、所得税や住民税が軽減される一方で、老後生活のための制度であるため、原則60歳以降にならないと受け取れません。NISAは、資産運用の売却益や配当といった利益が非課税になる制度で、自由に売却して資金を引き出すことが可能です。なお、iDeCoとNISAの両方を利用することもできます。例えば、iDeCoで老後の資産をじっくり育てつつ、NISAで中期的な資金ニーズに対応するという組み合わせも有効です。目的を踏まえ、ご自身のニーズに合わせてそれぞれご活用ください。
(エンディング:女性ナレーター)
「人生100年時代」が到来し、老後が長期化すると言われています。より豊かな老後を送るための資産形成の方法として、「もうひとつの年金」であるiDeCoへの加入を検討してみてはいかがでしょうか。詳しくは「政府広報 iDeCo」で検索してみてください。