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2025年3月3日

新型インフルエンザの発生に備えて。一人ひとりができる対策を知っておこう

[画像:新型インフルエンザの感染拡大を防ぐ「マスク着用」「手洗い」「人混み回避」「換気」]

POINT

「新型インフルエンザ」とは、毎年流行する季節性のインフルエンザとは異なり、突然変異で発生する新型のインフルエンザウイルスによる感染症です。およそ10年から40年の周期で発生しています。ほとんどの人が免疫を持っていないため、急速にまん延し、社会に大きな影響をもたらすおそれがあります。ここでは新型インフルエンザの感染拡大を防ぐために、私たち一人ひとりができる対策などについてご紹介します。

1新型インフルエンザってどんな病気?

少しずつ変異しながら、毎年秋から冬にかけて流行するインフルエンザウイルスによる感染症を「季節性インフルエンザ」といいます。一方、こうした通常流行するインフルエンザウイルスとは大きく異なる、突然変異で発生する新たなインフルエンザウイルスによる感染症を「新型インフルエンザ」といいます。
インフルエンザウイルスには様々な型があり、人だけではなく、鳥や豚などにも感染します。通常、それぞれのインフルエンザウイルスは同じ動物種の中で感染するため、ほかの動物のインフルエンザウイルスが人に感染することは多くありません。
しかし、鳥などが感染するインフルエンザウイルスの遺伝子が変異したり、異なる種のインフルエンザウイルスの遺伝子が混ざり合ったりすることで、人に感染する新しいインフルエンザウイルス(新型インフルエンザウイルス)がまれに現れることがあります。
新型インフルエンザは、およそ10年から40年の周期(例:スペインインフルエンザ、アジアインフルエンザなど)で発生していますが、ほとんどの人が免疫を持っていないため、急速にまん延し、社会に大きな影響をもたらすおそれがあります。

[画像:新型インフルエンザ出現の概念図。鳥インフルエンザウイルス遺伝子が人の体内で変異し新型インフルエンザウイルスに。鳥インフルエンザウイルスと人のインフルエンザウイルスが人に同時感染しその体内で再集合し新型インフルエンザウイルスに。鳥、豚、人のインフルエンザウイルスが豚に同時に感染し、その体内で再集合し新型インフルエンザウイルスに。]

2知っておきたい感染対策と備え

感染経路を知っておこう

新型インフルエンザを予防するためには、新型インフルエンザウイルスがどのように感染するのか、その感染経路を知っておくことが重要です。主な感染経路は、季節性インフルエンザと同様、飛沫ひまつ感染」と「接触感染」の2つと考えられています。

飛沫感染

感染者のくしゃみや咳、つばなどの飛沫と一緒にウイルスが放出され、別の人がそのウイルスを口や鼻から吸い込むことで感染します。主な感染場所は、学校や職場などの人が多く集まる場所です。

接触感染

感染者がくしゃみや咳を手で押さえ、手にウイルスが付着します。その手で周りの物に触れて、別の人がその汚染された物に触れると、ウイルスが手に付着します。その手で自分の口や鼻を触ることで感染します。主に汚染されやすいものは、スイッチ、ドアノブ、電車やバスのつり革などです。

[画像:ウイルスによって汚染されたスイッチ、ドアノブ、電車やバスのつり革のイラスト]

マスク着用、手洗い、人混み回避、換気が有効!

「マスク着用」、「手洗い」、「人混み回避」、「換気」といった基本的な感染対策は、新型インフルエンザの感染対策においても有効です。

マスク着用などの咳エチケット

咳やくしゃみをするときに、マスクを着用する、マスクがないときはティッシュ・ハンカチで口・鼻を覆う、とっさのときは服の袖で口・鼻を覆う、といった行動で飛沫が広がるのを防ぐことができます。咳やくしゃみを手で押さえたり、何もせず咳やくしゃみをしたりするのは避けましょう。また、マスクは、ある程度飛沫感染などを防ぐことができる不織布ふしょくふ製のものがおすすめです。

[画像:マスクを着用する(口・鼻を覆う)、ティッシュ・ハンカチで口・鼻を覆う、袖で口・鼻を覆う人のイラスト]

手洗い

手洗いによって、自分の手に付いたウイルスを減らすことができます。帰宅時、調理の前後、食事前などはこまめに手を洗いましょう。流水で手を洗えないときは、手指消毒(消毒用エタノールなどによる)も効果的です。

政府広報オンライン「正しい手洗いの仕方」

人混み回避

混みを避けることによって、感染の機会を減らすことができます。自分が感染しているおそれもありますので、熱や咳などの体調不良を感じている人は、人が多く集まる場所に行かないようにしましょう。また、職場では、オンライン会議、テレワーク、時差出勤などの活用も検討しましょう。

換気

換気によって、空気中のウイルスなどを外に追い出すことができます。空気の通り道を作ることが重要で、部屋の窓を2か所以上開けると効果的です。窓が1か所しかない場合でも、換気扇をつけること、扉を開けておくことなどで対策できます。

食料や日用品を備蓄する

新型インフルエンザの発生に備え、食料品や生活必需品を日頃から備えておくことが大切です。近所のお店が休業して数日間買い物が不便になったり、自宅療養になって買い物に行けなくなったり、マスクなどの増産などに一定の時間がかかってしまうことがあります。食料品、マスクや消毒薬などの衛生用品、ティッシュやトイレットペーパー、歯ブラシなどの生活必需品を、ふだんより少し多めに買い足すイメージで買い置きしましょう。
これらの備えは、災害時にも有効です。

[画像:水、レトルトごはん、レトルトカレー、缶詰、米、シリアルなどの食品と、ティッシュ、トイレットペーパー、歯ブラシ・ハミガキ粉、マスク、アルコール消毒液などの生活必需品のイラスト]

3新型インフルエンザかなと思ったら

海外で新型インフルエンザが発生・国内発生の初期段階の場合

発熱などの症状があり、新型インフルエンザの発生国への渡航歴があるなど、感染が疑われる場合は、医療機関を受診する前に、都道府県等が設置する相談センターに電話でご相談ください。相談の結果、受診が必要と判断された場合、発熱外来を行う医療機関を受診します。新型インフルエンザと診断された場合は、専門の医療機関に入院し、治療を受けます。

国内でも流行してきた場合

地域の流行状況を踏まえ、発熱外来を行う医療機関を順次拡大するなど、地域の実情に応じて段階的に医療体制を拡充します。受診前には医療機関に連絡し、マスクを着用するなど感染拡大防止の対策を取った上で受診してください。

コラム:感染症に関する偏見や差別をなくしましょう

新型コロナウイルス感染症がまん延した際は、感染症に関する知識や理解の不足から、感染者やその家族、所属機関、医療従事者などに対する様々な不当な差別的言動や取扱いがありました。このような、偏見・差別は決して許されません。
感染者個人を特定しSNSなどで拡散する行為や、感染症に関連した誹謗中傷などは、名誉毀損などとして民事上の損害賠償責任や刑事責任など、法的責任を問われることもあります。
感染症は、誰でも感染する可能性があります。感染症に関する正確な知識と理解に基づき、お互いの人権に配慮した冷静な行動をお願いします。

コラム:新型インフルエンザのワクチンってどんなもの?

新型インフルエンザのワクチンは2種類あります。

プレパンデミックワクチン
新型インフルエンザが発生する前の段階で用意されているワクチンで、パンデミックを引き起こす可能性のあるウイルスを基に製造されます。
パンデミックワクチン
新型インフルエンザの発生後に、その新型インフルエンザウイルスを基に製造されるワクチンです。パンデミックワクチンのほうが高い効果が期待されますが、新型インフルエンザの発生後でないと開発・製造ができないため、供給されるまでに一定の時間を要します。

新型インフルエンザが発生したときには、重症化を防ぐことを目的に、住民を対象とした「住民接種」が実施されるほか、医療や社会サービスに携わる人を対象とした「特定接種」が実施されることがあります。

コラム:政府も平時からの備えを進めています

新型コロナウイルス感染症の経験を踏まえ、政府は、令和6年(2024年)7月に「新型インフルエンザ等対策政府行動計画」を抜本的に改正しました。その対象となる感染症は、新型インフルエンザのほか、新型コロナウイルス感染症なども含まれます。次なる感染症危機に対応できる社会を目指し、平時の備えを充実させていきます。

体制整備

  • 都道府県と医療機関の間で医療措置協定を締結することにより、感染症医療を提供できる体制(入院、発熱外来など)を整備します。
  • 発生直後から迅速に検査が開始できるよう平時から機器や資材を確保し、検査体制を整備します。
  • 新型インフルエンザなどの重点感染症を対象としたワクチンや治療薬の研究開発を平時から推進し、研究開発の基盤を強化します。

備蓄

医療機関や検疫所などに、医薬品、医療機器、個人防護具などの感染症対策物資等が十分に行き渡る仕組みを形成します。

まとめ

新型インフルエンザが発生しても、私たち一人ひとりが備えと意識を持つことによって、感染の拡大を抑えることができます。あなた自身と、周囲の大切な人の命と健康を守るためにも、適切な行動が大切ですので、ご理解・ご協力をお願いします。

(取材協力:内閣感染症危機管理統括庁、厚生労働省 文責:内閣府政府広報室)

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