2025年11月22日及び23日、G20ヨハネスブルグ・サミットが開催され、セッション1「誰一人取り残さない包括的で持続可能な経済成長」、セッション2「強靱な世界―G20の貢献」及びセッション3「万人にとっての公平で公正な未来」において、議論が行われました。セッション1の前に行われたオープニング・セッションにおいて、 G20首脳宣言が採択され、ジェンダーについて様々な分野にわたり下記のとおり言及されました。
- 農業・食料システムの強靱性の近代化は、女性及び若者の包摂及びエンパワーメントの促進等によって強化される。
- アフリカの広大な農地の潜在力を認識し、能力構築及び技術支援の拡大、特に女性及び若者に絞った支援に向けた取組を奨励する。
- 女性及び女児のエンパワーメント並びにジェンダーの平等を達成するための社会的・経済的障壁を緊急に取り除くことに対する完全なコミットメントを再確認する。
- 女性主導の開発を奨励し、政治、経済及び公的生活におけるあらゆるレベルでの意思決定において、女性の完全かつ平等で有意義な参画及びリーダーシップを確保する。
- 我々は、女性及び女児に対するあらゆる形態の差別を非難するとともに、ジェンダーに基づく暴力及びジェンダーを理由にした女性及び女児の殺害を終わらせるという我々のコミットメントを想起する。
- 我々は、全ての女性及び女児に対する、性的暴力及びハラスメントを含むあらゆる形態の暴力、並びに公的・私的生活、オンライン・オフラインを問わず発生する暴力を根絶するための加速的な行動をとることにコミットする。
- 北京宣言及び行動綱領の30周年を祝うに当たり、我々は同宣言の完全で、効果的かつ加速的な実施への我々のコミットメントを再確認し、同会議の精神を前進させるため中国及び国連女性機関(UN Women)により10月13〜14日に北京で開催された「女性に関するグローバル・リーダーズ会合」を歓迎する。
- 女性の起業、並びに女性主導のビジネス及び協同組合を支援するため、経済資源、並びに金融及び市場への完全かつ平等なアクセス及び権利を女性が有することを確保するための改革を行うことにコミットする。
- 南アフリカG20議長期間中における、ケア分野における女性の起業を促進する、世界銀行の女性起業家資金イニシアティブ(We-Fi)の呼びかけを奨励する。
- ケア・エコノミーへの投資及び社会的保護を大幅に増加させ、定型化された観念に対処する措置を採用することにコミットする。
- G20メンバーに対し、国際労働機関(ILO)の「ディーセント・ケア・ワークのための5R枠組み」を使用する包括的でセクター横断的なケア政策・戦略・ロードマップ・行動計画を、2030年までに策定し、実施するよう求めることを歓迎する。
- 今後のサミットで報告される、「女性のエンパワーメントと経済参画促進のための民間セクターアライアンス(EMPOWER)」による継続的な取組を歓迎する。
- 2030 年までに労働力参加におけるジェンダー格差を 2012 年の水準から 25% 削減するという、改訂されたブリスベン・エテクウィニ目標を歓迎し、これを採択する。この目的のため、我々は、G20 メンバー及び招待国に対し、2022年水準を基に、2035 年までに男女間の調整未賃金格差の15% 削減に向けて徐々に取り組むよう奨励する。
- 持続可能な開発の基盤として、女性、子ども、及び青少年を含む全ての人の健康と福祉への投資が極めて重要であることを認識し、全てのパートナーに対し、ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)に向けた進展を加速させるため、協調した行動及び取組を強化することを求める。
- 女性・子ども・青少年の健康のためのグローバル・リーダーズ・ネットワーク(GLN)の議長国として、シリル・ラマポーザ大統領と南アフリカのリーダーシップを称賛する。
- 研究及びイノベーションは、科学、技術、工学、数学(STEM)分野への女性及び女児の参加を積極的に促進し、知識へのアクセス及び創出における世界的な不平等と非対称性を軽減する取組であるべきであることを再確認する。
- 2030年までにジェンダーによるデジタル・デバイドを半減させることを含め、デジタル・デバイドを埋めること、また、安価で安全なデジタル・インフラの開発及び展開を拡大する上で開発途上国を支援することにより、全ての人のための普遍的かつ有意義な連結性を達成するといった過去のG20サミットでのコミットメントを再確認する。
サミットの詳細及び首脳宣言の全文は、外務省ホームページよりご覧いただけます。