12年05月31日 長官談話(第百生命保険相互会社) (3枚):金融監督庁

平成12年5月31日

金融監督庁長官談話

---- 第百生命保険相互会社について ----

1 .本日午後、第百生命保険相互会社(以下「第百生命」という。)は臨時取締役会において事業の継続を断念する決議を行い、当庁に対し、同決議の報告及び保険業法第241条に基づく措置の発動の要請を行った。

当庁は、この報告等を受けて、直ちに、同条に基づき、第百生命に対し業務の一部の停止を命じた。また、今後、速やかに「保険管理人による業務及び財産の管理を命ずる処分」を行うとともに、保険管理人を選任することとしている。
2 .今後、第百生命においては、解約に関する業務、契約者貸付に関する業務、配当の支払いに関する業務等は停止されるが、保険金の支払い、保険料の受領等の保全業務等については引き続き行われることとなる。なお、第百生命は、解約に関する業務等をマニュライフ・センチュリー生命保険株式会社に委託していることから、実際上は同社において第百生命から委託されている解約に関する業務等が停止されることとなる。
3 .当庁としては、保険契約を継続させることが保険契約者等の保護を図るための最善の措置であると考え、保険管理人に対し保険契約の移転等の計画の作成を命ずる予定である。従って、第百生命の処理のスキームは保険管理人により策定される保険契約の移転等の計画において定められることとなる。

また、当庁としては、処理スキームが早期に実現されることが保険契約者等の利益にもなると考えられることから、保険管理人に対し、移転等の計画の早期の作成を要請したいと考えている。
4 .上記の計画による保険契約の移転等に際しては、予定利率の変更等、契約条件が変更されることがあり得るが、生命保険会社が破綻した場合のセーフティ・ネットである生命保険契約者保護機構による資金援助又は保険契約の引受を通じて、責任準備金(将来における保険金等の支払いのために積み立てられているべき準備金)の90%までを補償すること等により、保険契約者等の保護が図られることとなっている。ただし、平成13年3月末までの特例期間中に支払事由の生じた死亡保険金等については、その全額が支払われるなどの保護がなされる仕組みとなっている。

従って、保険契約者におかれては、いたずらに風評に惑わされることなく、冷静な行動をとられるよう強く希望する。

5 .なお、当庁は、第百生命の経営責任の明確化のため、保険管理人に対し、弁護士、公認会計士等の第三者による調査委員会を設置し、調査を行う命令を発出することとしている。
6 .保険業界の現状を見ると、保険各社は、厳しい経済状況や競争の激化といった環境の下、経営の効率化や業務提携、自己資本の充実等による経営基盤の強化等に努めていると承知している。また、ここのところ、新規契約の状況にも明るい兆しが見えてきているところである。

当庁としては、今後とも、保険契約者等の保護の観点から、早期是正措置の厳正な運用、立入検査、モニタリングの充実など監督権限の適切な行使を通じて、保険会社の経営の健全性の確保を図ってまいる所存である。

第百生命保険相互会社の概要

1 .沿 革
大正3年10月 創 業
昭和22年9月 「第百生命保険相互会社」に改称
(注) マニュライフ・ファイナンシャル(加)との提携により、平成11年3月、第百生命の新契約業務をマニュライフ・センチュリー生命に事業譲渡し、現在は既契約の維持管理のみを行っている。

2 .本社所在地 東京都調布市国領町4丁目34番地1

3 .社 長 秋山 満正

4 .主要計数

(単位:億円)

10年3月期

11年3月期

11年9月期

保有契約高

273,563

247,418

194,262

総資産

27,623

24,670

21,885

収入保険料

4,367

3,528

1,317

経常利益

68

さんかく 387

7

当期剰余

52

さんかく 109

10

(注) 総資産ベースで46社(東邦生命を除く。)中第15位(11年9月末現在)。
・ 役員数
(監査役含む)
: 7名(12年3月末現在)
・ 内勤職員数 : 1,174名(12年3月末現在)
(内、1,025名はマニュライフ・センチュリー生命への出向者)
・ 社 員 数 : 約103万人(12年3月末現在)

5 .ソルベンシー・マージン比率

: 175%(金融監督庁検査後、11年3月期)


第百生命の検査結果について

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