○しろまる
参考人(中村慶一外国損害保険会社協議会議長)の意見陳述の概要
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自賠責保険の見直しの検討は、損害賠償を保障する制度を確立することにより、被害者の保護を図り、あわせて自動車運送の健全な発達に資するという自賠法の目的に沿ったものであるべき。
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強制保険制度は被害者保護の観点から不可欠。自賠責保険と任意保険の二本建て制度、ノーロス・ノープロフィットの原則は維持するのが妥当。
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ノーフォルト保険については、損害賠償制度一般との整合性、自賠責保険の水準との比較、モラルハザードの問題等があり、時間をかけて検討すべき。政府保障事業の加害者無責事故への拡大は、コストの負担も併せて社会保障制度一般の中で検討すべき。重度後遺障害に対する保険金限度額引上げについては、社会保障制度一般の中で検討すべき。政府保障事業における過失相殺の緩和は法制化の検討が望ましい。
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政府再保険については、危険分散を図るという再保険の本来の意義からすると必要性はなくなっている。政府の監督は、再保険が廃止されたとして所管のいずれは別にして引き続き行われるべき。なお、監督内容の合理化も検討されるべき。
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保険料は収支に見合った適時の改定が必要。なお、自賠責保険の収支は単年度では大きなブレが出るため、中途参入会社や中途退出会社にとっては、自賠責保険を取り扱う時期によって損益の状況が異なるといった面もあり、保険料の改定に当たって注意が必要。
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運用益は、自動車ユーザーの負担軽減のために振り分けられるのが妥当。
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損害調査に関し、保険会社において請求者との折衝に難渋する場合には、自算会職員が保険会社と請求者の折衝に早い時点から参加すべき。
○しろまる
質疑
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損害調査に関し、委員から、自算会は保険会社に協力して説明することを明確にしており、必要に応じ保険会社に同席して請求者等に説明を行うこととしている、ただし、自算会には当事者性がないので示談交渉に参加するというものではない、との発言があった。
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ノーフォルト保険に関し、委員からの質問に答える形で、参考人から、現在の傷害保険では極端なスピード違反や酔っぱらい運転で受傷した場合には保険金を支払わないことにしている等といった発言があった。
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委員から、再保険を廃止した場合に、官民の分担といったことから、必ずしも政府の監督が必要なのか、との発言があり、参考人より、国民が安心を得るためにある程度の監督は必要だが、その事務については合理化の余地があるのではないか、という発言があった。