アメリカ大陸におけるチクングニア熱の患者の発生状況 (更新8)
チクングニア熱は、蚊によって感染するウイルス性疾患です。感染した蚊に刺されてから2〜12日(通常2〜4日)後に症状が現れます。チクングニア熱の症状には、発熱、頭痛、強い関節痛(足首や手首)がみられ、死亡することは稀ですが、関節痛は数週間、稀に数か月から数年続くことがあります。
2016年9月9日付けで公表された汎米保健機構(PAHO)の情報によりますと、アメリカ大陸でのチクングニア熱の発生状況は以下のようになっています。
国・地域
報告週
国内感染例a
輸入例 発生率b 死亡者数
疑い例 確定診断例
北米
バーミューダ Week 24 3 0 0 4.2 0
カナダ Week
メキシコ Week 34 420 0 0.33 0
アメリカ合衆国 Week 35 69 0.0
小計 3 420 69 0.09 0
中米
ベリーズ Week 58 1 0 16.1 0
コスタリカ Week 34 2,400 0 0 49.41 0
エルサルバドル Week 34 5,648 0 0 91.90 0
グアテマラ Week 29 2,767 79 0 17.07 0
ホンジュラス Week 32 14,325 0 0 174.91 0
ニカラグア Week 26 4,675 453 0 83.38 1
パナマ Week 31 6 4 0.15 0
小計 29,873 539 4 65.58 1
ヒスパニック系カリブ海諸国
キューバ Week
ドミニカ共和国 Week 30 112 0 0 1.05 0
フランス領ギアナ Week 23 805 18 0 298.19 0
グアドループ Week 16 32 2 0 7.22 0
ハイチ Week 16 2 1 0 0.03 0
マルティニーク Week
プエルトリコ Week 33 0 115 0 3.12 0
サン・バルテミー島 Week 16 0 0 0 0.00 0
サン・マルタン島(フランス領) Week 16 17 1 0 50.43
小計 968 137 0 2.93 0
アンデス地域
ボリビア Week 27 18,968 1,190 2 185.14 0
コロンビア Week 34 18,549 148 0 38.43 14
エクアドル Week 35 280 1,714 3 12.17 0
ペルー Week 28 8 8 1 0.05 0
ベネズエラ Week 32 3,107 68 0 10.07 0
小計 40,912 3,128 6 31.72 14
南米
アルゼンチン Week 34 3,361 320 90 8.40 0
ブラジル Week 27 106,656 63,000 0 80.96 39
チリ Week 12 0 0 2 0.00 0
パラグアイ Week 31 862 38 0 13.38 0
ウルグアイ Week
小計 110,879 63,358 92 62.54 39
その他のカリブ地域
アンギラ Week 24 9 1 0 58.82 0
アンティグア・バーブーダ Week 24 38 2 0 42.55 0
アルバ Week 28 698 6 0 617.54 0
バハマ Week 20 75 1 0 19.34 0
バルバドス Week 20 86 0 0 29.55 0
ケイマン Week 24 48 0 0 84.21 0
キュラソー Week
ドミニカ国 Week 24 269 2 0 366.22 0
グレナダ Week 20 103 0 0 92.79 0
ガイアナ Week 16 149 0 0 19.33 0
ジャマイカ Week 24 0204 1 0 0.07.31 0
モントセラト Week24 5 0 0 100.00 0
セントクリストファー・ネイビス Week 28 0 0 53.85 0
セントルシア Week 24 114 0 0 69.51 0
セントビンセント・グレナディーン Week 24 154 1 0 151.96 0
シント・マールテン島 (オランダ領) Week 8 12 0 0 29.27 0
スリナム Week 3 0 0 0.55 0
トリニダード・トバゴ Week 575 15 0 43.22 0
タークス・カイコス諸島 Week 24 22 0 0 43.14 0
ヴァージン諸島 (イギリス) Week 24 2 9 0 32.35 0
ヴァージン諸島 (米国) Week
小計 2,594 38 0 35.9 0
総計 185,229 67,620 171 25.34 54
a 診断の定義はhttp://www.paho.org/hq/index.php?option=com_docman&task=doc_download&Itemid=&gid=23978&lang=enを参照してください。
b 発生率は人口10万人あたりの発生数
アメリカ大陸に渡航、滞在される方は、今後の情報に注意していただくとともに、蚊に刺されないよう対策をとってください。
蚊に刺されないための対策
- 可能な限り、しっかりと網戸がとりつけられているか、エアコンが備わっている、または、蚊をしっかりと駆除しているホテルやリゾートに滞在してください。蚊取り線香も有効です。
- 長袖のシャツ、ズボンを着て、できるだけ皮膚の露出部を少なくするようにしてください。
- 流行地域では屋外にでかける場合や網戸が備わっていない建物にいる場合には、ディート(DEET)などの有効成分が含まれている虫よけ剤を、皮膚の露出部につけてください。使用する場合には、必ず添付文書に記載されている使用法を守ってください。日焼け止めを使う場合は、先に日焼け止めをつけてから、虫よけ剤を使用してください。
- 子ども、とくに乳児への虫よけ剤の使用については、小児科医にご相談ください。虫よけ剤が使用できない場合、ベビーカーにぴったりと合う蚊帳でベビーカーをおおってください。
心配な場合には早めの受診を
- 海外で発熱などの症状が出たら、できる限り早く医療機関を受診してください。
- また、ご帰国の際に、発熱や心配な症状のある方は検疫所の担当者にご相談ください。帰国後に発症した場合や、症状が改善しない場合は、お近くの医療機関または検疫所にご相談ください。
- 医療機関を受診する時には、医師に、渡航先や渡航期間、渡航先での活動などについて、詳しく伝えてください。
感染症情報:チクングニア熱
出典
WHO/PAHO.
Number of Reported Cases of Chikungunya Fever in the Americas, by Country or Territory2016(to week noted), Cumulative cases,Epidemiological Week/EW36(update as of9September2016)
http://www.paho.org/hq/index.php?Itemid=40931