報道発表資料
「生物多様性とその情報に関する国際ワークショップ」の開催について(第14回地球環境研究者交流会議)
当センターでは、毎年1、2回地球環境研究者交流会議注1)を開催しており第14回となる今回は、「生物多様性とその情報」をテーマに、3日間にわたって国内外の研究者などが参集し、講演や最新の研究発表を行う。
開催趣旨
近年の種々の人為活動によって、多くの生物種が絶滅の危機にさらされており、生物多様性の危機が警鐘されている。しかし、世界各地の生物多様性に関する基盤的情報源の整備は必ずしも十分とは言い難く、現在、各地域で生物の多様性がどのような状態にあるのか、そして多様性はどのような影響を受けているのかについて十分な情報、知見が得られていない。
欧米先進国並びにアジア地域においては、新世代の分類学・分子系統学により整理された生物資源と関連情報を広く研究資源として提供する観点から、生物多様性の保全に関する研究について、生物資源保存機関・生態学研究機関・博物館・生物情報センター等の研究・保存機関が高い関心を寄せている。
これらの研究は、正しい情報基盤により、国際的視野にたった資源の持続的利用と環境保全にとり組むためのプロジェクトとして一層発展すると期待されるが、上述のように生物種レベルの情報資源は、いまだ整備途中の段階であり、生物情報学、分類学、生態学などの研究者の協力強化が必要である。
アジア地域は、亜寒帯から熱帯地域にわたり、生物多様性の宝庫といわれるが、生物資源等の研究・保存機関の整備は欧米に比べ遅れており、情報基盤の整備は個々の研究機関の自発的努力に依存しているのが現状である。日本においても、情報の蓄積、評価、公開のため、動物・植物・微生物の研究者による独自のネットワーク作り(DIWPA,
Gaialist 21st, Asian Network on Microbial Researchesなど)がアジア地域の共同研究者ととも
に一部で進行しているものの、互いに一堂に交流する機会はなかった。
欧米においては、生物多様性に関する国際プロジェクト(DIVERSITAS, Systematics Agenda 21, IT IS, Species2000など)が、欧州連合並びに北米の研究者を中心に進められ
、分類学及び生物情報学の分野からは、情報の共有化に向けたデータベースの充実と標準化のための活動が開始されている。
このため、生物多様性のグローバルサイエンス、日本及びアジア地域における生物多様性研究とその情報に関する現状と将来像を探ることを目的として、「生物多様性とその情報に関する国際ワークショップ」を開催し、アジア及び欧米の生物情報学、分類学、生態学のネットワーク作りに参加している代表者を招待し、21世紀へ向かって取り組む戦略を紹介するとともに、日本の関連研究者からも情報発信を行う。
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平成11年7月14日(水)〜16日(金)茨城県つくば市竹園2-20-3
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国立環境研究所地球環境研究センターICSU/CODATA
参加申し込み等
参加及び聴講は無料
参加希望の方は、ホームページ
http://www-cger.nies.go.jp/species2000.html
を参照の上、お申し込みください。
なお、講演は全て英語で行われます。
問い合わせ先
国立環境研究所地球環境研究センター交流係
つくば市小野川16-2
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0298-50-2347注1) 地球環境研究センターが主催して年1,2回開催する会議で、地球環境研究に携わっている研究者を広く結集し、研究方法成果などについて総合的かつ分野横断的な検討を行うことにより、体系的、効率的、学際的かつ国際的な地球環境研究を推進している。
添付資料
- 連絡先
- 環境庁地球環境研究センター
総括研究管理官 :井上 元(0298-50-2402)
総合化研究管理官 :清水英幸(0298-50-2347)
交 流 係 長 :宮部 徹(0298-50-2347)