報道発表資料
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2003年03月28日
- 自然環境
平成14年度第2回ジュゴンと藻場の広域的調査手法検討会の結果について
環境省は、沖縄本島周辺海域に生息するジュゴンの全般的な保護方策を検討するため、平成13年度から「ジュゴンと藻場の広域的調査」を実施しています。
本調査に関し、本日、平成14年度第2回「ジュゴンと藻場の広域的調査手法検討会」を開催し、本年度の調査結果の中間報告及び取りまとめ方法の検討を行いましたので、その結果の概要をお知らせします。
本調査に関し、本日、平成14年度第2回「ジュゴンと藻場の広域的調査手法検討会」を開催し、本年度の調査結果の中間報告及び取りまとめ方法の検討を行いましたので、その結果の概要をお知らせします。
I.「ジュゴンと藻場の広域的調査」について
本調査は、沖縄周辺海域に生息するジュゴンの全般的な保護方策の検討に必要な情報やデータを収集することを目的に、平成13年度から概ね3カ年の予定で実施しているものです。
II.第2回検討会について
1. 検討会の目的
ジュゴンと藻場の広域的調査の中間報告及び結果を取りまとめるに当たって、生物学的・科学的知見を有する専門家の意見を聴くことを目的としています。
2. 検討会の構成メンバー
相生 啓子
青山学院女子短期大学講師 (海草)
井田 齊
北里大学水産学部教授 (沿岸生態系)
内田 詮三
沖縄美ら海水族館館長 (海棲哺乳類)
粕谷 俊雄
帝京科学大学理工学部教授 (海棲哺乳類)
香村 眞徳
財団法人沖縄県環境科学センター専務理事 (藻類)
山田 格
国立科学博物館第一研究室長 (海棲哺乳類)
3. 中間報告概要
第2回検討会では、ジュゴンと藻場の広域的調査の中間報告を行いました。概要は以下のとおりです。
(1)
浅場の海草藻場における食跡調査
・
平成13年度に作成した「沖縄本島浅場藻場分布図」を分析した結果、リーフに囲まれた藻場のうち、38箇所の藻場にリーフの切れ目(水路)があることが判読できた。このうちの調査可能な36箇所(予備調査1箇所含む)において、ジュゴンの食跡の調査を実施した。
・
全調査地点で調査が終了した結果、名護市嘉陽地区及び辺野古地区の2地点でジュゴンの食跡を確認した。
(2)
ジュゴンの分布調査
[1]
航空機による目視調査
・
平成14年9月18日から24日に本島周辺全域について第1回調査を実施し、19日午前9時20分頃、金武湾(きんわん)中央部で真北に向かって移動する成獣と思われる個体を2頭発見した。
・
平成15年1月24日から31日に第2回調査を実施し、31日午後3時9分頃、名護市大浦湾北部の安部崎(あぶざき)沖で、成獣と思われる個体を1頭発見した。
[2]
地元住民や関係団体等からの目撃情報の収集
・
情報収集用のポスターを合計10,000枚作成し、市町村、教育機関、公共施設、商店、ガソリンスタンド、宿泊施設、交通機関関係施設、レジャー関係施設等に配布した。
・
環境省ホームページを通じた情報収集も実施中。
(3)
ジュゴンの食性調査
・
平成14年10月に熊本県牛深市の海岸で発見されたジュゴンの死体について、平成15年3月24日に解剖を実施した。
・
発見時すでに腐敗が進んでおり、肺、心臓などがほぼ溶けていたが、胃と腸など消化器系は残っていた。
・
至急、胃内容物の分析などを進める予定。
(4)
ジュゴンのレスキュー体制の検討(施行委任をしている沖縄県から報告)
・
魚網に混獲されたり、海岸に漂着したジュゴンのレスキュー体制を確立するため、沖縄県の文化環境部局、水産部局及び教育庁、関係市町村、漁業共同組合、学識経験及びNGOから構成される検討会を3回開催し、検討を行った。
・
成果として、救助、リハビリ及び放流などに関する方法と体制を検討し、結果をレスキューに関するマニュアルとして編集した。
・
現在、最終的な取りまとめ中。
添付資料
- 連絡先
- 環境省自然環境局野生生物課
課長 黒田 大三郎 (内線6460)
専門官 清野 達男 (内線6464)
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