報道発表資料
この記事を印刷
1997年12月18日
平成8年度地下水質測定結果について(概要)
環境庁は、平成8年度に水質汚濁防止法の規定に基づき国及び地方公共団体で実施された全国の地下水質の測定結果をとりまとめた。
その結果、概況調査で鉛、砒素、総水銀、四塩化炭素、1,1-ジクロロエチレン、シス-1,2-ジクロロエチレン、トリクロロエチレン及びテトラクロロエチレンについて新たに評価基準を超える井戸が見られたほか(超過率1.9%)、依然として地下水汚染が継続している状況が見られた。
環境庁は、4月から施行された汚染地下水の浄化制度を盛り込んだ水質汚濁防止法を適切に運用すること等により、地下水の水質汚濁に係る環境基準が維持達成されるよう、地方公共団体の指導等を行うこととしている。
その結果、概況調査で鉛、砒素、総水銀、四塩化炭素、1,1-ジクロロエチレン、シス-1,2-ジクロロエチレン、トリクロロエチレン及びテトラクロロエチレンについて新たに評価基準を超える井戸が見られたほか(超過率1.9%)、依然として地下水汚染が継続している状況が見られた。
環境庁は、4月から施行された汚染地下水の浄化制度を盛り込んだ水質汚濁防止法を適切に運用すること等により、地下水の水質汚濁に係る環境基準が維持達成されるよう、地方公共団体の指導等を行うこととしている。
平成元年度より、水質汚濁防止法第15条に基づき、都道府県知事は、地下水の水質の汚濁の状況を常時監視しなければならないこととなり、都道府県ごとに毎年測定計画を作成し、これに従って国及び地方公共団体は地下水の水質の測定を行っている。
本報告は、国及び地方公共団体が平成8年度に実施した地下水質測定結果の概要を取りまとめたものである。
1.調査区分
概況調査 : 地域の全体的な地下水質の状況の把握を目的とした調査汚染井戸周辺地区調査 : 概況調査等により新たに発見された汚染について、その汚染範囲の確認を目的とした調査定期モニタリング調査 : 汚染井戸周辺地区調査により確認された汚染の継続的な監視等を目的とした調査
2.調査対象自治体数及び調査対象井戸数
概況調査 1,442自治体 4,194本汚染井戸周辺地区調査 103自治体 1,626本定期モニタリング調査 1,032自治体 4,472本合 計(実 数) 2,029自治体 10,249本
3.概況調査結果
物 質
調査数
(本) 超過数
(本) 超過率
(%) 評価基準
(注)
(本) 超過数
(本) 超過率
(%) 評価基準
(注)
カドミウム
2,100
0
0.0
0.01 mg/l 以下
全シアン
1,899
0
0.0
検出されないこと
鉛
2,483
7
0.3
0.01 mg/l 以下
六価クロム
2,306
0
0.0
0.05 mg/l 以下
砒素
2,648
43
1.6
0.01 mg/l 以下
総水銀
2,082
1
0.05
0.0005 mg/l 以下
アルキル水銀
801
0
0.0
検出されないこと
PCB
1,196
0
0.0
検出されないこと
ジクロロメタン
2,904
0
0.0
0.02 mg/l 以下
四塩化炭素
2,920
3
0.1
0.002 mg/l 以下
1,2-ジクロロエタン
2,856
0
0.0
0.004 mg/l 以下
1,1-ジクロロエチレン
2,907
1
0.03
0.02 mg/l 以下
シス-1,2-ジクロロエチレン
2,854
2
0.1
0.04 mg/l 以下
1,1,1-トリクロロエタン
3,786
0
0.0
1 mg/l 以下
1,1,2-トリクロロエタン
2,846
0
0.0
0.006 mg/l 以下
トリクロロエチレン
3,867
5
0.1
0.03 mg/l 以下
テトラクロロエチレン
3,864
18
0.5
0.01 mg/l 以下
1,3-ジクロロプロペン
2,572
0
0.0
0.002 mg/l 以下
チウラム
2,405
0
0.0
0.006 mg/l 以下
シマジン
2,380
0
0.0
0.003 mg/l 以下
チオベンカルブ
2,377
0
0.0
0.02 mg/l 以下
ベンゼン
2,618
0
0.0
0.01 mg/l 以下
セレン
2,230
0
0.0
0.01 mg/l 以下
合 計(井戸実数)
4,194
78
1.9
(注)
平成9年3月13日に地下水の水質汚濁に係る環境基準(以下、「環境基準」という。)が設定されたことに伴い、評価基準は同日付け廃止されている。
なお、環境基準と評価基準の項目及び基準値は同じである。
なお、環境基準と評価基準の項目及び基準値は同じである。
4.概況調査結果の経年変化
平成元年度以降の概況調査における超過率の推移は以下の通りである。
なお、平成8年度の超過率は、平均を0.3ポイント低下している。
調査年度 調査井戸実数 超過井戸実数 超過率(%)平成元年度 3,564 73 2.0平成2年度 6,036 122 2.0平成3年度 6,337 66 1.0平成4年度 4,830 63 1.3平成5年度 4,718 93 2.0平成6年度 4,546 139 3.1平成7年度 4,357 94 2.2平成8年度 4,194 78 1.9過去8年間 33,612 728 2.2
<注意事項>
{1}
平成元年度から4年度までは旧評価基準値及び暫定指針値による。また、評価対象項目は全13項目である。
{2}
平成5年度以降は新評価基準による。また、評価対象項目は全23項目である。
{3}
上記の数字は延べ数ではなく全て実数である。
5.その他
評価基準を超える検体が相当数見られることから、各都道府県・政令市に対して、水質改善を要する地下水については、所要の調査検討を行い、必要な対策を講ずるよう指導した。
また、環境庁では、平成8年6月に水質汚濁防止法の改正、平成9年3月に環境基準の設定等の地下水質の保全施策を講じてきているところであるが、さらに環境基準項目の追加、対策技術指針の改訂等の検討を進めているところである。なお、国際的な地下水保全対策の取組に資するため、平成10年1月20、21日に第1回国際土壌・地下水環境ワークショップの開催を予定している。
- 連絡先
- 環境庁水質保全局企画課地下水・地盤環境室
室 長 :安藤 茂 (内線6670)
補 佐 :油本 幸夫(内線6672)
担 当 :中島 宣雅(内線6675)