環境省 Ministry of the Environment

中央環境審議会 循環型社会部会 廃棄物処理基準等専門委員会(第7回) 議事録

議事次第

1.開会

2.議事

  1. (1)廃棄物処理におけるカドミウムに係る状況について
  2. (2)カドミウムの処理基準等のあり方について
  3. (3)その他

3.閉会

配布資料

資料1 中央環境審議会循環型社会部会廃棄物処理基準等専門委員会名簿
資料2 廃棄物処理基準等専門委員会(第6回)における指摘事項への対応
資料3 廃棄物最終処分場の放流水等に係る実態調査結果(追加調査)
資料4 廃棄物のカドミウム濃度等に係る実態調査結果
資料5 廃棄物に係るカドミウムの検定方法について(案)
資料6 廃棄物処理におけるカドミウムに係る論点整理(案)
参考資料1 水質汚濁防止法に基づく排出水の排出、地下浸透水の浸透等の規制に係る項目の許容限度等の見直しについて(答申)
参考資料2 廃棄物からのカドミウムの溶出抑制技術に係る文献調査結果
参考資料3 廃棄物に係るカドミウムの検定方法の概要
参考資料4 水質汚濁に係る人の健康の保護に関する環境基準等の見直しについて(第4次答申)

議事録

午前9時58分 開会

【角倉課長】 皆様、おはようございます。委員の皆様方全員お揃いですので、定刻より少し早めですが、ただいまから中央環境審議会循環型社会部会廃棄物処理基準等専門委員会第7回会合を開催させていただきます。

私は、本日の司会を務めさせていただきます環境省産業廃棄物課長をしております角倉と申します。どうかよろしくお願いいたします。

委員の皆様方におかれましては、本日は大変ご多忙の中にもかかわらずご出席いただきまして、本当にありがとうございます。

本日の出席状況でございますけれども、8名の委員の皆様方にご出席をいただいております。野馬先生におかれましては、本日はご欠席とのご連絡をいただいておりますので、ご報告させていただきます。

それでは、専門委員会の開催に当たりまして、部長の鎌形よりご挨拶申し上げます。

【鎌形部長】 おはようございます。環境省廃棄物・リサイクル対策部長の鎌形でございます。

本日はお忙しい中ご参集いただきまして、どうもありがとうございます。また、平素より廃棄物・リサイクル行政の推進に関しましてご指導いただきまして、誠にありがとうございます。この場をおかりいたしまして厚く御礼申し上げます。

今日の委員会、カドミウムの処理基準等のあり方についてご議論を願うということでございますけれども、前回の委員会では環境基本法に基づくカドミウムに関する水質環境基準の改正を受けた基準の見直し、具体的にはカドミウムに関します特別管理産業廃棄物の判定基準、廃棄物の埋立判定基準、廃棄物最終処分場からの放流水、地下水等の基準の見直しということでございますけれども、まずは実態把握をしっかり行った後に具体的な議論を開始するということで、ご意見を賜ったところでございます。

それを受けまして、カドミウムに関する廃棄物処理における実態調査、追加的な調査も含めて行いましたので、本日はこの状況についてお示しさせていただき、処理基準のあり方などについてご議論を賜れればと考えてございます。

そもそも廃棄物処理法におきましては、生活環境に悪影響を与えずに適正に廃棄物を処理するためのルールを定めているということで、そのための基準がさまざまございますけれども、この基準は新しい科学的知見あるいは廃棄物処理を取り巻く状況の変化を踏まえて常に見直していかなければならない、こういう性格のものだと考えてございます。そういう意味で、本日もしっかりとご議論を賜れればと思いますので、幅広い視点から忌憚のないご意見を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

今日はどうぞよろしくお願いいたします。

【角倉課長】 続きまして、お手元の配付資料の確認をさせていただきたいと存じます。

お手元の配付資料につきましては、議事次第の下に参考資料も含めて一覧を掲載させていただいておりますので、ご確認いただければと思います。

この他、委員の皆様方限りという形で机上配付資料を用意させていただいております。議事次第の一番下に(注記)で書いてある部分でございます。こちらもお手元にあるかどうかご確認いただければと存じます。

資料の不足等ございましたら、いつでも結構でございますので事務局までお申しつけいただければと存じます。よろしくお願いいたします。

これら専門委員会の資料取り扱いでございますが、委員限りの資料とさせていただいたものを除きまして原則すべて公開となりますので、どうかよろしくお願いいたします。

また、専門委員会終了後に、発言者名を示した議事録を別途作成いたしまして、委員の皆様方にご確認をいただき、ご了解をいただいた上で公開の手続をとらせていただきたいと考えておりますので、どうかよろしくお願いいたします。

それでは、以降の進行につきましては酒井委員長にお願いしたいと存じます。よろしくお願いいたします。

【酒井委員長】 おはようございます。早速審議を進めさせていただきたいと思います。

前回の専門委員会を受けまして、本日はカドミウム処理基準のあり方についてご意見を頂戴することになります。どうぞよろしくお願いいたします。

議題1「廃棄物処理におけるカドミウムに係る状況について」に入りたいと思います。

事務局から資料2、3、参考資料1に基づいてご説明をいただきまして、ご議論をいただければと思います。

【梶川補佐】 産業廃棄物課の梶川と申します。よろしくお願いいたします。

私からは資料2と3に基づきまして、まずは産業廃棄物の処分場に関するデータについてご説明を差し上げたいと思います。私の説明が終わった後に、一般廃棄物の最終処分場に関してまたご説明させていただきたいと思います。

まずは資料2をご覧ください。

こちらは前回の委員会において委員の皆様方からご指摘をいただいた事項への対応状況を整理させていただいたものでございます。

まず1でございますが、産業廃棄物の安定型最終処分場における浸透水の実態を示してほしいということでございました。これに関しまして、右側の対応でございますが、安定型最終処分場における浸透水、そして管理型最終処分場における浸出水原水のデータも追加で調査させていただきました。これは資料3にまとめておりますので、後ほどご説明を差し上げたいと思います。

2地下水の状況確認のため、地下水のデータも確認しておく必要があるということでございました。これに関しまして右側、対応でございますが、管理型最終処分場及び安定型最終処分場における地下水の水質検査結果を確認いたしましたところ、基準を超過した処分場はなかったということでございます。

続きまして3、最終処分場の放流水等の実態ですが、前回お示ししたデータの中で、環境基準10倍値とした場合に、これを超える可能性がある処分場が一般廃棄物と産業廃棄物それぞれございました。産業廃棄物に関しては、1つの施設におきまして環境基準10倍値を超える可能性があるということでございました。それで右側の対応、2つ目でございますが、放流水が環境基準10倍値を超過している1つの施設について、最近の放流水の状況、受入廃棄物の種類等について調査させていただき、資料3としてまとめさせていただきました。

恐縮ですが資料3に目を移していただきまして、廃棄物最終処分場の放流水等に係る実態調査結果でございます。

1枚目に出ている数字は、前回お示しさせていただいた数字でございます。この下のグラフで見ていただきますと、環境基準10倍値を超える可能性がある施設が1ということでございます。この1つの施設について、先ほど申し上げましたとおり追加的に調査をしたところでございます。

2ページをご覧ください。

追加調査1と記載してございますのが、今、申し上げた施設に関する追加的な調査の結果でございます。調査対象は、先ほど申し上げたとおり、この1つの施設でございます。

(2)調査結果ということで、直近のデータ、どのような推移があるかといったところを調査させていただいた結果でございます。これを見ていただきますと、平成24年度が基準を超過するおそれがある1施設とカウントさせていただいたものでございますが、その前の2カ年度について、環境基準10倍値の0.03ミリグラム/リットルを下回る数値で推移していました。参考として、平成25年度はいかがであったかという点ですが、この施設については0.01ミリグラム/リットルということで、環境基準10倍値を下回る数値であった。結果として、平成24年度についてのみ0.03ミリグラム/リットルを超える可能性があったというデータとなってございます。

また、埋め立てた廃棄物の種類について調査してはどうかというご意見をいただきましたので、この最終処分場の埋立廃棄物の性状について、主なものを比較させていただいたのが(3)でございます。パーセンテージで書かせていただきましたが、埋め立てた廃棄物の種類はほとんど変わりません。その割合についても、見ておわかりいただけるとおり、ほとんど変わりがないということでございます。汚泥、動植物性残さが割合としては多いということがありますが、他に特段大きな差異があるというデータではありませんでした。

(4)といたしまして、この最終処分場の水処理の方法でございますが、この施設は凝集沈殿を採用してございます。机上配付資料の3に、毎年ダイオキシン類調査ということで最終処分場の調査をしてございますが、そのデータそのものを添付させていただいております。こちらの追加資料では、割合ではなくて実際の廃棄物の量をそのまま、生のデータとしてお示ししてございます。

続きまして追加調査2、管理型最終処分場の浸出水原水のデータはどうなのかということでございます。

皆様方ご承知のとおり、処分場を廃止するときに、原水のデータが放流水と同等の基準となるということでございます。水処理をしなくてもそのまま放流することができるという基準まで持っていくことが必要になりますので、埋め立てを終了した産業廃棄物の管理型最終処分場につきまして、浸出水のデータをとっているはずであるということです。ご承知のとおり、廃棄物処理法上、稼働中につきましては浸出水原水を計る義務はございませんが、埋め立てを終了している最終処分場につきましては、後に廃止するために浸出水原水のデータをとっているであろうということがありますので、調査させていただいたものでございます。

この84施設について浸出水のカドミウム濃度を調査した結果が、グラフのとおりでございます。環境基準10倍値を超える施設はありませんでした。

続きまして追加調査3、安定型最終処分場の浸透水についてデータをとってみたものでございます。

これで見ますと、368の施設におきまして調査を行ったところ、環境基準値として設定するであろう0.003ミリグラム/リットル、今の環境基準値ですね。浸透水ですから環境基準値と同値と考えたときに、これを超える可能性があるかといったところを調査させていただきましたところ、グラフにありますとおり20の施設について0.003を上回る結果が出てまいりました。

ただ、上のほうに文字でも書かせていただきましたが、これら20施設についての濃度測定のデータといいますのが、測定の定量下限値そのものが0.003を上回っていたということでございます。これについて事業者に電話で聞き取りもしくは計量証明書をそのままFAXしてくださいということで生のデータも確認させていただきましたが、やはりこのとおり、定量下限値自体が、今の基準である0.01ミリグラム/リットルが定量下限値というデータを示している計量証明事業者もありました。ですから、この20につきましては超えるおそれもありますし、詳細に判断することがちょっと難しいデータとして捉えなければいけないのかなと考えてございます。

産業廃棄物の処分場に関する追加的な調査に関しては、以上でございます。

続いて、一般廃棄物の処分場に関してご説明いたします。

【黒木補佐】 廃棄物対策課の黒木と申します。よろしくお願いいたします。

一般廃棄物最終処分場の実態調査の結果でございますけれども、前回の指摘事項としましては、環境基準の10倍値を超過していた施設について、水処理の方法も含めて実態を再確認してほしいということで、資料のほうは先ほどの続き、資料3の4ページからになります。

4ページと5ページにつきましては、前回の委員会でもご説明させていただいた資料でございますけれども、5ページのグラフをご覧ください。

下のグラフが放流水でございますけれども、放流水で2施設、上のグラフの浸出水で環境基準10倍値を超えたのが5施設ございました。1施設につきましては重複しておりまして、全体では6施設が環境基準の10倍値を超えていました。

この施設について実態を調査したものが、6ページ以降になります。

また、机上配付資料3の参考1というものがございますが、こちらは地区ごとの詳細をまとめたものでございますので、ご参考にしていただければと思います。

それでは、6ページの追加調査の内容でございますが、それぞれの施設ごとに、前回取りまとめたデータは平成20年のデータでございましたが、平成21年以降25年までの浸出水と放流水の実態について、まず確認しております。それと埋立廃棄物の性状につきまして、それぞれの地区ごとにどういった廃棄物が埋め立てられているかを確認しております。

それからもう一つ、水処理ということで、資料の中ではフローとしてまとめておりますが、それぞれ地区ごとに水処理のフローを確認しております。

追加調査結果の内容でございますが、まずA施設。こちらは平成20年度は浸出水、放流水ともに10倍値を超える値でございましたが、平成21年度以降につきましては浸出水、放流水とも10倍値を下回る値です。

次に、B施設でございます。こちらは平成20年度、放流水で環境基準の10倍値を上回っておりましたが、平成21年度以降につきましては定量下限値以下ということで、落ち着いた数字になっております。

次に、C施設でございます。こちらは浸出水が平成20年度に環境基準の10倍値を超えておりましたが、平成21年度から23年度まではある程度高い値が出ておりますけれども、平成24年度、25年度については下回る値となっております。

次に8ページ、D施設でございます。こちらは浸出水で平成20年度に環境基準の10倍値を超えておりました。平成21年度につきましては一旦下がりましたが、平成22年度から25年度まではまた少し高目の値が出ている。ただ、放流水についてはすべて環境基準の10倍値以下になっています。

次に、E施設でございます。こちらは平成20年度に浸出水で環境基準の10倍値を超えておりましたが、それ以降、放流水、浸出水ともに環境基準の10倍値を下回る値になっております。

次に、9ページのF施設でございます。こちらも平成20年度の値は若干高目でございましたけれども、平成21年度以降25年度までは環境基準値を下回る値になっております。

全体から申し上げますと、まず、放流水については平成20年度には2カ所ほど超えたところがありましたが、それ以降の状況を確認しますとすべて環境基準10倍値を下回る値になっているということで、水処理のフローも調べておりますけれども、基本的には水処理ですべて10倍値以下、そういったところになってきていることがわかっております。

C施設につきましては、浸出水で平成20年度から23年度まで高い値が出ていましたが、平成24年度、25年度については下がってきているということで、埋立廃棄物の性状等を見ても、またヒアリングでも、特別な事情等は見当たりません。ただ、全体的には下がってきている状況かと思います。

次にD施設でございますが、こちらにつきましては平成22年度以降25年度まで若干高目の数値が出ている。ただし、廃棄物の性状を見ても焼却灰、混合灰、不燃性残さ、通常の一般廃棄物処分場に埋め立てられるようなもので、ヒアリングの中でも特別な事情は見当たらない。水処理のフローを見ても、特に問題があるようなものがあるとは今は思えないですけれども、基本的には放流水として処理後は(環境基準10倍値を下回る値になって)放流されているということで、現状としてはこういった状況になっています。

【酒井委員長】 ご説明ありがとうございました。

ただいまの事務局からの説明に対しまして、ご質問、ご意見ございましたらお願いします。

【小野委員】 この浸出水の濃度にかなり影響がある処分場の中間覆土とか底部覆土というか、覆土層があるのかないのか、廃棄物層だけなのかを教えてください。

あと、実際には有機物と焼却灰を、例えば厨芥みたいなものと焼却灰を混ぜ合わせると結構溶出してくるんですね。カドミとか鉛等が浸出してくるわけです。その辺で言うと、本当は混合の仕方、埋立地に入って混合する仕方がわかればかなりいいし、中間覆土があるとカドミや何かはそこで止まってしまうんですね。中間覆土があるのかないのか、もしわかれば。

【中杉委員】 処分地を閉鎖するときは浸出水の濃度を見ますよね。あれは排水基準を満たすことでしたっけ。2年間。または、環境基準を満たすことだったか、どちらだったか。それによっては、今のところでは放流水は大丈夫ということだけれども、「環境基準を満たす」だと閉鎖できなくなってしまうことが懸念されるので、そこのところを少し。そういう見方もしなければいけないので。「排水基準を満たす」であれば今のままで大丈夫そうだなということで、すっきりいけるのですが、一般廃棄物のほうで幾つかはなかなか閉鎖できなくなってしまうようなことが起こり得るのかなという感じがしましたので。そういう見方が1つ必要ではないかと思っています。

あと、もしわかればですけれども、カドミウム濃度がなぜ下がっているのかについてもう一つ、SSがどのぐらいあるか、水処理施設がどのくらいちゃんと動いているかで、SSがきれいにとれていれば比較的濃度が低くなるので、放流水も低くなるのではないかという感じもするので、SSのデータがあったらそれと比較して、そういう傾向が見えるかどうか。そうなると、水処理が適切にできれば十分担保できるといったことがわかってくるのかなと思いますので、可能であればそのあたりを見ていただくことが必要ではないか。

そういう意味で、これで基準を厳しくしても特段問題ないかというのは、今のところそんなに問題はないだろうというご説明だったのですが、最初に申し上げた点がちょっと気になってしまったものですから、ちょっとそのあたりは、少し議論しなければいけないと思いますので。

【松藤(康)委員】 管理型のほうで、割とずっと出ているところがありますね。平成21年度から23年度。8ページ。ここに入れた中身を見ると、不燃物残さだとか飛灰処理物という表現ですけれども、我々も以前、組み合わせみたいな形で実験をやりますと、小野先生がおっしゃったような形で出るケースがありますので、そのあたりが、飛灰をキレートにしても時間がたつと再溶出という可能性もありますので、そのあたりがどういう状況かということがもう少し精査できれば、聞いていただければいいなと。全体的に、何といいますか、不燃物残さとか混合物が多いところが、やはり何か出ているような感じがあるものですから、この傾向で見るとね。ちょっとそのあたりがどういうものか。

例えば不燃物残さが、リサイクルセンターで金属等をとった後、不燃物ということですからそれをさらに捨てますと、結局シュレッダーダストに近いような形状になっておりますので、それと焼却灰と組み合わせると、やはり金属等が出やすい状況になるというのは実験的に経験しておりますので、そういう埋立方も問題かなという気がちょっとします。

【益永委員】 経年結果を示された施設の件ですが、平成20年度の超過で抽出されているわけですけれども、全体として下がっているということで安心な方向かとは思うのですが、その他の年で超えてしまっている、20年度で拾ったから拾えていないような処分場はないでしょうか。その辺を確認したいですが。

【松藤(敏)委員】 2ページの下の図は、先ほど出ていた廃止基準があって、それは排水基準だと思うので、それを書かれたと思うのですよね。3ページの線の引き方が2ページより1桁下であって、これの見方がよくわからないですが、安定型については資料6の参考の表の中に浸透水基準というのがあって、これが地下水基準であると書かれていますよね。だから書かれているという意味でしょうか。

すみません、記憶がなくなったのですけれども、安定型の廃止基準というのはこれを満足しなければいけないのでしたでしょうか。そうすると非常に厳しいなという印象を持ったということと、もう一つは2ページの、これは終了した埋立地ですけれども、管理型についての現行の、進行中の埋立地もありますよね。それについてのデータはないのでしょうか。

【遠藤委員】 8ページ、一般廃棄物の施設Dですけれども、机上資料を見ますと埋立終了、埋立方法は嫌気性と書かれていて、埋立面積が6.4ヘクタールで放流水が160立米/日なので、放流水量が処分場の面積に対して比較的大きくて、暗算なので合っているかどうかわかりませんが、多分年間(雨量)で800ミリとか900ミリ分ぐらい放流しているので、処分場の構造自体がどのような形になっているのか。埋立終了にしては浸透水量が少し多いなと思っていて、かつここはずっと出続けているので、今さら何かをしても浸出水の濃度が下がることはなかなか望めないのかなと思います。ちょっと構造的特徴があるのかなと思いましたので、もしわかれば教えていただければと思います。

【酒井委員長】 相当テクニカルに突っ込んだ質問もいただいていますので、可能な範囲で事務局からお答えいただけますでしょうか。

【黒木補佐】 今、一般廃棄物の処分場についていただいた件について、答えられる範囲でお答えしたいと思います。

まず、埋め立ての状況でございますけれども、地区ごとの個別の状況までは確認できておりません。ただ、中間覆土に関しましては、一応埋立基準としては、3メートルで中間覆土をすることにはなっております。ただ、実際にどう行われたかというところまでは確認できておりません。

それと、廃止の基準に関しましては、維持管理中は放流水を確認するということでございますが、廃止の際には浸出水、実際に出てきたものを2年にわたって確認することになっております。ですから中杉委員ご指摘のように、浸出水で基準を満たせない場合は廃止できないということになります。

【中杉委員】 その基準が「排水基準」なのか「環境基準」なのか。

【黒木補佐】 この基準につきましては今回、決めていただくことになりますけれども......

【中杉委員】 他のものについてどういうふうにしているか。

【黒木補佐】 他のものについては、これまでの考え方としては、環境基準の10倍値となります。

【酒井委員長】 環境基準の10倍値ですか。

【黒木補佐】 浸出水の基準については、環境基準の10倍値です。

【中杉委員】 ただ、終了したときは安定型と同じように、水処理施設が稼働していないから環境基準と同じになるということですよね。

【黒木補佐】 いえ、違います。施設から出ていくものについては、一般廃棄物処分場と産業廃棄物の管理型処分場は同じ基準を使いますけれども、施設から出ていく排水に関しては環境基準の10倍値を適用します。これは廃止の際にもそうなります。通常、水濁法の排水基準でも、特定施設の排水基準は決められておりますけれども、こちらのほうも一般的には環境基準の10倍値を適用されていると思います。

【中杉委員】 安定型と少しずれが出てくるような感じがしますけれども。

【黒木補佐】 産業廃棄物の安定型につきましては遮水工とかそういったものがなく、埋め立ててもよいものを埋め立てておりますので、こちらのほうは浸透水の基準を使うことになります。

【酒井委員長】 まずは閉鎖の基準について丁寧にご説明ください。

【梶川補佐】 安定型最終処分場の場合でございますが、これはもちろん遮水工がない処分場でございますので、廃棄物の層を通過した水が浸透水となります。これについて検査する。この検査のデータとして基準は何かといいますと、環境基準値と同値でございます。

管理型の最終処分場につきましては、雨水等、廃棄物の層を通過した水を「保有水等」という言い方をいたしますが、この基準は環境基準値の10倍値でございます。放流するときの基準が環境基準値の10倍値でございますので、この管理型最終処分場、埋め立てを終了して排出する際の保有水等が、放流水と同等の値まで浄化できていることが廃止の基準として設けられてございますので、安定型で言うところの浸透水と、管理型で言うところの浸出水の基準はちょっと違っているというのが今の法律上の整理でございます。

【酒井委員長】 閉鎖の基準に関しましては今のご説明ですが、この関係で追加のご質問、ご意見ございますか。

【中杉委員】 そういう決まりということであれば、今のところの整理はそういうことだということですね。

【酒井委員長】 では、それ以外の質問に関してご回答を続けてください。

【梶川補佐】 今の資料につきましては、机上配付資料のナンバー8に、前回お示しさせていただきました技術上の基準を定める省令等ということで、処分場の類型とそれに規定する規制の内容ということで記載してございますので、これをご参照いただければと思います。

【黒木補佐】 廃止の基準の関係については今、ご説明させていただきました。

その他の質問に関しまして、まず、水質に関してSSのお話がございましたけれども、現状、追加調査をした中ではSSまではいただいていないところがございます。

それと、構造についても遠藤先生から確認ができるかというお話がございました。D施設については埋立開始が92年ということで、20年ほど経過した施設となろうかと思います。実際に遮水工の状況等含めて、現状では構造までは確認できていないところです。

【酒井委員長】 廃棄物の組み合わせとか厨芥との混合はないかといったご指摘がございましたが、その辺はどうですか。

【黒木補佐】 今、追加調査の中で確認しておりますのは、それぞれ施設ごとにどういった廃棄物について、資料3の参考1の受入れ廃棄物というところに年度ごとの受入れ状況をまとめておりますけれども、種類ごとまでは押さえておりますが、混合状況とか、あと廃棄物の由来といいますか、そういったところかと思いますけれども、そういったデータまでは今、手元にはございません。

益永委員から、平成20年度で調べたものをベースにしているということで、それ以外はどうかというご指摘がございました。

その点については今回、確かに平成20年度をベースにしていますので、この考え方でいきますと、他の年で超過したものがないか、今は確認できておりません。ただし、今、追加調査を継続している部分がございまして、平成25年度の状況を同様に、対象になる施設について確認を進めておりますので、こちらの調査がまとまれば、次回、追加的に検証といいますか、確認として平成25年度の状況をお示しすることはできるのではないかと思います。

【梶川補佐】 産業廃棄物の中間覆土の関係で、追加してご説明いたしますと、基準では、腐敗性のある産業廃棄物を埋め立てる場合につきましては、廃棄物の層が3メートル以下ごとに50センチの覆土を行うことという規定がございます。これが基準として設けられておりますが、実際この施設においてそういった中間覆土がされているかどうか、今、把握はできてございません。

続きまして、益永委員から稼働中のデータはいかがかということでございますが、これらにつきまして、すべてではございませんが、20施設ほど聞き取り調査をさせていただきました。その結果で言いますと、環境基準値の10倍値を超える可能性がある施設が1カ所ありましたが、それ以外の施設につきましては稼働中におきましてもこれを超える可能性はないということが出てございます。

もう一点、松藤委員からご質問をいただいたのが、安定型最終処分場を廃止するときの浸透水の検査について。

【松藤委員】 基準は結局、管理型より厳しいのですかという質問です。

【梶川補佐】 おっしゃるとおりでございます。廃棄物の層を通過した水がそのまま浸透水でございまして、それが環境中に出ていくということでございますので、管理型のように水処理施設、調整池とか水処理施設を経ているわけではございませんので、そのまま基準となってございます。したがいまして、地下水の考え方は、処分場の影響が周辺環境にないことを確認するための、モニタリングのための観測井戸ということで、2カ所以上ということが基準で定められてございます。実際には、比較できるように上流部と下流部で調査をさせていただくというのが実態でございます。

【中杉委員】 産業廃棄物のほうで1つ気になったのですけれども、資料3の表の中で、受入れ廃棄物の中に「特定産業廃棄物」と書いてある、これは何ですか。

【梶川補佐】 これは放射性物質の特別措置法に基づきまして、この施設は東日本大震災による特定産業廃棄物を受け入れたという実績です。

【中杉委員】 いわゆる特管物とは違うのですか。

【梶川補佐】 違います。

【中杉委員】 特管物を処理したものとか何か、そういうものではなくてですか。これを見るとカドミの濃度に比例というか、そんな感じがあったので、これは何か意味があるのかなと思ったのですが。

【梶川補佐】 そういった意味ではございません。

【佐々木委員】 資料3の1ページの表1で、これから分析法の検討の話になると思いますが、この現在の定量下限値は0が1つ多いのではないかと思いますけれども、いかがでしょうか。多分、環境基準値の10分の1までが......

【酒井委員長】 それは確認をいただいて、後の時間で答えをお願いします。正確を期してください。この後、検定方法についての審議もございますので、その段階でお答えください。

他にございますでしょうか。

それでは、資料3に関しては、今の形で一旦閉じさせていただきたいと思います。

ご指摘のあった個別の施設の構造であるとかSSの挙動であるとか、このあたりは、次回までに追加でご報告いただけるところは追加でご報告をお願いしたいと思います。

それでは次に、資料4について事務局からご説明ください。

【森谷補佐】 資料4についてご説明いたしますが、その前に、カドミに関する追加情報としまして参考資料1を入れておりますので、これについて簡単にご紹介します。

水質汚濁防止法に係るカドミウムの排水基準につきましては、参考資料1のとおり、平成26年9月に見直しについて答申が出されまして、平成26年11月4日に施行規則等の一部を改正する省令が交付され、12月1日に施行になりましたので、お知らせいたします。排水基準を0.1ミリグラム/リットルから0.03ミリグラム/リットルにしております。

それでは、資料4と資料2などを用いてご説明します。

まず、資料2の2ページをご覧ください。

廃棄物処理への影響に関する確認・整理ということで、前回の委員会で先生方に何点かご指摘をいただいております。

ばいじん、燃え殻について法的な整理を体系的にしてほしいこと、また、一般廃棄物の処理施設に産業廃棄物の特管基準を当てはめている施設も多いかもしれないので、検討が必要かもしれないということ。キレート処理上の課題はないのかということ、また、廃酸などは中間処理を経て汚泥として最終処分場で処分されるため、整理したほうがよいといったご指摘をいただきましたので、資料4で、ばいじん、燃え殻等の廃棄物と中間処理した廃棄物からのカドミウム溶出量等に係る実態調査を行っております。

それでは、資料4のご説明に移ります。

まず、産業廃棄物のカドミウム濃度等に係る実態調査の結果です。

PRTR制度に基づいて、カドミウムについて、平成24年度の廃棄物の移動量を届け出のあった事業所さん、また、届け出はされていないけれどもヒアリング調査でカドミウムを使用していることが確認された事業所さん、計50事業所さんを調査対象として、1ページにお示ししているような調査事項を伺いました。

2ページをご覧ください。

まず、調査結果についてです。

2ページは、燃え殻、汚泥、ばいじん、鉱さいについて、カドミウム溶出量の実態を伺っております。3ページは廃酸、廃アルカリについて、カドミウム含有量の実態を伺っています。

2ページの図1をご覧ください。

データについては50データいただいておりまして、このうち回答のあった廃棄物のカドミウム溶出量は、最大値がばいじんの2,600ミリグラム/リットルから最小値、検出限界以下などさまざまなデータをいただきました。今の溶出の基準が0.3ミリグラム/リットルなのですが、これより高いものはもちろん今、特管物として扱われている。環境基準の改正、排水基準の改正に伴って基準値が0.3倍に強化されているので、それを考えると、0.09という数字も図に示したのですけれども、0.3から0.09の間の濃度に該当しているものが4つあります。ただ、そのうち2つは特管物に準じて取り扱われているという事実がございました。

続いて3ページ、廃酸、廃アルカリについては19データいただきました。最大値が2万ミリグラム/リットル、最小値が廃酸の0.01ミリグラム/リットル未満でありましたが、いただいたデータ結果ですと、今の基準である1ミリグラム/リットルからその0.3倍である0.3ミリグラム/リットルに当たる廃棄物はありませんでした。こちらについても、1ミリグラム/リットルよりも高いものは今、特管物として扱われております。

3ページの一番下、3特別管理産業廃棄物の判定基準の変更について排出事業者に聞いたところ、特に猶予期間等の要望は出ませんでした。

4ページに移ります。

カドミウムの溶出抑制処理の実態調査の結果を示しているものです。特管廃棄物の一部のばいじんとその処理物については、重金属の溶出抑制のための処理を行うことが義務づけられておりまして、今回の調査につきましては、特管産廃の処分業許可を有する事業者のうち、許可の事業範囲に、特定有害産業廃棄物に係る有害物質にカドミウムまたはその化合物を含む事業者さんをアンケート調査の対象としました。調査対象事業者は114で、84事業者から回答があり、このうちカドミウムを含む廃棄物を実際に処理している事業者は75事業所でございました。

調査事項は2に示したとおりでございます。

調査結果に移ります。

5ページをご覧ください。

アンケートした事業者さんで行っている処理方法と処理の対象となる廃棄物の種類について、数を伺っております。

燃え殻、汚泥、鉱さいについては「溶融により処理する」と回答した事業者が多く、燃え殻、汚泥については約30%、鉱さいについては約60%という結果でした。ばいじんについてはキレート処理、またはキレート処理とセメント固化なり他の処理方法を組み合わせて処理すると回答した事業者が40%と、最も多い結果でした。廃酸、廃アルカリについては中和、凝集、沈殿等により処理すると回答した事業所が40%と多かったです。

続きまして、6ページをご覧ください。

中間処理前後の廃棄物のカドミウム溶出量につきまして、直近5年間で差し支えなければデータを出してくださいということで、回答を得たものを表にまとめております。

処理方法として多かったものを幾つかお示ししております。

まず溶融につきましては、処理前のデータを出していただいた事業所さんが1つしかなかったのですが、処理後のデータを出していただいた事業所さんの中身を見ると、すべて定量下限値未満でした。セメント固化につきまして、こちらも処理後につきましては0.01ミリグラム/リットル、定量下限値未満という結果を出していただいています。

7ページの上のキレート処理につきまして、ばいじんの処理前の溶出量については47ミリグラム/リットル、1.9ミリグラム/リットルなどありましたが、処理後については0.12ミリグラム/リットル、0.1ミリグラム/リットルなどの値もありました。

キレート処理とセメント固化を組み合わせたものについては、処理前が700ミリグラム/リットルというデータもございましたが、処理後については0.06ミリグラム/リットルであったり0.08ミリグラム/リットルであったりという数字をいただいています。

8ページは「その他の処理」として他の処理方法をまとめたものですが、処理後については定量下限値未満であったという結果をいただいております。

8ページの3、廃棄物のカドミウム溶出量を抑制するために追加的な対応が必要かどうかについてもアンケートしております。

9ページの図4を見ていただければと思いますが、50事業所が回答され、追加的な対応は不要と回答したのが約70%でした。また、キレート処理をしている事業所さんで薬剤添加量の増量により対応が可能というところが13カ所で30%程度、設備の増強により対応が必要と答えた事業所さんはいませんでした。さらに、高濃度のカドミウムを含む廃棄物を今後、受け入れないことによって対応したいという事業所さんが1カ所ございましたため、この事業所さんで受け入れている濃度の廃棄物の溶出レベルについて、0.09ミリグラム/リットル以下に溶出抑制することが可能かどうか、他の事業所さん数カ所に追加的にヒアリングを行った結果、技術的には可能という回答がございました。

以上が産業廃棄物に関する調査結果です。

続きまして10ページ以降、一般廃棄物の調査結果をご説明いたします。

【黒木補佐】 一般廃棄物のほうでございますが、10ページ以降になります。

一般廃棄物につきましても確認が必要ではないかという前回のご指摘がありましたので、一般廃棄物焼却施設のばいじん及び燃え殻等のカドミウム濃度に係る実態調査をいたしました。こちらの調査は、現状あります焼却施設から今、持っているばいじん、ばいじん処理物、燃え殻、溶融スラグとのカドミウム濃度のデータを集め、資料としてまとめたものでございます。

全体としては、これは11月26日現在集まったものでございますが、市町村一部事務組合等で800団体から回答をいただきまして、施設としては1,006施設、炉数としては1,208基について回答をいただいております。

調査結果につきましては11ページ以降にまとめており、まず、溶出の測定の状況を表11にまとめておりますが、測定実施率としてはばいじんで31%、ばいじん処理物で55%、燃え殻で53%、溶融スラグで15%の回答をいただいております。

次に、溶出の試験結果でございます。表12には全体の結果をまとめておりますが、12ページ以降にグラフでまとめておりますので、こちらで説明させていただきます。

まず、ばいじんの溶出試験結果につきましては、0.09ミリグラム/リットルを超える値が出てきた施設が2施設ございます。あとは0から0.05が362施設ということで、ほとんどは小さい値であったということです。

次にばいじん処理物でございますが、こちらも0.09から0.3ミリグラム/リットルが1施設ございました。それ以外はほとんど小さい値で、630施設。

次に、13ページでございます。

燃え殻と溶融スラグの溶出試験結果としましては、基本的にいただいた回答のすべてが0から0.05ミリグラム/リットルということで、燃え殻とか溶融スラグといった処理後の残ったものについては非常に小さい値になっているところでございます。

次に14ページでございますが、先ほど溶出試験結果が0.09ミリグラム/リットルを超過した廃棄物がある施設が3施設ございましたけれども、そちらの状況について確認しております。

確認した結果としましては、表13.3に施設の諸元。こちらはそれぞれの供用開始年度、処理能力、炉形式、運転形式、産業廃棄物の受け入れの有無、それぞれのごみの組成分析の結果をまとめております。

表14.3は、今、0.09ミリグラム/リットルを超えているということで、追加対応の可否についてヒアリングをしております。まずばいじんにつきましては特管廃棄物に当たりますので、これは処理することになります。ですから、基本的にはこれを超えていても処理されればいいことになります。a施設では現状の処理で対応できているということです。b施設では、ばいじんについては溶融スラグとともに業者に引き渡して山元還元を行っているということで、追加対応は特に必要ないということです。c施設では、ばいじん処理物で超えた値が出ておりますけれども、現状の処理として薬剤処理とセメント固化の両方をやっているということで、こちらの調整等を今、検討しているという回答をいただいております。

続きまして15ページでございますが、追加的な対応が必要でないかということの中で、今、一般廃棄物であるばいじん及び燃え殻について一体どういう対応がされているのか、少し整理して説明してほしいというお話が前回ございましたので、15ページに参考として付けております。

それぞれ、特別一般廃棄物の該当について整理させていただいておりまして、ばいじんと燃え殻がございます。ばいじんにつきましては法の施行令第1条第2号のばいじんでございますけれども、こちらについては、一般廃棄物ではすべて特管一般廃棄物となります。これは濃度とかそういうところに関係なく、すべてがそうなるということでございます。それに対して、燃え殻については特管一廃には該当しません。

ばいじんについては特管に該当しますと、処理方法としましては、特管一廃でなくなる処分または再生の方法で処理しなければいけないことになります。それに該当する処理の方法としては、ばいじんの欄の下のほうに書いてございますけれども、溶融固化、焼成、セメント固化、薬剤処理、酸抽出、こういったものが平成4年厚生省告示第194号の中で指定されております。

次に、ばいじんは、こういった処理が行われた後で埋め立てることになりますが、この埋め立ての基準を「処理の効果」というところに書いてございますが、平成4年環境庁告示第42号で、特別管理一般廃棄物の埋立基準を規定しておりまして、それに基づいて行われることになります。その中では「金属等が溶出しないように」という条件がついておりますが、その条件について先ほどの処理方法、上に書いてございます厚生省告示、処理または再生の方法を行うと、こちらも「金属等が溶出しないように」となりますので、そちらの埋め立て基準にも合致することになります。

それから、「処理の効果」に説明しておりますが、「金属等が溶出しない」というのは、平成4年8月31日通知で金属等を含む産業廃棄物に係る判定基準を定める総理府令、こちらで定める基準に適合することとされております。

そういうことで、ばいじんについてはこういった処理が行われますけれども、燃え殻については特管一廃には該当しないため、処理は特に不要となりますので、そのまま埋め立てられることになります。

ただ、先ほどの実態調査を見る中では、これに該当するような燃え殻等については、現状でも0.09ミリを超えるような値は出てこないという状況は確認されております。

【酒井委員長】 ご質問、ご意見ございましたらお願いいたします。

ここは特段よろしいでしょうか。

【小野委員】 溶融飛灰のマスバランスというのは、何かデータがありますか。溶融したときにどれぐらい飛灰のほうに行ってしまうのか。

【森谷補佐】 参考資料2に、溶出抑制技術に係る文献調査結果をお示ししております。マスバランスは、おそらく溶融炉によって異なるものなのかなと思うのですけれども、例えばプラズマ式溶融炉だと、カドミウムは焼却飛灰のほうに移行するような結果が出ていたりします。

【中杉委員】 ご説明を伺っていると、本体については基準を厳しくしても特段困るという実態ではないと。個々には若干超えてしまっているものがあるけれども、対応はできるということだと解釈しました。

1つ気になったのは、最後にご説明いただいた15ページ、これは今回の議論の外なのですけれども、ばいじんの処理方法で酸抽出と。これは厚労省の時代のことだと言うのですが、実は酸抽出は、よほどやらないとなりません。というのは、酸抽出というのは金属を全部抜かないと溶け出す形になるので、溶出をむしろ促進してしまう。そういう意味で、実態的にはあまり通用しないものではないかなと思うので、そのあたりも少し検討されたほうがいいのではないか。

これは土壌で同じようなことをやったのですが、技術提案で実証試験をやったんですが、よほど水洗いしないとだめだということが出てきて、あまり有効な対策ではないので、そのあたりはもうわかっているのでそういうことをやっておられるところはないと思いますけれども、ちょっと注意していただいたらという気がいたします。

【酒井委員長】 他にご指摘ございますでしょうか。

今の中杉委員のご意見は、承るということでよろしいですか。事務局から何かご回答がございましたら。酸抽出については、承るということでよろしいですか。当時、ばいじんの特管一廃指定の際に酸抽出法はリサイクルのための方法の1つと位置づけられており、単に酸で洗うだけが処理ではなくて、システムとして、いわゆる湿式の処理でしかるべき回収をする、そういう方法であれば認めていいのではないかという議論で入ってきたものですので、そこは単位操作で考えるかシステムで考えるか、そういう根本的なところをちゃんと考えておく必要がある話です。

【中杉委員】 実態的には、残さとして残ったものが溶け出す割合が高くなるので、溶出基準を超えてしまうことが起こり得るということなんですね。

【酒井委員長】 そういう意味では、しっかりと湿式で回収しておくことがまず大事なポイントです。これに関しては、このあたりでとどめさせていただきます。

他にご指摘、よろしいでしょうか。

【森谷補佐】 中杉委員のご指摘につきまして1点だけ。

酸抽出については参考資料2で文献を調べておりまして、実際はほとんど用いられていないような実態であることは聞いております。

【酒井委員長】 では、次へ参りましょう。

資料5の説明をお願いします。

【池田補佐】 産業廃棄物課の池田と申します。

私から、廃棄物に係るカドミウムの検定方法についてということで、資料5と参考資料3を用いましてご説明申し上げます。

まず、資料5をご覧ください。

まず1.で、現状の廃棄物処理法におけるカドミウムの検定方法を整理してございます。

表1に1から5番まで番号を振ってございますので、随時そちらの番号を申し上げながらご説明したいと思います。

まず、下表ですと1番、特別管理一般廃棄物及び特別管理産業廃棄物の判定基準に係る検定方法ですが、こちらについては告示の192号に規定されております。その中でカドミウムの分析方法につきましては、特定有害廃棄物の検定方法といたしまして、産業廃棄物に含まれる金属等の検定方法、告示13号を引用しております。

また、下表ですと2番、3番の部分ですが、産業廃棄物の埋立処分に係る判定基準、海洋投入処分を含みますが、こちらの検定方法につきましては13号告示に規定されている状況でございます。

今回の基準の見直しを踏まえて、これら1番から3番、告示13号に規定している部分について見直す必要があるということでございます。

なお書き以降、下表でいくと4番、5番の部分です。最終処分場周辺の地下水及び安定型最終処分場の浸透水、一般廃棄物最終処分場及び産業廃棄物管理型最終処分場の放流水につきましては、地下水環境基準告示及び排水基準に係る検定方法を規定してございます。これらの規定につきましては既に平成23年、26年に改正された地下水基準、排水基準に係る検定方法に即した検定方法になってございますので、今回見直す必要はございません。

現行の廃棄物処理法に係るカドミウムの検定方法としては、このような状況になってございます。

続きまして、2ページで少し詳しく説明しております。

参考資料3をご覧ください。

今回見直しが必要となってきます告示13号の検定方法、カドミウムに係る方法としては、55.1から55.4までの4つの方法が規定されております。フレーム原子吸光法からICP質量分析法となっております。

資料5に戻っていただきまして、2ページの(参考)です。こちらは今回見直す範囲ではございませんが、最終処分場の放流水等に係るカドミウムの地下水、環境基準及び排水基準の検定方法がどうなっているかを説明しております。

地下水の環境基準告示につきましては、先ほどの参考資料3にお示ししております方法から55.1、フレーム原子吸光法を除いた方法が規定されている状況です。また、排水基準に係る検定方法につきましては、4つの方法をすべて規定してございますが、55.1フレーム原子吸光法につきましては、備考1に定める操作を行うものとするという検定方法が定められている状況でございます。

次に2.ですが、このような現状から、今後、基準値を見直すことでどのようなことが必要になってくるかを書いてございます。

13号告示に規定された検定方法について、各種基準の見直しに伴って基準値及び検定方法の定量範囲を踏まえて見直す必要が出てきております。また、なお書き以降ですが、現在、13号告示にカドミウムの検定方法として規定されているものとしましては、JISのK0102、工場排水試験法の2008年のものを引用しております。その理由ですが、最新版ですと2013年というJISがございますが、この2013年の改正時に濃縮操作の1つであるキレート樹脂による方法が追加されております。こちらについて、カドミウムの検定方法として妥当であるか否か現時点では検討できていない状況がございますので、現時点で2008年と。後ほどまたご説明させていただきますけれども、今回の改正に伴って、引き続き2008年の検定方法ということで整理していきたいと思っております。

【酒井委員長】 表3のご説明はいいですか。

【池田補佐】 はい。

【酒井委員長】 では、委員からご意見ございましたらお願いいたします。

【佐々木委員】 廃棄物ということで、マトリックスなどが問題になるかと思うのですけれども、水の分析法、公定法を検討するときに、純水だけではなくて人工海水、ナトリウムをはじめいろいろ高濃度含まれたものをキレート樹脂で濃縮をして、精度確認試験でほぼ問題ないと。特にイミノ二酢酸だけではなくてポリアミノポリカルボン酸[y1] というような2種類のキレート樹脂が新しいJISにも採用されております。検討していただけるのであればやぶさかではないのですが、一応適用可能ではないかと考えております。

【松藤(康)委員】 今の日本の埋立廃棄物は、焼却灰主体になっています。このため、対象のサンプルが地下水と河川対応だと割といいのですけれども、どんどんキレートとか濃縮すると分析上、塩類の妨害が出る傾向があります。この点での分析上の検討は既に実証済みなのか、これから検討する段階でしょうか。対象廃棄物の分析上の問題を検討して欲しいと思います。塩類が高いと分析上、ピークが重なってしまう傾向があります。[山口2] メーカーの方は「大丈夫です」と持ってくるのだけれども、やってみたらなかなかうまく出ないということで苦労していますけれども、その辺はどうですか。

【佐々木委員】 排水の委員会の方でどの程度の検討をしたか、ちょっと私、存じ上げないのですけれども、人工海水では結構ナトリウムとか高い濃度を当然含んでおりますので、ほどほどにいけるのではないかと。

【松藤(康)委員】 カルシウムはどうですか。

【佐々木委員】 カルシウムとかそういうものも含んでおります。そのとき並行して文献調査も行いまして、産業廃棄物ではないのですが、各種の排水で大丈夫と、特にマトリックスの多いものであればポリアミノポリカルボン酸の方がいいかもしれないみたいな文献もございまして、水の分析法の委員会では公定法とさせていただいた経緯がございます。

ただ、非常に高濃度となりますと、検討しているわけではないようですけれども。

【酒井委員長】 非常に重要な意見のやりとりをしていただいていると思っておりますが、この点に関して、事務局から何かございますか。

【池田補佐】 キレート樹脂による濃縮方法につきましては、来年度以降、委員会等でカドミウムの分析方法として妥当か否か検討していこうと考えておりますので、いただいたご意見を踏まえて、適切な方法であるかを検討していきたいと思っております。

【酒井委員長】 佐々木委員から、排水のほうで相当高濃度の共存物質の影響は検討してきていると。その知見を参考にしながら、さらに高濃度の廃棄物の共存物質の影響を考えるべきではないかというやりとりをいただきました。まさに今、池田さんからご説明のあったように次年度以降、この部分に関しては十分に知見を蓄積していく方針だと思いますので、資料5の2ページの最後に書かれている方針でございますが、この方向でお進めいただければいいのではないかと思います。

佐々木委員、またいろいろデータを見ながらご指摘いただければと思います。よろしくお願いいたします。

それでは、検定方法に関しての方針は大体こんなところでよろしいでしょうか。

いずれにしても、相当下限が下がってまいりますので、それにちゃんと対応した検定法を用意しなければならないということでございます。よろしくお願いいたします。

引き続きまして、議題(2)「カドミウムの処理基準等のあり方について」に移ります。

資料6を説明いただきまして、ご審議いただきたいと思います。

【森谷補佐】 資料6についてご説明いたします。

ここではカドミウムに係る論点整理をしていただきたいと考えております。

まず最初ですけれども、総合的な話として、環境基準が見直されたことを踏まえて産廃の判定基準、有害な特管産廃の埋立処分に係る基準など、また、最終処分場の放流水の排水基準などを見直すべきかということで、従来と同様の考え方により、これらの基準について検定方法も含めて見直すことが必要ではないかと考えております。

2ページをご覧ください。

廃棄物最終処分場の放流水の排水基準等でございます。

【梶川補佐】 2ページの中段からでございます。

1番といたしまして、一般廃棄物最終処分場及び産業廃棄物の管理型最終処分場の放流水の排水基準及び廃止時の保有水等の基準ということで、どのようなレベルに設定するかといったところが論点であろうかと思います。

私どもといたしましては環境基準が見直されておりますことから、これまでと同様に、排水基準としては環境基準の10倍値である0.03ミリグラム/リットルを基準値として設定することとしてはどうかということでございます。

参考として、こちらに3つございます。先ほどお話がございましたとおり、従前このような取り扱いをしているということを書かせていただいているのと、一般廃棄物の最終処分場につきましては、過去に実施した実態調査の結果、6施設が浸出水あるいは放流水が環境基準の10倍値を超過していた。これらの施設について追加調査した結果としては先ほどご説明させていただいたとおりであり、今後どのようなレベルに設定するかという意味では参考としていかなければならないといったところでございます。

2番目、産業廃棄物の安定型最終処分場の浸透水の基準、廃止時の浸透水の基準でございます。同様に、どのようなレベルに設定するかといったところでございますが、これらにつきましては従前、浸透水の基準としては、地下水環境基準と同値である0.003ミリグラム/リットルを基準値として設定してございますので、このとおり基準値として設定してはいかがかということでございます。

3ページの一番上、(参考)に記載させていただいておりますのは、従前の取り扱いとしては環境基準値と同値であるという設定を行っていますということ、そして追加した調査の結果といたしましては、先ほど資料3に基づいて追加調査ということでご説明させていただきましたが、20施設について定量下限値が0.003を超えていたという結果はありましたが、それ以外のほとんどの施設においてこの基準値を超えるおそれはないということで、このまま環境基準値としては0.003ミリグラム/リットルを考えてはどうかということでございます。

最後に3番目でございますが、処分場廃止時の地下水の基準についてでございます。どのようなレベルに設定するかというところでございます。

地下水の基準につきましては、従来から環境基準値と同値として0.003ミリグラム/リットルを基準値として採用させていただいております。先ほども説明を差し上げましたとおり、この地下水の基準と申しますのは処分場の影響があるかないかといったところをモニタリングするという意味合いで、上流部、下流部を検査するということでございます。その差を見るといったことも1つでございます。ですので、環境基準値の考え方としては、従前と同様に環境基準値と同値という設定の仕方がよろしいのではないかといったところを論点として記載させていただきました。

【森谷補佐】 続きまして、特別管理産業廃棄物かそうではないかというところの判定基準でございます。これをどのようなレベルに設定するかということですが、環境基準値が0.01ミリグラム/リットルから0.003ミリグラム/リットルに変更されたことに伴い、これまでの設定のあり方と同様に、廃酸、廃アルカリについては判定基準値を1から0.3ミリグラム/リットルへ、燃え殻、ばいじん、鉱滓、汚泥、処理物については0.3から0.09ミリグラム/リットルへ変更することとしてはどうかと考えております。

4ページでございます。

有害な産業廃棄物と特別管理産業廃棄物の埋立処分に係る基準、すなわち遮断型最終処分場へ埋め立てする産業廃棄物について判定する基準です。この基準をどのようなレベルに設定するかということですが、これまでの基準設定のあり方と同様に、燃え殻、ばいじん、鉱滓、汚泥、処理物について0.3から0.09ミリグラム/リットルへ変更することとしてはどうかと考えております。

続きまして、産業廃棄物の海洋投入処分に係る判定基準について、どのようなレベルに設定するか。これについてもこれまでの基準設定のあり方と同様に、水溶性の無機性汚泥、赤泥や建設汚泥については0.01から0.003ミリグラム/リットルへ、有機性汚泥及び動植物性残渣については0.1から0.03ミリグラム/リットルへ、廃酸、廃アルカリ、家畜糞尿については0.1から0.03ミリグラム/リットルへ変更することとしてはどうかと考えております。

【池田補佐】 最後になりますが、検定方法についてということで、特別管理産業廃棄物の判定基準、有害な産業廃棄物及び特別管理産業廃棄物の埋立処分の基準及び海洋投入処分の判定基準に係る検定方法について、基準値の見直し及び検定方法の定量範囲を踏まえ、どのような見直しを行うかということでございますが、各種基準の見直しに伴って、基準値及び基準に係る検定方法の定量範囲でありますとか地下水環境基準告示及び排水基準に係る検定方法を踏まえて、表1のとおり検定方法を変更してはどうかということで、表1にまとめてございます。

まず、表の見方ですが、1番から5番のナンバリングにつきましては、先ほどの資料と同じに付してあります。中ほどにあります「新たに提案した基準値案」につきましては、先ほどご説明申し上げた、今回新たに設定を考えている基準値案でございます。その右隣、現行の検定方法、その隣、今回改定案としてお示ししております検定方法案になってございます。

まず、現行の検定方法につきましては、1番から3番までの方法につきましては告示の13号、2008年番のJISのK0102の55に定める方法となっております。4番につきましてはK0102の55.1を除いた方法、5番の放流水につきましては55に定める方法、ただし55.1につきましては備考1に定める操作を行うものとするというのが現行の検定方法でございます。そのうち4番と5番につきましては、今回、見直しをする必要はございませんので、今回ご提案申し上げるのは1番から3番まで、告示13号の部分でございます。

1番と2番につきましては、廃棄物が特別管理産業廃棄物であるか否かの判定基準と、埋立処分する際の有害かどうかの判定基準になってございますが、こちらについては現行基準から新たに厳しい基準を置いたとしても、現行の検定方法で定量可能な範囲でありますから、基本的に変更はしないことを考えております。

3番の海洋投入処分につきましては、まず赤泥、建設汚泥につきまして、新たに提案する数字0.003ミリグラム/リットルにつきまして、地下水の環境基準の考え方を参考にいたしまして、今回の見直しでは2008年版というのは踏襲しますが、55.1を抜いた方法としてご提案しております。

続きまして液状ないし水に溶解するような有機性汚泥であるとか廃酸、廃アルカリについては、新たな基準案として0.003という数字でございますが、こちらにつきましても5番に書いてございます放流水の考え方を踏襲いたしまして、JISのK0102、こちらについても先ほどと同様な理由で2008年版でございますが、55に定める方法。ただし、55.1については備考1に定める操作を追加するということで考えております。

【酒井委員長】 それでは、論点整理に関する議論に入らせていただきたいと思いますが、その前に、資料3で佐々木委員から1ページの定量下限値の数字の確認がございました。この点に関して確認できておれば、事務局からご説明ください。

【梶川補佐】 確認させていただきました。

佐々木委員おっしゃるとおり、「0.0005」が正しい数値でございます。大変申し訳ございませんでした。

【酒井委員長】 そういうことで、資料3の1ページの修正をお願いいたします。

それでは、資料6の論点整理に関してご意見をいただきたいと思います。

いかがでございましょうか。

【小野委員】 ほとんど賛成なんですけれども、安定型の最終処分場の場合、素掘り型になるので、カドミウムの土壌環境基準の溶出試験との相関はどうなっているのでしょうか。

【梶川補佐】 安定型の場合、最終処分場の埋め立てを終了して廃止するといったときに、先ほど来申し上げている浸透水の基準が環境基準値と同値となりますが、その後、その処分場に関しましては形質変更する場合の措置ということ、その処分場の表面部を改変するとか、埋まっている場所について改変するという行為に関しては、形質変更の届出ということで、周辺環境への影響がない状態で廃止している状況を変える場合には、そういった届出を行うことが現行法上、担保されてございます。

ですから改変をするときには、例えば浸透水をまたモニタリングして測るなどについては、形質変更のガイドライン上の措置としては設けられてございますが、委員おっしゃったように相関となりますと、現行法上は、そういったところまでは規定されていないということでございます。

【小野委員】 言っている意味は、例えば土壌から出てしまった場合、今0.01ですよね。それが0.003になるかどうかはまだ決まっていないわけですよね。そうすると、0.01のままで例えば自然の土壌から出てきた場合、先ほど中杉委員がおっしゃったように土壌の中のSS成分が非常に多いのですよ。そうした場合に、処分場から出たものか土壌から出たものかという判定が不能になってしまって、土壌のほうの基準が変わらないうちにこちらの基準が設定できるのか。見分けがつかない。

同じような値であるならば一向に差し支えないのですけれども、違ってしまうと整合性がとれなくなってくるのかなというのが、ちょっと危惧されるところです。

【酒井委員長】 まず、土壌の環境基準の審議状況はどんな状況ですか。

【森谷補佐】 まだ審議が始まっていない状況です。

【中杉委員】 土壌の環境基準は、もう決まっています。

【佐々木委員】 カドミウムは諮問されていますが、審議はまだこれから。

【中杉委員】 そうか、議論しているところだ。

土対法の指定基準というのはもう一つあって、それは環境基準で規制されるわけではないので土対法の指定基準で規制される形になる。その2段階の作業が必要になってくる。確かに言われるとおり、途中でというのはもちろん議論として出てくると思いますが。

実態的に、そこが何か悪さをするかどうかはなかなかあり得ないのだろうし、そこは経過措置で見ていくことになるのではないかと思いますけれども。

【梶川補佐】 実態としては、廃止した処分場の浸透水を誰かが測るのかといいますと、そもそも設置者には測る義務はございませんので、実態を把握することができないというのが今の状況でございます。

【酒井委員長】 実態面の話と制度的な整理という意味で、次回、土壌環境基準あるいは土対法との関係を整理して、1回ご説明いただけますか。その上でということにさせていただきたいと思います。

【梶川補佐】 はい。

【中杉委員】 他の点ですけれども、今の小野委員の話に絡めて少し。

今の段階では議論の話題を出すぐらいの話で、問題を引き起こしてしまうかもしれませんけれども、埋め立てた土地というのが残っています。これは規制が従来からだんだん厳しくなってきていて、ある意味ではところどころで公害調停を申請されている。そうすると、現行の地下水の基準等で比べると超えてしまって、過去は適法で行われていたものがという話になってくる。そういうものが出てくる可能性は十分ある。これは一つの大きな課題だということで、ここで議論する話ではないかもしれませんけれども、認識しておいていただいたほうがいいだろう。

それからもう一つ、今回のことに絡めてですけれども、全体としては、これまでの考え方を踏襲してということで結構だと思いますが、1つだけ、細かいところですがここで入れていない部分で気になるのは、2年間継続してモニタリングしてクリアしていれば閉鎖ができるということですが、その途中である場合、どのようにとるか。どこから2年間か。これは土壌のほうも同じようなことで今、議論しています。これは従前、鉛だとかヒ素で基準が厳しくなったり、他のものについても基準項目が新たに追加されたりということであるので、そのあたりのやり方を踏襲していただければいいのだと思いますけれども、注意していただく必要があるだろう。

それから、終了はしたけれども閉鎖はしていない、閉鎖のモニタリングにも入っていないところをどう扱うか。これは常に起こってくる問題ですので、そのあたりのところは割り切りで、どのように整理をするか。過去に遡ってもう一回何かやってもらわなければいけないということは実質上難しいので、ある割り切りの中で整理をしていただく必要があるかと思います。ここには明記してありませんけれども、そのあたりを十分ご検討いただければと思います。

これは過去にもそういうことを経験していますので、それに習って、そのときどのようにしたか、それと同じようにするということで結構だと思いますけれども、整理しておいていただければと思います。

【酒井委員長】 今のご指摘は、承っておくことでよろしいでしょうか。

今回のカドミの基準の話と、それから廃棄物管理全体の制度論的な話と切り分けて、今後、整理いただく必要があろうかと思いますので、よろしくお願いいたします。

他にご指摘ございませんでしょうか。

【佐々木委員】 5ページの検定法の案はこれでいいと思います。けれども、来年度、ご検討いただけるということですので、先ほど松藤委員のご意見にもありましたとおり、かなりマトリックスの多いものもあることから、できましたらイミノ二酢酸キレート樹脂ポリアミノポリカルボン酸キレート樹脂の2種類を、予算等のこともあるとは思いますが、複数検討していただいて、廃棄物処分場にふさわしい分析法という観点でご検討いただければと思います。

【酒井委員長】 的確なご指摘をどうもありがとうございます。

次年度の調査の中で、ぜひご検討ください。よろしくお願いします。

他にございますでしょうか。

それでは、今日ご指摘いただいたご意見をもとに、今後のカドミの処理基準のあり方について整理をお願いしたいと思います。事務局、よろしくお願いします。

それでは、カドミウム関係は以上にしたいと思いますが、カドミウム関係全体として何かご指摘ございませんでしょうか。よろしいですか。

すみません、途中でちょっと気がついたのですが、本日の廃棄物のほうの実態調査の結果ですが、資料4の11ページ、一般廃棄物関係のほうのデータの測定実施率ということで、ばいじんの処理物が55%であったというご報告です。先ほど現状の制度との関係もご説明をいただいて、特管一廃に同時に該当する、それは処理物は埋立処分基準該当性を判断する、こういう制度になっているということで、そのもとで測定実施率が55%というのは、これは単に今回の報告という手続の中での実施率という理解をさせていただいています。これは次回、しっかりと報告をいただいた中での実施率は一体どの程度になるかを含めて整理して、ご報告いただけませんでしょうか。

あと個別の性質の話とか、あるいは埋立構造の話とかの追加のご報告、途中でお願いしていたかと思いますが、それに併せてこれをお願いしたいと思います。ここではこれ以上の深い意味での発言は控えますけれども、基本的にはもっと高い測定実施率で報告いただくべきではないのかと認識しているということでございます。

今もし何かご回答がございましたら。

【黒木補佐】 今、委員長ご指摘の11ページ、一応ここで「測定実施率」としております。この中身につきましては、今回、前回のご指摘をいただいてから全国のこういった焼却施設を持っている市町村、一部事務組合、そういったところに測定結果の提供を依頼しました。その回答があったものの中で測定結果をいただいたものということになりますので、正確に言うと回答いただいた率ですが、ほとんど、測定していれば提供いただいていると思いますので、ここでは一応実施率という表現をしております。

【酒井委員長】 ですから言葉の使い方を含めて、そういった言葉の使用の定義を含めて整理の上、次回、ご報告いただけませんかという意味です。

【黒木補佐】 わかりました。

【酒井委員長】 測定結果の回答率ということであれば何ら問題ないと思いますけれども、「実施率」とお書きになると、これはこれで十分慎重に考えないといけないという趣旨で申し上げました。

カドミウムの関係はよろしいでしょうか。

それでは、議題(3)「その他」に移りたいと思います。

参考資料4のご説明をいただくということで、よろしくお願いいたします。

【森谷補佐】 参考資料4として、「水質汚濁に係る人の健康の保護に関する環境基準等の見直しについて(第4次答申)」を示させていただきました。

4ページにございますとおり、トリクロロエチレンにつきまして、水質環境基準が0.03ミリグラム/リットル以下から0.01ミリグラム/リットル以下にする方向で答申が9月にまとまりました。これを受けまして、今年11月17日に水質環境基準が改正されております。

水質汚濁防止法に基づく排水基準については、今月中に専門委員会等を開催し、これから排水規制の考え方について検討していくと聞いておりますので、廃棄物処理法に係る基準などにつきましても、今後、この専門委員会においてご議論、ご検討いただきたいと考えております。

【酒井委員長】 何かご質問ございますでしょうか。よろしいですか。

それでは、トリクロロエチレンにつきまして、次回以降の検討課題という認識をさせていただきます。

その他、事務局から何かありますでしょうか。

【角倉課長】 次回の専門委員会の日程でございますが、追ってまたご連絡させていただいた上で、日程を調整させていただきたいと考えております。委員の皆様方におかれましては、引き続きよろしくお願いいたします。

【酒井委員長】 全体を通じて何かご指摘ございますでしょうか。よろしいですか。

それでは、本日ご審議いただく議題は以上でございます。熱心なご審議どうもありがとうございました。

それでは、本日の専門委員会はこれで終了したいと思います。

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