中国地域白書2025「ナッジと地域政策」の刊行について
- 報道資料
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公益財団法人中国地域創造研究センター
中国電力株式会社
中国電力ネットワーク株式会社
中国地域白書2025「ナッジと地域政策」
の刊行について
公益財団法人中国地域創造研究センター、中国電力株式会社、中国電力ネットワーク株式会社は、本日、以下のとおり、中国地域白書2025「ナッジと地域政策」を刊行しましたのでお知らせします。
ナッジは、2017年にノーベル経済学賞を受賞した米国の行動経済学者であるリチャード・セイラー教授が提唱した行動経済学の手法であり、人間のもつバイアスを利用し自発的に正しい行動を促すアプローチとして、国内外の政府や自治体で活用が広まっている手法です。
本書では、ナッジを中国地域の自治体に普及させることを目的に、行動経済学の権威である大阪大学の大竹教授と青森大学の竹林教授の協力を得て、ナッジの原理とその検討方法、活用事例等について取りまとめました。また、広島県庁、岡山県庁、江津市役所と協力して各自治体の課題に対しナッジを取り入れた社会実験を行い、実際にナッジに取り組む際の検討プロセスやポイントについて整理するなど、自治体が地域政策を立案する際に有益なツールとなるナッジについて体系的にとりまとめており、中国地域の活性化に資するものと考えています。
中国電力ネットワーク株式会社 総務部
*ご購入等のお問い合わせは、中国地域創造研究センター
(TEL:082-245-7900、FAX:082-245-7629、メール:crirc@crirc.jp)
までお願いします。
【目次・概要】
序章 ナッジを普及・啓発するねらい
中国地域は人口減を起因とする地域課題が深刻化しており、それに対応する自治体も財政難や職員不足など多くの課題を抱えている。こうした実態を踏まえ、中国地域の自治体がナッジに取り組む意義について論じた。
第1章 ナッジと自治体
(大阪大学感染症総合教育研究拠点 大竹文雄 特任教授 寄稿)
ナッジとはどういった手法であるかについて、その原理や効果などを解説した。また、ナッジの検討方法や検討の際に有効なツール(BASIC、EAST)について紹介するとともに、ナッジを活用する上で注意すべき点などについて論じた。
第2章 ナッジの活用実態
国内外のナッジの活用状況と100を超える活用事例について整理した。また、中国地域の自治体におけるナッジの認知度や活用状況、ナッジの普及を妨げる要因について把握するとともに、ナッジの普及に有効とされる研修会やナッジユニットについて、その有効性を検討した。
第3章 ナッジの社会実験
中国地域におけるナッジの普及を目的に、広島県では移住促進のためのSNS広告、岡山県では無断駐車抑制に向けた取り組み、江津市では特定保健指導の利用率向上に向けた案内封筒について、ナッジを取り入れた社会実験を実施し、他の自治体へも横断的な展開が可能なように検討プロセスやポイントについて整理した。
第4章 ナッジを地域で活かすために
これまでの内容を踏まえ、中国地域でナッジの普及を促進させるための方策を、個人・自治体・広域の三つのレベルで論じた。また、ナッジの活用がEBPM(Evidence-based Policymaking、証拠に基づく政策立案)の推進につながることについてなど、ナッジの可能性について論じた。
寄稿 ナッジの普及(公的機関・民間企業)
(青森大学 竹林正樹 客員教授 寄稿)
公的機関のナッジ活用や普及方策に加え、民間企業でのナッジ活用について、利益追求のために用いる顧客向けナッジと、働きやすい環境整備のために用いる従業員向けナッジの二つの観点から、その方向性と注意点について論じた。
<刊行物の内容に関するお問い合わせ先>
(公財)中国地域創造研究センター (TEL:082-245-7900)
以上
添付資料
- 別紙:ナッジと地域政策 概要 [PDF:3.0 MB]