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猫の換毛期はいつ?抜け毛対策やブラッシング方法、流れを解説

記事公開:2025年10月24日

愛猫と暮らす中で、「掃除してもすぐに毛だらけ…」なんて感じたことはありませんか?春と秋、季節の変わり目にやってくる換毛期は、ネコちゃんが快適に過ごすために必要な、自然な体の仕組みです。この換毛期は正しい知識とケアの工夫で、ネコちゃんもオーナーさんもずっと快適に乗り越えられます。

この記事では、ネコちゃんの換毛期の時期のほか、抜け毛対策、正しいブラッシング方法、そして見逃したくない病気のサインなどを、わかりやすく解説します。

この記事のポイント

ネコちゃんの換毛期は春と秋の年2回で健康な生活に欠かせない自然な現象

ネコちゃんの換毛期は、一般的に3〜5月の春と9〜11月の秋の年2回訪れます。これは、季節の変化に合わせてネコちゃんの毛の厚さを調整し、体温を適切に保つための自然な生理現象です。

春の換毛期には、寒い冬を乗り越えるために生えていた厚い冬毛が抜け落ち、通気性の高い夏毛に生え変わります。一方、秋の換毛期では、暑い季節を過ごした夏毛が抜け、保温性に優れた冬毛が生えてきます。

換毛期の抜け毛の量は、通常の5〜10倍です。毛量の多い子やダブルコートのネコちゃんでは、それ以上になることも珍しくありません。

換毛期のメカニズム

ネコちゃんの換毛期は、主に日照時間の変化とホルモンバランスの影響によって引き起こされます。ここでは、換毛期が起きるメカニズムや、ネコちゃんのタイプによる違いを見ていきましょう。

ダブルコートとシングルコートの違い

ネコちゃんの被毛は、大きく分けてダブルコートとシングルコートの2種類があります。

ダブルコートは、外側の硬めで長い上毛(オーバーコート)と、内側のやわらかく短い下毛(アンダーコート)の二層構造で、寒さや暑さから体を守る役割を持ちます。このタイプは換毛期の抜け毛が特に多く、春と秋にはアンダーコートがごっそり抜けるため、こまめなブラッシングが欠かせません。アメリカンショートヘアやスコティッシュ・フォールド、日本の雑種猫の多くがこのタイプです。

一方、シングルコートは一層のみで、季節による毛量の変化が緩やかです。換毛期がはっきりせず、年間を通して少しずつ毛が抜け替わります。ベンガルやシンガプーラ、シャムなどが代表的で、抜け毛の量は少ないものの、定期的なケアは必要です。

自分の愛猫がどちらのタイプなのかを把握すれば、換毛期の対策やブラッシングの頻度をより適切に設定できます。

しかくダブルコートとシングルコートの違い

ダブルコートとシングルコートの違い

長毛種と短毛種の抜け毛の違い

短毛種のネコちゃんは毛玉ができにくいものの、換毛期には細かい毛が大量に抜け、カーペットや衣類に付着しやすいのが特徴です。特に静電気が発生しやすい季節には、抜け毛が家具や家電にも付きやすくなります。

一方、長毛種のネコちゃんは、毛が絡まりやすく毛玉になりやすいため、換毛期には特に丁寧なブラッシングが必要です。毛玉は放置すると通気性が悪くなり、皮膚が蒸れて炎症や感染症の原因になります。

毛の長さや構造によってケアの方法や頻度は異なりますが、いずれの場合も換毛期には日々のブラッシングが健康維持と清潔な生活環境のために不可欠です。

室内飼いのネコちゃんの換毛期

室内飼いのネコちゃんは、外気温や自然光の影響を受けにくいため、野外で暮らすネコちゃんのようにはっきりとした換毛期が現れない場合もあります。エアコンで室温が一定に保たれ、日照時間も照明によって長くなりがちな環境では季節の変化を感じにくくなり、年中少しずつ毛が抜ける状態が続くこともあるでしょう。

このため、室内飼いのネコちゃんは換毛期以外でも抜け毛対策が必要です。特に春と秋は抜け毛が増えがちですが、それ以外の季節でも定期的なブラッシングと掃除を心掛けると、毛玉や皮膚トラブルの予防につながります。

換毛期のネコちゃんの正しいブラッシングとケア方法

ブラッシングされるネコちゃん

ブラッシングは、抜け毛の除去だけでなく、皮膚の血行促進や毛玉予防にもつながります。ここでは、詳しいブラッシングとケア方法、特に換毛期に気をつけたいことを紹介します。

ネコちゃんのトリミングについて詳しくは、こちらのページをご覧ください。
猫にトリミングは必要?メリットや適切な頻度、注意点を解説

短毛種・長毛種別のブラシの選び方

短毛種のネコちゃんには、皮膚を傷つけずに抜け毛を除去できるラバーブラシやシリコンブラシがおすすめです。やわらかい素材で作られているので、ブラッシングと同時にマッサージ効果も期待できます。

長毛種のネコちゃんには、毛玉をほぐしやすいスリッカーブラシと、毛の流れを整えるコームの併用が効果的です。スリッカーブラシで絡まった毛をやさしく解き、コームで仕上げれば美しい毛並みを保てます。

どちらの毛種でも、ブラッシング時はネコちゃんが嫌がらないように力加減を調整するのがポイントです。特に春と秋の換毛期は、普段よりも抜け毛が増えるため、いつもよりこまめにブラッシングをしてあげるとよいでしょう。

ネコちゃんのブラシの選び方

換毛期のシャンプーとタオルケア

長毛種のネコちゃんは、月1回程度のシャンプーで抜け毛を効果的に除去できます。特に換毛期は、ブラッシングとシャンプーを併用すれば効果的です。短毛種は基本的にシャンプー不要ですが、抜け毛が多いタイプや皮膚の健康維持が目的の場合は、春と秋の換毛期に合わせて実施するのも良いでしょう。

シャンプーが苦手なネコちゃんには、濡らして固く絞ったタオルで全身をやさしく拭くタオルケアがおすすめです。これだけでも浮いた抜け毛をかなり取り除けます。

また、長毛種のネコちゃんは、夏場の毛量を減らすためにサマーカットもひとつの方法です。ただし、皮膚の露出により紫外線や虫刺されのリスクが高まるため、カット後は室内環境や保護対策にも注意してください。

ネコちゃんのシャンプーについて詳しくは、こちらのページをご覧ください。
猫にシャンプーは必要?頻度や手順、嫌がるときの対応を解説

換毛期のネコちゃんの食事とサポート方法

猫草を食べるネコちゃん

換毛期は毛の生え変わりが活発に行われるため、ネコちゃんの体は多くのエネルギーや栄養を必要とします。この時期の適切な食事とサポート方法について、下記で解説します。

換毛期の水分補給と栄養管理

換毛期は代謝が活発になり、皮膚や被毛の再生に多くの栄養素が使われます。そのため、普段よりも水分と栄養の両方をしっかり補うことが大切です。

水分は常に新鮮な状態で用意し、複数の場所に置くと飲水量が増えやすくなります。ネコちゃんがよくいる場所や通り道などに飲みやすい容器で用意してあげてください。

栄養面では、チキンやサーモンなどの良質な動物性タンパク質が健康な毛の成長を支えます。バランスの良い総合栄養食を活用すると、換毛期の体調管理がスムーズです。

毛玉ケア用フードの選び方と効果

毛玉ケア用フードは、食物繊維を豊富に含み、飲み込んだ毛を便といっしょに排出しやすくする働きがあります。特に不溶性食物繊維はおなかの中で毛玉を包み込み、腸内をスムーズに通過させる効果が期待できます。

選ぶ際は、総合栄養食として必要な栄養素を満たしているか、またネコちゃんの好みに合うかを確認しましょう。フードを急に切り替えると消化不良を起こす場合があるため、1週間ほどかけて徐々に混ぜる割合を増やすことが大切です。

おなかにたまった毛玉をうんちといっしょに体外に出せる毛玉除去剤も市販されています。使用する際の量や頻度は、必ず説明書に従ってください。毛玉の吐き戻しが頻繁に見られたり、食欲不振や元気の低下があったりする場合は、腸閉塞などの病気が隠れていることもあるため、動物病院への早めの相談をおすすめします。

猫草の効果的な与え方と注意点

猫草は、ネコちゃんが毛づくろいで飲み込んだ毛を吐き出したり、便といっしょに排出したりするのを助ける効果があります。毛玉ケア用フードやブラッシングと併用すると、換毛期の毛玉対策がより効果的になります。

与える際は、週に2〜3回程度、一度に少量ずつが理想的です。食べ過ぎると下痢や嘔吐を引き起こすため、食べる量を必ず見守りましょう。

また、猫草は常に新鮮な状態を保つことが重要です。枯れた草は与えず、適切な水やりと日当たりで管理します。ネコちゃんによっては猫草をまったく食べない場合もあるため、無理に与える必要はありません。

換毛期に起こりやすいトラブル

ブラッシングされる長毛のネコちゃん

ここからは、換毛期に特に気をつけたい3つのトラブルについて解説します。

毛球症(もうきゅうしょう)

毛球症は、毛づくろいで飲み込んだ毛が胃や腸の中で大きな塊になり、排出できずにさまざまな不調を引き起こす病気です。腸閉塞にもつながり、時間が経てば経つほど命のリスクも高まるため、特に注意が必要になります。換毛期は飲み込む毛の量が格段に増えるため、下記のようなサインが見られたら、すぐに動物病院を受診してください。過去に腸閉塞を起こしたネコちゃんには、冬場でもサマーカットが勧められる場合もあります。

<毛球症のサイン>
・食欲がない、元気がない
・何度もえずくが、毛玉を吐けない
・便秘が続く、または下痢をする
・おなかをさわられるのを嫌がる

皮膚病や毛玉による健康被害

特に長毛種では、抜けた毛がほかの毛と絡まって毛玉ができやすくなります。この毛玉を放置すると、皮膚が引っ張られて痛みを伴うだけでなく、毛玉の下が蒸れて細菌が繁殖し、皮膚炎を起こす原因になります。

日々のブラッシングによる予防が一番ですが、もし硬い毛玉ができてしまったら、無理に取ろうとせず、動物病院やトリミングサロンで安全にカットしてもらいましょう。

オーナーさんの猫アレルギー症の悪化

「換毛期になると、くしゃみや目のかゆみがひどくなる」と感じる方は、ネコちゃんの抜け毛が原因の猫アレルギー症かもしれません

こまめなブラッシングとお部屋の掃除は、愛猫のためだけでなく、飼い主様ご自身の健康を守るためにも重要です。心配がある場合は、かかりつけ医にご相談ください。


監修者のご紹介

松田 唯さん
埼玉県生まれ。北里大学獣医畜産学部卒業後、千葉県内と東京都内の動物病院で勤務。
2019年7月、ガイア動物病院(東京都杉並区)を開設、院長となる。大学時代は医療の専門用語が苦手だったこともあり、治療法や薬についてわかりやすく説明し、治療法のメリット・デメリットを理解してオーナーさんが選択できる診療を心掛けるようにしている。

ガイア動物病院


【商品紹介】愛猫の環境が整う「キミおもい」のネコちゃんシリーズ

換毛期はネコちゃんにとって自然な体の仕組みですが、環境を整えてケアをしてあげれば、ネコちゃんもオーナーさんも快適に過ごすことができます。「キミおもい」のネコちゃんシリーズは、ネコちゃんと暮らす環境づくりをサポートするために開発されたアイテムがそろっています。日々のケアにプラスできるアイテムを選んでみてはいかがでしょうか。

「キミおもい」は、オーナーさんとネコちゃんの双方が快適に過ごせる暮らしを応援しています。ネコちゃんを理解し、換毛期対策につながる環境づくりを始めてみましょう。

愛猫の環境が整う「キミおもい」のネコちゃんシリーズ

「キミおもい」のネコちゃんシリーズについては、下記のページをご覧ください。
キミおもい Cat - ネコちゃん –

【ネコちゃんの換毛期に合ったケアを続け、健康と毛並みを守ろう

ネコちゃんの換毛期は、一般的に春と秋の年2回訪れますが、室内飼いでは一年を通して少しずつ抜け毛が続くこともあります。ブラッシングや適切な栄養管理、水分補給などを組み合わせて、被毛と皮膚の健康を守ってあげましょう。日常的なケアを習慣化し、愛猫の換毛期をすこやかに乗り切ってください。

よくあるご質問

ネコちゃんの換毛期はいつですか?

ネコちゃんの換毛期は、一般的には春(3月〜5月)と秋(9月〜11月)の年2回です。ただし、一年中快適な環境で暮らす室内飼いの猫ちゃんにははっきりした換毛期がなく、年間を通して少しずつ毛が抜ける場合もあります。

ネコちゃんの換毛期に必要なケアを教えてください。

ネコちゃんの換毛期は、毎日のブラッシングが必要です。抜け毛を取り除き、毛球症や皮膚トラブルを防ぐ基本にして最も効果的なケアといえるでしょう。短毛種ならラバーブラシ、長毛種ならスリッカーブラシなど、愛猫の毛の長さに合ったブラシを選び、優しくケアしてあげてください。

換毛期に気をつけたほうがよい病気はありますか?

換毛期に気をつけたいのが、飲み込んだ毛がおなかに詰まる毛球症(もうきゅうしょう)と、毛玉が原因で起こる皮膚炎です。「食欲がない」「何度も吐こうとする」「便秘」などの症状が見られたら、毛球症のサインかもしれません。腸閉塞につながりかねないため、早めに動物病院を受診してください。


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