1冬季の省エネルギーの取組について
令和2年10月23日
省エネルギー・省資源対策推進会議省庁連絡会議決定
近年、我が国の最終エネルギー消費量は減少傾向にあるものの、オイルショック以降、エ
ネルギー消費量が大幅に増加した家庭・業務部門をはじめとして、各部門それぞれ更なる省
エネルギーの取組が必要である。
大半の化石エネルギーを海外からの輸入に依存する我が国
においては、エネルギー消費効率の向上を徹底して進め、エネルギー価格の変動等に柔軟に
対応できる経済社会を築く必要がある。さらに、世界は地球温暖化という共通の課題に直面
しており、これらの解決に向けて、国内外のエネルギー消費効率の改善を一層促進すること
も必要である。
このような状況の下、平成27年7月に公表された「長期エネルギー需給見通し」におい
ては、徹底した省エネルギーの取組の推進により、2030年度に最終エネルギー消費を対
策前比で5,030万 kl程度(原油換算)の省エネルギーが見込まれており、平成30年
7月に閣議決定された「第5次エネルギー基本計画」においても、この見通しの確実な実現
に向けて取り組むこととされている。また、平成27年7月、地球温暖化対策推進本部にお
いて、
温室効果ガスを2030年度に2013年度比26%減少させるという削減目標を含
む、我が国の約束草案を決定した。この「日本の約束草案」や同年12月に合意されたパリ
協定を踏まえ、平成28年5月に「地球温暖化対策計画」及び「政府がその事務及び事業に
関し温室効果ガスの排出の抑制等のため実行すべき措置について定める計画(以下「政府実
行計画」という。)」が閣議決定された。そして、令和元年6月には、今世紀後半のできるだ
け早期に「脱炭素社会」を実現することを目指す野心的なビジョンを掲げた「パリ協定に基
づく成長戦略としての長期戦略」が閣議決定された。さらに、令和2年3月には、
「日本の
約束草案」で示した削減目標の水準にとどまることなく、中期・長期の両面で温室効果ガス
の更なる削減努力を追求していくことを表明した「日本のNDC(国が決定する貢献)
」を
地球温暖化対策推進本部において決定した。このように、地球温暖化対策の中でも徹底した
省エネルギーの取組を進めていくこととなっている。
これらを実現・達成するためには、行動喚起型の国民運動を実施するとともに、産業界や
政府、国民が一丸となって徹底した省エネルギーの取組を実施する必要がある。
本会議では従来から、エネルギーの需要が増大する夏季(6月〜9月)及び冬季(11月〜
3月)に、省エネルギーの重要性を踏まえ、取組を浸透させるため、政府自らの取組を確認
するとともに、各方面に省エネルギーの取組を呼び掛けてきた。令和2年冬季において
も、政府自らが率先して取り組むとともに、各方面に省エネルギーの取組を呼び掛け、新
型コロナウイルス感染症対策の基本的対処方針に留意し、新型コロナウイルスを想定した
「新しい生活様式」の実践例を参考にしつつ、国、地方公共団体、事業者及び国民が一体
となった省エネルギーの取組をより一層推進することとする。2I.国民運動の展開
関係府省庁が一丸となり、産業界・労働界・地方公共団体・NPO等と連携し、国民の
地球温暖化対策に対する理解と協力への機運の醸成や消費者行動の活性化等を通じて、省エネルギー・脱炭素社会の構築に貢献する製品への買換え・サービスの利用・ライフスタ
イルの選択など地球温暖化対策に資するあらゆる賢い選択を促す国民運動
「COOL C
HOICE」を推進し、我が国を省エネルギー・脱炭素社会に転換していくための取組を
展開している。
また、平成28年5月に成立した「地球温暖化対策の推進に関する法律の一部を改正す
る法律」においても、地球温暖化対策計画の記載事項として地球温暖化対策のための普及
啓発等を追加し、家庭・業務部門に対する普及啓発・国民運動を抜本的に強化することと
している。
省エネルギー・脱炭素社会への転換は、我慢を強いることではなく、無駄を省いて快適
に生活するというものであり、
各分野における省エネルギー行動の変革促進を一層進める
ためには、
省エネルギーについて一人でも多くの人に効果的に理解してもらうことが必要
である。
このような観点を踏まえ、新型コロナウイルス感染症対策の基本的対処方針に留意し、
新型コロナウイルスを想定した「新しい生活様式」の実践例を参考にしつつ、家庭・業務
部門等に対して、省エネルギーに係る情報提供を行い、具体的な行動に結びつけていくた
め、下記の取組を進める。
・省エネルギーの取組に対する国民各層の理解と協力を得るため、家電製品の省エネ性能
カタログによる情報発信やWEBシステム「省エネ製品買換ナビゲーション『しんきゅ
うさん』
」の活用による省エネルギー・脱炭素社会の構築に貢献する製品への買換え促
進、省エネルギー月間の広報など、産業、業務、家庭、運輸の各部門において、きめ細
かな情報提供及び普及啓発活動等を実施する。
・現在実施している全国的な国民参加型の省エネルギーキャンペーンを継続・拡大強化し
て実施する。
・自治体の庁舎・建築物の省エネルギー改修・建替えを進め、地域の省エネルギーの先進
事例として、地域全体への波及効果を含めて地域の省エネルギー化を実現する。
・各家庭のライフスタイルに合わせた省エネルギー、省CO2対策を提案し、効果的な対
策に結びつける「家庭エコ診断」を引き続き実施し、更なる認知度の向上を図る。
・徹底した省エネルギーを確実に達成するため、省エネルギー・脱炭素社会の構築に貢献
する製品、サービス、ライフスタイルを選ぶ具体的な行動を喚起する国民運動「COO
L CHOICE」を実施し、旧式のものから省エネルギー・脱炭素社会の構築に貢献
するものへの切り替えや、ウォームビズ実施率の向上を進めていく。3II.産業界(関係団体、関係業界等)
、地方公共団体、NPO等に対する周知及び協力要請
以下に掲げる事項について、産業界(関係団体、関係業界等)
、地方公共団体、NPO
等に対し、事業者及び家庭等に省エネルギーの呼び掛けを行うよう、協力を要請する。
その際、新型コロナウイルス感染症対策の基本的対処方針に留意し、新型コロナウイ
ルスを想定した
「新しい生活様式」
の実践例を参考にしつつ、
無理のない範囲で省エネル
ギーに取り組むべき旨を併せて周知する。
1.住宅・ビル等関係について
1 住宅・ビル等の省エネルギー対応
住宅、ビル等の新築、増改築、改修等に当たっては、エネルギー消費性能の向上を
図るため、建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律(建築物省エネ法)に基
づく住宅及び建築物の省エネルギー基準を踏まえ、断熱材の利用、設計・施工上の工
夫による熱負荷の低減など的確な設計及び施工を行うこと。そして、積極的に省エネ
と再エネを組み合わせて一次エネルギーの収支をゼロとすることを目指した ZEH(ネ
ット・ゼロ・エネルギー・ハウス)
・ZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)をはじ
めとするエコ住宅及び建築物の新築や断熱改修等のエコリフォームに努めること。
住宅、ビル等の販売又は賃貸を行う事業者は、その販売又は賃貸を行う建築物につ
いて、省エネ性能表示のガイドラインに基づき、エネルギー消費性能を表示するよう
努めること[図1]。
[図1] ガイドラインに基づく第三者認証の例
また、ディマンドリスポンスに対応した時間帯別・季節別の電気料金メニューが選
択できる場合はその活用に努めるとともに、エネルギー管理システム(BEMS・H
EMS等)の導入により、ビルの運用方法、住宅の住まい方の改善によるピーク対策
及び省エネルギーに努めること。
ビル等においては、省エネルギー診断やESCO事業等を活用し、より高効率な設備・
機器の導入や適切な運転方法への見直し等により、
省エネルギー化を進めること。
2 エネルギー消費効率の高い機器の選択・購入4家電機器、OA機器等のエネルギー消費機器の購入に当たっては、エネルギーの使
用の合理化等に関する法律(省エネ法)に基づくトップランナー基準の達成状況を示
す省エネルギーラベル[図2]、
及び米国環境保護庁が定めた国際エネルギースターロ
ゴ[図3]の表示、また、政府、事業者等が提供するエネルギー消費効率に関する情報
[参照1]等を参考としつつ、省エネルギー性能の高い機器の選択に努めること。選択
に当たっては、初期投資負担を伴うものの、これが中長期スパンで回収できることに
留意すること。
特に、家庭用エアコンディショナー、家庭用電気冷蔵庫、家庭用電気冷凍庫、テレ
ビジョン受信機、照明器具、電気便座の購入に当たっては、より省エネルギー性能の
高い製品を選択する観点から、
省エネルギーラベルによるトップランナー基準の達成
状況のみならず、
統一省エネラベル[図4]による多段階の省エネルギー性能表示に留
意し、
省エネルギー性能の高い製品の選択に努めること。
エネルギー消費機器の製造・輸入事業者・小売事業者(インターネットによる販売等を行う事業者も含む)は、省
エネルギーラベル、国際エネルギースターロゴ、統一省エネラベルの表示により、省
エネルギー性能に関するきめ細かな情報提供に努めること。
[参照1] 資源エネルギー庁ホームページ(省エネ型製品情報サイト)
https://seihinjyoho.go.jp/
[図2] 省エネルギーラベル(例) [図3] 国際エネルギースターロゴ5[図4]統一省エネラベル
(エアコンの例) (冷蔵庫のイメージ※(注記))
※(注記)冷蔵庫、冷凍庫、照明器具及び電気便座については、
11 月中に上記様式に変更予定
注:製品のサイズやネット取引等の限られたスペースで
使用する場合は右側のミニラベルを活用すること。
3 機器の効率的な使用
・冷蔵庫に関すること
無駄な開閉を控えるとともに、開閉は手早く行うこと。食品の傷みに注意しつ
つ、適切な温度設定とすること。放熱スペースの確保のため、周囲と適切な間隔
を空けて設置すること。
・照明に関すること
不要な照明はこまめに消灯すること。
・テレビに関すること
部屋の明るさに合わせた適切な明るさで視聴するとともに、視聴しない時はこ
まめに消すこと。
・暖房に関すること
適切な室温管理(暖房の場合は室温20度目安)をすること。エアコンのフィ
ルターは適切に清掃すること。なお、新型コロナウイルス感染症を予防するた
め、換気扇や窓開放によって換気を確保すること。
・調理に関すること
ガスコンロは、炎が鍋底からはみ出さないように調節すること。炊飯器は、タ
イマーを上手に使うなどにより、なるべく保温時間を短くすること。
・給湯に関すること
シャワーは不必要に流したままにしないこと。62.工場・事業場関係について
1 工場・事業場における省エネ法に基づくエネルギー管理の実施
以下に掲げる取組の推進を含め、
省エネ法に基づく適切なエネルギー管理を実施す
ること。なお、特定事業者においては、平成28年度から開始した「事業者クラス分
け評価制度」によるSABCの評価も踏まえた取組を行うこと。
・事業者全体としての管理体制の整備、
責任者の配置及び省エネ目標に関する取組方
針等の策定を通じて、省エネルギーを推進すること。
・省エネ法の
「工場等におけるエネルギーの使用の合理化に関する事業者の判断の基
準」に基づく設備の管理標準の策定・実施など、適切なエネルギー管理を実施する
こと。
・省エネ法の
「工場等における電気の需要の平準化に資する措置に関する事業者の指
針」
に基づく電気需要平準化時間帯における電気の使用から燃料又は熱の使用への
転換、
電気需要平準化時間帯以外の時間帯への電気を消費する機械器具を使用する
時間の変更など、電気需要平準化に資する措置を実施すること。
[参照]
〜事業者クラス分け評価制度〜
https://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/saving/enterprise/o
verview/institution/index.html
〜工場等におけるエネルギーの使用の合理化に関する事業者の判断の基準〜
https://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/saving/summary/pdf/
190401_handankijun.pdf
〜工場等における電気の需要の平準化に資する措置に関する事業者の指針〜
http://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/saving/summary/pdf/s
hishin_kojyo.pdf
また、
エネルギー使用量が一定規模以上の事業者(年間エネルギー使用量1,500
kl 以上の工場等設置者)となった場合には、国へエネルギー使用状況届出書の届出を
行うこと。
(別添1参照)
2 自主的な省エネルギーの取組の推進
一般社団法人日本経済団体連合会傘下の業種をはじめとして、
2020年及び20
30年に向けた産業界の地球温暖化対策の自主的取組である低炭素社会実行計画を
策定している事業者にあっては、その実現に向け、工場・事業場において技術的に最
高水準の省エネルギー機器・設備の導入及び設備のきめ細かな運転の管理等により、
省エネルギーの取組を徹底して推進すること。
同計画について未策定の業種に属する事業者においても、
参加する業界団体等と連
携して計画の早期策定に努めるとともに、策定に至るまでの間も、使用していないエ
リアの消灯の徹底や空調における適切な温度管理を含め、自主的・計画的に省エネル7ギーの取組を徹底して推進すること。なお、新型コロナウイルス感染症を予防するた
め、換気扇や窓開放によって換気を確保すること。
3.運輸関係について
1 運輸分野における省エネ法に基づくエネルギー管理の実施
旅客輸送事業者、貨物輸送事業者及び荷主においては、それぞれ省エネ法の「旅客
の輸送に係るエネルギーの使用の合理化に関する旅客輸送事業者の判断の基準」、「貨
物の輸送に係るエネルギーの使用の合理化に関する貨物輸送事業者の判断の基準」及び
「貨物輸送事業者に行わせる貨物の輸送に係るエネルギーの使用の合理化に関する
荷主の判断の基準」に基づく取組方針の策定など、適切なエネルギー管理を実施する
こと。
また、エネルギー使用量が一定規模以上の事業者(旅客輸送事業者及び貨物輸送事
業者は保有車両トラック200台以上等、荷主は年間輸送量3,000万トンキロ以
上)となった場合には、国へ旅客輸送事業者及び貨物輸送事業者は輸送能力届出書、
荷主は貨物の輸送量届出書の届出を行うこと。
(別添1参照)
2 公共交通機関の利用促進
通勤及び業務時、並びに休暇におけるレジャー等における移動については、できる
限り鉄道、バス等の公共交通機関を利用すること。また、近距離の移動については、
徒歩や自転車での移動を図ること。
道路交通混雑の緩和のための時差通勤の促進に積極的に取り組むこと。
なお、公共交通機関の利用に当たっては、会話は控えめにし、混んでいる時間帯の
利用は避けること。
3 エネルギー消費効率のよい輸送機関の選択
自動車の購入に当たっては、政府、事業者等が提供するエネルギー消費効率に関す
る情報を参考として、環境性能に優れた自動車(エコカー)の導入に努めること。
貨物輸送に際しては、輸配送の共同化等による積載効率の向上、鉄道や内航海運と
いった大量輸送機関の積極的活用等、物流の効率化を図ること。
4 エコドライブの実践
自動車を利用する場合には、エコドライブ10のすすめ(自分の燃費を把握する、
ふんわりアクセル、減速時は早めにアクセルを離す、ムダなアイドリングはしない、
タイヤの空気圧を適正に保つ等)の実践、交通渋滞の軽減に資するシステムの利用
(VICS及びETC2.0サービスの活用等)等とともに、自動車の利用をできる
限り控えることにより省エネルギーに努めること。
また、
バイオマス燃料等温室効果
ガスの排出の少ない燃料の選択、使用に努めること。84.その他
1 ISO50001の導入検討
PDCAサイクルによるエネルギー効率の継続的向上等を達成するため、
エネルギ
ーマネジメントシステム規格(ISO50001)の導入を検討すること。
[ 参 照 ] 資 源 エ ネ ル ギ ー 庁 ホ ー ム ペ ー ジ ( ISO50001 ポ ー タ ル サ イ ト )
https://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/saving/iso50001/
2 省エネルギーに資する事業活動の合理化及び従業員等の意識向上
事業者等においては、事務の見直しにより残業を削減等、省エネルギーに資するよ
うな事業活動の合理化に努めること。また、新型コロナウイルス感染症対策として、
在宅勤務(テレワーク)を推進すると共に、その際、照明の工夫や空調の効率化も図
ること。
従業員等に対し、省エネルギーに関する知識や技能を身につけ、自ら省エネルギー
を実践するための研修・シンポジウム等へ参加する機会を提供するよう努めること。
3 地域における各機関の連携等
地域の特性を踏まえた省エネルギーの取組を推進するため、
ブロック単位で設置さ
れた地域エネルギー・温暖化対策推進会議などを通じて、各地域の政府機関、地方公
共団体、経済団体、消費者等との情報共有・連携を図ること。
III.政府としての取組
政府としては、自らが率先して一層の省エネルギーを進める観点から、政府実行計画を
踏まえつつ、また、新型コロナウイルス感染症対策の基本的対処方針に留意し、新型コロ
ナウイルスを想定した「新しい生活様式」の実践例を参考にしつつ、以下に掲げる事項等
を着実に実施することとする。また、
「国等による環境物品等の調達の推進等に関する法
律(グリーン購入法)
」に基づく基本方針及び「国等における温室効果ガス等の排出の削
減に配慮した契約の推進に関する法律(環境配慮契約法)
」に基づく基本方針等も踏まえ
ることとする。地方公共団体等に対しても同様の取組を行うよう協力を要請する。
1.設備・機器関係について
1 空調に関すること
・庁舎内における室温の適正管理(暖房の場合は室温19度目安)を一層徹底する
よう空調設備の適正運転を図ること。なお、新型コロナウイルス感染症を予防す
るため、換気扇や窓開放によって換気を確保すること。
・コンピューター室の冷房については、コンピューター性能が確保できる範囲内で
可能な限り設定温度を上げる等の適正な運用に努めること。
・建築物の断熱性能に大きな影響を及ぼす窓については、複層ガラスや二重窓、遮9光フィルム、窓の外部のひさしやブラインドシャッターの導入など、断熱性能の
向上に努めること。
・冬季における執務室の服装について、「ウォームビズ」を励行すること。
2 照明に関すること
・政府全体のLED照明のストックでの導入割合を、2020年度までに50%以
上とすることに向けて努めること。
・昼休みは、業務上特に照明が必要な箇所を除き消灯を図ること。また、夜間にお
ける照明も、業務上必要最小限の範囲で点灯することとし、それ以外は消灯を徹
底すること。また、新型コロナウイルス感染症対策として、在宅勤務(テレワー
ク)を推進すると共に、その際、不要な照明は消灯すること。
・照明の点灯時間の縮減など節電のための取組の管理を徹底すること。
3 電気機器等に関すること
・現に使用しているパソコン、コピー機等のOA機器、電気冷蔵庫、ルームエアコ
ン等の家電製品等の機器について、旧型のエネルギーを多く消費するものの廃止
又は買換えを計画的、重点的に進め、買換えに当たっては、エネルギー消費のよ
り少ないものを選択すること。また、これらの機器等の新規の購入に当たっても
同様とする。さらに、機器の省エネルギーモード設定の適用等により、待機電力
の削減を含めて使用面での改善を図ること。
・庁舎内の自動販売機の設置実態を精査し、調光機能、ヒートポンプ、ゾーンクー
リング等の機能を有する省エネルギー型機器への変更を促すとともに、設置台数の
削減や適正な配置を図ること。
2.自動車関係について
1 次世代自動車の導入促進
・政府の公用車については、2030年度までに代替可能な次世代自動車(ハイブリ
ッド自動車(HV)、
電気自動車(EV)、
プラグインハイブリッド自動車
(PHV)、燃料電池自動車
(FCV)、クリーンディーゼル自動車
(CDV)、圧縮天然ガス(CNG)自動車等)がない場合を除き、公用車のほぼ全てを次世代自動車とすること
に向けて努めること。2020年度の中間目標として、政府全体で公用車の4割程
度を次世代自動車とすることに向けて努めること。
・これらの目標を達成するため、関係府省庁は、計画的に次世代自動車を導入するこ
と。
2 公用車の効率的利用と自転車の積極的利用
・通勤時や業務時の移動において、
鉄道、
バス等公共交通機関の利用を推進すること。
なお、公共交通機関の利用に当たっては、会話は控えめにし、混んでいる時間帯の
利用は避けること。10・霞が関の中央官庁において、毎月第一月曜日は公用車の使用を原則自粛する「霞が
関ノーカーデー」を実施すること。
・アイドリング・ストップ装置の活用等により、待機時のエンジン停止の励行等の環
境に配慮した運転を行うこと。
・霞が関及び地方支分部局等の所在地における自転車の共同利用を一層推進するこ
と。
3.庁舎関係について
1 グリーン庁舎の整備及び調達
・建築物の計画から建設、運用、廃棄に至るまでのライフサイクルを通じた環境負荷
の低減に配慮した「グリーン庁舎」の整備を推進すること。
・建築物の設計者を選定する際、環境配慮契約法の基本方針に則り、温室効果ガスの
排出抑制技術やノウハウに秀でた者であるかどうかを考慮するなど、
技術的能力の
審査に基づく選定方法を採用し、
環境への配慮を重視した企画の提案などの採用を
進めること。
・庁舎の省エネルギー化を進めるため、主要設備等の更新、改修計画の検討に当たっ
ては、当該施設のエネルギー消費量等を踏まえ、総合的な観点からESCO事業導
入可能性の判断を行うこと。なお、検討に当たっては、環境配慮契約法により国庫
債務負担行為の年限は、
当該会計年度以降10箇年度以内に延長されていることに
留意すること。
2 庁舎等の省エネルギー化に向けた対応
・関係府省において、大規模な庁舎から順次、その庁舎等施設の省エネルギー診断を
実施すること。診断結果に基づき、エネルギー消費機器や熱源の運用改善を行うこ
と。さらに、施設・機器等の更新時期も踏まえ高効率な機器等を導入するなど、費
用対効果の高い合理的な対策を計画、実施すること。
・エネルギー管理の徹底を図るため、関係府省において、大規模な庁舎を中心に、ビ
ルのエネルギー管理システム(BEMS)を導入すること等によりエネルギー消費
の見える化及び最適化を図り、
庁舎のエネルギー使用について不断の運用改善に取
り組むこと。BEMSにより把握したエネルギー消費量のデータについては、ホー
ムページにおいて公表するなど情報公開を図ること。
・エネルギー使用量を適切に把握し、把握したエネルギー使用量を、エネルギーの使
用者である職員向けに適切な形で公開するなどして、
職員の省エネルギーへの実践
意識を高めるよう努めること。
・平成31年4月に導入された省エネ法における国家公務のベンチマーク制度につ
いて、制度の対象となる府省はベンチマーク指標の向上に努めるとともに、当該指11標が中長期的に目指すべき水準となることを目指すこと。
4.省エネルギーの普及啓発等について
1 省エネルギーの普及活動
地域での省エネルギーの普及活動を行い、イベント等を通じて地域の住民等に積
極的に省エネルギーの呼び掛けを行うこと。
なお、政府が主催するイベント等の実施に当たっては、新型コロナウイルス感染症
対策の基本的対処方針に留意し、新型コロナウイルスを想定した「新しい生活様式」
の実践例を参考にしつつ、会場の冷暖房の温度設定の適正化、参加者への公共交通機
関の利用の奨励など、省エネルギーに努めるとともに、民間に委託して行う際には、
併せて可能な場合にはグリーン電力の活用に努めること。また、政府が後援等をする
民間のイベント、会議等についても、同様の取組が行われるよう促すこと。
また、省エネルギーに関し、国における取組内容等の情報提供を行うこと。
2 省エネルギー教育の充実
若年層が、
エネルギー問題と社会経済システムやライフスタイルとの関わりについ
て理解を深め、省エネルギーに向けた行動を実践する態度を身に付けられるよう、学
習機会や広報の充実を図るとともに、学校、企業等に対し、若年層が省エネルギーの
重要性についての理解を深めることができるような場の提供等について協力を求め
ること。
3 省エネルギー型ライフスタイルの定着
国民にとって省エネルギーが、我慢という消極的なイメージ(生活像)ではなく、
新しいライフスタイルとして受け入れられるものとなるよう努めること。
そのため、パンフレットの配布や出前講座等による情報提供を通じて、食生活、フ
ァッション、住環境それぞれの場面における省エネルギーの取組が生活の質の向上
につながる価値を創造していること等を伝え、省エネルギーが積極的に受け入れら
れるような意識の醸成を図ることで、省エネルギー型ライフスタイルの定着を図る
こと。
4 各府省庁による普及広報活動
各府省庁は、別紙の「冬季の省エネルギーに関する各府省庁の普及広報活動」を中
心として、幅広く普及活動に努めること。
5.その他
1 電気供給契約における環境配慮
電気の供給を受ける契約のうち、入札に付する契約については、入札に参加する者
に必要な資格として、温室効果ガス等の排出の程度を示す係数、環境への負荷の低減12に関する取組の状況
(再生可能エネルギーの導入状況、
未利用エネルギーの活用状況)
並びに電源構成及び温室効果ガス等の排出の程度を示す係数の開示状況等を定めた
上で、上記資格を満足する者の中から落札者を決定する方式(裾切り方式)を活用す
る等、環境配慮契約法の基本方針を踏まえ契約を締結すること。
2 ヒートアイランド対策の推進における連携
ヒートアイランド現象は、地域性が強い問題であり、かつ広範な社会・経済活動と
結びついていることから、ヒートアイランド対策の推進においては、地方公共団体、
事業者、住民など関係者と十分に連携しながら、対策を進めていくとともに、地球温
暖化対策、都市政策、交通政策、エネルギー政策等、関連する分野との連携を図り、
地域全体のヒートアイランド軽減に向けて取り組むこと。
以上の政府としての取組を講ずることにより、国の各行政機関におけるエネルギー使用
量を前年度冬季(11月〜3月)比で削減するように努めること。また、その効果を把握
し、その後の対策にいかすため、アンケート調査等により実施状況のチェック・アンド・
レビューとその公表を行う。13(別紙)
○しろまる 冬季の省エネルギーに関する各府省庁の普及広報活動
省 庁 実 施 す る 普 及 広 報 活 動
内 閣 官 房 1.「冬季の省エネルギーの取組について」(連絡会議決定)について、職員に対し周知することにより、省エネルギーの普及促進
を図る。
内 閣 法 制 局 1.「冬季の省エネルギーの取組について」(連絡会議決定)について、職員に対し周知することにより、省エネルギーの普及促進
を図る。
内 閣 府 1.政府広報を通じ、冬季の省エネルギーの普及広報活動を行う。
2.ホームページ掲載を通じ、省エネルギーの普及促進を図る。
3.関係団体に対し、冬季の省エネルギー対策の一層の推進について要請する。
消 費 者 庁 1.省エネルギーの普及促進や、消費生活に関する情報発信の際に省エネルギーの趣旨・意義が反映されることを図るため、「冬季の
省エネルギーの取組について」(連絡会議決定)について、庁内等に周知する。
総 務 省
1.情報通信産業の関係団体等に対し、テレワーク等の情報通信技術を活用した交通代替や自動車交通の円滑化、物流の効率化など省
エネルギーに資する情報通信利用の普及に努めるとともに、省エネルギーの一層の周知徹底を図るよう要請する。
2.道路交通情報のきめ細かな収集と適切な提供等により交通流の円滑化を図り、省エネルギーを実践するため、ETC2.0対応車
載器や3メディア対応型VICS対応車載器の普及促進を図る。
3. 「冬季の省エネルギーの取組について」(連絡会議決定)について、本省内、地方支分部局等に対し、周知することにより、省エ
ネルギーの普及促進を図る。
法 務 省
1.本省内、地方支分部局等に対し「冬季の省エネルギーの取組について」(連絡会議決定)の推進に努めるよう周知徹底を図るとと
もに、本省内のポスター掲示、ホームページ掲載等を通じ、省エネルギーの普及広報に努め、省エネルギー意識の定着及び実践を図
る。
外 務 省
1.本省内、関係団体等に対し「冬季の省エネルギーの取組について」
(連絡会議決定)の重要性及び推進の周知徹底を図るとともに、
省エネルギーの普及広報に努め、省エネルギー意識の改革及び実践を図る。14省 庁 実 施 す る 普 及 広 報 活 動
財 務 省
1.「冬季の省エネルギーの取組について」(連絡会議決定)について、本省内、地方支分部局及び関係団体等に対し、周知すること
により、省エネルギーの普及促進を図る。
文 部 科 学 省
1.教育委員会及び関係機関等に対し、「冬季の省エネルギーの取組について」(連絡会議決定)の推進に努めるよう周知することに
より、普及促進を図る。
2. 学校等における省エネルギー対策の手引きや事例集をホームページに掲載し、省エネルギーの普及促進を図る。
厚 生 労 働 省
1.本省内、地方支分部局、関係団体等に対し、省エネルギーの取組の推進に努めるよう要請するとともに、庁舎内のポスター掲示
等を通じ、省エネルギーの普及促進を図る。
農 林 水 産 省
1.農林水産業、食品関連産業における省エネルギー対策について、インターネットによる情報提供や関係団体等を通じて普及広報
を行う。
2.農業者等に対して、施設園芸の省エネルギー生産管理の実践及び農業機械の省エネルギー利用の推進について普及啓発活動を行
う。
3.漁業者等に対して、漁船の経済速度での運行、機関の適正な保守点検等の省エネルギー対策について、インターネットによる情
報提供等を通じて普及促進活動を行う。
経 済 産 業 省
1.本省及び地方経済産業局等においてホームページ掲載、イベント等を通じ、省エネルギーの普及促進を図るとともに、関係団体
等を通じ省エネルギーの周知徹底を図るよう要請する。
2.民間団体等を通じて、
(1) 機器のエネルギー消費効率等をわかりやすく一般消費者に示す「省エネ性能カタログ」を作成・公表する。
(2) エコドライブの実践方法を広く情報提供する。
(3) その他、ホームページ、インターネット等による省エネルギー広報の強化を図る。
3.グリーン物流パートナーシップ会議の活動を通じ、物流の効率化等の取組みの普及・拡大を呼びかける。
国 土 交 通 省1.(一財)建築環境・省エネルギー機構等を通じ、省エネルギー基準やその計算方法等に関する講習会を開催するとともに、建築物
の総合的な環境性能を評価できる仕組みであるCASBEEの普及を図る。
2.鉄道事業者に対し、省エネルギーに関するポスターを掲示する等広報に努めるように要請する。
3.ホームページ掲載等により、ガソリン自動車の燃費一覧の情報提供を行う。
4.グリーン物流パートナーシップ会議の活動を通じ、物流の効率化等の取組みの普及・拡大を呼びかける。
5.運輸事業者のグリーン経営(環境負荷の少ない事業経営)推進のための「グリーン経営推進マニュアル」(自動車、海事及び倉庫
関係事業者向け)の配布、講習会の開催等を行う。
6.交通渋滞の軽減に資するシステムとして、ETC2.0サービス等の普及促進を図る。15省 庁 実 施 す る 普 及 広 報 活 動
環 境 省
1.関係省庁をはじめ様々な企業・団体・自治体等と連携しながら、日本が世界に誇る省エネ・脱炭素社会の構築に貢献する製品・サ
ービス・ライフスタイルなどを賢く選択する国民運動「COOL CHOICE」を推進する。
2.省エネルギー・省CO2につながる新しいライフスタイルへの転換や省エネルギー効果の高い製品への買換えなどを呼び掛ける。
3. 11月1日から3月31日までの間、政府はもとより、自治体、民間企業、各家庭に対して、「ウォームビズ」の実践の呼びかけ
を実施し、適切な暖房使用を推進する。
警 察 庁
1.「冬季の省エネルギーの取組について」(連絡会議決定)について、本庁内、都道府県警察、関係団体等に対し周知することによ
り、省エネルギーの普及促進を図る。
2.交通需要マネジメント施策等、省エネルギーに資する施策推進の普及広報に努める。
3.燃料消費量及び二酸化炭素排出量削減の観点から、エコドライブの広報啓発を促進する。
防 衛 省
1.本省内及び地方支分部局等に対し「冬季の省エネルギーの取組について」
(連絡会議決定)の資料を配布し、その重要性及び省エ
ネルギーの意義を周知徹底するとともに、ポスター、貼り紙の掲示、省内系ホームページへの掲載等により、省エネルギーの普及
促進を図る。
金 融 庁
1.「冬季の省エネルギーの取組について」(連絡会議決定)について、本庁内、関係団体等に対し周知することにより、省エネルギ
ーの普及促進を図る。
復 興 庁
1.「冬季の省エネルギーの取組について」(連絡会議決定)について、本庁内及び各復興局等に対し、周知することにより、省エネ
ルギーの普及促進を図る。