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"ロングバケーション"の時季へ(2010年7月16日)

ページID:1716 更新日:2024年8月20日
7月に入って、ユジノサハリンスク市は好天の日がありました。これまでの最高気温は31度と正に真夏の様子ですが、夜間は涼しい気温です。

そう思っていれば、「最低気温12度、最高気温18度で風も強く、寒さを感じる」という日もあり、油断ができない空模様になっています。しかし周りのロシアの人達を観れば、薄着で平気な顔をしています。彼らは寒さに強い体質なのかもしれません。

6月25日から7月8日の日程で稚内に戻っており、ちょうどやって来た「友好のハーモニー」に参加したサハリンの子ども達に帯同しました。

「友好のハーモニー」に参加したサハリンの子ども達は明るく元気でした。いわゆる中流家庭以上の階層の子供達だったと思います。

子ども達の様子を観ると、食べ物の好き嫌いもあったり、朝寝坊の子が居たりと多彩でしたが、日本の子ども達と然程変わらないように思いました。

個人主義的な考え方が強いのか、通常は行動がバラバラ好き勝手で、見ているとハラハラさせられました。しかし集団行動になると、これがしっかり決まってくるのです。これは、指導者の底力もあると思います。私自身もアンサンブルのリハーサルに付き添っていましたが、女性の指導者の怒り方、大きな声での指導は、感情もこもっていて半端ではなかったです。しかし、子ども達は、納得が早いのでしょうか、すぐに適応してしまうようです。

ロシアの学校では日本の学校に在る"修学旅行"は無いそうです。が、「友好のハーモニー」で稚内にやって来た子ども達の一部は、"修学旅行"のように夜遅くまで部屋で仲間と一緒に起きていたようです。

サハリンの子ども達は、「友好のハーモニー」に参加した稚内の子ども達とも交流を行いました。交流会を催し、一緒に練習をしてステージで合同合唱を行いました。何れも愉しそうにやっていましたが、親しい友達になった子もいて、開放的な心が感じられました。片言の英語を交えて話してみたり、プレゼント交換等もしている様子が見受けられました。とても善かったと思います。

「友好のハーモニー」に参加したサハリンの子ども達ですが、ファッショナブルな衣服類や装飾品もたくさん買い込んでいく場面も在りました。稚内の経済に少し寄与してくださったかもしれません。

ところで稚内では大型店が相次いで出店していますが、他の都市に比較して地価や資産税が安価なためか、他都市よりも"安売り"が可能なようにも見受けられます。サハリンから北海道を訪ねた方のお話しでは「他の都市で3千円台で売られていたものが、稚内では1千円台で売られていた」という事例も在ったそうです。

7月16日ですが、モスクワに本社を構える「ラ・マレイ」という会社の支社が運営を手掛ける"活魚センター"がユジノサハリンスク市内にオープンしました。ユジノサハリンスクは海から離れていますが、"モスクワ直行便"が飛んでいるため、"活魚センター"を設けるには好適ということです。

最近、サハリンでは海産物の値段が上がっていて、日本の企業との取引がやや停滞しているなどと聞きます。海産物について「韓国や中国へ輸出?」と想像しましたが、実はそうではなかったようです。モスクワなどロシアの大都市で、"寿司ネタ"にするような新鮮な海産物への需要が非常に高まっており、サハリンや世界各地からモスクワに海産物が運び込まれているというのです。ユジノサハリンスクに"活魚センター"を設けた「ラ・マレイ」社は、モスクワ等へ海産物を供給する物流を担う企業ということです。もしかすると、「彼らが稚内に海産物を買い付けに来るということも?」などと考えてしまうお話しでした。

御案内の方も在るかもしれませんが、ロシアの西部は大陸で欧州諸国と陸続きで海が無く、北は人が非常に少ないため、「海」と言えば日本海、オホーツク海、太平洋に面した海岸を有する極東地域に脚光を当てなければなりません。サハリン周辺のオホーツク海ですが、プランクトンが豊富で美味しい海の幸が多い世界的な漁場です。ロシア連邦政府レベルでも、サハリンの水産資源を重視しているそうです。

[画像:ユジノサハリンスク街角の様子] 7月半ばを過ぎ、「静かなたたずまいとなった」とか「子ども達が何処かへ去った?」というように感じられることが在ります。ロシアでは"ロングバケーション"の時季です。

「親子で1ケ月間程度の旅行」は"普通"と受け止められる国柄のようです。子ども達の"体験学習"を兼ねて国内の他地域や外国へ行く長期の家族旅行はそれ程珍しいことではありません。この時季には、何かの趣味や芸事を集中的に身につけるとも可能で、そういうことをしてリフレッシュを図る方も見受けられます。

他方、この時季は「職場の人も減って、仕事が停滞気味」という話しも耳にします。しかし、この魅力的なライフサイクルを変えることはないでしょう。

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