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更新日:2012年5月9日
「稚内市民サハリン交流団」は、"稚内港開港60年"、"稚内・コルサコフ間定期航路日本船就航10年"を記念し、"稚内市メモリアル事業"の一環として催行されました。公募した27名の市民の皆さんがサハリンを訪ねました。平成20年5月12日から5月16日の4泊5日です。
5月12日(月)
完成したばかりの稚内港国際旅客ターミナルから初めて出航する<アインス宗谷>で、「稚内市民サハリン交流団」はサハリンのコルサコフ港へ向かいました。稚内・コルサコフの航海は「湖の遊覧船よりも揺れていないのでは?」と思えるような、「これ以上は望み難い」程に快適な状態でした。
航海中は出発から到着まで一貫して快晴で、宗谷沖方面では風力発電が並ぶ丘陵や、稚内市街の背後にそびえる利尻富士の雄大な姿を望むことが出来ました。海峡部からサハリン側に近付くと、沿岸部の地形が鮮やかに見え、コルサコフ港の近くではプリゴロドノエのLNG工場の威容を望むことが出来ました。
「副市長を先頭に、友好都市稚内から大勢が本年最初のフェリーで到着したので歓迎したい」ということで、コルサコフ港の埠頭でコルサコフ市行政府が歓迎式を催してくれました。鮮やかな衣装に身を包んだ地元の少年少女が歌や踊りを披露し、ロシアの古式に則った"パンと塩"のセレモニーが営まれました。
5月13日(火)
コルサコフでは市行政府関係者の皆さんなど大勢の皆さんに迎えていただき、来る10月に建都155年を祝うというコルサコフの歩みについて、更にサハリンエナジー社担当者から、地域発展に寄与する同社の活動についてお話しをうかがいました。
その後、話題のLNG(液化天然ガス)工場を車窓に望み、ユジノサハリンスク市内のホテルへ引揚げました。
5月14日(水)
この日はユジノサハリンスク市内で過ごしました。
ユジノサハリンスク市内では、車が非常に多いことに先ず驚いてしまいます。18万人程度の人口に対して10万台もの車輛が登録されていると言われています。街の整備と、モータリゼーションによる市街の南側への拡張が同時に進んでいるような状況です。
「稚内市民サハリン交流団」参加者の中には、過去にサハリンを訪ねた経験がある人も見受けられましたが、口々に「大きく様変わりする街」について話題にしていました。
ユジノサハリンスクでは郷土博物館、ガガーリン公園などを見学しました。
また市内の学校の講堂で行われた文化交流では、稚内からの雅道会による琴の演奏に耳を傾けた他、生徒達による大変レベルの高い歌、演奏、踊りを堪能しました。
5月15日(木)
[
画像:道路の様子。右側通行であること以外、道路は北海道内のものと大差がない。]
この日はネべリスク、ホルムスクを訪ねました。
ユジノサハリンスク・コルサコフ間、ユジノサハリンスク・ホルムスク間の道路は、サハリンでの資源開発に関連した大型船も出入りしている港と地域の中心都市を結ぶ道路ということで非常に良く整備されていました。ロシアと日本は交通規則が異なり、サハリンでは車輛は右側通行で動いていますが、これらの道路ではその右側通行であることを除けば、北海道内の国道などで移動している感覚と差がありません。
そうした状況の他方、ユジノサハリンスク・ネべリスク間、ネべリスク・ホルムスク間については残念ながら状況が思わしくありません。道路が悪い場合もあることはある程度想定はしていませんでしたが、一部が想定を超えており、適宜休憩を挟みながら予定よりやや遅れながら移動しました。
ネべリスクでは、既に10年程の間、ある程度人口の流出が見受けられていたようですが、昨年8月の地震でそうした傾向に拍車が掛かってしまった面が否めません。街の中では、震災で傷んでしまった建物は取り壊されてしまっているため、空地が目立ちました。他方、震災後に新たな住宅の建設も進められており、一部は既に供用されていました。そうしたところに「新たな歩みを始めようとしている」空気が感じられました。
ネべリスクから日本海岸を少し北上したあたりにあるホルムスクは、大陸との往来の玄関になっている街です。沿岸部に緑地が整備されていて、寛ぐ家族連れや遊んでいる子ども達が多く見受けられ、老若男女の憩いの場となっていました。
この日、ホルムスクでは学校の終業式で、ならわしによって女子生徒がユニークなコスチュームで市内を闊歩している姿が見受けられ、参加者には大人気でした。
夕食の席では、稚内で冬季間に催していた<サハリン館>に出演していたバヤーン(※(注記)アコーディオンに似たロシアの楽器)演奏家オレグさん、声楽家オリガさんが登場し、歌を披露していただきました。これは思いがけないことでした。
5月16日(金)
早朝からコルサコフ港へ向かい、フェリーで稚内に戻りました。
今回の「稚内市民サハリン交流団」の訪問では、特段に事故やトラブルは無く、参加者各々の想い出を胸に無事に帰国することが出来たことが何よりも幸いでした。
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