災害・事故時のこころのケア
災害や事故等が発生した際には、生命の保護や財産の損失等への対応とともに、こころのケアの視点が求められます。
被災直後の精神的な動揺や心身の症状の多くは、ひどいショックを受けたときに誰にでも起こりうる自然な反応です。
多くの場合、ほとんどの症状は時間とともに回復していきますが、症状が長く続いたり、気になる症状があれば、気軽に相談してください。
被災したときに起こりうる心身の反応と症状
- 気持ちが高ぶって寝つきが悪くなったり、途中で目覚めたりする
- 食欲がおちる
- 疲れやすく、体がだるい
- 災害・事故の体験に関連した内容の不快な夢を見る
- 災害・事故の体験に関連した光景が、突然繰り返しよみがえって不快となる
- 以前と比べて、活力や集中力が低下している
- 物音等ちょっとした刺激にもびくっとしてしまう
- 以前と比べて、イライラして、怒りっぽくなる
- 涙が止まらない
- なんとなく落ち着きがない
- 強い不安や心配、おそれの気持ちがわく
- お酒を飲む量が増える
- 頭痛、めまい、吐き気、下痢、胃痛、動悸、しびれなどが取れないなど
このようなこころや体の変化は特別なものではなく、ひどいショックを受けたときには、誰にでも起こりうる自然な反応です。大部分の人は、家族や友人等の身近な人の援助や自身の対処行動により、多くの場合1ヶ月以内に回復します。
こころと体の健康を保つために大切なこと
- 食事や睡眠等日常生活のリズムをなるべく崩さないようにしましょう。
- 避難中は飲酒を控えましょう。過度の飲酒は、家族や周囲の人々に影響を与え、家庭内や集団生活でトラブルが発生する可能性があります。
- イライラが強まったときは、深呼吸をしてリラックスするようにしてみましょう。
- 人と人のつながりを大事にしましょう。ご家族同士、ご近所同士で声をかけ合いましょう。
- 信頼できる人に話を聞いてもらうことは、心を軽くするのに役立ちます。
ただし、無理に話すことはありません。
お子さんを見守る方へ
突然の大きな災害や事故にあうと、子どもの場合、身体症状や問題行動として、大人とは異なる変化や不調が現れることがあります。
これは、ひどいショックを受けたときに誰にでも起こりうるもので、異常なことではなく、守られた環境の中で安心感を与えることで時間とともに回復していきます。
ただし、症状が長引いたり、気になる症状があれば、気軽に相談してください。
【子どもたちの回復のために大切なこと】
- 一緒にいる時間を増やし、抱きしめてあげる等、スキンシップの機会を増やしましょう。
- 子どもが話すことは否定せずに聴いてあげましょう。ただし、話したくないときには無理に聞き出さないようにしましょう。
- 家族もできるだけ食事や睡眠等の生活リズムを崩さないで、落ち着いた生活をするように心がけましょう。
- 行動に変化があっても、むやみにしかったり、突き放したりせずに受け止めてあげましょう。
- 災害・事故の体験を遊びとして繰り返すことは、子どもがこころを落ち着けていく方法のひとつです。無理にとめないようにしましょう。
高齢者を見守る方へ
突然の大きな災害や事故を経験すると、被災時の強い恐怖や無力感、あるいは喪失体験などから、こころや体に変化が生じ、不眠、抑うつ、一時的な認知機能の低下などの精神症状が出ることもあります。
これは、突然の災害等により誰にでも起こりうるもので、異常なことではありません。多くは自然に回復していきます。
介護しているご家族も、ストレス反応が起こりやすくなります。気になることがあれば気軽に相談しましょう。
【高齢者の回復のために大切なこと】
- 声をかけ、今の状況をできるだけわかりやすく、くり返し伝えましょう。
- 不安や悲しみなどの気持ちをくみながら、じっくり話を聴いてください。
- 焦らず、ゆっくりペースにあわせて接することが大切です。
- 孤立、孤独にならないように配慮しましょう。
- 睡眠と食欲の変化に注意して、心身の状態に気を配りましょう。
家族や友人を支えている方・ボランティアの方へ
少しでも役に立ちたいとの思いから、普段以上に気負ったり、無理を重ねることがあります。
支えている人にも、ストレス反応が起こることがあります。
【適切な支援とあなた自身のこころと体の健康のために】
- 何よりも自分の安全と健康を優先しましょう。
- 休む時間があまり取れなくても、できるだけほっとする時間を持つようにしましょう。
- 思い切って休むことも大切です。気になる症状があれば、専門家等に相談しましょう。
北九州市における災害・事故時のこころのケア対策
大きな災害や事故が発生した時には、その規模等に応じて、精神保健福祉センターを中心に「こころのケアチーム」や「こころのケアホットライン」を設置し、被災者のこころのケアを行います。
【こころのケアチーム】
精神保健福祉センター・子ども総合センター等の精神科医・保健師・心理職・その他関連職種によるチームを編成します。
避難場所・仮設住宅等において、被災者のこころのケアを行うとともに、必要に応じて、精神科の応急診療を行います。
なお、避難生活が長期にわたる場合は、必要に応じて、避難場所・仮設住宅等に「被災者こころの相談窓口」を設置します。
【こころのケアホットライン】
必要に応じて、24時間対応の電話相談窓口を精神保健福祉センター内に開設し、被災者の電話相談に応じます。
こころのケアに関する連絡先
| 区 | 電話番号 | FAX番号 |
|---|---|---|
| 門司 | 093-321-4800 | 093-331-3684 |
| 小倉北 | 093-582-3430 | 093-562-1382 |
| 小倉南 | 093-952-4800 | 093-923-0520 |
| 若松 | 093-751-4800 | 093-751-2344 |
| 八幡東 | 093-671-4800 | 093-662-2781 |
| 八幡西 | 093-645-4800 | 093-642-2941 |
| 戸畑 | 093-881-4800 | 093-881-5353 |
【北九州市立精神保健福祉センター】
電話 093-522-8729
FAX 093-522-8776
【北九州子ども総合センター】
電話 093-881-4556
FAX 093-881-8130
関連サイト
ストレス・災害時こころの情報支援センター(国立精神・神経医療研究センター内)のサイトから、一般の方や支援者の方向けの、各種マニュアルや資料をご覧いただけます。
このページの作成者
保健福祉局保健所精神保健福祉センター
〒802-8560 北九州市小倉北区馬借一丁目7番1号
電話:093-522-8729 FAX:093-522-8776
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