COLUMN2023年9月号 Vol. 34 No. 6(通巻394号)
観測現場発 季節のたより[23] 犬見た星を私も見たい (4)サリャンカ
- 笹川基樹(地球環境研究センター大気・海洋モニタリング推進室 主幹研究員)
人生最寒を、東シベリアのヤクーツクで経験した。何を見て認識したのか忘れてしまったが、街中でマイナス35度に達していた。吸った空気が喉と肺を突き刺すよう。マフラーや手で顔を覆わずに呼吸することはできなかった。
温室効果ガス観測システムの確認と、現地の共同研究者との打ち合わせのために訪れた11月のヤクーツク。いつもは、ある意味いい季節を選んでのシベリア出張だったが、これぞ「ザ・シベリア」の出張になった。ロシアはこの寒い気候のためか、暖かいスープの種類が多いように感じる。
ランチ
〇サリャンカ(写真1)
〇パン
〇紅茶
ロシアのスープといえばボルシチが思い浮かぶが(元々はウクライナの料理らしい)、今回頼んだのは真っ赤なスープ、サリャンカ。少し酸味があって旨味はたっぷり。真ん中に添えられたスメタナ(サワークリーム)は、酸っぱくなく、スープをまろやかにしていて、見た目も華やかにする。