日誌

令和3年度入学式 式辞

投稿日時 : 2021年04月07日 principal カテゴリ:

式 辞

新緑が芽吹く春、すべての生命が躍動するこの佳き日に、保護者の皆様とともに、令和3年度入学式を挙行できますことは、本校教職員にとって大きな喜びであります。

ただ今、入学を許可いたしました318名のみなさん、ご入学おめでとうございます。在校生、教職員一同、みなさんを心から歓迎いたします。

保護者の皆様におかれましても、お子様のご入学、誠におめでとうございます。心よりお喜び申し上げます。

本校は、1986年に全国初の公立の国際高校として開校し、35年目を迎えました。「国際社会で必要とされるグローバルリーダーの育成」という目標を掲げ、生徒・教職員が一丸となって、特色ある取組を実践してきた学校です。新入生の皆さんも、今日からそのチームの一員として、本校の新しい歴史を創っていってほしいと思います。

さて、皆さんは本校の校風や特色を知り、入学後の充実した学校生活をイメージしながら、一生懸命に勉強し、高校入試という大きな壁を乗り越えて、本校へ入学されました。今日、晴れて本校の門をくぐった気持ちはどうだったでしょうか。きっと、これから始まる3年間の高校生活に大きな期待と緊張感で身の引き締まる思いでいることでしょう。今日のその気持ちを3年間ぜひ忘れずに、たくさんの挑戦をしてほしいと思います。そのスタートとなる入学式にあたり、私から心掛けてほしいことを2つ申し上げます。

1つ目は「自分の考え、意見を持つ」ということです。国際社会は今、多くの課題を抱えています。ミャンマーをはじめ、世界の各地で自由や人権、民主主義が脅かされています。また気候変動、経済格差など簡単に正解が見つからない問題が山積しています。国際社会で必要とされるグローバルリーダーになるためには、まずは今世界で何が起きているのかを知り、探求し、深く考えることが必要です。そしてそれらの問題を解決していくための「考え、意見」を持つことが重要です。いくら外国語が流暢に使えても、自分の考え、意見がなければ、国際社会で通用しません。是非、本校での3年間で多くを学び、探求し、深く考え自分の意見をしっかり持ち、発信できる人になってください。

2つ目は「多様な価値観を認める」ということです。グローバル社会グローバル化とは、なにも海外だけの話ではありません。日本の社会における「内なるグローバル化」は確実に進んでいます。現在、我が国には約288万人の外国人が暮らしています。また、埼玉県内の外国人も増え続け、令和2年6月末で19万6千人、県の人口に占める割合は2.7%となり、約50人に1人は外国人です。今はコロナの影響で、一時的に世界の人の動きは止まっていますが、コロナが収束すれば再び世界中から多くの人々が我が国を訪れ、この国を支える人材となってくれるでしょう。みなさんが社会に出るころには、外国人と働き、共に暮らすということはあたりまえになるのです。ですからみなさんには、多様な文化、宗教、価値観に関心を持ち、オープンな心で接し理解しようとする態度を養ってほしいと思います。近い将来、世界中から集まる人々と共に、平和で豊かな多文化共生社会を築いていくのは、まさにみなさんなのです。こういった「共感力」・「共生力」といった力は、机に向かっているだけでは養うことはできません。本校での三年間で、行事や部活動、海外研修やボランティア活動などに積極的に取り組む中で、多くの人と触れ合い、学び合い、語り合う中で育っていくものです。是非、本校での3年間で多くのことに挑戦し豊かな人間性を養ってください。

本校に代々継承されているSchool Motto で「RST」というものがあります。これは、「Read, See, & Think. 」の頭文字をとったもので、「読んで、見て、そして考えよ」という、本校の校歌にも謡われているモットーです。 3年間、この言葉を忘れずに、たくさんのことを学び、自分で考え、自分から行動し将来の夢への扉を開いて進んでいってください。

最後に保護者の皆様にお願い申し上げます。学校教育においては、学校・家庭・地域の連携が不可欠です。特にご家庭の協力なしには教育の成果は期待できません。私たち教職員一同、一丸となって指導にあたる所存ですが、各ご家庭におかれましても、本校の教育方針をよくご理解いただき、健康的な生活習慣や家庭学習について、ご指導いただきますようお願い申し上げます。

結びに、限りない可能性をもった新入生の皆さんの大いなる成長を祈念するとともに、保護者の皆様には本校へのご理解、ご協力をお願い申し上げ、式辞といたします。

令和3年4月7日

埼玉県立和光国際高等学校長

鈴木 啓修

{{options.likeCount}} {{options.likeCount}}