令和4年度第1学期始業式校長講話
「大人になること」とは
皆さん、おはようございます。まずは春休み中大きな事故もなく、こうして今日、みんなで元気に体育館に集まり、令和4年度1学期始業式を開催できたことを大変嬉しく思います。
3月末の国際理解委員による募金ですが、約6万2千円が集まり日本赤十字主催のウクライナ人道危機救援金に募金することができたそうです。ありがとうございました。しかし非常に悲しいことですが、ウクライナでは、今なお戦争が続いています。死者、負傷者、そして避難民が増え続けています。またロシア軍の一般市民に対する残虐な殺人も明らかになってきています。私たちは「まさかこんなことは起きないだろう」と思っていたことを目の当たりにしています。
本校の校歌にもあるように、世界は長い歴史の中で、国々がせめぎ合ってきました。人類の歴史は戦争の歴史といってもいいかもしれません。しかし21世紀に入り、まさか主権国家が、しかも国連安保理の常任理事国が他の主権国家を武力で侵攻するということが起きるとは、誰も想像していなかったと思います。
私たちは国際社会における「秩序」の大きな転換点を目撃しているのかもしれません。銃を持った人が家に入ってきて、「ここは俺の家だ」といって居座ってしまう、そんな世界が始まる入口にあるのかもしれない。
しかしそんなことは絶対にあってはならない。これまでの秩序は絶対に守らなければならない。
だからこそ皆さんには、まずどうしてこんなことが起きてしまったのかを、歴史を含めてしっかり学んでください。そして今後の世界の秩序を守っていくにはどうすればいいのかしっかり探求してください。そして今後、ウクライナへの長期的な支援が必要となります。どんなに小さなことでもいいので、私たちが今できることは何かを考え行動してほしいと思います。
さて、この4月からの国内での大きなニュースの1つとして「成人年齢の引き下げ」があります。ここにいる新3年生は、これから誕生日を迎えると法律上、成人になるわけです。心の準備はできていますか。
3月30日の毎日新聞で、この話題を特集していました。その中で大阪教育大学の白井利明教授が「相互調整力」という言葉を使っていました。白井教授は青年心理学の専門家で、青年心理学からすると18歳は大人になる出発点だそうです。理想にこだわるだけでなく、現実を受け止めて生きていこうとする。親や教師、それ以外の大人や社会と出会って、広い視野で親や自分の生き方の考えられるようになる。親子の「相互調整」とは、親の意見を聞き、それが自分の考えと違う時には親に伝える責任を感じ、親子がよく話し合って合意まで持っていくことです。そしてこれは、民主主義の営みの基本であり、民主社会の基礎であると言っています。
私は「なるほどそのとおり」と思いました。みなさんはどうですか?今年、また来年に成人になるみなさんは、「大人になる」ってどういくことか、是非1度考えてみてほしいと思います。「相互調整力」という言葉、覚えておいてください。
さて、今日から令和4年度、2022年度がスタートします。新3年生は3年生らしく、新2年生は2年生らしく振舞う準備はできていますか?そして今日の午後には、いよいよ新入生が入学してきます。是非、新入生を温かく迎え入れてください。そしてここにいる皆さんは、新入生が憧れるようなロールモデルとして、学校行事などで彼らをリードしていってほしと思います。
最後に学校行事について1つお知らせがあります。昨年度から6年計画で実施されるはずだった大規模改修は、今年度はありません。理由は財政的な事情であるということです。1組から4組の教室は今年、綺麗になるはずでしたがそうはならず残念です。そして行事予定についてですが、結論から言うと、このことによって変更はしません。つまり「みづのき祭」は、予定通り6月に実施します。「えーなんで、9月に変更してくれ」という声が聞こえそうですが、3月末にお知らせした行事予定に変更はありません。
理由は2つ。1つ目は「みづのき祭」を9月に戻すと、他の行事をかなり変更しなければならず、進路指導などへの影響が大きいということ。また、毎年3月末に、県教育委員会から次の年度に大規模改修があるとかないとか言われて、行事予定を変更していたら、学校が混乱するということです。しばらくは和国が主体的に、「6月みづのき祭」を実行し、定着させたいと考えています。
2つ目の理由は、昨年6月に開催してみなさんは立派に実施することができたという実績があること。しかも今年は昨年の経験がありますから、さらに充実した「みづのき祭」を皆さんならやることができると思ったからです。是非みなさんには理解してほしいと思います。そして素晴らしい「みづのき祭」を期待しています。
新年度は海外研修を含めたより多くの行事を計画しています。コロナでどうなるか予断は許しませんが、より明るく楽しい2022年度にしていきましょう。