卒業式 式辞
式 辞
厳しかった冬も終わり、待ち焦がれた春、芽吹きの季節となりました。
本日ここに、多数の御来賓、保護者の皆様の御臨席を賜り、
第26回卒業証書授与式を盛大に挙行できますことを、
心より感謝申し上げます。
320名の卒業生の皆さん、卒業おめでとうございます。
そして、本日まで深い愛情でお子様を見守り、支えて来られた保護者の皆様、
お子様のご卒業を心よりお祝い申し上げます。
本校に入学してきた三年前、まだ、幼さを残した皆さんは希望に胸を膨らませ、桜満開の校門をくぐりました。新しい環境で、勉学に戸惑いながらも、部活動、そしてさまざまな学校行事等に喜々として取り組んでくれました。いろいろな経験を重ね、三年間で大きく成長してくれました。皆さんは、実に充実した日々を送ることができました。仲間と助け合い、支え合い、大いに和国の生活を楽しんでくれました。和国というすばらしい環境の中で、日々、さまざまなことを発見し、さまざまなことに挑戦してくれました。たくましく成長した自分を誇りに思ってください。
さて、卒業生の皆さんは、今日から社会ではひとりの大人として扱われます。
自分で決断し、自分の人生を、自分の力で切り開いていかなければなりません。
うまくいかなくても、苦しくても、自分の選んだ道です。決めたのは自分ですから、人のせいにはできません。その覚悟をもって、これからの人生を進んでいってください。
皆さんが飛び立っていく社会は、「グローバル社会」と言われ、その舞台は地球規模に広がっています。世界情勢をみると、決してやさしい未来ではないでしょう。むしろ、厳しい世界が待ち受けていることでしょう。しかし、皆さんは、この和国で、異なる言語・文化・価値観を持つ人々を理解し、積極的に意思の疎通を図ることを学んできました。彼らを受け入れ、互いに尊重し合える仲間として、共に未来を拓く、強い意思を持った「グローバル人材」になることを学びました。和国で培った「仲間と助け合い、支え合う」力をもって、これからも、国際情勢に目を向け、自分自身でしっかり考えられる人間として成長していってください。
夢を持ち、それを追求できることは、若者の特権です。若者は、その夢を実現させるための時間とエネルギーを持っているからです。皆さん一人一人の夢が今後大きく花開くことを期待しております。
昨年、皆さんと同い年の、パキスタンのマララさんが、最年少でノーベル平和賞を受賞しました。彼女の母国語ではない語で堂々とスピーチをした姿は頼もしく、「すべての子どもたちが教育を受けられるようになってほしい」と訴えた、その前向きで力強い言葉は、世界中の人々に勇気を与えてくれました。夢を叶えるために、彼女は努力と苦労を積み重ねてきました。勇気をふりしぼって権利のために戦いもしました。「家族の愛情と夢の力で強くなれた」と彼女は言っています。皆さんも、自分の夢を持ち、自分を信じ、その夢を実現させる強い人間になって欲しいと思います。
皆さんの活躍と今後ますますの成長を大いに期待しております。自分に自信を持って、自分らしくたくましく生きていってください。
結びに、本日ご臨席の皆様のご多幸を祈念申し上げますとともに、卒業生並びに在校生に対しましても、引き続き温かいご支援を賜りますことをお願いいたしまして、式辞といたします。
平成27年3月14日
埼玉県立和光国際高等学校
校長 伊藤正志