馬場商事 馬場 健誠さんにインタビュー

2025年03月03日

  • キャッスルタウン

丸亀駅前から徒歩1分。そんな場所に事務所を構える不動産会社「馬場商事」。

「海外で仕事がしたい」そんな夢があった馬場さんが今はなぜ地元の丸亀に?

香川県丸亀市生まれ、馬場 健誠(ばば けんせい)さんが考える丸亀の未来とその想いについて話を聞いてみた。

本日はお時間いただきありがとうございます!まずは自己紹介をお願いします。

馬場商事代表の馬場 健誠です。2021年8月8日に不動産会社として馬場商事を祖父から引き継ぎ、起業しました。現在は、不動産業の他に、宿泊事業も行っています。

なるほど。多角的に事業に取り組まれていますね。おじい様から不動産を引き継いで始められたのですね。元々引き継ぐつもりでいたのでしょうか。

いえ。元々は海外で働くことを夢に見て、実際に海外赴任できる会社に就職していました。

小さい頃からサッカーが好きで、世界で戦う日本代表の姿を見て、自分もそうなれたらと思い、海 外で人材関係の仕事をする予定でした。でも、僕が新卒の年に、コロナが世界中で流行ってしまい、海外赴任の話は一旦白紙になってしまいました。

海外で働くことを夢にしていた僕からすると、白紙になった状況がなんとも言えない状況で...1ヶ月でその会社を辞めました。 そういって悶々としているときに、祖父の不動産を引き継いで再チャレンジしようと決意し、起業しました。

元々、海外で働く予定だったんですね。地元の不動産となると全く違う方向になるのですが、心配などはなかったのでしょうか。

香川に帰ってきた時は、知り合いは地元の友人くらいで、起業している人や若者で何か活動している人の知り合いはほぼゼロの状態でとても不安でした。ただ、ワクワクもしていました。いつか地元に帰って仕事をしたいと思っていたし、誰かの転機に関わる仕事をしたいとも思っていて、それが「不動産」という仕事でも元々やりたかった海外での人材関係の仕事と変わらないなと思っていたので。

では、地元に帰ってきて不安もありながらワクワクして不動産業起業の準備を始めたということですね。どんな感じで起業を進めていったのでしょうか。

はい。まずはアフロにしました(笑)

どうせ、不動産をやるなら、面白くてインパクトを残せるようにと思ったので。

不動産の知識もない若者がこの業界で生きていくためには必要なことはこういった馴染みやすさやインパクトかなっと思いました。

後は、日々生活費を稼ぐためにバイトをしながら、宅建の勉強をして、香川県内で活動している方々とお会いする日々でした。

宅建の試験間近で、祖父が亡くなってしまい、合格を伝えられなかったことが心残りでした。かつ、一度祖父が経営していた「馬場商事」は廃業となったのですが、もう一度同じ屋号で起業し新生「馬場商事」をスタートさせました。

アフロの秘密を知ることができてよかったです(笑)とても大変な起業までの道のりだったんですね。不動産業を始めてからは、どういったことをしてきたのでしょうか。

不動産業を始めてからは「みんなと一緒にバカなことを」というキャッチコピーをもとに、主に賃貸の仲介をメインに行ってきました。アパートの仲介から、テナントの仲介までたくさん行ってきました。ただ、仲介するだけでなく、移住検討者には一緒に街歩きをしたり、コミュニティの紹介をしたりしてきました。僕の中で「バカ」は「周りの目を気にせずチャレンジすること」と定義しています。

そんな定義をもとに、不動産業のかたわら、ババドッグというホットドッグを売ったり、古民家を使ったマルシェを行なったりしました。全て、思いつきや不動産と関係なくやっているのではなく、「ワクワクする不動産があるな」「馴染みやすいにいちゃんみたいな人がいるな」と思って、不動産という一見、ブラックボックスが多く、難しそうで関わりにくそうなものから、そうじゃないよと思ってもらい、かつその流れで馬場商事をうまいこと使ってくれるといいなと思って「バカ」なことをやってきました。

本当にいろんなチャレンジをされているのですね。そんな「バカ」の一つに宿泊事業「ババノバ」の運営もあるということでしょうか。

そうですね。宿泊事業は、旅好きなことや、大学時代お世話になっていた、街の人も使える飲み屋併設のゲストハウスが忘れられないということもあり、いつかやりたいなと思っていました。

そんな思いを抱えながら、不動産業を始めてちょっとで、すごくかっこいい古民家を見つけて、「やるしかない!」という思いになっていました(笑)2023年の10月頃からゲストハウスへ改装するプロジェクトを本格的に始め、2024年6月22日にオープンしました。屋号は「ババノバ」です。

すごいスピードですね。ババノバについて教えてください。

ババノバは、ゲストハウスという形をとっており、通常のホテルとは少し違います。トイレやシャワーなど共有部分が多かったり、食事の提供がなかったりといった部分が代表的です。また、個室が3つあり、ドミトリールームが1つあります。ドミトリールームはベッド貸しのお部屋で、2段ベッドが2つあり、他の旅人と相部屋になるようなお部屋になっています。

また僕たちの宿のコンセプトを「移住体験」といったものにしています。

移住体験の仕掛けとしては、街のアテンドツアー、街の紹介ZINEの販売、ババノバ内にあるカフェ&バーでの地元の人との交流、イベントなどを行なっています。

僕たちはただ宿に宿泊するだけでなく、「丸亀いいことじゃん」と思ってもらえるようなコミュニケーションをすることを宿泊事業の中でも大切な仕事にしています。

ありがとうございます。とてもいい取り組みですね。そんな馬場さんの考える丸亀の魅力を伺ってもいいでしょうか。

丸亀は今、僕たちの周りにとても移住者が増えています。その移住者も「何かチャレンジしたい」と思って移住している人が多いです。僕は街を変えていくのは、「よそもの、若者、馬鹿者」だと思っています。その条件を満たすひとつの「よそもの」が増えているのはとてもいいことだと思う し、魅力に感じます。

後、シンプルに立地的な部分でも魅力は多いと思います。お城や港もあって、高松や三豊などシティな場所から海のあるきれいな町までアクセスが便利なところはとても住み良いなと思います。 いい飲み屋も多いし。おしゃれなバーからカオスな飲み屋と定食屋さんの合体しているところとか.... 大好きな町です。

たくさん魅力がありますね。最後に丸亀がこんな街になってほしい、こんな街にして行きたいという想いや考えがあれば教えてください。

そうですね。僕はまず「身の回り」の人たちが幸せか面白いと思ってくれるかをとても大事にしていて、そのエゴの延長線上に「街が良くなれば」と思っています。

街をよくするといって、近しい周りの人を悲しませてはいけないと思うので。

そういったスタンスの上で、僕はもっとチャレンジする人が増えていけばいいなと思っています。この街には面白い物件やそれをサポートする制度、人々が集い始めています。たりていないのは、圧倒的に「プレイヤー」だと感じます。そんな街で何かチャレンジしたいと思うプレイヤーを地元からもしくは移住者からどんどん発掘していくことが大事だと思うし、それを僕たちもやって、チャレンジする人がどんどん面白いことを始める街になれば、グッドバイブスだなと思います。

馬場商事

〒763-0022
香川県丸亀市浜町25-1
営業時間:10:00~18:00 / 火曜休み
駐車場:なし(丸亀駅地下駐車場が1時間無料)
インスタグラム
https://www.instagram.com/baba.shoji/(馬場商事)
https://www.instagram.com/babanoba_guesthouse/(ババノバ)


馬場健誠さん

1997年、香川県丸亀市生まれ。京都産業大学を卒業後、東京にて人材紹介業を行う企業に就職。その後、丸亀市で不動産の仲介・売買を扱う馬場商事を起業。現在は本業の傍ら、まちのコミュニティづくりにも精を出す日々を送っている。ちなみに馬場商事の設立記念日は「ババ」にちなんで8月8日。