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トキと人を育む佐渡の自然 〜小学生との水辺の生き物調べ〜
2025年07月02日
佐渡
右田京子
皆さん、こんにちは
佐渡自然保護官事務所の右田です。
今回は、私たちの事務所の近くにある「佐渡市立行谷小学校」が毎年行っている“水辺の生き物調べ”にボランティアティーチャーとして参加した様子をお伝えします。
佐渡自然保護官事務所の右田です。
今回は、私たちの事務所の近くにある「佐渡市立行谷小学校」が毎年行っている“水辺の生き物調べ”にボランティアティーチャーとして参加した様子をお伝えします。
行谷小学校は、小学校の周りにトキが多く生息していることや、私たちの事務所を含めトキ関連の施設が多いことから、以前からトキ学習に力を入れています。そのトキ学習の一環として、2001年から全校生徒による「水辺の生き物調べ」が行われてきました。25年も継続しているだけあって、中には親子2代で参加している生徒さんもいます。
校区内の水辺にどのような生き物がいるのかを調べ、トキのエサ環境を学ぶだけではなく、佐渡の自然や環境に対する関心を深めてもらうことが目的です。
校区内の水辺にどのような生き物がいるのかを調べ、トキのエサ環境を学ぶだけではなく、佐渡の自然や環境に対する関心を深めてもらうことが目的です。
基本的には、子供たちで協力して生き物を探し、観察してもらいます。ボランティアティーチャーは、危険がないか見守りながら、少しだけサポートするのが役割です。
身近な水辺には、どんな生きものがいるのだろう?
調査場所は、校区内の4ヵ所です。子供たちは住んでいる地区ごとにグループ分けされ、家の近くを調査します。一口に水辺と言っても、田んぼやビオトープ、水路や川等いろいろな環境があり、環境の違いによる生き物の違いも知ることができます。
今回、私がボランティアティーチャーとして参加したのは、川と田んぼのあるエリアです。
上級生は川の上流へ、下級生は下流や、田んぼの脇に水を残すために作られている「江」と呼ばれる水路を調査しました。
今回、私がボランティアティーチャーとして参加したのは、川と田んぼのあるエリアです。
上級生は川の上流へ、下級生は下流や、田んぼの脇に水を残すために作られている「江」と呼ばれる水路を調査しました。
みんな楽しそうに水しぶきを上げながら、たくさんの生き物を捕まえていました。
ボランティアティーチャーも協力しながら、生き物を触るのが苦手な子には生き物が暴れないようなつかみ方を教えたり、生き物が好きな子には様々な捕獲方法にトライしてもらったりと、子供たちにとって生き物と楽しく触れ合う機会を作ることができたように思います。子供たちは、より生き物への興味が湧いたのではないでしょうか。
ボランティアティーチャーも協力しながら、生き物を触るのが苦手な子には生き物が暴れないようなつかみ方を教えたり、生き物が好きな子には様々な捕獲方法にトライしてもらったりと、子供たちにとって生き物と楽しく触れ合う機会を作ることができたように思います。子供たちは、より生き物への興味が湧いたのではないでしょうか。
捕獲が終わったら、次はじっくり観察です。
流れの急な場所、浅瀬、流れのない水たまりなど多様な環境で捕まえた生き物をそれぞれ持ち寄って、どんな場所にどんな生き物が生息しているのかを見比べました。バットに分類分けしながら、どんな分類群の生き物がどれだけいたかなどを確認し、最後にみんなでそれぞれが気になる生き物をスケッチしました。
流れの急な場所、浅瀬、流れのない水たまりなど多様な環境で捕まえた生き物をそれぞれ持ち寄って、どんな場所にどんな生き物が生息しているのかを見比べました。バットに分類分けしながら、どんな分類群の生き物がどれだけいたかなどを確認し、最後にみんなでそれぞれが気になる生き物をスケッチしました。
〈観察・採取できた生き物〉
川:アユ、ヨシノボリ類、ドジョウ、シマヘビ、サワガニ、モクズガニ、スジエビ、アメリカザリガニ、オタマジャクシ数種、カワニナ、シジミ類、タニシ類、ヤゴ数種、ガムシ類(幼虫)、ゲンジボタル(成虫)、ハシリグモ、石にへばりついた謎の無数の卵(イトミミズの卵?)
江:クロサンショウオ(幼生)、オタマジャクシ、アメリカザリガニ
川:アユ、ヨシノボリ類、ドジョウ、シマヘビ、サワガニ、モクズガニ、スジエビ、アメリカザリガニ、オタマジャクシ数種、カワニナ、シジミ類、タニシ類、ヤゴ数種、ガムシ類(幼虫)、ゲンジボタル(成虫)、ハシリグモ、石にへばりついた謎の無数の卵(イトミミズの卵?)
江:クロサンショウオ(幼生)、オタマジャクシ、アメリカザリガニ
私がボランティアティーチャーとして参加するのは今年で4回目ですが、今年は昨年と同じエリアを担当できたので、昨年との違いを感じることができました。上流では昨年よりカニや魚等が少なく、下流では極端にコオニヤンマのヤゴが多く捕れました。また、田んぼ脇の水路で初めてクロサンショウウオの幼生が捕獲できました。
今年は、他のエリアも含め、例年に比べて生き物の数が少なく、サイズも小さかったようです。
子供たちは毎年同じ地区(自分が住んでいるところ)を調査しているので、特に年ごとの違いを感じたのではないでしょうか。毎年調査をする醍醐味かもしれません。
行谷小学校は令和8年3月をもって閉校となり新穂小学校と統合されるため、行谷小学校としての水辺の生き物調べは今年が最後になります。この伝統的な行事が今後どうなるかはまだ決まっていませんが、保護者やボランティアティーチャー達からは、引き続き行ってほしいとの意見がありました。
私としても、日ごろトキばかり見ているので、トキがどんな環境で生きているのかを体感でき、またトキの野生復帰の取り組みや長年地域の方々が行ってきた環境づくりについて改めて学ぶことができる貴重な機会でした。そして何より子供たちと一緒に生き物に触れ合う楽しい時間でしたので、今後もこの「水辺の生き物調査」が継続されることを願っています。
今年は、他のエリアも含め、例年に比べて生き物の数が少なく、サイズも小さかったようです。
子供たちは毎年同じ地区(自分が住んでいるところ)を調査しているので、特に年ごとの違いを感じたのではないでしょうか。毎年調査をする醍醐味かもしれません。
行谷小学校は令和8年3月をもって閉校となり新穂小学校と統合されるため、行谷小学校としての水辺の生き物調べは今年が最後になります。この伝統的な行事が今後どうなるかはまだ決まっていませんが、保護者やボランティアティーチャー達からは、引き続き行ってほしいとの意見がありました。
私としても、日ごろトキばかり見ているので、トキがどんな環境で生きているのかを体感でき、またトキの野生復帰の取り組みや長年地域の方々が行ってきた環境づくりについて改めて学ぶことができる貴重な機会でした。そして何より子供たちと一緒に生き物に触れ合う楽しい時間でしたので、今後もこの「水辺の生き物調査」が継続されることを願っています。