段落記号
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¶
段落記号(だんらくきごう)は段落を表す約物であり、「¶」のような形で見られる。 英語では pilcrow (ピルクロウ) または paragraph mark (パラグラフマーク)と呼ばれるほか、alinea (ラテン語:a linea, 「行から離れて」)ともいう。
段落記号は、個別の段落の字下げとしても、長い文書のなかで新しい段落を明示する際にも使われる。後者はエリック・ギル (英語版)の著作An Essay on Typographyに見られる。段落記号は中世では朱書の一種であり、段落を視覚的に分離するのが一般的でなかった頃に一連の考え (英語版)を示すのに使われた。[1] 一般には、段落の区切りを表す目的で、段落の始めあるいは段落の終りのいずれか一方に置かれる。
段落記号はディセンダーラインからアセンダーラインにかかる小文字のqのように描かれることが多い。丸の内側は塗りつぶしてもしなくてもよい。椀型の部分を更に下に伸ばし、Dを反対にしたように描かれることもあって、これは古い印刷でよく見られる。
由来
[編集 ]図形はラテン文字の「C」(「章」を意味するラテン語: capitulumの頭文字)にスラッシュを書いた字形が元になっている。 Paragraphの頭文字ではない。
入力
[編集 ]| 記号 | Unicode | JIS X 0213 | 文字参照 | 名称 |
|---|---|---|---|---|
| ¶ | U+00B6 |
1-2-89 |
¶¶¶ |
段落記号 |
- 各種日本語IME: 「だんらく」など
- 欧文環境向け入力方法
- Mac OS: ⌥ Opt +7
- Vim, in insert mode: ⎈ Ctrl +K PI
- Windows Alt code (英語版): ⎇ Alt +0182 または ⎇ Alt +20 (テンキーで)[2] 。使用する書体によって文字の外観が異なり、場合によっては字体がまったく異なる。
- X Window System、composeキー (英語版)と: Compose, ⇧ Shift+P, ⇧ Shift+P
- LaTeX:
\Pまたは\textpilcrow - 携帯型端末では追加のソフトウェアが必要になる可能性がある(例えばiPadならば Cymbol[3] など)[4] 。
他言語での段落記号
[編集 ]中国語では、文字と同じ大きさで円(○しろまる)を書く。段落記号としてはこの記号は古書に見られる。
タイ語では、U+0E5B ๛ thai character khomutという文字が章や文書の終端を示すのに使われる。
サンスクリット語やその他インド諸語では二本の棒( || )が段落記号を表した。
別の字体
[編集 ]- 標準: U+00B6 ¶ pilcrow sign (182decimal)
- 反転: U+204B ⁋ reversed pilcrow sign (8267decimal)
- 飾り文字: U+2761 ❡ curved stem paragraph sign ornament (10081decimal)
脚注
[編集 ][脚注の使い方]
- ^ Stamp, Jimmy (2013年7月10日). "The Origin of the Pilcrow, aka the Strange Paragraph Symbol". Design Decoded (a Smithsonian blog). 2014年9月24日閲覧。
- ^ "Windows Alt Key Codes". Penn State University (2010年). 2010年12月9日閲覧。
- ^ "Cymbol for iPad". PhoneApp.com (2011年). 2014年9月24日閲覧。
- ^ "iPad Writing Tool". iDevices World – Australia (2011年). 2014年9月24日閲覧。
関連項目
[編集 ]- 節記号( § )
- 短剣符 / ダガー (dagger) ( † )
- 二重短剣符 / ダブルダガー (double dagger) ( ‡ )
- アスタリスク / 星印 (asterisk) ( * )
- ダブルアステ (⁑)
- アステリズム (asterism) (⁂)
- へデラ(フルーロンとも。文章の終わりを示す、あるいはピルクロウと同様、長い一節をいったん区切って段落にするのに使えた[1] 。)
- 出典
- ^ スティーヴン・ウェッブ『記号とシンボルの事典 知ってそうで知らなかった100のはなし』松浦俊輔 訳、青土社、2019年1月26日、63頁。ISBN 978-4-7917-7141-7。