円盤投
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
円盤投(えんばんなげ、英語: discus throw)は、陸上競技の投擲競技に属する種目で、円盤を遠くに投げる能力を競う競技である。
陸上競技における正しい表記は円盤投であるが、学校教育や新聞記事など陸上競技関係者以外が多く関わる場面では円盤投げと表記されることもある。
起源
[編集 ]やり投と同じく、古代オリンピックから種目だったとされる。また、もう一つの起源としてネアンデルタール人のムスティエ文化の中でも円盤型の石が使用されていたことが確認されている。
ルール
[編集 ]2.5メートルの円形の場所(サークル)から投げ、水平面34.92度の角度[1] のライン内に入ったものだけが有効試技(良し)となり、ラインに触れる、またはサークル外(サークルの1.25mにあるライン前)に出る、もしくはラインの後ろからであっても投げた勢いを殺せずそのままサークルから出てしまうと無効試技(ファール)となる。 また、円盤投では落ちた地点にペグ(地面に突き刺し、選手・審判にどこに落ちたかをわからせる道具。数字が書かれている。)を使うこともある(特に高校・中学校の大会で多い)。
重さ
[編集 ]- 一般男子:2キログラム
- 一般女子:1キログラム
- 高校男子:1.75キログラム(旧1.5キログラム)
- 高校女子:1キログラム
- 世界ジュニア規格男子:1.75キログラム
- 中学男子:1.5キログラム(2012年度から1.5キログラムに変更された。それ以前は1キログラムで試技されていた。)
- 中学女子:1キログラム
男子・記録
[編集 ]| 記録 | 距離 | 名前 | 所属 | 日付 | 大会名 |
|---|---|---|---|---|---|
| 世界 | 75m56 | ミコラス・アレクナ | リトアニア | 2025年 4月13日 | オクラホマ・スローシリーズ |
| アジア | 69m32 | エサン・ハダディ | イランの旗 イラン | 2008年 6月3日 | |
| 日本 | 64m48 | 湯上剛輝 | トヨタ自動車 | 2025年 4月28日 | オクラホマ・スロー・チャレンジ |
| 学生 | 60m69 | 幸長慎一 | 四国大学院(M2) | 2021年 5月29日 | 徳島県チャレンジ記録会 |
| Jr日本(1.75kg) | 58m80 | 安藤夢 | 東海大学(2) | 2016年 6月6日 | アジアジュニア |
| Jr日本(2.00kg) | 54m92 | 安藤夢 | 東海大学(2) | 2016年 5月4日 | 東海大競技会 |
| 高校(1.5kg) | 61m53 | 堤雄司 | 北海道札幌拓北高等学校(3) | 2007年 6月22日 | 北海道高校総体 |
| 高校(1.75kg) | 58m38 | 山下航生 | 岐阜市立岐阜商業高等学校(3) | 2018年 10月20日 | U20日本選手権 |
| 中学(1.0kg) | 69m08 | 石山歩 | 福崎町立福崎東中学校(3) | 2011年 7月21日 | 中播地区中学総体 |
| 中学(1.5kg) | 51m49 | 大谷勇翔 | 河南陸上クラブ(3) | 2024年 7月7日 | 大阪府中学通信 |
女子・記録
[編集 ]| 記録 | 距離 | 名前 | 所属 | 日付 | 大会名 |
|---|---|---|---|---|---|
| 世界 | 76m80 | ガブリエレ・ラインシュ | 東ドイツの旗 東ドイツ | 1988年 7月9日 | |
| アジア | 71m68 | 肖艶玲 (中国語版) | 中華人民共和国の旗 中国 | 1992年 3月14日 | |
| 日本 | 60m72 | 郡菜々佳 | サトウ食品新潟アルビレックスランニングクラブ | 2024年 8月3日 | 九州共立大学競技会 |
| 学生 | 59m03 | 郡菜々佳 | 九州共立大学(3) | 2019年 3月23日 | 九州共立大学競技会 |
| Jr日本 | 55m53 | 齋藤真希 | 東京女子体育大学(2) | 2020年 10月25日 | 北九州カーニバル |
| 高校 | 54m00 | 齋藤真希 | 山形県立鶴岡工業高等学校(3) | 2019年 3月29日 | 東海大種目別競技会 |
| 中学 | 44m57 | 齋藤真希 | 庄内町立余目中学校(3) | 2015年 10月10日 | 酒田市秋季記録会 |
男子・世界歴代10傑
[編集 ]| 位 | 距離 | 名前 | 所属 | 日付 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | 75m56 | ミコラス・アレクナ | リトアニア | 2025年 4月13日 |
| 2 | 74m78 | マシュー・デニー | オーストラリアの旗 オーストラリア | 2025年 4月13日 |
| 3 | 74m08 | ユルゲン・シュルト | 東ドイツの旗 東ドイツ | 1986年 6月6日 |
| 4 | 73m88 | ウィルギリウス・アレクナ | リトアニア | 2000年 8月3日 |
| 5 | 73m38 | ゲルド・カンテル | エストニア | 2006年 9月4日 |
| 6 | 72m36 | クリスティアン・チェフ | スロベニアの旗 スロベニア | 2025年 5月31日 |
| 7 | 72m01 | ラルフォード・マリングス | ジャマイカの旗 ジャマイカ | 2025年 8月16日 |
| 8 | 71m86 | ユーリ・ドゥムチェフ | ソビエト連邦の旗 ソビエト連邦 | 1983年 5月29日 |
| ダニエル・スタール (英語版) | スウェーデン | 2019年 6月29日 | ||
| 10 | 71m84 | ピョートル・マラチョフスキ (英語版) | ポーランドの旗 ポーランド | 2013年 6月8日 |
女子・世界歴代10傑
[編集 ]| 位 | 距離 | 名前 | 所属 | 日付 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | 76m80 | ガブリエレ・ラインシュ | 東ドイツの旗 東ドイツ | 1988年 7月9日 |
| 2 | 74m56 | ズデンカ・シルハバ (英語版) | チェコスロバキアの旗 チェコスロバキア | 1984年 8月26日 |
| イルケ・ヴィルダ | 東ドイツの旗 東ドイツ | 1989年 7月23日 | ||
| 4 | 74m08 | ディアナ・ガンスキー | 東ドイツの旗 東ドイツ | 1987年 7月20日 |
| 5 | 73m52 | バラリー・オールマン | アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国 | 2025年 4月15日 |
| 6 | 73m36 | イリーナ・メシンスキ (英語版) | 東ドイツの旗 東ドイツ | 1984年 8月17日 |
| 7 | 73m28 | ガリーナ・サヴィンコワ (英語版) | ソビエト連邦の旗 ソビエト連邦 | 1984年 9月8日 |
| 8 | 73m22 | ツベタンカ・フリストワ | ブルガリアの旗 ブルガリア | 1987年 4月19日 |
| 9 | 73m10 | ギゼラ・バイヤー (英語版) | 東ドイツの旗 東ドイツ | 1984年 7月20日 |
| 10 | 73m09 | ヤイメ・ペレス | キューバ | 2024年 4月13日 |
男子・日本歴代10傑
[編集 ]| 位 | 距離 | 名前 | 所属 | 日付 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | 64m48 | 湯上剛輝 | トヨタ自動車 | 2025年 4月28日 |
| 2 | 62m59 | 堤雄司 | ALSOK群馬 | 2020年 3月27日 |
| 3 | 62m52 | 幸長慎一 | 四国大学職 | 2023年 4月8日 |
| 4 | 60m68 | 藤原孝史朗 | 九州共立大学院 | 2025年 11月1日 |
| 5 | 60m22 | 川崎清貴 | 大昭和製紙 | 1979年 4月22日 |
| 6 | 60m10 | 畑山茂雄 | ゼンリン | 2007年 6月3日 |
| 7 | 59m95 | 北原博企 | 新潟医療福祉大学 | 2024年 6月16日 |
| 8 | 58m53 | 米沢茂友樹 | オリエントコーポレーション | 2017年 6月25日 |
| 9 | 58m36 | 知念豪 | ゼンリン | 2016年 6月26日 |
| 10 | 58m08 | 山崎祐司 | 茨城県立竜ヶ崎第一高等学校教員 | 1986年 4月12日 |
女子・日本歴代10傑
[編集 ]| 位 | 距離 | 名前 | 所属 | 日付 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | 60m72 | 郡菜々佳 | サトウ食品新潟アルビレックスランニングクラブ | 2024年 8月3日 |
| 2 | 58m62 | 室伏由佳 | ミズノ | 2007年 5月13日 |
| 3 | 58m47 | 齋藤真希 | 東海大学大学院 | 2024年 3月30日 |
| 4 | 56m51 | 中西美代子 | ミキハウス | 2000年 10月18日 |
| 5 | 56m08 | 北森郁子 | 奈良県立添上高等学校教員 | 1987年 6月13日 |
| 6 | 55m17 | 山口智子 | 呉市陸協 | 2005年 10月2日 |
| 7 | 54m46 | 辻川美乃利 | 筑波大学大学院 | 2019年 5月1日 |
| 8 | 54m22 | 髙橋亜弓 | 筑波大学大学院 | 2012年 9月12日 |
| 9 | 54m05 | 川口紅音 | 第一学院高等学校教員 | 2022年 3月26日 |
| 10 | 53m67 | 池田理恵 | 福島県立原町高等学校教員 | 2001年 4月22日 |
五輪・世界選手権における日本人入賞者
[編集 ]| 年 | 大会 | 開催国 | 選手名 | 成績 | 記録 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1936 | 第11回オリンピック競技大会(ベルリン) | ナチス・ドイツの旗 ドイツ国 | 中村コウ | 4位 | 38m24 |
| 峰島秀 | 5位 | 37m35 | |||
| 1952 | 第15回オリンピック競技大会(ヘルシンキ) | フィンランド | 吉野トヨ子 | 4位 | 43m81 |
- 現在日本においては、男女ともに選手層の薄い種目の一つであるが、戦前のベルリンオリンピックでは、女子で中村コウが4位、峰島秀が5位と2名の入賞者を出し、ヘルシンキオリンピックでは吉野トヨ子が4位入賞したことがあるかつての日本女子投擲伝統の種目でもある。女子は1928年から日本記録として公認されている[2] 。 男子では、荒木紀一(中央大学)が唯一1964年東京オリンピック代表候補選手に選出されている。
脚注
[編集 ]関連項目
[編集 ]- 陸上競技の世界記録一覧
- 陸上競技のオリンピック記録一覧
- 世界陸上競技選手権大会 大会記録
- ダイヤモンドリーグ
- 陸上競技の日本記録一覧
- 日本陸上競技選手権大会の記録一覧 (男子)
- 日本陸上競技選手権大会の記録一覧 (女子)
- オリンピックの陸上競技・男子メダリスト一覧
- オリンピックの陸上競技・女子メダリスト一覧
外部リンク
[編集 ]ウィキメディア・コモンズには、円盤投 に関連するカテゴリがあります。
- 国際陸上競技連盟(IAAF)
- 日本陸上競技連盟(JAAF)
- マスターズ陸上競技
- 日本陸上競技連盟 ルールブック
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