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やまゆき (練習艦)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
やまゆき
洋上を往く「やまゆき」
基本情報
建造所 日立造船舞鶴工場
運用者  海上自衛隊
艦種 練習艦
級名 しまゆき型練習艦
艦歴
発注 1981年
起工 1983年 2月25日
進水 1984年 7月10日
就役

1985年 12月3日

2016年 4月27日(練習艦に種別変更)
除籍 2020年 3月19日
要目
基準排水量 3,050 トン
満載排水量 4,200 トン
全長 130m
最大幅 13.6m
深さ 8.5m
吃水 4.4m
機関 COGOG方式
主機 川崎ロールス・ロイス オリンパスTM3Bガスタービン ×ばつ 2基
川崎RRタインRM1C ×ばつ 2基
出力 45,000PS
推進 スクリュープロペラ ×ばつ 2軸
速力 29.7ノット
乗員 200名
兵装 62口径76mm単装速射砲 ×ばつ 1門
Mk.15 mod.2 高性能20mm機関砲(CIWS)×ばつ 2基
GMLS-3 シースパロー 短SAM 8連装発射機 ×ばつ 1基
ハープーン SSM 4連装発射筒 ×ばつ 2基
74式C アスロック 8連装発射機 ×ばつ 1基
68式C 3連装短魚雷発射管 ×ばつ 2基
搭載機 HSS-2B/SH-60J ヘリコプター 1機
C4I OYQ-5B-1 目標指示装置
FCS 81式射撃指揮装置2型-21/12A
SFCS-6A-1 水中攻撃指揮装置
レーダー OPS-14B 対空
OPS-18-1 水上
OPS-20 航海用
ソナー OQS-4
OQR-1 曳航式(後日装備)
電子戦
対抗手段
NOLR-6C ESM+OLT-3 ECM+OLR-9C RWR
Mk.137 デコイ発射機 ×ばつ 2基
その他 曳航具3型 対魚雷デコイ
テンプレートを表示

やまゆき(ローマ字:JS Yamayuki, TV-3519DD-129)は、海上自衛隊練習艦はつゆき型護衛艦の8番艦。晩年は練習艦に種別変更され、しまゆき型練習艦の4番艦となった。艦名は「山に降る雪」即ち「山雪」に由来する。なお、艦艇名としては旧海軍通して初の命名である。

この「やまゆき」以降フォークランド紛争の戦訓(英駆逐艦 シェフィールドの戦没)[1] を踏まえ、上部構造物を全鋼化し、抗堪性の向上を図った関係上、排水量は基準で100t、満載で200t、増加している。さらに吃水が0.2m増加し、4.4mとなっている。

フィンスタビライザーについても、当初はイギリスのヴォスパー社製だったが、本艦装備分より三菱重工業でのライセンス生産に移行した[2]

艦歴

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「やまゆき」は、中期業務見積もりに基づく昭和56年度計画2,900トン護衛艦2217号艦として、日立造船舞鶴工場で1983年2月25日に起工され、1984年7月10日に進水、1985年12月3日に就役し、第2護衛隊群に直轄艦として編入されに配備された。

1986年 3月19日、第2護衛隊群隷下に第44護衛隊が新編され、同日付で就役した「まつゆき」とともに編入された。

1987年遠洋練習航海に参加。

1988年環太平洋合同演習 (RIMPAC) に参加。

1989年 7月20日から7月27日まで護衛艦「まつゆき」と共に米海軍ミサイル巡洋艦「スタレット」等との日米士官候補生交歓訓練に参加する。

1991年 6月13日から11月30日まで練習艦「かとり」、護衛艦「はつゆき」と共にヨーロッパ各地を回る遠洋練習航海に参加。

1992年、環太平洋合同演習(RIMPAC) に参加。

1993年10月から定期検査のため、三井造船玉野事業所に入渠。OQR-1 戦術曳航ソナー(TASS)を増備し、1994年3月中旬に完工。

1997年 3月24日、隊番号の改正により第44護衛隊が第2護衛隊に改称。

1998年 3月20日第4護衛隊群第8護衛隊に編入。

2001年 5月18日呉地方隊第22護衛隊に編入。

2008年 3月26日自衛艦隊の大改編により第22護衛隊が第12護衛隊に改称され、護衛艦隊隷下に編成替え。

2011年 3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震による東日本大震災に際し、災害派遣される。

同年3月16日、第11護衛隊に編入され、定係港が呉から横須賀に転籍。

2016年 4月27日、練習艦に種別変更され、艦籍番号がTV-3519に変更。練習艦隊第1練習隊に編入され、定係港が再び呉に転籍。

2019年10月、令和元年度自衛隊観艦式に受閲艦艇部隊第2群として参加するため、横須賀に移動していたが、令和元年東日本台風(台風19号)によって観艦式は中止となった。

2020年 3月19日、除籍[3] 。総航程は801,550.3NM(地球32周相当)[4] 。艦内で使用されていた食器盤操舵輪などは防衛省で初となるせり売りに出品された[5]

歴代艦長

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歴代艦長(特記ない限り2等海佐)
氏名 在任期間 出身校・期 前職 後職 備考
01 高井 仁 1985年12月3日 - 1987年2月27日 防大7期 やまゆき艤装員長 舞鶴地方総監部防衛部
02 葛西信義 1987年2月28日 - 1988年8月31日 防大8期 第1海上訓練指導隊付 大湊地方総監部管理部人事課
03 沢田 明 1988年9月1日 - 1990年3月22日 防大12期 護衛艦隊司令部幕僚 海上自衛隊第1術科学校教官
04 光安 壯 1990年3月23日 - 1992年2月5日 防大14期 なつぐも艦長 呉基地業務隊補充部付
05 佐藤鉄夫 1992年2月6日 - 1993年3月16日 防大15期 プログラム業務隊企画科長 舞鶴地方総監部管理部
06 平岡孝雄 1993年3月17日 - 1994年8月29日 防大18期 海上幕僚監部防衛部運用課 統合幕僚学校入校
07 菊地英夫 1994年8月30日 - 1996年3月21日 防大19期 海上幕僚監部人事教育部人事課 海上自衛隊幹部学校
08 田中常夫 1996年3月22日 - 1997年8月10日 防大18期 ゆうぐも艦長 うみぎり艦長
09 原口一之 1997年8月11日 - 1999年7月11日 第1海上訓練指導隊船務科長 しらせ副長
10 池田德宏 1999年7月12日 - 2000年8月27日 防大25期 統合幕僚会議事務局第5幕僚室 2000年1月1日
1等海佐昇任
11 岩澤 明 2000年8月28日 - 2001年8月9日 防大24期 海上幕僚監部人事教育部教育課 海上幕僚監部調査部調査課
12 水間貴勝 2001年8月10日 - 2002年8月19日 東京商船大院
36期幹候
海上幕僚監部人事教育部厚生課 海上自衛隊幹部学校付
13 南 孝宜 2002年8月20日 - 2003年9月7日 防大29期 第1護衛隊群司令部幕僚 海上幕僚監部防衛部防衛課
14 島村雄司 2003年9月8日 - 2004年9月8日 防大29期 こんごう副長 海上幕僚監部防衛部装備体系課
15 小山敏彦 2004年9月9日 - 2005年9月29日 防大23期 自衛艦隊司令部幕僚
16 吉川尚徳 2005年9月30日 - 2006年9月7日 防大32期 練習艦隊司令部幕僚 海上幕僚監部指揮通信情報部情報課
17 森田哲哉 2006年9月8日 - 2007年8月19日 防大31期 かしま副長 まきなみ艦長
18 新田 洋 2007年8月20日 - 2008年7月30日 防大36期 おおなみ船務長 兼 副長
19 中村譲介 2008年7月31日 - 2009年8月19日 防大34期 第2護衛隊群司令部幕僚 海上自衛隊幹部学校付 2009年7月1日
1等海佐昇任
20 塩崎浩之 2009年8月20日 - 2010年8月29日 防大36期 第4護衛隊群司令部幕僚 海上幕僚監部防衛部装備体系課
21 能勢 毅 2010年8月30日 - 2011年7月25日 むろと副長 海上幕僚監部総務部総務課
22 稲葉洋介 2011年7月26日 - 2012年8月6日 防大38期 みょうこう船務長兼副長 海上自衛隊東京業務隊
23 小城尚徳 2012年8月7日 - 2013年7月31日 防大38期 さみだれ船務長兼副長 保全監査隊副長
24 後藤正寛 2013年8月1日 - 2014年8月4日 防大39期 あしがら砲雷長 自衛艦隊司令部
25 川野邦彦 2014年8月5日 - 2015年7月29日 防大40期 指揮通信開発隊 海上自衛隊幹部学校付
26 阿部周一 2015年7月30日 - 2016年8月3日 防大40期 海上幕僚監部総務部総務課 海上自衛隊第1術科学校
27 川﨑純一 2016年8月4日 - 2017年8月3日 自衛艦隊司令部 保全監査隊通信保全科長
28 手塚真理子 2017年8月4日 - 2018年8月9日 防大42期 あさぎり船務長 海上自衛隊幹部学校付 女性艦長
29 鳥羽弘太郎 2018年8月10日 - 2020年3月19日 佐世保海上訓練指導隊船務航海科長 自衛艦隊司令部幕僚 2019年1月1日
2等海佐昇任

ギャラリー

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脚注

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  1. ^ アルミニウム合金を構造材に用いる事の問題点は、1975年のアメリカ巡洋艦 ベルナップの衝突火災事故で明らかになっていたが、建造費低減が優先された。
  2. ^ 香田 2015, pp. 188–207.
  3. ^ "練習艦「やまゆき」が退役 広島 NEWS WEB". NHK NEWS WEB (2020年3月19日). 2020年3月20日閲覧。
  4. ^ 海上自衛隊公式Twitter
  5. ^ "防衛装備庁 : せり売りトップページ". www.mod.go.jp. 2020年9月6日閲覧。

参考文献

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  • 石橋孝夫『海上自衛隊全艦船 1952-2002』(並木書房、2002年)
  • 世界の艦船 増刊第66集 海上自衛隊全艦艇史』(海人社、2004年)
  • 『世界の艦船 第750集』海人社、2011年11月号
  • 香田, 洋二「国産護衛艦建造の歩み」『世界の艦船』第827号、海人社、2015年12月、NAID 40020655404 

関連項目

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  • 亜里沙 - 『MAMOR』2014年7月号にて本艦(当時は護衛艦)を訪問し、グラビア撮影を行った。

外部リンク

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ウィキメディア・コモンズには、護衛艦やまゆき に関連するカテゴリがあります。

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