フットプリント計算では、ある地点に到達した粒子が地上付近のどの領域にどのくらい滞留していたかと、ある地点を起点に放出された粒子がどう拡散されたかの2種類の分布を、任意の複数の日時・場所について計算できます。
図1は、波照間に到達した大気塊がその風上側で滞留してきた地上付近の領域分布を、1°×1° グリッドセルの中のラグランジュ粒子の平均滞留時間として示したものです。地表付近に排出吸収源を持つ大気成分について、その地表フラックス分布と、このフットプリント分布を掛け合わせることで、波照間で観測された大気塊中の目的成分への地表フラックスの寄与度合を見積もることができます。
また動画1は、福島県沿岸から放出された粒子が10日後にどのように分布しているかを、3時間毎に計算した結果です。
フットプリントの計算には、オープンソースの FLEXPART (FLEXible PARTicle dispersion model) をベースに国立環境研究所(NIES) 地球システム領域(ESD) 地球環境研究センター(CGER)が開発したラグランジュ粒子散布プログラム FLEXCPP (Zeng, et al., 2013 ) を使用しています。
波照間および落石岬から10000個のラグランジュ粒子を散布したときの10日間の後方流跡線に対応するフットプリントを1990年以降計算し、提供しています。
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