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インドネシア:190件の鉱業許可停止に疑念の声

掲載日:2025年10月10日

2025年10月2日付地元報道によると、エネルギー・鉱物資源省(ESDM)は2025年9月18日付で、20州にまたがる190社の鉱業事業許可(IUP)を一時停止することを決定した(文書番号:T-1533/MB.07/DJB.T/2025)。ESDMは該当企業に対し「復旧計画書」の確定申請を速やかに提出するよう要請しており、通知の受領および復旧保証金の納付を以て停止措置が解除される。また処分期間中もIUP保持者には鉱山の維持管理・監視義務が課される。停止対象の190社のうち、66%が5州に集中、石炭関連は東カリマンタンと中央カリマンタン、ニッケル関連は南東スラウェシおよび中央スラウェシ、錫関連はバンカ・ブリトゥン(Babel)に多い。また業種別では、石炭関連が90社と最も多い。
今回の措置に対し地元では疑念の声があがっており、南東スラウェシの北コナウェ(North Konawe)の地元団体は、この停止措置にいくつかの不自然な点があると指摘している。失効したIUPの多くは長期間休眠状態にある企業のものである一方、環境復旧義務に違反している疑いのある操業中の企業が制裁を免れているという。鉱業擁護ネットワーク(Jatam)はまた、「この措置は見せかけに過ぎず、環境破壊や地域紛争の根本的な解決にはつながらない」と批判している。多くの旧鉱山は依然として破壊された村々に巨大な穴を残しており、復旧の約束は果たされていないという。

同研究員は、環境破壊、水質汚染、健康被害、農地紛争など、地域社会への悪影響が深刻化していることを踏まえ、政府は生産を一時停止するモラトリアムを導入すべきだと主張している。
なお中部スラウェシ州モロワリのインドネシア・モロワリ工業団地(IMIP)の労働組合代表も、「政府はIUPの規制を拙速に進めるべきではなく、まず労働者の状況と条件を適切に評価する必要がある」と訴えた。

(ジャカルタ事務所)

おことわり:本レポートの内容は、必ずしも独立行政法人エネルギー・金属鉱物資源機構としての見解を示すものではありません。正確な情報をお届けするよう最大限の努力を行ってはおりますが、本レポートの内容に誤りのある可能性もあります。本レポートに基づきとられた行動の帰結につき、独立行政法人エネルギー・金属鉱物資源機構及びレポート執筆者は何らの責めを負いかねます。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、独立行政法人エネルギー・金属鉱物資源機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。

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