インドネシア:インドネシア政府、石炭と金に対し輸出関税を課すことを検討
掲載日:2025年7月18日
2025年7月10日付地元報道によると、政府は現在、国家収入を目的として、石炭と金に輸出関税(BK)を課すことを検討している。しかしこの動きは、需要が低迷する中で、石炭事業者からの反対を招いている。
この計画は、2026年国家予算(RAPBN)草案の作業委員会における議論を通じて、財務省とインドネシア下院(DPR RI)第11委員会の議論の中で取り上げられた。石炭は2006年以降、輸出関税の対象外であり、現在はロイヤルティ料率のみが適用され、非課税国家収入(PNBP)に分類されている。DPRの提案を受け、財務省の経済財政戦略局長は、エネルギー鉱物資源省(ESDM)と協議する方針を示した。一方、ESDMは、石炭市場が低迷している現状では、輸出関税導入は国内石炭産業を圧迫する可能性があり、慎重な検討が必要だとしている。インドネシアの主要輸出市場である中国において、石炭需要は減少傾向にあり、2025年4月の中国の石炭輸入は前年同月比で20%(1,428万トン)減少している。これは、中国における国内在庫の増加と自国産石炭の生産拡大の影響によるものである。
インドネシア技術者協会(BK Tambang PII)鉱業技術職業委員会会長は、中国の石炭需要の低迷が石炭価格の下落を引き起こしていると指摘し、石炭価格と需要が共に低迷している中で輸出関税を課す政策は、石炭業界にさらなる圧力を与えるものだとして、政府に対し本政策の再考を要望している。特にロイヤルティ率が28%と既に高い水準であることから、これ以上の負担増は事業継続を困難にするとしている。
一方、DPR第11委員会委員長は、国家歳入見直しの一環として、関税・物品税の上限をGDP比1.3%に変更しており、この変更には輸出関税導入も含まれていると説明している。関税率の設定については、ESDMが価格を検討しつつ提案を行い、最終的には財務省が決定する仕組みだとしている。
インドネシア石炭業界は、政府に対して、業界への影響を考慮した慎重な政策決定を求めており、事業の持続可能性と国家歳入の両立、中小企業への優遇措置、DMO達成企業や下流事業への貢献企業に対する税控除、また、エネルギー転換や環境政策の明確化を要望している。
地元報道では、ESDM副大臣が「石炭に輸出関税を課す計画は現時点で具体化したものではない」と明言している。国際的な石炭需要が低迷し、価格が下落傾向にある中で輸出関税を課せば、国内業界に悪影響を及ぼすため、現実的でないとの認識を示した。また、DPR第11委員会、財務相、中央銀行総裁、国家開発企画庁長官、金融監督庁長官は、7月7日の作業部会で、2026年から石炭を輸出関税の課税対象に加えることで合意したと報じられている。DPR第11委員会副委員長は、「石炭の輸出関税率はESDMが財務省に提案し、財務相令として公布される」と説明しているが、ESDMは「財務省に提案する関税率を準備する予定はまだない」としており、政府内で情報が錯綜している。インドネシア鉱物・エネルギー・フォーラム(IMEF)会長は、「石炭の国際価格は下落傾向にあり、現在は輸出関税を導入するのに適切な時期ではない」として、政策の見直しを求めている。
この計画は、2026年国家予算(RAPBN)草案の作業委員会における議論を通じて、財務省とインドネシア下院(DPR RI)第11委員会の議論の中で取り上げられた。石炭は2006年以降、輸出関税の対象外であり、現在はロイヤルティ料率のみが適用され、非課税国家収入(PNBP)に分類されている。DPRの提案を受け、財務省の経済財政戦略局長は、エネルギー鉱物資源省(ESDM)と協議する方針を示した。一方、ESDMは、石炭市場が低迷している現状では、輸出関税導入は国内石炭産業を圧迫する可能性があり、慎重な検討が必要だとしている。インドネシアの主要輸出市場である中国において、石炭需要は減少傾向にあり、2025年4月の中国の石炭輸入は前年同月比で20%(1,428万トン)減少している。これは、中国における国内在庫の増加と自国産石炭の生産拡大の影響によるものである。
インドネシア技術者協会(BK Tambang PII)鉱業技術職業委員会会長は、中国の石炭需要の低迷が石炭価格の下落を引き起こしていると指摘し、石炭価格と需要が共に低迷している中で輸出関税を課す政策は、石炭業界にさらなる圧力を与えるものだとして、政府に対し本政策の再考を要望している。特にロイヤルティ率が28%と既に高い水準であることから、これ以上の負担増は事業継続を困難にするとしている。
一方、DPR第11委員会委員長は、国家歳入見直しの一環として、関税・物品税の上限をGDP比1.3%に変更しており、この変更には輸出関税導入も含まれていると説明している。関税率の設定については、ESDMが価格を検討しつつ提案を行い、最終的には財務省が決定する仕組みだとしている。
インドネシア石炭業界は、政府に対して、業界への影響を考慮した慎重な政策決定を求めており、事業の持続可能性と国家歳入の両立、中小企業への優遇措置、DMO達成企業や下流事業への貢献企業に対する税控除、また、エネルギー転換や環境政策の明確化を要望している。
地元報道では、ESDM副大臣が「石炭に輸出関税を課す計画は現時点で具体化したものではない」と明言している。国際的な石炭需要が低迷し、価格が下落傾向にある中で輸出関税を課せば、国内業界に悪影響を及ぼすため、現実的でないとの認識を示した。また、DPR第11委員会、財務相、中央銀行総裁、国家開発企画庁長官、金融監督庁長官は、7月7日の作業部会で、2026年から石炭を輸出関税の課税対象に加えることで合意したと報じられている。DPR第11委員会副委員長は、「石炭の輸出関税率はESDMが財務省に提案し、財務相令として公布される」と説明しているが、ESDMは「財務省に提案する関税率を準備する予定はまだない」としており、政府内で情報が錯綜している。インドネシア鉱物・エネルギー・フォーラム(IMEF)会長は、「石炭の国際価格は下落傾向にあり、現在は輸出関税を導入するのに適切な時期ではない」として、政策の見直しを求めている。
(ジャカルタ事務所)
おことわり:本レポートの内容は、必ずしも独立行政法人エネルギー・金属鉱物資源機構としての見解を示すものではありません。正確な情報をお届けするよう最大限の努力を行ってはおりますが、本レポートの内容に誤りのある可能性もあります。本レポートに基づきとられた行動の帰結につき、独立行政法人エネルギー・金属鉱物資源機構及びレポート執筆者は何らの責めを負いかねます。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、独立行政法人エネルギー・金属鉱物資源機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。