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台湾:台湾の最後の原子力発電所が永久閉鎖へ

掲載日:2025年5月23日

地元メディアによると、台湾電力は、同国で唯一稼働していた馬鞍山原子力発電所2号機(PWR、95万1,000KW)を永久閉鎖した。同機は、40年間の運転期限を満了したことから、5月17日に安全に停止された。今後、廃止措置を開始する。

近年、台湾電力は原子力発電所順次廃止と老朽化した石炭火力発電所の廃止に向けて取り組みを実施してきた。発電量削減に対応するため、2017年より既存の発電所の更新、改造に着手、再生可能エネルギーと揚水発電、エネルギー貯蔵などを推進し、安定した電力供給を継続しながら、CO2削減を目指している。

2025年の脱原子力政策の達成に向けて、台湾の経済部が掲げる電力別発電構成は、ガス火力を50%、石炭火力を30%、再生可能エネルギーを20%、原子力をゼロとするものである。

2024年の発電構成は、ガス火力が47.2%、石炭火力が31.1%、再生可能エネルギーが11.9%、揚水発電が1.2%、原子力が4.7%となっており、ガス火力の比率が年々上昇している。当面は、再生可能エネルギーの普及を継続し、石炭火力からガス火力へのエネルギー転換を進める方針。2050年には総発電量に占め再生可能エネルギー割合を60〜70%に引き上げ、エネルギー輸入依存度を50%以下に減少させる方針である。

但し、台湾ではたびたび大停電が発生していることもあり、「将来的には、原子力発電の先進炉にも門戸を開いているが、政策変更は、原子力安全、放射能廃棄物問題の解決、社会的コンセンサスの3つの重要な前提条件を満たす必要がある」とし、新たな原子力技術の導入の可能性についても示唆している。

(石炭開発部 中塚 英信)

おことわり:本レポートの内容は、必ずしも独立行政法人エネルギー・金属鉱物資源機構としての見解を示すものではありません。正確な情報をお届けするよう最大限の努力を行ってはおりますが、本レポートの内容に誤りのある可能性もあります。本レポートに基づきとられた行動の帰結につき、独立行政法人エネルギー・金属鉱物資源機構及びレポート執筆者は何らの責めを負いかねます。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、独立行政法人エネルギー・金属鉱物資源機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。

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