<中野サンプラザなど大規模な再開発計画が軒並み中止に追い込まれている背景には、インフレによる工費の高騰だけではない根源的な理由がある> 不動産価格が高騰するなか、大規模な再開発が軒並み中止に追い込まれている。主な要因は資材価格の上昇や人手不足とされているが、根本的には大規模緩和策を起点としたマネー主導の不動産市場が飽和したことにある。 長らく東京・中野のランドマークとして親しまれてきた中野サンプラザが解体され、再開発が行われるというニュースは多くの人を驚かせた。だが、その話題から約2年後の25年3月、中野区は再開発について断念する方針を固めたと報道されている。 インフレによって工費が当初の2倍近くの約3500億円に膨れ上がることが明らかとなり、事業者が都への施行認可申請を取り下げるという異例の事態となった。実はこうした問題は中野だけに限定されたものではなく、全国各地で大規模な再開発の見直し