知事定例記者会見
■しかく日時 令和7年10月14日(火曜日)10時00分〜10時15分
■しかく会場 応接室
【質問事項】
1 公明党の連立離脱について
2 知事就任三期目残り1年について
3 阿武隈川の遊水地の完成が5年遅れることについて
4 クマ出没への注意喚起について
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【質問事項】
【記者】
公明党の連立離脱についてお尋ねします。
公明党が自民党との連立政権からの離脱を表明しました。
物価高などの課題が山積しており、本県にとっては、来年度から第3期復興・創生期間を控えるところですが、そうした中で国政のこの混沌とした状況を、知事はどのように御覧になっているのか、お聞かせください。
【知事】
先週、公明党の斉藤鉄夫代表が、自公連立政権から離脱する方針を示されました。
先行きの不透明感が現在増しております。
いずれにしても、次の総理には日本全体が抱える困難な課題の解決に向け、強い決意を持って取り組んでいただくことを期待しております。
あわせて、「福島の復興なくして日本の再生なし」との思いをしっかりと引き継ぎ、福島の復興に真摯に取り組んでいただきたいと考えております。
【記者】
公明党の連立離脱に関してですが、四半世紀近く連立が続いてきて、地方でも自民党と公明党の連立を中心に政治が回ってきたところもあると思います。離脱することによって、地方への影響について知事はどう受け止めているかお伺いします。
【知事】
まず、26年前だったかと思いますが、自民党と自由党の連立政権の時代から、自民党、自由党、公明党政権へと移り変わったとき、私は、霞ヶ関で課長補佐をしておりました。
当時、法案等も抱えておりましたので、政府の意思決定が新しい体制によって行われるようになると実感したことを覚えております。
その後、四半世紀余りにわたって、いわゆる自公政権が、途中の民主党政権時代を除いて、続いているわけでありますが、この間、国政や、地方の行政にとっても非常に大きな役割を果たしていただいたと評価しております。
また、特に公明党の皆さんにおかれましては、2011年3月の東日本大震災・原子力災害以降、まさに「被災地に寄り添う」というメッセージを、態度で示していただきました。
私自身、この14年半余り、副知事、知事として、幾度も公明党の国会議員の皆さん方と実際に現場でお会いして意見交換したことが、非常に強く印象に残っておりますし、政府においても、各省庁の大臣、副大臣、政務官等の立場から、公明党の方々にしっかりと守っていただきました。また、国会議員を引退された後も福島県で居住し、復興のために力を尽くしていただいている方もおられます。
こういった形での自公連立が、一つ終焉を迎えたということをまず感じているところであります。
今後、どういった形になるかはまだ見えないのが現実であります。
ただ、いずれ国会において新しい総理大臣が決定され、新政権が発足することになります。
私は福島県知事として、新たな政権とも信頼関係を構築し、言うべきことを言い、また、力を合わせながら、福島の復興と創生に責任を持って取り組んでいただけるよう、先頭に立って臨んでまいります。
【記者】
知事御自身のことですが、先週「励ます会」が開かれました。
御挨拶に立たれた方々からは、知事の県政運営について評価する声が多数聞かれたと思いますが、知事自身どのように受け止めましたか。
また、間もなく任期が残り1年になりますが、改めて県政に対するお考えをお聞かせください。
【知事】
先日の会合において、私に対する叱咤激励の声を様々頂いており、真摯に受け止めております。
三期目となる知事就任から来月で残り1年となります。
三期目においても、就任以来掲げてきた「現場主義」の理念の下、県内各地に足を運び、復興や地方創生に向けて懸命に挑戦を続けておられる多くの方々から様々な声を伺い、それらを県政に反映させる努力を続けてきました。
この間、避難地域においては、県内6町村に設定された特定復興再生拠点区域における避難指示が解除され、新たに特定帰還居住区域も設けられるなど、帰還困難区域全体の避難指示解除に向けた大切な一歩を踏み出しております。
また、大熊町や双葉町などにおいて、商業施設等の整備が進み、住民の皆さんの利便性も大きく向上するなど、本県の復興は着実に前進しています。
さらに、県全体で見ても、昨年度は県産農産物の輸出量が過去最高を更新し、移住者数や観光客入込数も過去最多を記録するなど、これまでの挑戦の成果が目に見える形となって現れてきております。
一方で、今もなお、原子力災害に伴う困難な課題が山積しており、復興の進捗に伴って生じる新たな課題やニーズにも的確に対応していく必要があるなど、福島の復興に向けては、これからも長く厳しい戦いが続きます。
加えて、急激に進む人口減少や、頻発化、激甚化する自然災害への対応などについても、粘り強く進めていく必要があります。
引き続き、県民の皆さんお一人お一人が復興を実感し、未来に夢や希望を持っていただけるよう、本県に思いを寄せてくださる多くの方々と手を携えながら、全力で挑戦を続けてまいります。
【記者】
まだ1年前ということなので、次への対応というか、進退のお考えについては、特に今のところないという理解でよろしいでしょうか。
【知事】
今申し上げさせていただいたとおりであります。
【記者】
東日本台風から6年が経過しました。県内では河川の整備や防災力強化の取組がだいぶ進んできているかと思いますが、先日、国から阿武隈川の遊水地の完成が5年遅れるという発表がありました。
財政的な理由が一番大きいことだと思いますが、営農する地権者の方にとっても、再開が遅れることによる影響が出るのではと感じています。知事として、5年遅れるということについてどのように受け止めているか伺います。
【知事】
令和元年東日本台風から6年という歳月が経過しました。
非常に甚大な被害に広域的に見舞われ、そこからの復旧復興のために、今、力を入れているところであります。
特にその中でも、今、国の施策として阿武隈川の新しい遊水地の整備に取り組んでおられ、県と、このプロジェクトに直接関わる三つの自治体も一緒になって取り組んでおります。
この遊水地ができることによって、上流、中流、下流、阿武隈川の水系全体における大きな減災、防災につながるものと期待しております。
一方で、今お話を頂いたとおり、様々な要因もあり、工期が遅れるというお話を聞いております。
まず、この阿武隈川遊水地について、できる限り早期に整備ができるよう、国、関係自治体等と力を合わせながら、福島県として力を尽くしてまいります。
あわせて、線状降水帯を始め、大雨災害、台風災害は、いつどこで起きるか分からない厳しい状況にありますので、特に、河川の浚渫(しゅんせつ)や治水対策に福島県としても力を入れているところであります。
県内の各市町村長さんと意見交換をしておりますが、河川の浚渫を積極的に行っていることに対して非常に高く評価していただいているところであります。
今後とも、県として優先順位をしっかり付けながら、まず、当面できる、この河川の浚渫や、治水対策をできる限り行うとともに、先ほど言った大プロジェクトである阿武隈川遊水地(の整備)に並行して取り組むことで、県民の皆さんの防災、減災対策に積極的に取り組んでいきたいと考えております。
【記者】
昨夜、飯坂温泉にクマが出没するなど、秋に向けてイベントがたくさんある中で、県内においてもクマによる被害が発生し、数も増えておりますが、県として、自治体と連携した新たな取組などのお考えはあるか、また、現状として、どのようなところを課題として認識されているか伺えればと思います。
【知事】
先週、クマによる人身被害が3件発生しました。まず、ケガをされた方に心からお見舞いを申し上げます。
また、昨晩は福島市飯坂町の宿泊施設の立体駐車場にクマが侵入し、立てこもったという事案も発生しております。
県では現在、中通り地域と会津地域を対象に「ツキノワグマ出没警報」を、浜通り地域を対象に、「ツキノワグマ出没注意報」を発令し、注意喚起を行っているところであります。
県民の皆さんにおかれては、クマの出没が過去最多であることや、人里への出没が増えていることを踏まえ、クマの目撃情報等がある場所には近づかないようにするなど、引き続きクマに出会わないよう十分注意していただきたいと考えております。
また、改正鳥獣保護法が9月1日に施行され、市町村長の判断により、市街地において緊急的に、銃器を使用した捕獲等が可能となりました。
先週、福島市において国主催の緊急銃猟現地研修会が開催され、県、市町村及び警察の関係職員が参加し、制度説明や河川敷での実地訓練が行われました。
県としては、緊急時に市町村等が円滑に対応できるよう、対応研修を開催するとともに、市町村から緊急銃猟実施時に応援要請があった場合には、必要な支援を行うなど、市町村の取組を支援してまいります。
また、市町村等からは、制度運用に関する疑問や不安の声もあります。このため、引き続き、市町村等の意向を丁寧に伺いながら、必要な対策を国に求めてまいります。
(終了)
【質問事項】
3 阿武隈川の遊水地の完成が5年遅れることについて
(遊水地)
→土木部土木企画課 電話024-521-7890
(治水対策)
→土木部河川整備課 電話024-521-7644
4 クマ出没への注意喚起について
→生活環境部自然保護課 電話024-521-7740