福島県の栽培漁業
掲載日:2024年5月24日更新
栽培漁業
人が陸上の池などで魚や貝の稚魚(稚貝)を育てて、海などに放流し、魚を増やしながら獲る漁業をつくり育てる漁業あるいは栽培漁業と呼んでいます。
福島県でつくり育てる漁業を行っているものは、サケ、ヒラメ、アワビ、ウニがあります。福島県の川に戻ってくるサケのほとんどは、放流
された稚魚が育ったものです。また、ヒラメは、全長10cmサイズ100万尾放流という、大規模な放流事業が行われています。アワビやウニも稚貝の放流なし
では漁業が成り立ちません。そして、高級魚のホシガレイは、現在は研究段階ですが、今後のつくり育てる漁業の対象として期待されています。
海の生き物は限りある資源です。無秩序に獲るだけでは減ってしまう一方です。稚魚を放流したり、獲れた魚でも小さいものは逃がしてあげるなど、人間が
保護をしながら利用していくことが大切です。
ヒラメ種苗の運搬風景
ヒラメの放流風景
アワビ稚貝の写真
ヒラメの種苗
ヒラメの放流
アワビの稚貝
関連機関
表1 関連する機関 機関名
業務内容
水産海洋研究センター
(漁場環境部) 稚魚の放流方法等の研究を行っています。
(漁場環境部) 稚魚の放流方法等の研究を行っています。
水産資源研究所
(種苗研究部) 稚魚を生産するための基礎研究を行っています。
(種苗研究部) 稚魚を生産するための基礎研究を行っています。
財団法人福島県栽培漁業協会
稚魚の生産業務を行っています。
福島県の主な種苗放流状況
表2 栽培漁業放流状況の推移
アワビ
ウニ
ヒラメ
ホシガレイ
平成15年
598
271
439
71
平成16年
611
250
1,120
53
平成17年
617
200
1,056
53
平成18年
633
180
1,040
71
平成19年
596
161
1,040
28
平成20年
512
181
1,040
23
平成21年
527
136
1,022
26
平成22年
447
166
1,030
58
平成23年
-
-
-
-
平成24年
-
-
100
-
平成25年
50
-
100
-
平成26年
50
-
100
8
平成27年
63
-
100
15
平成28年
56
-
100
3
平成29年
50
-
100
15
平成30年
62
-
100
195
令和元年
50
-
1,130
242
令和2年
62
-
1,254
180
令和3年
73
-
1,324
80
令和4年
70
-
1,129
20
令和5年
153
-
1,035
50
※(注記)単位は千個もしくは千尾
福島県における栽培漁業の歴史
表3 栽培漁業の歴史
沿革
昭和44〜45年度
種苗センター 施設整備
昭和47年度〜
種苗センターによるアワビ種苗放流開始
供給量は最大で254,500個
供給量は最大で254,500個
昭和57年度
栽培センター 施設整備
昭和58年度〜
栽培センターによるアワビ・ウニ種苗供給開始
生産能力各100万個
生産能力各100万個
平成8年度〜
ヒラメ栽培漁業振興施設によるヒラメ種苗供給開始
供給量100万尾
供給量100万尾
平成22年度
東日本大震災による被災(平成23年3月)
平成23年度〜
国立研究開発法人水産研究・教育機構(旧水産総合研究センター)増養殖研究所及び、
公益財団法人新潟県水産振興協会の施設を用いて、アワビとヒラメの種苗生産を再開(平成24年3月〜)
平成30年度〜
福島県水産資源研究所(相馬市)においてアワビ種苗供給開始(平成30年10月〜)
平成31年度〜
同施設においてヒラメ種苗供給開始(平成31年4月〜)